実力至上主義の教室と矮小な怪物   作:盈虚

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勉強会

 

 綾小路と堀北が食堂でイチャイチャした日の放課後。待ちに待った、いや、待ってなかった。とにかく平田の勉強会がついに始まる。

 

 平田のリーダーへの第一歩となる大事な勉強会だ。ある程度、がんばろう。ちなみに場所は図書室だ。Dクラスの半数程度が参加するのだが……教師役の1人である櫛田がまだ来ていない。珍しい。櫛田は時間には精確なタイプであり、遅れ気味に来るのは意外だ。

 気になり平田に聞くと、綾小路に何か相談されたらしく、少し遅れてから来るらしい。なんだ、堀北と上手くやる方法でも聞くのか?あ、いや、櫛田も堀北と仲良くないからダメか。というよりこのクラスで堀北と仲が良いのは綾小路だけだ。つまり、むしろ櫛田が綾小路に相談しなくてはならない。まあ、櫛田のことだから、もう綾小路に相談してそうだな……

 

 そんなどうでもいい事を考えながら、周囲を見渡し、参加者を観察する。

 

 だいたい2週間前のポイント0事件の時の会議に残ったメンバーだ。須藤・池・山内の姿はなかった。櫛田が教師役とは伝えていたはずなので、50%くらいの期待で来るかと思ったか、どうやら櫛田と会う以上に勉強が嫌なようだ。いや、集団で勉強の出来なさを晒されそうな勉強会が嫌なだけかもしれない……

 他のメンバーを見ると、佐倉が居た。なんでいるの?君、結構できるよね。あと、人が沢山いるところは駄目じゃないの?

 そう思っていると、こちらの視線に気づいた佐倉と目が合った。そして素早く逸らされた。佐倉も、もしかしたら俺と知り合いだとは思われたくないのだろうか……?なんか悪い事した気分だ……

 気を取り直し観察する。井の頭がいたが、スルーする。向こうも理解しているようで、こちらをまったく意識していなかった。うーん。演技力はたぶん井の頭の方が俺より上だな。今度電話で演技力の磨き方を聞いてみるか。井の頭の隣には同じく櫛田の友達の王がいた。櫛田・井の頭・王はよく3人で一緒にいる気がする。

 他は平田要塞警護兵である軽井沢・篠原・佐藤・松下・森がいた。……松下は小テスト9位じゃなかったっけ?あと、王も7位だった気がする。……この2人は純粋に付き合いで来たのかな。女子も大変だな。

 

 

 参加メンバーを大体確認した所で、櫛田が来た。櫛田が遅れた事を皆と平田に詫びると、平田はやんわりと櫛田に来てくれた礼を言い、全員に今回の勉強会の目的と方法を分かりやすく説明した。うん。こういった説明能力というのも平田は上手いな。俺はどうも余計な話をしてしまい、上手く要点を短時間では伝えられない。やはり、平田は優秀だ。アドバイザーという、良いポジションも頂いたし、少しはクラスに貢献するか。

 

 平田の説明が終わると、教師役を除く参加者は3チームに分けられて、それぞれ、教師役が1人ずつ付いた。わかりやすく男子、女子、あまり、となった。平田の所は男子が1人もいない……うん?さり気なく沖谷が混じってないか?あ、追い出された。そしてトボトボと櫛田の方に向かった。

 櫛田組は男子がほとんどと女子が数人だったが、沖谷が来た事で井の頭が櫛田に何かを囁き、こちらに来た。おお、良い感じに離脱できたようだ。最近離脱失敗が多い自分としては、なかなか見習いたい離脱能力だ。井の頭はこちらの方に来ると、少し下を向きながら、声をかけてきた。

 

「あの、……すみません。赤石君の所に入れてもらっていいですか……」

 

 オドオド演技が上手い。素もあるかもしれないけど、上手い。というより、今思ったんだが、入学時の自己紹介でオドオドしてたのって演技もあったのかな……?

 

「ええ、どうぞ、よろしくお願いします。井の頭さん」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 よし、あとは井の頭に勉強を教えて終了だ。といきたいが、平田への恩返しも含めて他のメンバーにも勉強を教える。せっかくなので、イカしたメンバーを紹介するぜ。

 

 

 

1番、井の頭。言わずと知れた友達だ。

 

2番、市橋、平田の所にいったが、最終的なジャンケンに敗北してこっち来た。篠原のクローンみたいなやつだ。……まあ、篠原よりは大人しいか。

 

3番、外村、パソコン大好きのちょっと小太りのやつだ。だが、パソコンにポイントをつぎ込んだため今大変らしい。がんばれ。

 

4番、王、櫛田と井の頭の友達。真っ先に平田の所に行ったのに、真っ先に追い出された。あとなんか、櫛田が追い出すの協力してたぞ……櫛田も結構厳しいね。

 

5番、佐倉……おい、なんでこっちに入るんだ。平田の所行こうね。君、王と違って真っ先にこっち来たでしょ。あー、そういうの困るんだよねー。

 

 

 

