仮面ライダーゲート   作:YOPPY1031

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仮面ライダー電王

「モモタロス、急ぐよ。イマジンに似たやつはもう過去に飛んで破壊活動を始めている!」

 

「そんなの、街を見れば分かる!街が過去改変でどんどん壊れていきやがる、クソッ······!」

 

 

 

「鍵、急いでくれ!もうデンライナーが発車する!デンライナーが過去に飛べば、僕達が救える未来も救えなくなる!」

 

「分かってる!間に合えよ······!」

 

 

 

「おいアンタら!俺達もその電車に乗せてくれ!」

 

「なんだアイツら······」

 

「君達は?」

 

「僕達は仮面ライダーさ。野上良太郎、僕達が君の、電王の世界を救うにあたって必要な事、それはデンライナーに乗り、過去に飛んだ『イマジンインベイダー』を倒す事だ」

 

「イマジン、インベイダー······」

 

 

 

「なるほど、あなた方の敵であるインベイダーが、突如現れたイマジンを喰らい、進化した結果イマジンと同等の力を得た。力を得たイマジンインベイダーは過去へ飛び、破壊活動を行っている。そういう事ですね?」

 

「お、オーナー、いつからそこに?」

 

「かなーり、最初の頃からいましたよ。しかし、仮面ライダーゲートですかぁ。いくら世界を救うためと言っても、パスを所持していないのに乗車するのは、関心しませんねぇ?」

 

「あーすいません、そこはマジ勘弁!えっと、これは使えますか?」

 

俺はズボンのポケットに入った「紺色のパス」を取り出し、食堂車両の中のテーブルの上にそれを置く。

 

「これは······。見たことの無いパスですねぇ?」

 

「一応ライダーパスです。ディフィリントライナーに乗車するために操縦者からそれを受け取りました。俺専用です」

 

「ディフィリントライナー······。あれはまだ開発中の列車で、情報未公開のはずです。何故あなたがそれを知っているのですか?」

 

かなり警戒されている。それもそうだ、教えてもいない列車の情報を俺自身が知っているのだから。しかし、オーナーさんは今なんて言った?「開発中」、「情報未公開」という言葉が聞こえたのだが······。

 

「ちなみに、あなたにこれを渡した操縦者というのは何者ですか?」

 

「三代目電王、仮面ライダー電王ブレイズ。未来の電王だ」

 

「ちょっと待って、未来の電王?それなら幸太郎君が、NEW電王がいるはずだけど······」

 

「そう遠くない未来で、ある分岐点が発生する。その分岐点では、本来辿る運命と同じ手順を辿れば、未来の電王はNEW電王となる。でも、もう一つの運命を辿れば本来の電王とは違う未来の電王、電王ブレイズが誕生する。電王ブレイズが誕生する未来では、この時代には存在しない新たなライダーも誕生する」

 

「なるほど、三代目の電王ですか······」

 

「このパスを通して操縦者と連絡を取る事も出来る。証拠にってわけじゃないけど、呼びますか?」

 

「いえ、結構です。あなたの言っていることが事実だということは理解出来ました。分かりました、あなたを正式な乗客として認めましょう」

 

「ありがとうございます。あと、この列車から降りても良いですか?」

 

「普段の私なら駄目と言う所ですが、どうしますか良太郎さん?」

 

「わかった。何があっても僕と一緒に居て、それなら別にいいよ。幸い、門番は特異点が過去に干渉しないのと同じように、世界に干渉しないみたいだからね」

 

「ありがとう」

 

「しかし、ちょっとした問題が発生してしまいましたねぇ」

 

オーナーが席に座り、お馴染みの国旗付きのチャーハンを、国旗を倒さないようにたいらげていきながらそう言う。良太郎 ほもオーナーの言葉の意味を理解したのか、その言葉に同意する。

 

「そうですね。イマジンが飛んだ年代が分からない」

 

(なるほど、そういう事か)

 

普通、電王は契約者に強く残っている年代の過去に飛ぶことで破壊活動、過去改変を行うイマジンの、過去に飛んだ道のりを辿る事で追跡するのだが、今回は契約者もイマジンもいない、イマジンの力を持ったインベイダーなのだ。インベイダーという未知に対して知識を持たない良太郎には、追跡は難しいだろう。しかし、

 

「それについてなんだけどさ、提案がある。俺のパスを使ってくれ」

 

俺はずっとテーブルに置いていた紺色のパスを手に取り、パスを「起動」させる。起動したパスが発光し、発光する部分からスタートメニューのような画面が浮かび上がる。

 

