仮面ライダーゲート   作:YOPPY1031

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長い、そして疲れた、ちょっと頑張りすぎたな。
仮面ライダーゲートの初変身です!


変身

仮面ライダー。それは、世界を守る為にバイクにまたがって世界を駆け周る仮面のヒーロー。

これが世間一般の認識。

じゃぁ、仮面ライダーはなんでマスク、つまり仮面をかぶるか知ってるか?

答えは至って簡単、自分の涙を隠すためだ。

証拠として、仮面ライダー1号と2号には、涙ラインというものがある。

ショッカーは自分を改造した諸悪の根元だが、仮面ライダーという自分を生み出した仲間でもある。その仲間を倒さなければならないという悲しみから、涙ラインというらしい。

えっ?さっきからずっと話しているお前は誰だって?すまない、自己紹介を忘れてた。

俺の名前は「戸島 鍵(とじま けん)」。元々ただの一般人だったが、今は訳あって仮面ライダーゲートをやっている。さっきの説明はこの物語を知るにあたって仮面ライダーという概念を知っておいて欲しかったからだ。

話は逸れるが、今回は俺の初変身の時の話をしようと思う。

 

 

 

「はぁ、平和だなぁ~······」

 

俺は大きくアクビをし、書き途中の絵が描かれたスケッチブックの上に顔を埋め、うつ伏せになる。

 

「どうした?でけぇアクビなんかしてよ」

 

「オヤジさん······。いやさ、今日も平和だなぁと思ってさ」

 

「何言ってんだお前は。平和が一番じゃねぇか」

 

「そうなんだけどさぁ、なんかこう、非日常的な刺激が欲しいっていうか」

 

俺は無理やり上体を起き上がらせ、自分が書いてる書き途中の仮面ライダーの絵を見る。

 

「非日常ねぇ、ってお前、また仮面ライダーの絵を書いてるのかよ!」

 

店の仕事の作業中のオヤジさんにスケッチブックを見られ、半ば(なかば)呆れたように言われた。

 

「べっ、別に良いだろ?憧れるくらい······。仮面ライダーは本当に凄い、自分の感情を押し殺して、正義の為に戦える。仮面ライダーがあったから、俺も人の役にたちたいって思えた。正義の為に戦う事は出来ないけど、人々を悪意から守る、セキュリティ管理をする仕事には就けた。今の俺があるのは、どう考えても仮面ライダーのお陰なんだよ」

 

「そうか。そういや鍵、お前時間大丈夫なのか?」

 

「えっ?」

 

オヤジさんに言われ、時計を見る。店にある壁にかかった時計はなんとデジタル時計で、ご丁寧に今日が何曜日かまで教えてくれる。時計に表示されている曜日は月曜日、そして今は8時26分、完全に遅刻寸前である。

 

「うおぉぉぉぉっ!?今日出勤じゃん!」

 

「早く支度(したく)しろ!」

 

「イェス!ボス!」

 

オヤジさんに怒られたあと、俺は二階に駆け上がり、急いで寝間着から仕事服に着替えて店を出た。

 

「パンちょうだい!行ってきます!」

 

「おう、行ってこい」

 

俺は走って駅まで行った。なんとか電車が発車する前に乗ることが出来て、俺は一安心した。電車に乗りさえすればこっちのものなので、後はゆっくりできる。

 

「何とか間に合ったか······」

 

しばらくすると電車が発車し、車体が小刻みに揺れ始めた。

発車から数分後、俺は全身で違和感を感じた。それと共に、奇妙な車掌アナウンスが流れてきた。流れるはずの無いアナウンスが。

 

「次は~、風都駅~、風都駅~。ご降車の際は、足元にお気をつけてお降り下さい」

 

「よーし、楽しいお仕事へ行く······待て、今風都駅って言ったか?」

 

風都、それは架空上の都市であって、本来なら実在しない都市の名前だ。それが今車内で流れたのだ。仮面ライダーファンとしては嬉しいが、一般人として聞けば不気味すぎる。

 

(なんだ今のアナウンス!?俺はまだ夢でも見てるのか!?)

