今回は武神鎧武さんとのコラボ回の最後から散々引っ張ってたあの謎の人物をついに出します!えっ、なんのことだって?詳しくは仮面ライダーゲンムを見てください!
べっ、別に忘れていた訳じゃ無いんだからね!
何も無い暗闇に一人、謎の『黒いライダー』がそこに立ち尽くしていた。
「アナザーライダーを用いた『門番の破壊』は失敗か。チッ、あの役立たずが······!しかし、『ナイトゲート』か······。インベイダーとの絆の力によって生まれたインベイドキー、その中に込められた闇を光に、つまりライドキーに変えて、元から込められていた力とゲートその物の力を合わせることで生まれた力······。ゲート、厄介な敵だな。だが、お前の存在はこの俺が必ず『破壊』するっ!」
「ハックシュンッ!!?」
「盛大なクシャミだね、風邪かい?」
「風邪······、ではないと思う。でも、寒気がしたのは事実だな、なんか殺気みたいなのを感じた······」
「殺気?」
そう、殺気だ。風邪の時に感じる寒気とは別に、だ。俺に対する明確な殺意、どこにいるとも知れないが、俺に殺意を向けて来たそいつが俺と、いや、アラタも含めて「俺達」だな。俺達と同類だというのは、直感ですぐに分かった。同類というのはつまり、『世界を越えられる』という事だ。世界を越えられると言えば、ディケイドの門矢士と、ディエンドの海東大樹が居るが、俺は知っている。士はそんな奴じゃないし、第一『通りすがりの仮面ライダー』だ。それに海東大樹に関しては、恨みを買うどころか、まだ会ってすらいない。となると俺に殺意を向けているのは別の第三者だ。世界を越えられる第三者、俺はそいつに心当たりがあった。前に、シュンガの居る『スフィアアース』という世界に行ったことがあり、その中の一つの世界に、昔のゲートとアインと、『破壊の侵略者』による大戦に巻き込まれた世界があった。何が言いたいかって?俺が言いたいことはつまり、その第三者が、昔のゲートとアインが戦った『破壊の侵略者』ではないか、という事だ。
(『世界の門番』であるゲート、そして『義賊』のアイン、二人は常に対立し、交わることは無かった。でも、一度だけ協力した事があったんだよな。ゲートとアインを気に入らない世界達が、その力を結集して造った存在。ゲートとアインの力を継ぎ、その二つの存在を破壊する為だけに作られた存在······。破壊の侵略者、『仮面ライダーブレイク』。そんな、まさかな······)
「そのまさか、だよ。ゲート、これからお前を破壊する。恨むなら、ブレイクを造った多くの世界と、俺を恨め······!」
「鍵、行くよ」
「行くってどこに?」
「察したまえ」
「インベイダーかぁ、俺絶賛休憩中なんだけどなぁ······。オヤジさんのコーヒーで」
「だが、今回のインベイダーはどうも今まで通りにはいかなそうだ。かなり強力、しかも今回もまたこの世界だよ」
「へぇ?どんなインベイダーなんだ一体······。まぁ、俺が倒すだけだ、なんの問題もない」
「ついでに新しい力も試してみてはどうだい?」
「そうだな。オリスライドキー、そしてナイトゲート。この力の見せどころだ!」
「さぁ、侵略開始だ······!」
「フィリップ案内ありがとう!うぁっ、すごい数のハーフインベイダー······。これ過去最高じゃないか?」
「分からない。今は変身して、コイツらを片付けて、コイツらを召喚しているリーダー格を探し出すしかない!」
「分かってる!レイ、お前の力借りるぞ!変身!」
俺はズボンのポケットに手を突っ込み、そこから二つのライドキーを取り出す。一つは俺がいつも使っている『ゲートライドキー』、もう一つは先日新しく手に入れた力、『オリスライドキー』だ。
《Ride Cross!》
ベルトがタイプチェンジを宣言した直後に、ゲートライドキー、オリスライドキー、順番に回し、変身する。
《World Gate Keeper!KamenRider Gate!Type Ori's!》
『仮面ライダーゲート タイプオリス』だ。さて、オリスは一体どんな力を持っているのだろうか?
