himaginさんとのコラボ回です!
どうぞお楽しみ下さい!
《フィニッシュタイム!タイムラッシュ!》
「であぁっ!!」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「ふぅ、いっちょ終わり!ゲートはいつもこんな面倒臭い奴らと戦ってるのか、大変だな······。さて、そろそろ完成する頃かな♪」
「そろそろ半年かぁ······」
と、俺がやる気なさげに呟くと、その言葉に対してフィリップが反応する。
「半年って、何がだい?」
「俺がゲートになって」
「あぁ、確かに······」
「と!このブランクライドウォッチを受け取って」
俺はフィリップが発する言葉をさえぎり、ベルトの着いていない大きめのデジタル腕時計のようなものを取り出し、それをフィリップに見せる。
「ライドウォッチ?ライドウォッチと言えば、最近新たに誕生した仮面ライダー、時の魔王、仮面ライダージオウが使うキーアイテムだね。なんでそんな物が半年前に?」
「あぁ、しかも俺にこのライドウォッチを渡してきたやつなんだけどさ、どう見ても劇中に登場してないんだよ。クウガとアギトみたいな感じかな?同じ世界線でも全く違う世界······」
「ふぅん?ちなみにどう言った経緯でそれを渡されたんだい?」
「ん?えっと確か······」
半年前
この頃はまだジオウが誕生する直前で、俺はジオウに関してもライドウォッチに関しても無知だった。同時に、まだゲートにすらなっておらず、与えられた仕事をこなすだけのただの社会人だった。その日はちょうど真夏日で、着こなしたスーツの上着と白ワイシャツで熱気がこもり、とても暑かったのを覚えている。後になって知ったのだが、この日は今年一番の最高気温だったらしい。
「あぁっちぃ〜······」
「戸島くん、ネクタイちゃんと締めないと······」
「こら戸島!ネクタイぐらいきっちり締めんか!」
「ほら!課長怒ってるよ!」
「うぃ〜······」
暑さでエアコンがぶっ飛び、熱中症になる一歩手前のこの状態で、ネクタイを緩めて我慢しながら仕事をしてたらネクタイの事を上司に怒られた事も覚えている。それくらいヤバい日だった。俺はそんな真夏日の気温の中、何とかその日の仕事を定時で終わらせた。
「それじゃお先失礼しまーす」
「お疲れー」
「戸島くん、一緒に帰ろ!」
「あぁ」
(((アイツら、この真夏日だって言うのにオフィスの室内温度を更に上げる気か······!)))
俺達は帰り道を歩き、いつも通り梓と居酒屋で寄り道していた(思えばこの頃は梓の事をまだ名前で呼んでなかったな)。夕方の七時位だっただろうか、ようやく外が涼しくなり、梓と別れた直後、ソイツと出会った。
「はぁ〜疲れた!戸島くんお疲れ、また明日も頑張ろうね!」
「あぁ、夏川も気をつけろよ」
「うん、じゃぁね!」
梓を手を振って見送り、視界から見えなくなり、俺も大人しく帰ろう、という所でソイツは現れた。
「あーお兄さんお兄さん!ちょっと良いかな?」
この時は、ただの客寄せだと思っていた。喋り方も何となくそれっぽい。だが近くにそれらしき店は見当たらない。俺はその事実に違和感を感じていた。
「なんですか?」
「ちょっとさ、預かってて欲しいものがあるんだよね」
「預かってて欲しいもの?」
「うん、コレね。それ、『ライドウォッチ』って言ってさ、凄いものなんだよ。でも今は何も入ってなくて空っぽ、ブランク状態なんだ。だから、それがブランクじゃ無くなるまで持ってて欲しいんだ。近い未来、必ず必要になるからさ」
「な、なるほど······。でもなんで俺なんです?預かっとくだけなら俺じゃなくても······」
「俺じゃなくても良いのでは?」と言おうとしたがその言葉は目の前の青年の言葉によってはばまれ、ついに発することが出来なかった。
「君が持っていることに意味があるんだよ、『戸島 鍵』」
「なんで俺の名前を······!」