 

やがて電車から降りる人はいなくなり、電車の扉が閉じた。しばらくするとまた車掌アナウンスが流れてきた。今度は何時ものアナウンスだった。

 

「次は~······」

 

 

 

「おはようございます」

 

「おはよう、遅刻ギリギリだな?」

 

「すいません······。今日普通に出勤だってこと忘れてました」

 

「まったく、遅刻しそうになったの今年何回目だよ!早く仕事に取りかかれ!」

 

「分かりました」

 

課長に説教された後で、自分の席について仕事に取りかかる。すると隣の席の同僚が話しかけてきた。

 

「おはよう戸島君」

 

「おはよう夏川」

 

「相変わらず怒られてたね?」

 

「うっせ、いいから手を動かせ手を」

 

「はいはい」

 

夏川 梓(なつかわ あずさ)、20歳。俺と同い年で、俺の同僚。最初の頃は女性に対して免疫のない俺は彼女におどおどしていたが、長い間接するうちに免疫もつき、普通に喋れるようになった。社内では、俺が一番喋る相手であり、一番喋る女性だ。

 

 

 

因みに俺が彼女に気があるっていうのは秘密で。

 

 

 

「っしゃぁ~昼休憩だ!」

 

「戸島君、お弁当一緒に食べよう」

 

「あぁ、ってそうだ、俺今日弁当持ってきて無いんだった······」

 

「そうなんだ······。ねぇ、今日作りすぎちゃってお弁当二つあるからさ、良かったら私の食べる?」

 

「マジか!超助かる!ありがたく頂くよ」

 

俺はそう言って席を立ち、オフィスを出て休憩所へと向かった。

 

 

 

「んー、夏川の弁当美味いな」

 

「本当?二つ作っといて良かった······!」

 

「何か言ったか?」

 

「別に何でもないよ」

 

夏川が今何か言った気がしたが、本人が何でもないと言っているのでまぁ気にしないでおこう。そんなことを考えていると、突然夏川が話を振ってきた。

 

「そう言えば戸島君、この噂知ってる?」

 

「噂?」

 

「うん。たまに、本当にたまにだけどね、何処からともなくオーロラが現れて、オーロラの壁の向こうに異世界が見えるんだって」

 

「ふーん?(ってことは今朝のアレってこの噂か?いや、寝ぼけてただけか······)」

 

「どう思う?」

 

「ど、どう思うって、急に言われてもなぁ。別に俺はそれを根っから信じてる訳じゃないし、実際に見たこと無いしな······」

 

「ロマンが無い!」

 

「ロマン!?」

 

俺がそんなオーバーリアクションをとる頃には夏川の弁当を食べきっていて、既に手が止まっていた。

 

「さて、お弁当も食べきったようだし、お昼休憩もそろそろ終わるし、オフィスに戻ろう。午後も頑張ろうね!」

 

「そうだな」

 

俺たちは休憩所を出て、オフィスの自分の席について仕事を再開した。

 

 

 

「戸島!これ今日中に終わらせろ!」

 

「はいはい!」

 

「戸島君、ちょっとこっち手伝って頂戴」

 

「ただいま!」

 

「戸島!そっちの書類まとめておいてくれ!」

 

「了解です!」

 

 

 

「んー終わったぁ!お疲れ戸島君!って、大丈夫?」

 

「あぁ夏川、お疲れ······。大丈夫だよこれくらい」

 

俺は何とか重い腰を持ち上げて、自分の席から離れた。

 

「そっか、ならいいんだけど。ねぇ、途中まで道同じだから一緒に帰ろうよ!」

 

「いいよ、分かった。」

 

俺たちはそう言って、オフィスを後にした。

 

 

 

「あんのクソ課長め!自分が面倒くさいと思った仕事を全部俺に押し付けやがって!」

 

「まぁまぁ、落ち着きなよ。これから飲みに行かない?ヤケ酒付き合ってあげるからさ」

 

「じゃぁこのまま居酒屋行こう。とことん飲んでやる!」

 

今の時間は午後5時11分、山のようにある仕事を何とか定時で終わらせ、帰宅しているところだ。日が沈みかけ、あたりも丁度暗くなり始めた時間で、時間帯的に酒を飲むにはまだ早い。しかし、俺たち社会人にそんなものは関係無い。仕事が終わって、飲みたいから飲む。それだけだ。しかし、どうにもそんな訳にはいかなそうで、急に周りがざわつき始める。