「まずはコイツだ、ジョーカー!」
俺は右手にジョーカーライドウォッチを出現させるイメージで、右手を敵にかざし、力を右腕に流し込む。紫色の光が右手に集結し、実体化こそしないがライドウォッチの形を形成する。紫色に光るライドウォッチの幻影のスイッチを押し、実物と同じ要領で能力を解放する。
《Joker!》
スイッチを押すとライドウォッチの幻影は、紫色の光の粒子となって四散し、俺の体に吸収されていく。光が吸収された事で俺の身体能力が強化され、それと同時にジョーカーアーマーが装着された幻影が発生する。とはいえジョーカーアーマーの幻影が発生したのは一瞬でその後すぐに消滅する。
「せいっ!はぁっ!」
ジョーカーアーマーの力はやはりJoker、つまり『切り札』。全ての攻撃が一撃必殺で、それを喰らったハーフインベイダー達は闇色の瘴気となってすぐに消滅する。
「へぇ、凄いな。流石『オリス』なだけはある。じゃぁこれはどうだ?」
再び先ほどと同じイメージで右腕に力を流し、右手に金色の光の粒子を発生させ、グリスライドウォッチの幻影を形成する。俺はそのスイッチを押し、力をジョーカーからグリスに切り替える。スイッチを押すとグリスライドウォッチは消滅し、再び光の粒子となって四散し、俺の体に吸収される。吸収された事で今度はグリスアーマーが装着されたような幻影が発生する。ついでに新しい武器も装着された。
「ツインブレイカーブレイカー、なのかな?しかも二刀流だ!」
オリスがグリスアーマー装着時に使用するその武器は、本家のグリスが使っていたような二刀流となり、俺の拳に装着される。しかし通常のツインブレイカーブレイカーとは少し異なり、本体の左右に取り付けられた銃口と銃口の間、その中心から黄金色の刀身が延び、『本家』と一番異なり、かつ、『元祖』にもっとも近い形状となっている。それと全く同じものが左右の拳に取り付けられており、それぞれフルボトルとライドキーがセット出来そうなスペースが設けられていた。
「うーん、レイの奴こんなの使ってたか?アレか?タイプブリザードの時に使ってたアレか?だとしても大分形状変わってるぞコレ······。えぇっと、ライドキーをセット出来る場所がそれぞれ一つ、フルボトルをセット出来る場所がそれぞれ一つ、か。こりゃぁ本家のグリスにかなり近い武器だな、まぁいい。『心火を燃やして殲滅する』!」
俺はツインブレイカーブレイカーΧ(とりあえずの名前)を使って速やかにハーフインベイダーを殲滅していった。この武器の性能が高かったからか、それとも元々敵の数が少なかったからか、ハーフインベイダーは五分と経たずに全滅し、その場に立っているのはいよいよ俺だけとなる。俺がハーフインベイダーを殲滅した事を確認し、辺りを見回していると、突然謎の『ライダー』が俺の後ろから歩み寄ってきた。
「流石は『世界の門番』って事か、そう簡単には破壊されてはくれないみたいだな?」
「破壊だと?一体何を言って······お前、その姿は······!」
後ろから歩いてきたソイツに振り返ってその姿を確認する。振り返り、俺の目の前に居たのは『黒いゲート』だった。
「黒い、ゲート······!」
「それだけか?他にもっとあるだろう?例えばさ、『この状況を引き起こしたのは誰か』とかさ」
「まさかお前が!?でも、ライダーが一体どうやって?インベイダーはその名の通り侵略者······っ!お前!」
「どうやら辿り着いたようだな?正解♪俺が破壊の侵略者、『仮面ライダーブレイク』。ゲートと対をなし、ゲートとアインを破壊する為だけに作られた存在だ。だが、そんな世界達の勝手な都合で扱き使われるなんてゴメンだ。俺の存在理由はただ一つ、復讐だ。仮面ライダーゲート、お前を破壊する事だ!」
俺はここまで聞いて逆に冷静になる。今はどっちかと言うと怒りの感情の方が強いのだが、何故か心底冷静だ。
「大体お前の言い分は分かったよでも、この世界を巻き込むのは違うだろ?」
「では、お前一人が、仮面ライダーゲートが誕生する為に、他の世界を巻き込むのも違うだろう?」
