うざいジジイと異世界に行くという謎の苦行   作:お爺ちゃん作家

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感想等、何か描いて頂ければ幸いです。



第2話『SSR=ダブルスーパーレアってなんかダサくね?』

 

 

 

 

 エレベーターで一気に下に降りている時。高いところからジャンプした時。ジェットコースターでFooooh!! ってなってる時。

 そういう感覚。

 つまり何が言いたいかと言うと、臓器が

 

「臓器がFooooh!! ってなっとるって?」

「いやそれグチャグチャになってんじゃねぇかっ!!」

 

 ツッコミと共に目が覚めた。

 急に床が抜けて、臓器がFooooh!! もとい、フワッとした感覚の中、ツッコミと共に目が覚めたら、なんか野原だった。意味がわからん。

 

 

 

「付け加えると木陰じゃな。 涼Siiiih!!」

「お前それ気に入ったの!? あと心読むのやめてくんないっ!?」

「ダメ……かのぅ?」

 

「うん、普通にね。後上目遣いしないで?」

「舌舐めずりしないで?」

「いやしねぇよ!! 誰がジジイの上目遣いで舌舐めずりするんだよ気持ち悪いわ!」

 

 

 

 付け加えるとジジイが居たわ。マジで誰得だよ。

 

 

 

***

 

 

 

「お前それマジで言ってんの?」

「マジだYooooh!!」

「…………」

 

 信じられないこと言ってもいいかな。いや正直、この問いを問いかけた時点で、どう答えられても結局言うんだけど。

 

 

 

 このジジイ、どうやら()()らしい。いやマジで。

 

 

 

 俺だってこんなふざけた野郎が神様だなんて信じたくはない。でもそれを信じないと今迄の事が説明できない。

 

 つーか神様に楯突いて大丈夫だったのか? 御無礼を働いて申し訳ございませんでしたとか謝るべきか?

 

「謝罪はいらないYooooh!!」

 

 もう絶対謝らないと決めた。てか読むなって言ったのにまた心読んだし、寧ろお前が謝罪しろ。

 

 

 

 んでもって。

 どうやら神様(じいさん)によると、ここは異世界。しかも魔法とか亜人とかドラゴンとかその他諸々が普通に存在するらしい。なんで? とか聞かないでください、マジで俺にも分からないんです。

 

 

 

「ところで瀬口海斗(せぐちかいと)くん17才、君は転生特典でステータスとかチーター並みにしといたからの、そこんとこよろしくじゃ」

「ふ、ふーん。そうなんだぁ……ふーんなるほど」

 

 

 

 名前とか年齢を知っているのは驚かない。だって神様だもん。

 

 つーか、つーかそれよりさぁ、ステータスがなんだって? え、チーター? チーターとかもう、チータとかよお……もうホントそういうのはさあー、

 

 

 

「マジで!? 超嬉しいんですけどぉ!!」

「そんなに瞬足になりたかったのか?」

「お前それガチのチーターじゃねえか! ネコ科のやつじゃねえか!! 普通チーターって言ったらチート級ってことだろうが」

「いや、ちょっと何言ってるか分からんのぅ」

「えぇ…………」

 

 

 

 足が速いのも確かに良いけどさ、異世界だし結局チーターより速いやついっぱいいるんじゃないの? 瞬間移動するやつとか居たら手も足も出ないし。

 

 

 

「え、つーか、今“転生”特典って言ったけど、俺って死んだのっ!?」

 

 

 

 

 それは、異質な中での普通の質問だった。〝転生〟だなんて、そんなことを言われれば、誰だって思いつく。心に引っかかる、そういう質問。

 

 誰だって死にたくはないし、そもそも俺には死んだ理由も覚えもない。まだ17歳だし、良い家族だっていたし、いじめを受けていたわけでもないし、友達も多くはないけどちゃんと居たんだ。

 

 だから死んだのなら実感はないけど、人並みには悲しいと思う。残された家族や友人にはもう会えないし、なんというか、申し訳ない。原因が事故にせよ病気にせよ災害にせよ、俺はその事実を受け止めなければならない。

 

 

 

 ーーだから。

 だから続く爺さんの言葉を聞いて、俺は戦慄した。

 

 

 

「おう。お前さんはワシが殺した」

 

 

 

 爺さんは今迄のおちゃらけた雰囲気を取り払い、いたって真面目な顔でそう言った。

 

 

 

「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ぇ?」

 

 

 

 あれ、冗談ですとか、そういうのなしで? マジでこの爺さんが、神様が俺を殺したの?