 ちなみに加入順は、佐倉、井の頭、外村、王、市橋だ。佐倉が開始早々迷いながら来て、櫛田組から炙れた井の頭・外村が合流、真っ先に追い出されたのに行くべき場所に迷っていた王が井の頭を見てこちらに来て、最後に運に見放された市橋が渋々来た感じだ。

 え、紹介順は何かって……俺が関わりやすい順かな……

 

 

 メンバーも揃ったので、さっそく勉強会を始めたいと思う。そのためにはまず、最初にやるべきことを5人に伝えよう。

 

 

 ――よし、お前ら、とりあえず1人1回椎名の部屋にピンポンダッシュして来い。10分以内な!あ、井の頭は休んでていいぞ。

 

 

「えっと、では、とりあえず、今までの範囲で数学の問題を作ってきたので解いてみて下さい。時間は10分以内でお願いします。あ、井の頭さんは、こちらの問題でお願いします。時間は同じです」

 

 と言って、4人に標準クラスの問題を渡し、井の頭には基礎問題でとりわけ電話で聞かれていた事を中心としたものを渡した。が、市橋が問題を受け取らず話しかけてきた。

 

「どうして、井の頭さんだけ問題が違うの?」

 

 篠原ほどではないが、市橋の質問の仕方は少し刺々しい。一応、準備しておいた言い訳を使おう。

 

「その、井の頭さんは勉強が苦手のようなので」

 

「でも、それって変じゃない。井の頭さんが来るか分からなかったし、それに井の頭さんは最初櫛田さんにチームに居なかった?」

 

 なぜか、追求してくる。普通に言い訳があるが、なぜ……?

 

「えっと、須藤君や池君、あと山内君や佐藤さんといった小テストであまりいい成績を残せなかった方が何人かいるようでしたので、俺のチームになった時に分かりやすく理解してもらえるように問題を2種類用意しておいたのですが……何か問題がありましたか……?」

 

 まあ、井の頭の専用問題だが、普通に基礎問題としても使えると思う。平田あたりなら、出題傾向が偏っている事に気づくかもしれないが、問題ない。平田には見せないし、仮に見られても、今回の小テストと授業の流れから基礎の重要な点だと思いましたとでも言っておく。実際結構重要な所だし嘘でもない。

 

「ううん、別に何だか1人だけ贔屓されてるみたいで気になっただけ。井の頭さんができないのは知ってるから別にいいよ」

 

 できないとか言うな。あと普通に贔屓するぞ。と思いつつ問題を渡す。――馬鹿め、市橋。この問題は10分で10問だが、最後の3問はひっかけが入ってるから解けないぞ。3問ともひっかかったら馬鹿にしてやろう。心の中で。

 

 

 5人は問題を受け取ると静かになり、解き始めた。おお、結構みんなやる気があるようだ……5人の解答を見ながら、10分後の計画を考える。あ、井の頭、そこ違う、間違えた。あ、次も間違えた、ああ、駄目だこりゃ。

 

 隣の王は普通にスラスラと解いていく。そりゃそうだ。お前みたいな好成績者が来るの想定してなかったもん。まだ6分だが最後の問題に入った。ん?9問目普通にひっかかってる。そして最後の問題も普通に引っかかった。こっちを見た王と目が合う。なんか嬉しそうな顔だ。というよりドヤ顔だ。簡単だね!とでも言いたそうだ。いや見直ししなさい。少なくとも2問は間違ってるから。

 

――おい、ドヤ顔のままこっち見るな。椎名呼ぶぞ。椎名呼んでお前だけCクラスの女子の中にぶちこむぞ。いや、そんなことできないし、流石に俺も引くレベルの悪魔の所業だからやらないけど……でもドヤ顔やめろ。

 

 あと3分間こいつのドヤ顔見るのはツライ。仕方ないのでドヤ顔から視線を外し――外す瞬間、王が「やった」と小声て呟き握りこぶしを作った。はーい、試験中にカンニング行為があったので、王さんは0点でーす。

 

 王を心の中で0点にしたあと、隣の佐倉を見る。5問目にチャレンジ中。少し解答スピードが遅め、でも問題をしっかり読んで対応している。いいぞマウント少女、その勢いで、隣のドヤ顔少女にマウントとったれ。

 

 さらに隣に市橋を見る。さーて、こいつは、問題にひっかかってるかなー?……あれ、もう10問目。結構早いね……ん?9問目合ってるね。うん。8問目は?合ってるね。うん。あれ?あれ?あ、10問目解き終わった?うん、うん。合ってるね。

 

 怖いから7問目より前は見ず、外村の解答に視線を向ける。3問目まで解き、4問目と5問目を捨て6問目にチャレンジ中。すまんな、外村。6問目は5問目を解かないと多分大変な問題だぞ。5問目と6問目、2問目と8問目は地味に繋がっている嫌らしい問題だ。

 

 

 お、あと30秒だ。最後にドヤ顔少女の方を見たが、どうもヤツは俺にずっとドヤ顔を向けていたらしく、答案に変化はなかった。おい、やべーぞ。このままだと市橋を馬鹿にできねーぞ。

 