今ブレイクとかいう奴はなんと言った?「ゲートが誕生する為に他の世界を巻き込む」と聞こえた。
「おい、ブレイクって言ったか?お前それはどういう意味だ!」
「そのままの意味だ。お前が誕生する際、世界はお前の持つその力を恐れてインベイダーを生み出した。元々、自分の身可愛さに生み出した、自分達を守らせるために造った存在なのにも関わらず、だ。ゲートを恐れた世界達は、ゲートの強力な力を奪って、自分のモノにしようと考えた。そしてアインを生み出した、ゲートの力を奪い盗る為にな。しかし、生み出されたアインは従う事を嫌い、生みの親である世界の前からその姿を消した。アインは何度かゲートと対立し、やがて好敵手と言うに相応しい実力となった。これは、世界が恐れるわけだ。元々ゲートだけでも強力な力を持っていたのに、そんな奴がもう一人増えるわけだからな。そんな二人を恐れた世界は、ゲートとアインを破壊する為だけの存在、『世界の侵略者』を生み出した。二人とも「これはまずい、対立してる場合ではない」と考え、手を組んで侵略者に対立し、そして身を呈して『封印』した。しかし、その時点で残されていた力はほんの僅か。二人は未来で侵略者が再び復活するのを予期し、自分の命と引き換えに、魂を自分達の力の源となるベルトに封印し、後世の人間に自分達の思いを託した。それが今のお前達だ。侵略者は二人の予期した通り現代に復活し、再びその姿を現した。それが今ここに居る俺、仮面ライダーブレイクだ」
そう言うとブレイクは見た事のないライドキーを取り出し、自身のベルトにセットする。ブレイクの使うベルトは、ゲートと同じ『ゲートドライバー』だが、俺が装着するオリジナルのゲートドライバーとは決定的に違う。オリジナルが、紺の素体に金と銀の装飾があるのに対し、ブレイクのゲートドライバーは、黒をベースに金と紫色の装飾が施されている。オリジナルの完全な色違いだ。ブレイクは黒いゲートドライバーの二つ目の鍵穴にライドキーを刺し込む。
《Ride Cross!》
「グレードアップ······」
ブレイクは黒いゲートドライバーに手をかけ、元々刺さっていたライドキーと新しく刺し込んだライドキーを回す。
《Invader of Destroy!KamenRider Break!Type Eternal!》
ブレイクの黒いボディがうって変わり、所々で元の姿の意匠が残っているのに対し、ほぼ全てのアーマーが白く変色していく。
「仮面ライダーブレイク、タイプエターナルだ」
(そう来たか······!仮面ライダーエターナルの力、かなり厄介だな。ならこっちは······!)
俺はベルトに刺さった二つのライドキーを引き抜き、新たなライドキーに刺し換える。ナイトゲートライドキーと、Wライドキーだ。刺した二つのライドキーを回し、自身の強化とタイプチェンジを行なう。
「グレードアップ!」
《World of Guardian Knight!KamenRider Knight Gate!!!Type W!!!》
俺は「仮面ライダーナイトゲート タイプW」へと変身する。しかし、いつもと違う点がある。いつもは右半分ライトグリーン、左半分ブラック、というまさにWの代名詞であるサイクロンジョーカーの特徴が強い姿なのだが、今回は右半分ホワイト、左半分ブラック、所々に飾られた刺々しいブレードがあり、ファングジョーカーの特徴が強い姿となっている。今の自分の力を試すべく虚空を殴ったり蹴ったり、『アームファング』や『ショルダーファング』を出してみたりする。なるほど、どうやらゲートの強化に合わせ、ライドクロスの性能も強化されているらしい。
「侵略再開!」
「殲滅再開!」
俺はブレイクに向かって、ブレイクは俺に向かって走り出し、再び衝突する。俺たち自身の力が強すぎるせいか、互いに互いの攻撃で吹き飛び、大きな隙を作る。俺はこの隙を利用してゲートガイアメモリを取り出し、ゲートガイアソードを召喚する。
《ゲート!》
「そう来るか、ならこちらも······!」
ブレイクは右腰から謎の黒いガイアメモリを取り出し、そのスイッチを押す。
《ブレイク!》
