さて、話の続きだ。前に話した内容では遂に俺が変身して、仮面ライダーゲートとなった訳だ。
早速だけど、話の続きをしていこうと思う。
こうして話している俺だが、実はゲートになって日はまだ浅い。今話している内容からあまり時間は経っていないんだよ。手元にあるライドキーも、まだゲートライドキーとWライドキー、そしてディケイドライドキーしかない。いや、ライダーの居ない世界の方が多いから当たり前か······。まぁとにかく、今回は前回の続きを話す。耳かっぽじってよく聞いておけよ!
「俺は仮面ライダーゲート、世界の門番だ!」
俺がゲートに変身し、驚きを隠せずにただ呆然と立ち尽くす夏川、やりやがったと言わんばかりにマスク越しでも分かる驚愕の反応を見せるディケイド、そして、存在しないはずの仮面ライダーの誕生に怒りを隠せずに居るインベイダー。それぞれの反応を向けられ、仮面ライダーになったんだという実感が沸いてくる。
「全くライダーは、何処まで我々の邪魔をすれば気がすむのだぁ!お前ら、やってしまえ!」
怒りの沸点をとうに越えていたインベイダーは、自らの胸ぐらを掴んでいたディケイドを力強く払いのけ、次々と雑魚のインベイダーを召喚する。俺は応戦するために、その群れへ飛び込んでいった。
「仮面ライダーになりたい」、その望みが叶った俺は、どこまでも強くなれる気がした。事実、俺は今までに無いくらいの希望に満ち溢れ、そしてインベイダーと戦い、何の問題もなく、
「アイツ、本当に初変身で、初戦闘か?とてもそうは見えないな。俺が言えた事でも無いが······」
「オラッ、オラッ、オラッ!よし、どんどん行こう!」
「グヌヌヌヌヌヌ······!このマヌケ共がぁ!俺が行く!」
雑魚インベイダー(以降中途半端と言う意味で「ハーフ」と呼称)が使えない事からか、元々達していた沸点の更に上を行き、怒りの限界を越えたようだ。
「ふんっ!ふぅんっ!うるぅあぁ!!」
「うわっ!?ちょっ、危ないだろ!」
俺はギリギリ全ての攻撃を紙一重でかわし、何とか一撃必殺を間逃れる。元々このインベイダーは体格が良く、よく見るマッチョのような体格をしていた。そして頭にサイのようなでかい一本角があり、ヤツの足跡を見る限り相当な重量があるようだ。もうここまで来るともう完全にサイだな、うんサイ。以後は「ホーンインベイダー」と呼ぶことにしよう。このホーンインベイダー、見た目からも分かるとおり、攻撃力もかなりヤバそうだ、喰らったらひとたまりもないだろう。ひたすら避けてホーンインベイダーのスタミナが切れるまで待とう、という寸法だったが、どうもそうもいかなそう。元々デスクワーク専門だった俺は、特別体力が高い訳でもなく、寧ろそのせいで低い。今までどうやって戦ってたのか不思議だと思うくらいだ。俺が先にスタミナ切れになって息切れ、更にそこへ全身の筋肉痛と来たもんだ。これは痛い。そこにチャンスと言わんばかりに全力でパンチをお見舞いしてくるものだから、これはまだ戦えるって方がおかしい。
「戸島君!!!」
「おっと、お前はこっちへ来い、お前には人質になって貰うぞ」
「いやぁ、離して!」
今までハーフの相手をしていたディケイドが流石にヤバいと思ったのか、ハーフを一掃してホーンインベイダーの方を向く。
「おい、お前何を!」
「いいのか?この女がどうなっても?」
「くっ、この卑怯者め······!」
「戸島君!戸島君!!」
「夏川、守ってやれなくて、ゴメン、な······」
「ふむ、やはり今の力だけじゃ力不足の様だね、相手が悪すぎる」
「あっ、フィリップ」
「やぁ、さっきぶり」
俺は戦闘中に気絶でもしたのか、また宇宙の様な場所に来ている。そして目の前に再びフィリップが現れた。
「またこんな所に呼び出して、まだ何かあるのか?」
「あぁ、これを渡そうと思ってね。Wライドキーだ。僕、いや、僕達仮面ライダーWの力がそれには入ってる」
「Wの力が······!」
「サイクロン、ジョーカー、ヒート、メタル、ルナ、トリガー。この六つの力がそれには入ってる。それを使って、上手く彼女を助け出すんだ。本当に大切な人なら、必ず助け出して見せろ」
「フィリップ······。わかった、絶対助け出す。しかし何でいまなんだ?さっき渡してくれれば良かったのに」
「ヒーローは何度も倒れて、何度も立ち上がるものだ。それに、立ち上がった後にパワーアップした方が、カッコいいだろ?」
「っ!確かにな!じゃぁ行ってくる!」
「あぁ。さて、僕も僕の仕事をしないとな······。僕の仕事、それは<導き>······!」
「······まだだぁっ!!!」
「何だと······!?」
「まだ、終わってない······!」
「戸島君、もういいよ、もういいから無茶はやめて······!」
「お前、その体はもう限界をとっくに迎えている、これ以上は本当に死ぬぞ!」
「これはっ!俺のワガママなんだ!夏川を助けたいという、俺のっ!だから、もう少しそれに付き合ってくれよ······!」
俺はそう言い、右腰のホルダーに入っていた「Wライドキー」を取り出した。
「お前は絶対に倒す!彼女も無事に助け出す!それが今の、俺の正義だぁっ!グレードアップ!」
そう叫んで俺はベルトの二つ目の鍵穴にWライドキーを差し込む。
[ライドクロス!]