 「10分経ったので止めてください。えっと、それでは採点をするので、次はこちらの英語の問題を解いてください。あ、ちなみに今日は英語の問題を解いてもらった後、俺の方で気になった点を言わせてもらって、その後はこちらから課題を出すか、もしくは皆さんの質問に答える形にしようと思います。質問の方は数学と英語以外でも大丈夫ですよ。では始めて下さい」

 

 5人に問題を配る。当然、井の頭だけ特別問題だ。が、今度は王が問題を受け取らなった。何?市橋の真似っこ?お前はもうドヤ顔属性あるから他の属性はつけなくていいよ。

 王はこちらの様子を伺いながらも、何かを決心したような顔になり口を開いた。

 

「えっと、私、英語はできるから……平田君の方に行っていい?数学の問題も簡単だったし」

 

 いいよ。

 

「えっと、その、平田君の方は満員なので、あ、櫛田さんどうも」

 

 一応建前を言おうとしたら櫛田が来た。なんだ……?と、思っていると櫛田がそそくさと王の方に寄って小声で話しかけていた。

 しばらく、皆で櫛田と王を眺めていると、途中で王が何度か首を振って、こっちを見て、問題を受け取った。……櫛田が説得してくれたみたいだ。さすが櫛田、どうやったか分からないが、ありがとう。でも、王は正直俺と成績あんまり変らない気がするから、平田に教えてもらった方がいいかもしれない。

 

 

 5人に英語の問題を解かせている間に、数学の採点をしていく。井の頭の答案はなかなか厳しかった。10問中3問正解。ぐぬぬ、単純な計算ミスもあるが、考え方自体に問題がある気がする……一応、井の頭に対応できるような問題集を図書館から選んできたが、演習ではなく理論の方から教える必要がありそうだな。

 10分中5分を井の頭の採点に使い、残りの4人の採点を適当にこなしていく。佐倉5点、外村3点、市橋7点!よっしゃ、馬鹿め、単純な方の問題で間違えたな。王は本来0点のところだが、市橋を倒したことによる功績から8点とする。不正はなかった。いいね。

 

 採点を終えたところで、残り時間は1分となり英語の問題を解いている5人の方を見る。

 王がこっちにドヤ顔を向けていた。この少女は普段は大人しい癖に得意になるとこんな顔もするようだ。とりあえず、スルーし左右の井の頭・佐倉の答案を見る。井の頭は6問目で止まっていて、佐倉は7問目にチャレンジ中だ。

 井の頭は英語の方の勉強は数学よりは順調そうだ。佐倉は英語も数学も同じくらいか?外村・市橋の答案にも目を通そうとしたあたりで、時間になり、5人に解答を止めるように伝え、答案を回収し素早く採点をする。

 井の頭5点。よし、解いたところは全部正解だ。佐倉5点、外村3点、市橋5点であった。ちなみに王は10点だが、出題者を挑発していたので心の中では0点としておく。

 うん、英語は多分、王の方ができるな。俺が教わった方がいいくらいだ。外村・佐倉は英語が数学のときと同じできだ。佐倉の学力はDクラスの平均以上、学年全体だと真ん中くらいか?逆に外村はDクラスの平均を下回る。学年全体で見ると厳しそうだ。

 市橋は篠原のクローンにイメージが強かったが、数学はなかなか得意のようだ。ただし単純なミスが多い。半面英語は苦手のようで、勉強不足が見られる。とはいっても英語もDクラスの平均以上だろう。

 

 うん。なんか思ったより皆できる感じだ。というより佐倉と王はもう来なくていいんじゃないかな。一方市橋は少しだけ不安定だが、たぶん中間試験は大丈夫だろう。外村と井の頭は頑張ってもらうしかないな……

 

「えっと、とりあえず、2つの解答を返しますね。えっと、まず王さん。英語は完璧ですね。たぶん俺が教えられる点はないと思います」

 

 俺の声を聞くと、王は渾身のドヤ顔を見せつけてきた。おい、その顔はマジで止めろ。椎名呼ぶぞ。

 

「ただ、一方で数学を2つ間違えています。片方はおそらく問題文の読み取りに、もう片方は計算上に不備があります」

 

 おお、ドヤ顔がビックリした顔になった。はっは。いい気分じゃ。一応、風変りな問題集を勧めておくか……用意しておいた問題集の1つを王に渡す。今度は素直に受け取った。ふむ。やっと立場が分かったようじゃな。わっはは。

 

「それなので、この問題集の応用問題を中心に勉強するといいと思います。これは結構変わった問題が出るので、面白いですよ。あと、試験中は時間が余ったら見直しをして下さい」

 

 ふぅ。今すごくいい気分だ。王の悔しそうな顔でご飯3杯はいけるな……いや~、人のためにアドバイスするのはいい事だなあ……王が渡した問題集を開き熱心に解き始めたのを視界の端に収めつつ、次は市橋に解答を渡す。そして、王の時と同じように問題点を指摘し、用意した問題集を英語と数学で1冊ずつ渡す。さらには外村にも同様に渡す。

 流れ作業のように、さっさと佐倉の分を渡そうとしたあたりで、アクシデントが発生した。佐倉のヤツが俺の手首を掴み上げたのだ。さてはマウント技をかける気だな。やめろ。離せ。