「それじゃぁ頼んだよ!それに『力が宿ったら』取りに来るからさ!じゃぁね!」
そう言うと、青年の背後に巨大なロボットが現れた。青い体とその顔が特徴的だったそのロボットの目には、白いローマ字で『RIDER』と書かれていた。あまりの状況の変化に思考が追いついていなかった俺は、その青年の名前を聞き出すのが精一杯だった。
「ま、待て!アンタの名前は······!」
青いロボットのコックピットに乗り込もうとしていた青年は顔をこちらに向け、こう言った。
「『オリス』、そう覚えといてよ!」
オリスという青年は今度こそロボットのコックピットに乗り込み、そのロボットを操縦して虚空へと消えた。
「俺、酔ってんのかな?平日なのに飲み過ぎたか?帰ったら即効でシャワー浴びてさっさと寝よ······」
俺はこの出来事を自分の酔いのせいにし、真っ直ぐ帰宅する事にした。
「今考えれば、あの出来事は全て本当だったと理解出来る。あのロボット、フェイスパーツとボディの色が違ったけど間違いなく『タイムマジーン』だし······」
「なるほどね、そのオリスという青年の言葉が本当なら、そろそろ現れるかもしれない、という事だね?」
「あぁ。現に、こうして話している間にブランクライドウォッチの形状が変わってる」
「そうだね。しかし、これはいくらなんでも形状変化し過ぎじゃないのかい?」
「だよな······」
形状変化したソイツを握りしめ、改めてそのライドウォッチの姿を確認する。変色したライドウォッチの形状は紺色のボディをベースに、金色の新規パーツが追加されている。そしてそのウォッチ部分から大きく右に伸び出ていた。このスペースにもう一つライドウォッチをセット出来そうだ。そしてウォッチ部分の中心には、大きく仮面ライダーゲートの顔が描かれている。
「『ゲートライドウォッチ』、って事か?」
「完成した······!」
「今日からお前が仮面ライダーゲートだ」
その言葉と共に異形は『アナザーゲートウォッチ』を受け取り、そのスイッチを押す。闇色の瘴気が異形の全身を覆い、本来の変身者ではない者が変身する禍々しい姿、『アナザーゲート』へと変身した。
「っ!」
「どうしたフィリップ?」
「鍵、この世界に『イレギュラー』が発生した」
「インベイダーか?」
「インベイダーじゃない、『イレギュラー』だ。この世界にはあってはならない存在だ」
「イレギュラーか······。とりあえず案内頼むぞ!」
「分かってる!」
「さて、僕もそろそろ行くかな。未来を救う為に」
「よし着いた!おいそこの!お前何をやってる!」
俺はマシンゲーターで、フィリップの言う『イレギュラー』が現れた場所へと向かった。わだちが地面に思い切り残るほど力強くブレーキをかけ、マシンゲーターから降りてそのイレギュラーの元へと近づく。
「グルルルル······」
「なるほど、無視か。しかしお前のその姿、ゲートに似てるな。俺の真似事か?俺の真似事なら、悪いことはしちゃダメだろ?まぁいい、俺が倒してやる!」
右肩のアーマーには『20XX』と書かれており、左肩のアーマーには『Gate』と書かれている。そんな奴の容姿はゲートを歪ませた様な姿で、一言で言って禍々しい。俺は奴の姿を確認し、ライドキーを一つ目の鍵穴に刺す。しかし、ここで一つの問題が発生する。
「待て待て、なんでベルトが喋らないんだ?」
そう、いつもならばライドキーを鍵穴に刺したその時点でベルトが「Ride Change!」と元気よく喋るのだ。しかし、今回はそれが無い。
「なら、マヴェリックライドキーは!」
そう思ってベルトに刺さったゲートライドキーを引き抜き、マヴェリックライドキーを刺し替える。結果は同じだった。
「そんな······!」
俺はすぐさま変身できない理由を考えた。最大限に思考を巡らせた俺がこの結論に至るのにそう時間はかからなかった。
「タイムジャッカー······!お前、俺のアナザーライダーか!?」
「グラァッ!!!」
「マジかよ······!」