スイッチを押されたことで黒いガイアメモリが起動し、虚空から黒い剣が出現する。出現したその黒い剣の姿は、まさにゲートガイアソードそのものだった。
「ゲートガイアソード!?なんでお前が!」
「お前風に言うなら、『ブレイクガイアソード』って所か?」
ブレイクは元から持っていた黒いガンブレードキーと、ブレイクガイアソードをそれぞれ両手に持ち、二刀流のスタイルとなる。
「おいおい、それ俺の戦闘スタイルだぞ!」
「ふんっ」
再び衝突し、それぞれの剣を振り、火花を散らす。何度も剣を打ち合うと互いの剣と剣が衝突し、冷戦状態となる。俺はこの機会にある事を聞いた。
「おいブレイク、お前さっき俺が誕生する為に、他の世界を巻き込んだって言ってたろ?アレどういう意味だ?」
「まんまの意味だよ。ゲートの誕生を防ぐためにゲートを気に入らない世界が、他を巻き込んで多くの世界にインベイダーを出現させた!そのせいで巻き込まれた世界の四分の一は滅びたよ。俺はその巻き込まれた世界に住んでいた人間の一人だ!」
待て、その話が本当なら······
「あの時のインベイダーの大量発生は、ゲートが誕生したから······?俺達の敵であるインベイダーは、世界が生み出したもの······?敵は、世界そのもの······!?」
「どうした?自分が散々守ってきた世界が黒幕だと知らされてショックか?」
ブレイクは剣に力を込めて俺を振り払い、思い切り突き飛ばす。
「いや、そうじゃない。そうか、俺が気に入らないのか······。愚かな世界達は『まだ』そんな事を続けているのか······!」
「何?」
ブレイクのこの発言からか、俺にスイッチが入る。膝をついていた地面から、再び剣を握り、立ち上がる。俺の中に眠っていた誰かが。
「『今のゲート』はまだ若いな、情熱的なのは良い事だが。新しい力もあるようだ」
「······お前、誰だよ?」
様子が変わり、まるで別人のようになった俺に対してそんな質問をするブレイク。人格が変わったのは俺自身も自覚している。俺の中のもう一人はガンブレードキーとゲートガイアソードを握り、ブレイクに対立する。
「さぁ、誰だろうな」
そう言うと奴は俺の体を操り、反撃に出る。奴がゲートとして戦いを始めた途端、先程まで互いに五分と五分だった戦いがうって変わり、奴が一方的に推し、ブレイクが防戦一方となっていた。奴の圧倒的な強さと戦い方、この動きは戦い慣れている奴でないと出来ない芸当だ。瞬時に戦況把握をし、状況に応じて動きを変える。こいつ、一体何者だ?などと考えている間にブレイクが地面に伏し、奴にガンブレードキーを首元に突きつけられる。チェックメイトだ。
「俺達を気に入らない世界が、ゲートとアインを破壊する為に作った存在がブレイク、その通りだ。ゲートとアインはブレイクを危惧し、封印した。そして自分達も。三つの存在は復活し、現代にいる。現代において、もし『君』の世界が破壊されたというのが事実なら、それは俺の、いや、『私』のせいだ、本当に済まない。だが、だからこそ、このまま退いて欲しい」
「もう一度聞くぞ、お前誰だよ?」
ブレイクの問いかけに対し、少しの間をあけ、奴は答える。
「私は、仮面ライダーゲート。『世界の門番』だ」
「それは今······!なるほど、そういう事か。どうりで勝てない訳だよ」
「今のゲートに罪は無い。恨むなら、この世界に生まれた私を恨んでくれ」
「······絶対に倒す。お前も、今のゲートもだ」
「私に挑戦するなら、今のゲートに勝つ事だ。今のままでは、負ける事は無いだろうが、勝つ事も出来ないぞ」
「ふんっ」
ブレイクは奴に背を向け、闇色の空間を開いてその中に消えた。奴もベルトのライドキーに手をかけ、変身解除の準備をする。
「さて、年寄りは年寄りらしく大人しくして、若者に未来を託さなければな。すまないな、少々出しゃばりすぎた」
二つのライドキーを引き抜き、変身を解く。変身を解くと人格は元に戻り、『戸島 鍵』となる。
「なんだったんだ今のは······」
今回の出来事をきっかけに、俺はしばらく苦悩するようになった。