 

「あ、あの佐倉さん?」

 

 離せオーラを出すが、佐倉は離さず、掴む圧を強くする。そして、こっちを向いて口を開いた。

 

「赤石君は!そ、その、どうして問題の正誤を見ただけでっ。おすすめの問題集が分かるんですか!」

 

 ちょっと声が大きかった。おかけで、近くにいる王と外村が問題集から目を離しこちらを見ている。幸いなことに少し離れたところにいる平田・櫛田グループは気づいていないが、なんか目立つのでやめてほしい。

 ちなみに井の頭は待機中であり、市橋は問題集に集中していた。うん、なんか市橋のことが好きになってきた。

 

「ええっと、その、佐倉さん。疑う気持ちは分かりますが、一応理由はあるので落ち着いてください。さっきの問題はいろいろな特徴的な問題集から出していて、問題1つ1つに特色を出したんですよ。それで、間違いの方向性から、オススメの問題集を選んでいるので……決して適当で選んでいる訳ではないですよ」

 

 わりと本当のことを言ってみた。まあ、あらかじめ、色々な予備校から過去の統計を抽出して、得られた莫大なビックデータを解析プログラムに通して、パターンを最適化しているので、俺がちゃんと調べたりしている訳ではないが……予備校のデータは結構あるし、だいたい当たるだろ的な感じだ。

 こちらの回答を聞くと、佐倉は納得したのか、慌てて手を離した。

 

「あ、いや、そのごめんなさい。疑ってるわけではないんですけど……その……赤石君がこんなに勉強ができるなんて思ってなくて、ビックリしちゃって……」

 

 佐倉は丁寧語になったり砕けた口調になったりと俺への扱いに悩んでいるようだ……そういえば、クラスメイトの前で佐倉と話をしたのは初めてな気がする。

 

 佐倉に対して別に気にしていない事を告げると、近くで王が悔しそうに唸り声を上げていた。……いや、なんでだよ。お前は勉強に集中しろや。あと外村が「赤石殿がここまでの猛者であったとは、これは拙者の中間テストも安泰でござる」とか言っていた。なんか外村は独特な言い回しだな……あと、外村も勉強に集中しよう。井の頭の次にピンチだぞ。

 正直、王・佐倉・市橋は勉強会に出なくても中間乗り越えられると思うが、君と井の頭はけっこう危険域にいるぞ……

 

 最後に井の頭にそこそこ丁寧に問題点を指摘し問題集を渡し、重点的にやるページを説明した。さらに数学の理論的な面について授業で学んだ点を1つ1つ復習のために説明していく。それに対して井の頭は頷きつつメモを取り聞き取っていった。が、10分くらい経過したところで、市橋が声を掛けてきた。まただよ。

 

「ねえ、なんで井の頭さんだけそんなに熱心に教えてるの?」

 

 だから、さっき理由言ったじゃん。演習不足とかではなく、根本的な所で躓いているからだよ。あー、もうこれだから市橋は。

 

「いえ、ですから、さきほども言いましたが井の頭さんは、少し数学が苦手みたいなので。数学は理論的な面をしっかり理解していないと、意外な落とし穴にひっかかってしまう事もありますから。それに、この勉強会は赤点回避を目的として平田君が開催したものなので、勉強がより苦手な人に時間を割くのは間違ったことではないと考えているのですが……」

 

「いや、うん、そうなんだけどさ。少し熱心すぎるというか。赤石君ってそんなキャラだったけ……?」

 

 ギク。ちょっと久々に井の頭と合法的に話をしたので、ギアを上げ過ぎたようだ。まあ、言い訳はある。

 

「あんなに頑張ってる平田君に頼まれた事ですし、できればやり遂げたいです……それに俺も退学者は出したくないですから」

 

 しんみりとした感じで言ってみる。いや、井の頭以外は退学になってもいい。というより、退学時のペナルティはクラスポイント-100である以上、クラスポイントが枯渇している今のうちに、どんどん退学させた方がいいかもしれない。とりあえず、やる気が無さそうな池と山内と須藤は退学してもいい。あ、いや、須藤はかなり運動能力があるから、特別試験とかでは有用か?

 

 ……特別試験に関してはもう少し調べた方がいいのだが、内容自体が決定するのが時間がかかるようだ。どうも、1学期中間試験終了後の退学者の人数で1年の特別試験の内容がはっきりと決まるようで、今はまだ候補選定の段階なのだ。まあ、特別試験はひとまず置いておこう。

 

 俺の演技がそこそこ良かったのか、市橋は少しすまなそうな顔をして、問題集に再び向き合った。どうやら、上手くいったようだ。ふぅ。とりあえず、そこそこ理論説明は終わったので、井の頭に問題集を解くように指示した。が、今度は王が来た。いや、お前はその数学の問題集を解け。俺が教えられる事はもうないから。

 

「えっと、あの、さっきの数学の問題。9問目はわかったけど……10問目が解けなかったから、……教えて………………下さい」

 

 やだ。

 

