「······」
「け、鍵?気持ちは分かるが、その、そろそろ落ちついたらどうだ······」
「○ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっしゃぁザマァ見やがれクソアイン!ってうぉっ!?」
······やぁ、フィリップだ。冒頭からこんな状況ですまない······。ご覧の通り、鍵は怒りで我を忘れているため、代わりに今は僕がやっている。今がどんな状況なのか説明させてもらうと、天井にサンドバッグを吊り下げ、アインの予告状に書かれたライダークレストを拡大印刷し、その印刷した紙をサンドバッグに貼り付け、そのサンドバッグを鍵が何度も殴り、僕がそれを見ているという、なんとも言えない状況だ。ちょうど今、鍵が○ねと叫びながらサンドバッグを殴りつけ、その殴ったサンドバッグが振り子のように鍵の元へ戻ってきて、そのまま鍵の顔面にダイレクトアタックした。その際に鍵は床に頭を強く打ちつけ······
「くっそぅ、アインのヤロウ······!」
「落ちつきたまえ鍵!これは仮面ライダーアインではない、ただのサンドバッグだ!」
「放せフィリップ!あと少し、あと少しであのクソアインを倒せるんだ!」
重症だ。どうやら鍵はサンドバッグを仮面ライダーアインだと勘違いしている。これはもはや僕一人ではもうどうしようもない。
「すまない鍵、少しの間眠っていてくれ」
僕は左腕で鍵を抑えつけ、右腕に力を入れて鍵のうなじの部分を思い切りチョップした。鍵は一瞬で気絶し、両目を閉じた。
「ようやく大人しくなったか······。君は無理をしすぎたのかもしれない、少し休んでいたまえ」
気絶した鍵の腕を持ち上げ、自分の肩に回して鍵をソファまで運ぶ。
「でもまぁ悔しいか。考えてみれば鍵が負けたのは今回が初めてだったね」
そう、鍵は今まで一度たりとも負けたことはなかった。たとえ相手がどんなに強敵であっても。それが今回、アインとかいう訳のわからない、正体不明の敵にライドキーを奪われた、つまり負けたのだ。今まで負け知らずだった鍵には相当来るものがあったのだろう。
(それでも、やっぱり君は頑張りすぎだ)
(鍵は頑張っている、いや、頑張りすぎている。そのために敗北を知らなかった鍵は、今回ライドキーを奪われ敗北し、そして発狂した。この事から考えると、サポートとは言え、これからは僕自身も強くなっていかなければならない。身体能力などもそうだが、これからのパワーアップにはやはりライドキーが必須となってくるだろう。しかし、僕が使うアイテムはガイアメモリ。これらのことも考慮しなければならない。ならば・・・・・・)
「検索を始めよう」
僕は両腕を広げて目を閉じる。目の前に真っ白な空間が現れ、「星の本棚」へと入る。
「
なぜ「星の本棚」に入れたかは分からないが、とりあえず考えるのをやめ、検索する事にした。
「確かキーワードは三つだったね······。一つ目はガイアメモリ、二つ目はライドキー、三つ目は何にしようか······。とりあえず候補をなるべく搾っておこう」
僕は頭の中でガイアメモリというキーワードと、ライドキーというキーワードを検索し、本棚にしまわれた検索候補を一気に搾る。しかし、やはりと言うべきか、大分
「僕が考えた強化アイテムは、ガイアメモリとライドキーを、共鳴させることで初めて機能する特殊なアイテムだ······。そうか!三つ目のキーワードは、共鳴」
やがて検索結果は一つに搾られ、答えが導きだされた。検索結果となった本の内容を、瞬間的に全て頭の中に記憶し、僕は意識を現実へと返した。
「なるほど、これで実現可能となった。さて、作業開始だ」
現実へとかえった僕は真っ先に、ただの作業台と化した机に向かい、強化アイテムの作成を開始する。
「チクショウ~、アインのヤロウ~、Zzz······」
(君は夢の中でも仮面ライダーアインと戦っているのか······)
夢の中でも忙しい相棒を背に、僕は自分の作業にとりかかった。
「できた······!」