「これは······!」

 

「これが未来の技術だぜ。えっと、ちょっと待ってくれ」

 

電王のライダークレストが写っているアプリケーションボタンを押すと、再び画面が変わり、「小さな女の子」が光をまとって浮かび上がる。

 

「お呼びですか?マスター!」

 

「「マスター!?」」

 

「へぇ?」

 

「Zzz······」

 

「わぁ、カワイイー!」

 

「『ナナ』、このデンライナーにアクセスしてくれ。このパスでデンライナーを操縦出来るようにして欲しい」

 

「かしこまりました!」

 

流石に俺の事をマスター呼ばわりしてきたディフィリントライナー産のこのAI、ナナの存在には驚いたようで、俺達が真面目な話をしている中、バカをやっていたイマジンズも声を上げて驚く。一人を除いて。

 

「アクセス完了です。しかしマスター、デンライナーを操縦出来るようにしたのは良いのですが、一体何をするのですか?」

 

「あぁ、俺がとり逃したインベイダー。アイツがイマジンを取り込んで進化した。イマジンの力で過去に飛んだイマジンインベイダーを追う」

 

「なるほど!分かりました、では、パスを操縦席にセットして下さい。セットして頂ければ、私が経路案内を致します!」

 

そう言い切るとナナは姿を消し、発光していたパスの光も消えた。

 

「だってさ。ほら、使ってよ」

 

俺は良太郎に自分のライダーパスを投げ渡し、操縦をするようにうながす。

 

「分かった、ありがとう。行くよモモタロス」

 

「おう!」

 

良太郎は腰に巻かれたベルトの赤いボタンを押してモモタロスを自分に憑依(ひょうい)させると自分の黒いライダーパスを取り出し、ベルトに描かれたライダークレストにそれをかざす。良太郎とモモタロスの声が重なり、初代電王がその姿を現す。

 

「「変身!」」

 

《Sword Form》

 

ベルトから機械の声が響き、直後、良太郎の姿が電王プラットフォームに変身し、そこから更にいくつかのアーマーが表れ、プラットフォームの体に装着されていく。後頭部から「目」が火花を散らしながら進行し、やがて「停車」してその目が開く。

 

「俺、参上!」

 

「最初から参上してるだろ。いいから操縦頼むぜモモタロス」

 

「うっ、うるせー!」

 

電王は先頭車両に移動し、そこに設置された操縦席、「マシンデンバード」に跨ると、マシンデンバードに俺の紺色のパスをセットする。パスとデンライナー本体が接続され、デンライナーの時間遡行(じかんそこう)機能が拡張された。先頭車両の操縦席にナナの声が響き渡り、デンライナーが発進する。

 

『それでは、ナビゲートを開始します。私がナビゲートを致しますので、その通りにデンライナーを操縦して下さい。分かりましたかモモタロスさん?』

 

「おう!頼んだぜちっこいの!」

 

『わ、私はナナです!』

 

二人のちょっとした掛け合いが終わったあとでデンライナーは発進し、時間遡行を開始する。過去と未来を救うために。

 

 

 

『着きました!操縦お疲れ様です!インベイダーの場所は分かりますか?』

 

「そこは俺とフィリップがいるから大丈夫だろ」

 

『マスター!分かりました。それでは、私はスリープモードに移行します。マスター、お休みなさい!』

 

「あぁ、おやすみ」

 

俺がそう言うとナナの声は消え、スリープモードと言う言葉の通りに紺色のパスの光も消え、スリープモードになった。そう、ナナはこのライダーパスの本体そのものなのだ。

 

「よーし、それじゃ······」

 

《Ride Change!》

 

「変身!」

 

《World Gate Keeper!KamenRider Gate!Type DEN-O Braize!》

 

「電王ブレイズか、てこたぁそれが······」

 

「あぁ、未来の三代目電王の力だ」

 

「なるほどなぁ。三代目が電王ブレイズなら、二代目は何になるんだろうな?」

 

「知らん、俺に聞くな。さて、そろそろ行くか。こっからの案内は俺がする、俺の言葉に従って操縦してくれ」

 

デンライナーは再び、イマジンインベイダーを追って発進する。

 

 

 

「ゲートォ、ゲートォ!!!さっさと来い、来ねぇとこの世界が壊れちまうぞ、ゲートォォォォォォッ!!!」

 

「そっかそっか、随分待たせたみたいだな。それは悪かったな」

 