「鍵!君は下がっていたまえ!僕が行く!」
俺が変身出来ないという緊急事態にどこからともなくフィリップが現われ、腰にロストドライバーを巻き、サイクロンメモリを起動していた。
《Cyclone!》
「変身!」
ロストドライバーにサイクロンメモリをセットし、縦になっていたロストドライバーの稼働部分を傾け、仮面ライダーサイクロンへと変身した。そこから更に右腕に巻かれたライディングブレスにグリスライドキーをセットし、仮面ライダーサイクロン タイプグリスへとタイプチェンジした。フィリップはタイプチェンジするなりゲートのアナザーライダー、アナザーゲートへと突進攻撃を喰らわせ、アナザーゲートに問い掛ける。
「君は一体何者だい?なぜ鍵と同じ力が使える!?」
「グラァッ!!!」
と、アナザーゲートのパンチ攻撃。
「くっ······!無視するとは感心しないね!」
アナザーゲートのパンチはあのタイプグリスを容易く吹き飛ばし、フィリップに大きな隙を作らせる。アナザーゲートはその隙に「ある物」を取り出し、ベルトと思われるものにそれをセットしていた。ある物、それは紫色のライドキー、つまり『インベイドキー』だ。
「嘘だろ!?」
「インベイドキーを使うのか!」
《Invade Cross!World Gate Keeper!AnotherRider Gate!Type Nazca!》
禍々しい声で変身音声が響く。アナザーゲートの体の各所のアーマーがドロドロと溶けだし、グニャリと変形して新しい形をなす。『アナザーゲート タイプナスカ』へと変身した。
「タイプチェンジも出来るのか!」
「これは、かなりマズいね。僕達はインベイドキーを用いたタイプチェンジに関しては無知だ。何も知らない。これは、どう対処すべきかな······!」
俺達が絶賛ピンチのその時
「おっ、やってるねぇ!これは僕が居なくても······いや無理か!」
「アンタ、あの時の!」
「やぁ仮面ライダーゲート、半年ぶり♪と言っても、僕にとってはさっきぶりだけどね」
半年前に会ってそれ以来だったあの青年。そう、『オリス』だ。
「オリス!」
「へぇ、覚えててくれたんだ、嬉しいなぁ♪」
オリスと名乗る青年はかなりお気楽なテンションでアナザーゲートに近づき、奴の顔面を思い切り殴る。アナザーゲートは軽く吹き飛び、大きく地面に倒れる。
「生身でだと······!」
「さってっとっ。戸島鍵、約束は覚えてるね?半年前に君に渡したライドウォッチ、今手元にある?」
「あ、あぁ、これだろ?」
俺はオリスに『ゲートライドウォッチ』を投げ渡す。
「そうコレコレ!戸島鍵、君ならもう知ってると思うけど、アナザーライダーはその年代のライダーの力でないと倒せない。僕達ライドウォッチを使うライダーは、その年代のライダーの力が入ったライドウォッチを使う事で、アナザーライダーを倒している。今回の場合はアナザーゲート、つまり君の力だ。だからこのライドウォッチ、使わせてもらうよ!」
オリスは腹にジクウドライバーを当て、それを巻き付ける。オリスはズボンのポケットからまた別のライドウォッチを取り出し、それをアクティブにする。
《オリス!》
ライドウォッチのスイッチを押すとしばらく機械音声が流れ、直後にオリスと言う。
「こっちもね」
オリスは左手に持った俺のライドウォッチ、ゲートライドウォッチのスイッチを押し、そちらもアクティブにする。
《ゲート!》
二つのライドウォッチをジクウドライバーにセットし、右手の親指でドライバー上部分のグレーのボタンを押す。ドライバー本体が傾き、待機音声が流れ出す。変身の構えを取って、左手でドライバー本体を反時計回りに回転させる。
「変身!」
《Ride Time!仮面ライダーオリス!Armer Time!World Gate Keeper!ゲート!》
「仮面ライダーオリス、ジクウドライバーの最初の装着者である『Origin』にして、そのジクウドライバーの開発をした『Special』、この二つの意味を込めてオリスだ。そして今はゲートの力も使える。『仮面ライダーオリス ゲートアーマー』って所だね♪」