 その言葉を聞いて、急に周囲の温度が低くなった気がした。頭の中を無理解が支配していく。

 

 

 

「なんで、なんで俺を殺したんだよ」

「…………」

「答えろよ……おかしいだろそんなの。どうして神様がそんなことするんだよ。俺が何か悪いことでもしたのかよ。ネタじゃ済ませられねぇぞ」

 

 

 

 確かに神様には生殺与奪の権利があるのかもしれない。でも、じゃあ俺の意思は? 受け止めろっていうのか? そんなの無理だ。出来るはずがない。

 

 

 ーーなら。

 

 

「なら、ワシを殺すか?」

「は、お前何言って?」

「ワシが憎いじゃろう? 海斗、お前さんにはワシの……神の力を殆ど譲渡しておる。殺そうと思えばいつでも殺れるぞ? 嘘だと思うなら試してみるか?」

 

 

 

 そんな、めちゃくちゃだ。勝手に殺されて、今度は殺してみるか? だと。誰かを殺せる奴なんて、ロクなものじゃない。

 

 こんなふざけた野郎が神さまだなんて、俺が信仰してたら絶望の二文字だぞ。

 

 その場で固まる俺に、爺さんはそこら辺に落ちていた小石を渡す。

 

「ほれ、試しにこれを親指で弾いてみるんじゃ」

「…………」

 

 俺は言われるままに小石を拳に乗せ、コイントスの要領で弾いた。

 

 

 

「な、え?」

 

 

 

 そこまで強く弾いた訳じゃない。しかし弾いた瞬間に分かった。通常ありえない金切り音と、空気の流れ。弾かれた石は一瞬にして目視出来る範囲から消える。

 

 そう、“通常であれば”、だ。

 

 俺はその一瞬で消えたはずの石を、()()()()()()()。ゆったりと流れる雲をかき分け、余波で吹き飛ばし、大気圏を抜けて力を失うその瞬間までをだ。

 

「あ、ありえねぇだろこれ……」

 

 生まれた風で揺れていた木がようやく落ち着いた時、俺の目の前に爺さんがいた。

 

「取り敢えず案内役が必要じゃな。海斗、念じながら指を鳴らしてみぃ」

 

 なんで神さまなのに案内役が必要なんだとか、俺を殺した理由とか、聞きたいことは山程ある。いきなり殺してみるか? なんて聴いてくるのは理不尽だと思うし、実感がないから正直憎しみもはっきりとした輪郭を帯びない。そして1番は、どうして自分がこんな目に遭わなくちゃいけないんだと世界を呪った。

 

 

 

 

でも。

 

 

 

でも、取り敢えず。

 

 

 

(美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美少女美美少女美少女美少女美……)

 

 

 

 俺は念じた。

 この絶望的ともいえる状況で唯一の救い。美少女の降臨。

 

 お膳立てはした。きっと流れ星があったら27回は願えてるはずだ。

 

 

 

 そして唸る、俺の指パッチン。高らかに、叫ぶ。

 

 

 

「我が願いを叶えたまえ!!」

 

 

 

「今のが近隣の町からランダムに1人拉致ってくる魔法じゃ」

「テメェなんて魔法使わせてんだよ犯罪じゃねえかっ!?」

 

 

 

 しかもランダムって念じた意味ねぇ!?!?

 

 俺の悲痛な叫びも虚しく、エメラルドの魔法陣が地面に浮かび上がり、淡い影が徐々に人の形を造っていく。

 

 気付けば一瞬の光とともに、そこには金髪美少女が、“全裸”で横たわっていた。しかも巨乳、しかも巨乳、だ!! 大事なことだ。全裸と巨乳はどっちが大事かと言うと、紙一重で巨乳だ!

 

 

 

 っていうのはうそだ! どっちも捨てがたい!!

 

 

 

 裸の美少女が出てきてくれて嬉しいという気持ちと、拉致をしているという背徳感から、俺の心中はさざめく湖畔の如し揺れに揺れて……とりあえず凝視した。

 

 だって全裸だもん、全裸っ!

 

 

 まあ、こんな事言ったら非常に申し訳ないんですが。

 

 

 

 SSRありがとうございました!!

 

 

 





よろしくお願いします
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