「ええっと、ですね、基本的には公式を流用するのも有りですが、それだと最終的に絶対値の処理が問題になるので……」

 

 しかたないので1つ1つ解説していく。一応授業でも一瞬先生が言っていたが、復習を幅広くとらないと面倒な所であった。王の実力的に多分、できると思うのだが、王はかなり熱心に聞いてくれた。なんか、意外と真面目なのだろうか……?説明が終わると王は純粋に感謝をして、問題集を解きに戻った。ドヤ顔されないと何か煽りにくい……

 

 その後も、5人が英語と数学の問題集を解きつつ、ときどき誰かが質問しに来るという流れで勉強会は進んでいった。質問の内容は数学と英語が多かったが、途中で1回外村がやんわりと化学の質問をし、それに答えると、他のメンバーも現代文や社会の質問をたまにするようになった。

 

 それに気を良くしたわけではないのだが、全員の数学と英語の問題は一応預かることにした。あとで、専用の解析プログラムを通せば5人の苦手分野がより詳しく分かるかもしれないからだ。

 まあ、井の頭以外は時間に余裕があれば、だが。

 

 

――英語が満点の王の回答も、なんとなく回収してしまったが、まあいっか。

 

 

 

 

 規定時間が過ぎ、櫛田グループ・平田グループ共に解散になり、よし、俺のグループも解散するか、と皆に声をかけるが……下校時刻ギリギリまで粘りたいらしい。おい、やめろ。時間外労働はしたくないぞ。

 

 そんなことを思っていると、グループを解散させた平田と櫛田が不思議そうな顔をしながらこちらに来た。もう図書室には赤石グループと櫛田・平田しかいない。マジで止めろ。目立つだろ。

 いや、まあ平田のアドバイザーである以上、櫛田に注目される可能性がある程度だから問題は無いのかもしれないが……でも、櫛田は友人も多いし口も堅い方とはいいにくい気がするので、やっぱり避けたいな……井の頭との関係もあるし。

 

 しかし、無情。平田が声を掛けてきた。

 

「赤石君の方はまだ続けるのかな?一応今日は初日だし、あまり詰め込みすぎるのは良くないかもしれないから、この辺りで解散にしてもいいんじゃないかな?」

 

 やんわりとした口調であった。いや、違うのだ。平田よ。俺は解散したいんだ。コイツらが問題なのだ。あと井の頭も何故か残る方針みたいだし……

 

「ああ、いえ、その俺もそう思ったんですが、みんながもう少し続けた方がいいのでは?という方向になったので。一応自由解散という形で飽きた人から帰る感じにしようかと……」

 

 そう言うと、平田は驚いたような顔になり何かを思案しはじめた。やめてくれ、平田。お前と思考勝負では勝てる気がしない……黙考する平田の代わりに今度は櫛田が口を開いた。

 

「わっ!すごい。赤石君のグループはやる気満々だねっ!みいちゃんも、やる気みたいだし。心ちゃんも良かったよ!心配してたんだ。あ、さっきはゴメンね。どうしても人数を調整しなくちゃいけなくて。――でも、赤石君のグループでむしろ良かったかも。私教えるのあんまり上手じゃないから、心ちゃんにちゃんと説明できるか不安だったんだー」

 

 いつもの明るくニコニコとした笑顔だ。発言の内容も友達とクラス全体を気遣っている。また櫛田は今までの雰囲気と言動から教えるのは多分俺より上手い。謙遜も忘れないし、あまり嫌味のようにも感じられない。

 井の頭曰く、好い人の演出らしいが、実際に根は良い人なのかもしれない。そう思っていると櫛田はグループだけではなく今度は俺の方を見てきた。

 

「赤石君もお疲れ様。今日はどんなことをグループでは教えたの?皆すごく熱心にやってるみたいだし、良ければ私も真似したいから教えて欲しいんだけど……いいかなっ?」

 

 上目遣いで櫛田が頼んできた。わお。櫛田は事前情報から見た目は知っていたが、何というかすごい美少女だ。堀北が美人系なら彼女は可愛い系だろうか?そんな少女が上目遣いで頼み事をしてきた。男ならすぐ首を縦に振るだろう。

 しかし、椎名に鍛えられた俺は違った。心に来ると同時にちょっと恐怖を感じたのだ。いや、別に櫛田も悪気はないんだろうが、これも全て椎名が悪いのだ……まあ、別に教えるけどね。というより、変に隠したら怪しまれるし、どうせ俺が言わなくても櫛田の友達の王が喋るだろうし。

 

「ええっと、その、一応、今日のために問題を作ってきました、それを解答してもらった後、採点して、間違いから相性が良い問題集を薦めて皆さんに解いてもらった感じですね。あと、何か分からないところがあったら、その都度質問してもらう形式にしました。授業方式は上手くできる自信がなかったので……」

 

 ちなみに遠目に見た感じ、平田が授業方式で女子たちに教え、櫛田は前半半分を使い要点を説明し、後は自習&質問タイムという風な感じでやっていた。ちなみに両者、異性との会話が無駄に長くなりがちで、進み具合は微妙であった。イケメンと美少女の欠点が出てしまった感じだ。