待機音声が流れだし、二本目の鍵穴に刺さったそれを回した。
[World gate keeper!KamenRider Gate!Type W!]
タイプWと言い切った後にサイクロンジョーカーの変身音が流れ、「仮面ライダーゲート タイプW」へと変身する。
「なっ、なんだその姿は······!」
「反撃開始だ」
Wライドキーを刺した事によってパワーが少し回復した俺は、「トリガーマグナム」を右手から召喚し、ルナのエネルギーで追尾弾を発射してホーンインベイダーへと的確に当てた。俺の攻撃で怯んでヤツの腕から夏川が離れた。この隙を逃さず、素早く自分の体の右半分をルナの力に切り替え、腕を伸ばして夏川を自分の居るところへと回収した。
「ぐぅっ、中々······人質が!?この卑怯者め!」
「どっちが卑怯者だよ、散々人様の世界荒らしておいて、あげくの果てには人質まで取りやがって······!」
「うるさい!人間など、我々にとって生きる道具にすぎん!」
「そうか、なら、その道具がお前を倒してやる!」
俺は右半分の力をヒートに切り替え、攻撃を超高火力に切り替えた。
「害獣駆除は徹底的にしないとな?」
俺はホーンインベイダーに何発も射ち、ジリジリと歩み寄る。ある程度距離が取れた所で、左半分をメタルに切り替え、超接近戦に切り替えた。
「はぁっ!ふっ!やぁっ!!」
「グッ、グアァッ!調子に、乗るな!」
ホーンインベイダーも負けじと反撃するが、その拳は俺に届かず、空振りに終わった。しかしその後ろに何匹ものハーフが居て俺に襲いかかってくる。
(これは流石に対応しきれないっ······!)
俺がそんなことを考えながら防御の体制をとると、突然横からディケイドが割り込んでハーフ共を跳ね返す。
「コイツらは俺がやっておく。お前は目の前の戦いに集中しろ!」
「あぁ!」
ディケイドと背中合わせ。いつもの俺だったらテンション爆上がりのタイミングだが、今はそれを喜んでいる暇はない。
俺たちは互いの相手のいる方へ走り出し、攻撃を仕掛ける。
「とりゃぁっ!」
「ふんっ!」
「ぐぉぁっ!」
ホーンインベイダーが後ろに大きく倒れた。そろそろ決着がつきそうだ。俺は力を元のサイクロンジョーカーに切り替え、ゲートライドキーを回した。
[ライドアタック!ゲート!ワールドフィニッシュ!]
地面を思い切り蹴って、大きく宙に舞う。そのままキックの体制をとり、そのままホーンインベイダーに向かって一直線で降下していく。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
爪先がホーンインベイダーに当たった瞬間、俺は右に一回転し、世界を「強制解錠」し、そのままホーンインベイダーを貫いた。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
やがてホーンインベイダーは断末魔と共に爆散し、その世界を終わらせた。
「はぁっ、はぁっ、んっ······」
俺は生唾を飲み込み、膝から地面に崩れ落ちる。今までにない疲れだった。吐き気をもよおす時なんかもある。
「おつかれさん、初戦闘にしては、まぁやるじゃん」
一瞬「何様だよコイツ」と思ったが、門矢士の顔を見て、「そう言えばそう言うキャラだったな」と納得してしまった。
「ありがとう······」
「そうだ、お前に良いものやる。手を出せ」
俺は言われるがままに手を出す。一体何が出てくるんだ、と想像しているとライドキーが出てきた。
「ソイツを使えば、俺のいる世界に入る事が出来る。行き詰まったとき、俺のところへ来い。お前はライダーとしてはまだまだ未熟だから、俺が先輩として色々教えてやる。じゃぁな」
そう言うと門屋士は素早くオーロラを呼び出して、また自分の居場所へと戻っていった。
「戸島君っ!」
「うぉっと!?」
すると今度は夏川が俺に向かって飛び込んできた。ホーンインベイダーに何をされた訳でもなく、目立った外傷もない。良かった、無事に助けられて。
「戸島君、戸島君······!」
「おいおい夏川離れろって、流石に暑苦しい」
「だって戸島君、死んじゃうかと思ったんだもん······!」
「でもこうして生きてる。それで良いじゃん」
「そうだね······。ねぇ、さっき世界の門番って言ってたよね。戸島君、この世界から出ていくの?」
「そうだな、ライダーになった以上、それは避けられない運命なんだ」
「そんな······!」
「大丈夫だって、近い内にまた会えるからさ!俺が住んでる店のマスターに、俺が仮面ライダーになったって伝えといてくれ、それじゃ!」
俺は立ち上がり、慣れていないはずのオーロラを呼び出す動作をいとも簡単には行い、呼び出したオーロラの中に入って、自分のいた世界を出ていった。
「はぁ······。戸島君、帰ってくるっていったのに、全然帰って来ませんね······」
「まぁ、アイツは世界を駆け回る仮面ライダーになったんだろ?そんなすぐに帰って来れるものでもねぇだろ」
「そうだぞ、こっちもこっちで忙しいんだからさ、少しは気長に待ってくれよ」
「戸島君!」
「おう、ただいま」
これが俺の始まりの物語、仮面ライダーゲートとしての初仕事の時の話だ。そっから何週間か経って、ゲートとしても、ライダーとしても成長したのが、今こうして話している俺だ。最初の頃は、この先どうなるのかと思っていたが、まぁなんだかんだでなんとかなった。これからも俺はどんどん強くなる。戸島鍵として、そして仮面ライダーゲートとして!