「なに!?ぐぁっ!」

 

俺を、仮面ライダーゲートをおびき寄せるためにわざわざ過去に飛んで過去改変までして。今みたいに呼んでくれればインベイダーを滅すべく飛んで行ったのだが、大分回りっくどいやり方だ。まぁ、ここが「電王の世界」である以上どうしても電王が絡むのは必然なのだが、おかげで良太郎とイマジンズに迷惑をかけてしまった。デンライナーのハッチが開き、それぞれのマシンに跨って電王と共にコックピットから飛び出す。飛び出したついでに電王と共にマシンの前輪による先制攻撃決め、自分とマシンの重さを利用した強力な一撃を決める。

 

「俺、参上っ!」

 

「この感じ、なんかデジャヴ······」

 

「おい、アイツがテメェの言ってたイマジンだろ?さっさと片づけようぜ」

 

「そうだな。その前にモモタロス、パス返せ。お前すぐパス投げ捨てるだろ」

 

「おぉそうだな······。ん?なんで俺が投げ捨てること知ってるんだ?」

 

「未来でもやってるからだ」

 

嘘だ。本当だけど嘘だ。

 

「モモタロス、その投げ捨てるクセやめようよ、仕舞うのがカッコ悪くて投げ捨てて、その度に無くしてるんじゃもっとカッコ悪いよ?」

 

「うぐっ·····!さ、さっさと終わらせるぞ!行くぜ行くぜ行くぜぇっ!!!」

 

(逃げたな······。まぁいいや)

 

「そんじゃ、早いところ終わらせるか」

 

俺は右腰からゲートガイアメモリを取りだし、そのスイッチを押す。

 

[Gate!]

 

虚空からゲートガイアソードが召喚され、いつもの二刀流スタイルになる。ガンブレードキーを右肩に担ぎ、ゲートガイアソードを左手にもち、そのまま立ち尽くす。イマジンインベイダーがこちらに向かって走ってくるのですぐさま迎撃態勢に入り、互いに衝突する。

 

「モモタロス、こいつは俺を殺すという私怨にかられている。他のやつは眼中にないんだ!俺がこいつを引き付けるから、お前はこいつを攻撃してくれ!」

 

「俺の嫌いなやり方だが、やるしかねぇよな、分かったぜ!」

 

俺がイマジンインベイダーを引き付け、その隙に電王がそれを攻撃する。ありきたりだが、この状況においては妥当な先頭スタイルだった。現に、この戦法はしっかりとイマジンインベイダーに効いており、確実にダメージを与えていった。しかしここで予想外な出来事が発生した。いや、少し考えれば予想できたハズだ。何故ならイマジンインベイダー(こいつ)は、いや、「アントインベイダー(こいつら)」は、俺を殺す為にここに居るのだから。イマジンインベイダーは胸ぐらを掴んでいた俺の腕を力強く振り払い、大きく後ろに下がって叫ぶ。

 

「ゲートは現れた!同胞達よ、今こそ立ち上がる時だ!亡き女王様の敵を討つのだ!!!」

 

その言葉を言い切るのと同時に、イマジンインベイダーの背後に闇色に染まった空間の穴が現われ、その中からアントインベイダーの大群が出てきた。

 

「女王様の敵っ!」

 

「死ねゲートッ!」

 

「おいおいおい······!なんなんだこの量はよぉ······!なぁ、鍵っつったか?これ、もしかしなくてもヤバいんじゃねぇか?」

 

「あぁ、ヤバいな······!」

 

絶体絶命。その言葉が最も似合う程の状況となり、流石に身動きが取れずにいた。しかしその時。

 

「おいおい、まさか、この程度でやられるつもりじゃないだろうな?野上?モモタロス?」

 

「鍵さん!大丈夫ですか!?」

 

「ユウト!」

 

「アラタ!ナイスタイミングだ!」

 

とても心強い味方が来てくれた。これ以上ない程にありがたい。しかし、どうやってここまで来たんだ?アインも世界を越えることが出来るとはいえ、過去に飛ぶことは出来ないはずだ。

 

「一体どうやってここまで来たんだ?過去には飛べないだろ?」

 

「アイン曰く、『Mr.鍵の持つライダーパスのデータを使って作ったこのライダーパスを使えば、あとは列車さえあれば過去に飛ぶ事など容易いのです』、らしいですよ」

 

「いつの間に俺のライダーパスのデータを盗ってたのか······。まぁいい、この際どうでもいい。アラタ、手伝ってくれ!」

 