 

「おいなんだあの壁?」

 

「壁のある部分だけ景色が変わってない?」

 

「おい、奥に何か居る!」

 

「こっちに来るぞ!に、逃げろぉ!」

 

その言葉の直後に一斉に悲鳴が聞こえてきて、市民が壁から逃げ出す。同時にその壁も破られ、中から異形の怪物が現れた。

 

「ふん、仮面ライダーは居ないか。ここにするとしよう。おいお前ら行くぞ!侵略開始だ!」

 

怪物のその言葉と共に、後ろに居たザコキャラのような怪物が一斉に走り出した。やつらは人間からエネルギーを吸い上げたり、建物を破壊したりしながら、その行動範囲を広げている。そう、まさしく侵略そのものだった。突如現れた侵略者たちは、まるで子供が与えられた玩具を壊すように、当たり前のように破壊活動を続けていく。絶望に染まる人間たちの顔を嘲笑いながら。

 

「クッハハハハハハハハハハハハ!良いぞ、もっと怯えろ!そして怯えた末に死ね!」

 

リーダー格の化け物がそう言った直後、どこからともなく声が聞こえてきた。

 

「そうはさせねぇよ」

 

その言葉と共にいきなりリーダー格を殴って現れたのは······

 

(あれは、仮面ライダーディケイド!)

 

異世界を渡り歩くことのできるライダー、仮面ライダーディケイドだった。

 

「ディケイド!貴様ぁぁぁぁぁ!」

 

「ふんっ」

 

ディケイドはお決まりのように右手首を振り、怪物に向かって走り出す。

 

「ねぇ戸島君!私たちも早く逃げよう!早くしないと私たちも目をつけられちゃうよ!」

 

ディケイドが来たことに安心が現れたのか、夏川が俺に必死に呼び掛ける。しかし、俺はディケイドが現れたという衝撃で夏川の声が聞こえずにいた。

 

「おいそこのカップル!さっさと逃げろ!死にたいのか!」

 

「ほら!あの人もあぁ言ってるし早く行こう!」

 

「あっ、あぁ!」

 

ディケイドの逃げろという言葉で俺はようやく正気に戻り、夏川と一緒に走り出した。しかしその後ろで、さっきまで押していたディケイドが押され始め、ピンチになった。

 

「ちっ、流石に未知との戦闘は辛いな······!」

 

「フハハハハ!どうした!?そんなものか仮面ライダー!」

 

「ディケイド!」

 

ディケイドを押す未知の化け物、ソイツらの方を見る。この戦いに俺は接点が無いが、どうしても他人事とは思えなかった。そんなことを考えているとディケイドが後ろに大きく吹き飛ばされ、トドメを刺されようとしていた。

 

「これで終わりだ、仮面ライダー!!!」

 

「やめろぉ!!!」

 

ディケイドのピンチを見ていられず、俺の体は考えるより先に動き、右拳が化け物の顔を殴っていた。

 

「貴様、人間風情が、何をしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

俺が顔を殴った事に怒り狂い、俺は破壊されたビルの壁まで吹き飛ばされた。

 

「戸島君!いやぁぁぁぁぁ!!!」

 

夏川の悲鳴が聞こえる。悲鳴を聞いた瞬間、俺は死を悟った。

 

(あぁ。俺、このまま死ぬのか。俺って本当にバカだな、仮面ライダーに変身できる訳でもないのに、あんな無茶してさ······。あと、どうせ死ぬなら最後くらいは夏川に思いを伝えたかったなぁ。今考えると、俺って本当にとんだ馬鹿野郎だよな······)

 

これが走馬灯というものだろうか、色々な思考が頭の中で駆け巡る。

 

(仮面ライダーに、なりたかったなぁ······)

 

「なれるよ、君は立派な仮面ライダーだ」

 

(えっ······?)