 俺の答えを聞くと、櫛田は笑顔で追及してきた。笑顔追求のパターンは椎名を思い出すから苦手である。

 

「えっ!赤石君今日のために問題まで作ってきてくれたの!見せてもらってもいいかな?わわ、すごい、ふむふむ。見た感じ全体の復習って感じだね。あ、でもこの問題は……小テストの難しかった問題の類題だね。こっちは……うん?あれ、平田君ここ X=3で合ってる?」

 

 櫛田は俺の手元にある回収した問題を見ると、少し悩んで、平田に質問した。その問題は王が間違えた問題なのだが……なぜか櫛田もひっかかった。

 あれ?なんで?と思い気づく。もしかして故意に間違ったフリをしたのではないかと。

 どうやら俺と平田に花を持たせてくれたようだ。うーん。なるほど井の頭の言ってる演出の意味がだんだんと実感してきた。

 

「いや、櫛田さん。これは X=7になるね。すごいね赤石君。この最後の3問、すごく良い問題だね。時間的にも10分で10問は少し難しいけど……中間テストを考えると、まずこのラインは解いてほしい……ってことかな?」

 

「ええと、まあ、そんな感じです。でも平田君も櫛田さんもやっぱり計算速いですね。9問目はX=3だと誤認させる問題で、そこに至るまで30秒くらいかかって欲しかったんですが……」

 

「うーん、でも私は間違えちゃったなー。赤石君ってこんな頭が良かったんだね。同じクラスで良かったよ。私も赤石君のグループで教えて貰いたいな……なんて」

 

 だめ。というより櫛田は教師役だから……

 

「櫛田さん、それだと櫛田さんのグループが困ることになるから。でも確かに赤石君は教えるのも上手いみたいだし、中間試験の時は僕と櫛田さんも赤石君に聞いた方がいいかな?」

 

 やめろ。というより。2人とも、素の実力は俺より上だぞ……俺が教えられる事はないぞ。

 

「いえ、その、言いにくいのですが、多分、勉強は御二人の方が上かと……あと、多分、俺のグループになった王さんも実力的には俺より上だと思うので次からは平田君のグループに入れてもらっていいですか?」

 

 平田に1人押し付ける。というより、王も平田の方に行きたかったみたいだし、これでいいだろう。俺も幸せ、王も幸せ、平田は仕事が増えるけどクラスのためになって幸せ。みんな幸せ。これに口を挟む者は――

 

「ま、待って……私は赤石君のグループでも、いいよ」

 

 王が口を挟んだ。いや、俺が良くない。さっさと平田グループに行け。……もしかして、さっき櫛田が来た事に関係するのか?櫛田の面子を潰さない為だろうか……?

 ちらりと櫛田の方を見ると、なんと、あの櫛田が驚いていた。口をあんぐりと開けている。呆けていると言うべきかもしれない。

 

――え?いや、そんな反応されても俺が困るよ。なんでそんな驚いてんだ。櫛田がこんなに驚いているのは初めて見る気がする。王の言葉が何かの琴線に触れたのか?

 

 俺と櫛田が王の発言に黙り込むと、空気の変化を感じたのか平田が静寂を破った。

 

「うん、そうだね。王さんもそう言ってるし、赤石君にこのままお願いしていいかな。あと、そうだな……赤石君のグループはまだ続けるのかな?もしよければ僕も見学していいかな?」

 

 よくない。

 

「ええ、その、王さんに教えられる事があるか疑問ですが……王さんが良いなら俺は別に大丈夫です。あと、ええっと、一応、下校時間までは自由解散となったので、まだ続くと思います。勿論、平田君が見学するのは大丈夫ですよ。むしろ俺も平田君が居た方が安心できます」

 

 俺が平田に許可を出すと、櫛田の方はようやく自身の状態に気づいたのか会話に入ってきた。

 

「じゃあ、私もいいかな?赤石君がどんな風に教えるのか興味あるなっ!」

 

 だめ。

 

「ええ、大丈夫ですよ。櫛田さん。と言っても俺は、教え方が独特なので、間違った事を教えてしまっているかもしれませんが……あ、良ければ、間違っている事を教えたとき指摘してもらえると助かります」

 

「うん。わかったよ。でも赤石君は間違えるのかなー?」

 

「俺も、結構うろ覚えのところがあるので……」

 

 そう言ったあたりで外村が手を上げ質問をしてきた。彼も存外やる気があるようだった。いや櫛田が来たからかもしれないが……

 外村の質問に対して一応丁寧に返す。ただ、あまり深くは答え過ぎないようにする。もちろん不自然ではないように。櫛田と平田が居ない時よりは僅かに不親切な説明。現に、外村は特に疑問もなく、俺の答えに納得したような顔をして問題集を再び解き始める。

 平田は外村が着席したのを見て、再び俺に声をかけようとして、途中で止めた。そして再び何かを思案し始めた。待て、なんか怖い。

 

 その後も櫛田・平田の監視下でときどき来る質問に答える。幸いなことに、こちらの思いに気づいた井の頭が何かを聞きたそうにしながらも質問を控えてくれた。すまない。井の頭。助かった。とりあえず、解散したら、井の頭に電話しよう。