「はい!行きましょう、櫻井さん!」

 

「ユウトで良い、変身!」

 

「変身!」

 

ユウトという青年は緑と黄色の2色のチケットを取り出し、アラタは自身のライドキーを取り出す。それぞれのキーアイテムをベルトにセットし、それぞれ「仮面ライダーゼロノス」と「仮面ライダーアイン」に変身する。

 

「最初に言っておく!俺はかーなーり、強い!」

 

「アイン、セリフ借りるよ。予告しよう。本日、貴方の運命を頂戴する!」

 

ここに四人のライダーが揃った。

 

「さてと、反撃開始!」

 

俺達はそれぞれ四方向に走り出し、それぞれアントインベイダーの大群につっこんでいく。

 

「ふん、数が増えたところでこの状況だ。貴様らが不利なのに変わりは無い!」

 

「どうだろうな?こっちには、かーなーり強いライダーと、データだろうが景色だろうが、なんだって盗っちまうライダーが来たからな、俺達の負けとは限らないぜ。最後まで何が起こるか分からないのが戦いだ!」

 

「ほざけ!戦いは始まった時から既に決している!」

 

「確かにそういう戦いもあるかもな。でも見てみろよ」

 

馬鹿みたいに居たアントインベイダーの大群は徐々に減り始めて、やがて半数を切った。かなり強いライダーとなんでも盗るライダーが来た事が大きく、さっきの時点での不可能は可能となっていた。

 

「戦いは、始まった時から既に決しているんだっけか?」

 

「くっ······!もう良い、お前達下がれ!」

 

しかし、ここでイマジンインベイダーにとっても、もちろん、俺達にとっても予想外な出来事が起こった。

 

「待てよ、俺達は使えねぇからもう良いってか?ふざけんなっ!」

 

「少し力を手に入れたからって調子に乗るなよ!」

 

「お前は力を手に入れてゲートを倒せる時を待ってたのかもしれねぇ。そしてその時が来たからこうやって実行してんだろ?」

 

「でもそれは俺達も同じなんだよ!女王様を殺されて、復讐したいと考えていたのは全員同じだ!」

 

「なんだ貴様ら、働き蟻の分際で俺に逆らうのか!」

 

本来呼ばれるのはハーフインベイダーだ。だが今回呼ばれたのは既に進化体のアントインベイダー。つまり意思がある。意思がある以上、こういうトラブルが起こるのは必然だ。ハーフインベイダーとは異なり、コイツらは言われればなんでも言うことを聞くだけの操り人形では無いのだから。

 

「元はお前も働き蟻だろがぁっ!」

 

アントインベイダーの中の一人がイマジンインベイダーに襲い掛かる。それに釣られるように、後ろにいたアントインベイダー達も次々とイマジンインベイダーに襲い掛かる。イマジンインベイダーもそれに負けじと対抗するが、イマジンインベイダーは手に入れたばかりの力を使いこなせずに苦戦している。対して、アントインベイダー達は、生まれ持ち使い慣れたその力で、大人数を利用した最適な陣形を組んでイマジンインベイダーとの戦いを有利に進めていた。やがてイマジンインベイダーは大きな爆発と共に消滅した。

 

「お前の女王様に対する思いは本物だったのかもしれない。だがそれこそが間違いだった。女王様に対する思いが強過ぎたせいで、お前は力を得た途端我々を道具として見るようになってしまった······。仮面ライダーゲート!今回は大人しく退こう。先程の状況を見て、まだ戦いを続けようとするほど我々も馬鹿ではない。そしてこれからもだ!人間の心の強さがある限り、我々はお前達仮面ライダーどころか、人間にすら勝てない。だから我々は共存する、人間の心の強さを知る為に!そしてゲート!貴様と戦う!更なる強さを身につけるために!」

 

なるほど、これがかつての仲間との死闘を繰り広げた末に出た結論か。いや、俺は全然良いんだけど、寧ろ共存なんて喜ばしい事なんだけどさ······。まさかそう来るとは思わないじゃん?だってインベイダーだぜ?ただただ侵略して残虐の限りを尽くすあの······。なんて事を考えながら、俺が出した結論は。

 

「······分かった、それで行こう。こちらとしても、共存出来るなら本望だ。お前らもそれでいいか?」

 

「お、俺は別に良いけどよう······」

 

「そのインベイダーとやらは、元々俺達の敵じゃない。そっちで判断してくれ」

 