 

重い目を開くと、俺は宇宙のような空間に立っていた。そして、俺の目の前にある男が立っていた。

 

「初めまして、僕の名前はフィリップ。仮面ライダーWだ」

 

「仮面ライダーW······!」

 

「突然ですまない、君にあることを頼みたくてここへ呼んだ」

 

「あること?」

 

「あぁ。単刀直入にいう、仮面ライダーに変身してくれないか?」

 

「仮面ライダーに!?それはどういう?」

 

「仮面ライダーゲート、それがきみの変身するライダーだ。ゲートは、世界の門番という役割を担うライダーだ。実を言うと、存在する世界は一つだけじゃない、いくつも存在するんだ。その世界には仮面ライダーが存在する。勿論、仮面ライダーが存在しない世界もある。ゲートは、そのライダーが存在しない世界に侵略者(インベイダー)が入り込んだ時、その世界に入ってインベイダーを殲滅するライダーなんだ」

 

「一つ質問いいか?インベイダーって、もしかしてディケイドと戦っていたあの化け物のことか?」

 

「察しが良いな、その通りだ。ゲートは、インベイダーが世界に入り込んだ時にゲート自信も入ることが出来るが、入るにはあるものが必要になる」

 

「あるもの?」

 

「これさ」

 

そう言うとフィリップは、ズボンのポケットから鍵の様なものを取り出し、俺に手渡す。

 

「これは?」

 

「ライドキーというアイテムだ。世界に入るには、必ずそれが必要になる。ゲートに変身する時もそうだ。それがなければ始まらない。そしてもう一つ」

 

「まだ何かあるのか?」

 

「ライダーにベルトはつきものだろ?」

 

フィリップがそう言うと、俺の下腹部に光輝くベルトのようなものが巻かれた。

 

「さて、最終確認だ。君には、仮面ライダーになる勇気があるかい?」

 

「これを使えば、仮面ライダーになれるのか?」

 

フィリップは、俺の問いかけに対して静かに頷いた。

 

「なら俺は、変身する!自分の正義の為に!」

 

「変身すれば最後、元の日常には戻れないぞ?」

 

「俺は一度決めたことは曲げたりなんかしない!」

 

「そうか······。なら行ってくると良い、仮面ライダーゲート。世界が君を待っている」

 

フィリップがそう言うと俺の視界は真っ白になっていき、俺の意識は現実へと帰った。

 

 

 

「······まくん、と······くん、戸島君!!!死んじゃ駄目!!!」

 

「うるさいなぁ、勝手に人を死人扱いするな」

 

「戸島君!生きてて良かった!」

 

夏川は俺に抱きつき、俺の胸に顔を埋める。

前を見ると、ディケイドとインベイダーがまた戦いを繰り広げている。俺の行動が無駄にはならなかったようで、ディケイドとインベイダーが互角に戦っている。

 

「ごめんな、心配かけて」

 

「うぅん、大丈夫。ところでさ、さっきから君の横に置いてあるそれは何?」

 

夏川にそう言われて横を見ると、確かにそこには何かがあった。

 

「俺が仮面ライダーに変身する為のアイテムだよ」

 

「仮面ライダー?」

 

俺は夏川を優しく退かして立ち上がり、ディケイドのいる戦場に歩き出す。

 

「戸島君!駄目だよ!今度こそ絶対に死んじゃうって!」

 

夏川の声が聞こえる。ディケイドもこちらに気づいたようで、逃げるように言ってくる。

 

「おいお前!生きてるならそこの彼氏連れて逃げろ!」

 

「大丈夫だ、その必要はない!俺も今、仮面ライダーになった!」

 

そう言って俺は下腹部に左手に握ったアイテムを添える。

 

[ゲートドライバー!]

 

自動的に巻かれると共に、起動音声が流れる。いつの間にか入っていたライドキーをズボンのポケットから取りだし、「ゲートドライバー」に刺す。

 

[ライドチェンジ!]

 

テンションの高い声が流れる。その直後に待機音声が流れ出す。

 

「あのベルト、ゲートドライバーって言ったか!?まさか······!」

 

ディケイドが驚きを隠せずにいるようだが、もうそんなことは気にしていられない。

 

「変身!」

 

俺は鍵を回し、仮面ライダーゲートへと変身する。

 

[World gate keeper!KamennRider Gate!foooo!]

 

ハイテンションな音楽が流れると共に、俺は鎧をまとって変身する。

 

「俺は、仮面ライダーゲート。世界の門番だ!」

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