「グルルルルルルルルルルルルッ······ガァァァァァァァァァァッ!!!」
「おっ、怒った怒った♪」
オリスは相変わらずのお気楽だ。アナザーゲートの重そうな一撃一撃を軽く受け流し、カウンター攻撃を喰らわせていく。
「このライドウォッチ、もう一つセット出来そうだな?やってみるか」
オリスは更に別のライドウォッチを取り出し、それをアクティブにする。金色のボディに中心に大きく描かれた仮面ライダーグリスの顔。グリスライドウォッチというところだろうか。
「んじゃぁこれをセット!」
《ライドクロス!グリス!》
すると目の前にグリスアーマーが出現し、オリスがそれを蹴飛ばすとオリスに更に上から装着され、絶対零度の如き冷気を纏って同化する。グリスアーマーがゲートアーマーと同化することで進化したのだ。
「フムフムなるほど、『ゲートアーマー タイプブリザード』って感じか」
何度も首を縦に振り、一人で納得しているようだ。それをアナザーゲートは待たず、オリスにパンチを喰らわせようとする。しかし、アナザーゲートの拳がオリスのアーマーに触れた途端、アナザーゲートの拳が凍り、全く動かなくなった。それに何故か痛がってるようにも見える。
「あっ、言うのが遅れてゴメンね。今の僕にあんまり触れない方がいいよ、火傷するほど冷たいから」
なるほど、寒すぎて痛いのと同じ原理か。
「このライドウォッチ面白いなぁ♪他には?」
開発者様はどうやらご満悦の様子。グリスライドウォッチをゲートライドウォッチから取り外し、次のライドウォッチをアクティブにした。
《エボル!》
「エボルだとどうなるんだろ?」
アクティブにしたエボルライドウォッチをセットし、更にタイプチェンジする。
《ライドクロス!エボル!》
エボルアーマーが目の前に現われ、再びアーマーを蹴飛ばす。ついでにエボルアーマーのパーツの一つがアナザーゲートに直撃し、大きく吹っ飛ばす。全てのアーマーパーツがオリスに装着され、ふたたびゲートアーマーと同化する。
「『ゲートアーマー タイプブラックホール』、かな?」
「自分で言うのもなんだけど、俺のライドウォッチすげぇな······」
エボルアーマーは進化し、ブラックホールの力を得た。なるほど、これが俗に言う「ずっと俺のターン!」というやつか。しかしその優勢も長くは続かず、アナザーゲートが反撃しだした。
「なっ!?今のを避けたのか······!」
それどころか、大ダメージを喰らってしまうオリス。
「グゥゥゥゥゥゥゥラァッ!!!」
「がっ、ガハァッ······!」
鈍い音がここまで響いてくる。マスクの下で吐血でもしているのだろうか、液体が落下する時のぴちゃぴちゃという音まで聞こえてくる。
「「オリス!!!」」
「来ないでね!僕には、ソウゴくんを『魔王にした責任』がある。ゲイツくんを『救世主にした責任』がある。でも、僕は知っている!ソウゴくんは、オーマジオウの未来を知った上で、最高最善の魔王になると言っている!ゲイツくんも、ソウゴくんの未来を知った上で、ソウゴくんを信じ、魔王を支える救世主になろうとしてる!なら僕には、開発者として、そんな二人を支える責務がある!!!コイツは、僕一人で倒す!!!」
今のオリスの発言に、
「おふざけはここまで、本気で行くよ!!!」
「······鍵、僕は彼を止めるよ」
「フィリップ······。でも、それはアイツの、オリスの思いを踏みにじることになる!」
「分かってる!鍵、アナザーゲートの変身者が何者か分かるかい?」
「どういう意味だ?」
「そのままの意味だよ。アナザーゲートの変身者は、僕達の敵、『インベイダー』だ!」
「嘘だろ······!」
「このままでは、彼は死んでしまう。いくら時を超えることが出来る彼だとしても、本当の意味で未来が閉ざされてしまう!」