 

 

 

 

 そして、なんとか無事下校時間になり解散となった。なんと、5人とも最後まで残った。佐倉と市橋は途中で帰ろうか悩んでいたように見えたが、最後まで残ったようだ。

 

 解散後、平田に櫛田と共に呼び止められた。これは危険です。

 5人が帰るのを確認してから平田が口を開いた。

 

「赤石君。櫛田さん。今日は本当にありがとう。2人のおかげで、すごく良い勉強会になったよ」

 

 そういって、平田は深く頭を下げた。誠意を感じる。やめて、この後来るであろう頼み事に断れなくなる。やめて。

 

「ううん。私もクラスの皆と過ごせてとっても楽しかったよ。私の方こそありがとう。平田君」

 

 櫛田が笑顔で答えた。曇りないように見えるが、なんだろうか?なんか違和感があったが、とりあえず、櫛田に合わせて平田に返答をする。

 

「俺も成功したみたいで良かったです。ただ、教師役は中々難しくて、得られるものも多かったですが、5人教えるのにも……自分の限界を感じますね」

 

 ついでに俺は5人以上は教えないぞというアピールをすると、平田の瞳が陰った。やはりか……しかし、俺の返答を聞くと今度は櫛田が口を開いた。

 

「そんなことないよ!赤石君はすごく教えるの上手いよ。皆のためにテストを作ったり、1人1人に合う問題集を探したり。すごい事だよ!きっと皆、赤石君に教えて貰えば中間試験は乗り越えられるよ!」

 

 マジで止めろ。滅茶苦茶目立つだろ。いや今回はすこし自業自得だが。なんでこうなった?大失敗だ。しかも声が大きそうな櫛田にマークされたのは危険すぎる。いや、櫛田は悪気は無いだろうが……とりあえず口封じだ。効果はあるかわからないが、井の頭の言う通り、櫛田が好い人であろうとするなら効果があるはずだ。信じるぞ井の頭!

 

「いえ、そんな、その、それは、ちょっと困ります。俺は人前だと緊張してしまって、本当だと5人相手でも大変でした……できれば、3,4人が限界で。それに平田君には言ったのですが目立つのが苦手なので……すみません。櫛田さんに期待には応えられないと思います。あと櫛田さんは多分俺のことを過大評価してますよ……俺の小テストの成績知ってますよね?お2人よりも下です。たぶん櫛田さんが本当に頼むべき相手は幸村君か堀北さんだと思いますよ……」

 

 俺はもう働かないぞ!

 いや、まあ、今日の4人くらいなら井の頭のついでに持っても良いが……ん?今、櫛田の表情が、いや、あまり観察すると気づかれそうだ……幸い位置取りの関係上櫛田と平田の表情はこの近くのカメラから確認できる。確認時に認識しやすいように、2人には見えないように背中を左手で一回摩る。これで良いか。

 

「うん。そうだよね。堀北さんが参加してくれればよかったんだけど。あと、ごめんね赤石君。赤石君がそんなに人が苦手だと思わなくて。無理な事を頼んじゃって本当にごめんね。あと、赤石君のことは皆には黙っておくね」

 

 無事察してくれたようだ。ありがとう。効果はあるかは分からないが……明日か明後日あたりで、井の頭に櫛田の行動について聞いておくか。近くにいることも多いし俺の情報をどう扱うかの判断にもなるだろう。

 櫛田について考えていると今度は押し黙っていた平田が口を開いた。雰囲気からして厄介事ではない。いや、むしろ、これは……

 

「僕からも、ごめんね。赤石君。どうも君の事を頼りにしすぎたみたいだ……クラスを良くしようと思い過ぎて、君に対して配慮を欠いていたみたいだ。これからは無理に勉強会に参加しなくても大丈夫だから……ただ、もし赤石君が負担に感じないようなら来てくれると、僕としてはすごく嬉しいよ」

 

 なんだか、かなり平田に気を使わせてしまった。うん。どうするか……いや、まあ5人程度なら井の頭のついでと思えば……うん?5人?……いい事考えたぞ。これは平田的にも損ではないし、なにより勉強会の目的にも沿う。俺があまり苦労しなくても良い点でもベストだ。

 

「ええっと、そうですね、その平田君。俺も教師役は思ったより難しかったんですが、ただクラスで退学者を出したくない気持ちは平田君と同じだと思ってます。そこで、その提案なのですが、今度から勉強会の時、俺だけ図書館の別館の方に行って、少人数で教えるというのはどうでしょうか。具体的には井の頭さんと外村君の2人に関してですが……すみません。なんだか都合のいい話だとは思っていますが、……その、クラスの人が沢山いる中、教師役を続けていく自信が無くて……」

 

 平田は受け入れるだろう。櫛田はわからないが、拒否するような性格ではないだろう。ただ、表情は気になる。なんだか、さっきから櫛田が変なのだ。具体的には王が俺のグループに残ると言ったあたりから雰囲気がもやもやしているというか。まあ、直接櫛田の観察はしない。ここを監視しているカメラを、入学式の時に綾小路に使った手順と同じように利用しよう。

 

「ありがとう、赤石君。君の提案はすごく嬉しいよ。2人だけでも君に見てもらえれば、クラスとしてはすごく助かるよ。櫛田さんもそれでいいかな?」

 

 平田は納得してくれたようで、櫛田に確認を取った。その時の平田の表情は安心感が見られた。

 表情に関しては平田は少し分かりやすい気がする。綾小路・櫛田・椎名の表情がわからない三銃士に比べると遥かに楽だ……

 

「うん。もちろんいいよ。赤石君がまだ教師役を続けてくれて良かったよ」

 

 櫛田も了承。よし!