「僕は鍵さんの判断に任せます。鍵さんの判断は、正しかった事は無くても、間違った事は一度も無かったですからね」

 

「最後の方が気になるが、まぁいいや。インベイダー、これが俺達の考えだ。どうする?」

 

「フッ、お前達の頭が石頭でなくて助かったよ」

 

「そうか、よろしく!」

 

俺達は互いの方へと近づき、手を組んだ。するとその組んだ手が光りだし、そこから光は広がって、やがてアントインベイダーの全身を覆った。光は消え、そこに現れたのは、更なる進化を遂げて新たな姿と力を手に入れたアントインベイダーの姿があった。

 

「これは······!」

 

「お前の正しい心が形となって進化したのかもな。新しい姿はなんか騎士っぽさがあるな。さしずめ『ナイトアントインベイダー』ってところか?」

 

「フッ、正しい心か。我々に正しかった事などひとつも無い。だからこそお前達と組むのだ、正しい事を学ぶ為にな。次に会う時はまた別の世界だ、またな」

 

ナイトアントインベイダー、正しき騎士の精神を持ったインベイダーが味方に着いた。去り際に見えたアントインベイダーの後ろ姿は、仮面ライダーの様にも見えた。

 

 

 

「ありがとう鍵君、僕達の世界を救ってくれて」

 

「やめてくれよ。そもそも、今回この世界を本当の意味で救ったのはあのアントインベイダー達だ」

 

「そうだな。人間の心を学ぶ為に強くなる、か。そういう意味で言ったら、俺にはアイツらは大分人間に見えたけどな」

 

「でも、その向上心こそ彼らの強さなんじゃないですか?それがあったからこそ、仲間の悪を見抜いて、正したと言っていいのか分からないけど、まぁ対応する事が出来ましたしね」

 

「だな、俺も良太郎と出会うまでは馬鹿な事を考えてたが、今じゃすっかり丸くなったしよ。そうだ、おい鍵、これをやるよ」

 

そう言ってモモタロスの手から取り出された物は、電王のライダークレストが刻まれた銀色の鍵だった。

 

「これは······!」

 

「君達風に言うなら、『電王ライドキー』って事なのかな?」

 

「初代電王の力······!ありがとう、大事に使わせてもらうよ!」

 

「おいアラタ、お前にはコレだ」

 

ゼロノスのライダークレストが刻まれたライドキー、『ゼロノスライドキー』だ。

 

「櫻井さん、いえ、ユウトさん!ありがとうございます!」

 

「ほら、次の世界に行きなよ。君の役目なんでしょ?それ、是非役立ててよ」

 

「あぁ!それじゃ、またどこかで!」

 

俺とアラタはそれぞれ目的のために、次の世界へと向かった。

 

 

 

「ただいま〜疲れた〜······」

 

「おかえり鍵」

 

「フィリップお前〜、途中から居なくなってただろう!」

 

「僕の役目はあくまで導きだからね。帰る時はアビリティライドキーを使えば迷うことは無いだろう?」

 

「ま、まぁ、そりゃそうだけどさ······」

 

すると、店のキッチンの奥からこの店のマスターであるオヤジさんが出てきた。

 

「おう鍵、戻ってたのか。ちょうど今お前に客が来ててな」

 

「お客さん?どこ?」

 

「お前の後ろだ」

 

「えっ?ってうぉぁっ!?」

 

俺が振り返って見てみるとそこにはイケメンの見知らぬ男が居た。真後ろに。超ガチ恋距離で。しかし俺はこの雰囲気を知っている。コイツ、どこかで······。

 

「お前、あの時の!なんで人間の姿なんだ!?」

 

「過去に記憶から力を手に入れた奴とお前は出会っているだろう。この姿では名前がないと不便なのでな、『アント』と名乗っている」

 

「アントインベイダーだからか?」

 

「安直で悪かったな」

 

楽しく話をする俺達をよそに、カウンターのテーブルの上には紫色の『ナイトアントインベイドキー』が輝いていた。

 

 

 

「ふーん?アレが世界の門番かぁ。早くライドウォッチ欲しいなぁ······!」




銀色のキーがライドキー(ディケイドライドキーは金色)、紫色のキーがインベイドキーです。インベイダーの力が宿ったライドキーと思って頂ければ良いです。
ナイトアントインベイドキーは、後々重要な役割を果たすキーアイテムとなります。
ちなみに、味方になったインベイダーのアントは、アマゾンズのまもちゃんと同じ立ち位置です。キャラは真逆ですけど······。
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