俺はすぐさまズボンのポケットに入っていた『ナイトアントインベイドキー』を取り出し、右手の手の平の上に乗せてそれを見つめる。フィリップは、俺がこれからする事を想像出来たのか、険しい表情で問いかけてくる。
「鍵、何をする気だい!?」
「相手がイレギュラーその物なら、こっちもイレギュラーを発生させればいい······!」
そう言って俺はナイトアントインベイドキーをベルトの鍵穴に刺す。
《Ride Change!》
「反応した!」
ゲートドライバーが反応したことに歓喜し、その勢いで鍵を回す。しかし何も起きない。訳も分からないままインベイドキーを何度も回す。しかしやはり反応せず、ゲートドライバーは沈黙を続ける。
「なんで、なんでだよ、今反応しただろ!?なんでここで動かねぇんだよ!?頼むよゲート、俺に力を貸してくれ!アント、俺に力を貸してくれ!!頼む、今動かねぇとアイツが、オリスが危ないんだよ······!だから、動けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
強い思いを乗せて鍵を回すとついにゲートドライバーが反応し、紫がかった黒い闇が俺の体にまとわりつく。
「グッ!?アァァァァァァァァァァァァァッ!!?」
「鍵!?クソッ、体が自由に動かない!」
体が苦しい。息が出来ない。闇に吸い込まれそうだ。気を抜けば、すぐに堕ちてしまうかもしれない。だが、こんな物がどうした。
「くっ、グゥッ!!!こんな苦しみがどうしたぁっ、こんな闇がどうしたぁっ!!!目の前には、俺より苦しんでる奴がいる!この程度じゃ俺は折れない、こんな闇、光に変えてやる······!!!」
やがて俺の体にまとわりついた闇は光に変わり、光が俺の体を覆う。
「ゲート、アント、ありがとう。これで俺はまた、戦える!」
紫色のインベイドキーは変色し、水色のライドキーへと変化する。俺はそのライドキーに手をかけ、それを捻る。
「オリス、今行くぞ。変身っ!!!」
《World of Guardian Knight!KamenRider Knight Gate!!!fooooooooo!!!》
「うるさい!」
文句を言いながらも、俺はゲートの新たな姿、『仮面ライダーナイトゲート』に変身した。見た目は大きく変わり、普段のゲートにいくつかの装甲が追加され、要所要所に走っていた金色のラインは銀色に変わり、ベルトの言う『ナイトゲート』に相応しい姿となった。
「待たせたな、オリス」
「戸島鍵、君、その姿は······!そもそもどうやって変身を!?」
「ナイトゲート、これが俺の新しい力だ。力をどんだけ真似ても、本質までは真似出来ない」
「なるほどね」
「オリス、コレだけはハッキリ言っておくぞ。コイツはお前一人では倒せない」
「······」
「なんでか分かるか?変身者がインベイダーだからだ」
「インベイダー!?インベイダーって確か君達の······なるほど、そう来るのか」
「アナザーゲートは俺には倒せない。でも、インベイダーもお前には倒せない。だから、協力して戦おう!」
「うん、そうだね。分かった!」
さぁ、『殲滅開始』だ。
アナザーゲートは「これはヤバい」とでも思ったのか、背後に闇色の空間の穴を開き、そこから大量のハーフインベイダーを召喚する。
「アイツらは······」
「やっぱりそう来るか。そりゃ、本来変身出来ない奴が奇跡的に変身すれば焦りもするか。オリス、アイツらは『ハーフインベイダー』だ。中途半端な存在だからハーフだ。コイツらは、リーダー格のインベイダーを倒さなければ際限なく湧き続ける。逆に言えばアナザーゲートさえ倒せばコイツらは消えるって事だ」
「なるほど、余裕だね。でも、そうなるとその間このハーフインベイダー達を抑えといてくれる人が欲しいね?」
「それなら我々に任せろ。インベイダーの大群には、インベイダーの大群だ」
突然後ろから声が聞こえてくる。慌てて後ろを振り向くと、闇色の空間の穴が開いており、その中からウワサのアントと、その仲間が出てきた。