 

「それじゃあ、佐倉さんと市橋さんと王さんはどうしようか?」

 

 最後に平田が3人の処遇を決めることになった。王はどうなるのだろうか……?

 

「うーん、じゃあ市橋さんは平田君に任せていいかな。佐倉さんとみーちゃんは私が持つよ」

 

 しかし、櫛田の非情なる選択。王は平田グループには行けないようだ。……もしかして、櫛田は王と平田が一緒にいるのが気に食わないのだろうか……?

 

「うん、わかったよ。それじゃあ、今日は本当にありがとう2人とも、また来週の勉強会は上手くやろうね」

 

 そう平田が締めくくり教師陣営も解散となった。

 

 

 

 

 

 2人と別れ、寮に着き、食事をとった後、カメラをハッキングする。そして、先ほどの時間に合わせると、ちょうど背中を向けた俺が左手を使い背中を触った。よし、この前後の時間の櫛田の表情を拡大し観察する。

 ……わからん。いや、やっぱり少しいつもと表情が違う気がする。なんというか、櫛田はいつもニコニコ笑顔という感じだが、この話し合いの最中は全体的に無表情なのだ。あと堀北の話をした時は……悲しんでるのか?いまいち表情が掴めない。

 

 そういえば、櫛田は堀北の連絡先だけは持っていなかったな……それが原因か?だが、井の頭が言うにはあれは演出過多の所があると聞くし、それならばDクラス全員友達計画も本音じゃないだろう……井の頭の言葉を過信しすぎか?彼女とて間違えることはたくさんあるだろうし……櫛田も思った以上に謎だな。綾小路ほどではないが……

 しかしクラスの中心人物に近い以上櫛田が不安定なのは危険だよな……

 

 うーん、本来は平田用に組んだシステムだが、通信傍受システムの自由枠は櫛田に使うか……?いや、井の頭がいる以上、櫛田に対してのリソースは使うのは無駄か……?だが、平田は今回の雰囲気を見るにかなり俺を信頼しているようにも見えたが……

 デメリットから考えよう。櫛田が不安定の場合と平田が実は俺の事をまったく信頼していなかった場合。どちらの方がより危険か。

 

 

――平田だな。平田は俺の事を高く評価しているしDクラスの中心だ。

 

 

 俺は、平田に対してフリー枠を使用することにした。一応後で変更も可能だ。もし櫛田に異変の兆候を感じたら櫛田に変えればいいだろう……

 

 

 この日は井の頭に連絡し、今回の勉強会での復習を行った後、次の勉強会の方針と、櫛田の観察を頼んだ。

 井の頭にだいぶ頼み事をするようになったが、彼女は淡々と了承し、そして求める答えを返してくれている。そろそろ、彼女との関係を1歩進める必要があるかもしれない。

 

 

 




以下、私の勝手なイメージです。(ちょっと蛇足な話になります)
王と松下の能力は公開されていなかった気がしますが、アニメ版では2人とも成績が良かったので、勝手に妄想で決めました。
一応、王に関しては原作でも英語が得意で能力は幸村に近い(身体能力の低さも含めて)と書かれていました。
たぶんこんな感じではないだろうか……と思いながら書きました。

学力
幸村>平田・櫛田>赤石≒王>松下

授業に対する集中度合い
幸村≒赤石>王>>平田>櫛田>>>松下

教える上手さ
赤石(資料補正)>櫛田≒平田>赤石(資料無し)

集中補正で小テストでは赤石は平田・櫛田レベルでしたが、本質的には2人に劣ります(ハッキング無しの場合)
赤石と王は現在は同じくらいですが、成長すれば赤石と並ぶか、抜きます。
松下は要領が良いタイプで、何事も上手く切り抜けます。ですが、要領の良さで抜けてきたため地力では赤石・王に劣ります。

あと、市原は1行しか原作で出番がないのでイメージで書きました。篠原と完全に同じでも良かったのですが、それだとちょっと篠原と区別が難しくなるので、こんな感じに落ち着きました。

教える上手さは単純には櫛田・平田の方が上手いのですが、資料作りが簡単な赤石の方が総合的には有利です。
また、平田と櫛田のグループは赤石より参加人数が多く、参加者のやる気にも問題があったため、結果が悪かったのです。



9月28日修正
王さんを9巻の性格に若干近づけました。
4巻のプロットを読み返していた所、市原さんではなく市橋さんだと気づきました。
申し訳ありません。

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