「えっ何、新手!?」
「アント!来てくれたのか!」
「あぁ。どうやら、我らの鍵は役に立っているようだな。我らの同胞が一人居なくなってな。反応を追っていくうちにお前と似た力を纏っていることが分かった。まさか、アナザーライダーになっていたとはな······。皆行くぞ、変身!」
「「「「「変身!」」」」」
アントと仲間達は変身の掛け声と共に、闇色の光をまとって、文字通り人間体からアントインベイダーに変身し、アントの「突撃!」という掛け声と共にそれぞれハーフインベイダーの大群に走っていく。
「お前達、コイツらは我々が抑えておく。お前達はアナザーライダーを倒すのだ!」
「分かった!ありがとうアント!行こうオリス」
「うん!良い奴も居るんだね?」
「まぁな。人間の心の力を学ぶ為に俺達の味方になってくれたんだとさ」
「なるほどね」
俺達はそんな言葉を交わしながらも、オリスは自身の専用武器である『ジカンクラッシュ』と、俺は『ガンブレードキー』と『ゲートガイアソード』を取り出す。オリスはジカンクラッシュのハンマーモードでアナザーゲートを何度も殴りつけ、俺はガンブレードキーとゲートガイアソードの二刀流でアナザーゲートを何度も斬りつける。俺達の
《Finish Time!》
《Ride Attack!》
「「これで終わりだ!」」
俺達は同時に腰をかがめ、ライダーキックの準備体制をとる。
《World!Time Rush!》
《Gate!Knight World Finish!》
ベルトの必殺技発動宣言がされたと同時に俺達は上空に飛び上がり、ライダーキックの姿勢をとる。しばらくして体の上昇が止まり、しばらくその場に留まってアナザーゲートに向かって一直線に滑空する。
「「ゼアァァァァァァァァァァァァァッ!!!」」
「グガァァァァァァァァァァァッ!!!」
俺達がライダーキックを命中させ、地面に着地したと同時に後ろで大爆発が起きる。アナザーゲートの爆発だ。やがてアナザーゲートは消え、アナザーゲートへの変身に必要となるアナザーウォッチの力も消え、元のブランク体となる。爆発の中から瀕死の状態で地面に伏している『アントインベイダー』が現れた。アントはハーフインベイダーが消えた事で変身を解き、倒れている奴の元へ歩いていく。
「やはりか。まさか、まだゲートを倒そうなどと考えるものが居たとは······。すまないな、お前には消えてもらうぞ」
そう言って自身が右手に持った剣をソイツの背中に突き刺した。刺されたソイツは闇色の瘴気となってその存在を消した。
「コイツのケジメは我々が撮るべきだ。だからこうしてやってきた。ではな」
そう言い残すとアントは仲間を引き連れて、再び闇色の空間の穴中へ消えた。
「素直じゃないなぁ」
「さて、アナザーゲートを倒せたし、僕はそろそろ帰るかな」
「おい待て!なぁオリス、お前の名前って実は名前じゃないだろ?本名教えてくれよ」
オリスがマイペースにタイムマジーンを呼び出し、それに乗り込もうとするところで俺がオリスを呼び止め、本名を教えろと言うと、オリスは不敵な笑みを浮かべてこう名乗る。
「白羽レイ、それが僕の名前だよ。じゃぁね、戸島鍵」
「あぁ!またどこかで······!」
オリス、いや、レイは自分の本名を名乗り、今度こそタイムマジーンに乗り込み、自分のいるべき場所へと帰る。仮面ライダーオリス、白羽レイ、いつかまたどこかで会おう。俺は右手に握られた『オリスライドキー』を手に、心の中でそう言った。
はい、いかがだったでしょうか?
himaginさんとのコラボ回、無事終わらせることが出来ました!(最後の部分ちょっと心配だけど)(ボソッ)
今回作品に出てきた「仮面ライダーオリス」は、himaginさんの「仮面ライダージオウ 現れるはもう一人の2068年のライダー···」という作品に出てきます。是非そちらの方も読んでください!
himaginさん、ゲートライドウォッチ好きに使っちゃってください!それでは!