仮面ライダーゲート   作:YOPPY1031

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※注意!この作品にはオリジナル解釈などが多々あります!まず以下の説明を読んでください!
・渡は母親との面識があります。というか母親の事を覚えています。
・渡は母親のファンガイア態の姿をちょっとだけ見た事があり、そしてそれを少しだけ覚えています。
・この作品でのキバの世界はあくまでもTV版の平行世界であり、ちょっとした違いがあります。

それでも良きという方は、どーぞ!


仮面ライダーキバ

渡は部屋に飾られた綺麗なヴァイオリンと弓を手に持ち、(あご)をヴァイオリンの本体にあて、音楽を奏で始める。渡は音楽と一体となり、美しく、かつ華麗な音色を響かせる。俺達が渡の奏でる音楽に聴き惚れているとどうやら終わりに近づいたようで、最後に激しめの和音を奏で、指でヴァイオリンの弦を弾いて曲を終わらせた。静かに顎からヴァイオリンを離し、俺達に一礼した。感動のあまり俺は拍手せずにはいられず、フィリップとアラタも、俺の拍手に釣られるようにして拍手をしだした。

 

「ありがとうございます」

 

仮面ライダーキバの本編で渡が何回かヴァイオリンを演奏していた為、渡がヴァイオリンを演奏できるのは知っていたが、実際に生で聴いて見た後でも、渡の腕の良さを改めて実感出来た。

 

「凄いじゃないか渡!お礼にヴァイオリンを演奏してくれるって言ってたけど、まさかここまでとはな······」

 

「僕の腕は、多分父親譲りです。僕の父は、世界的に有名な凄腕のヴァイオリニストで、でも物凄い自信家で、女好きで、とにかく自由奔放なんです。でも、本気で惚れた女性や音楽に対してはどこまでも真っ直ぐでどんな無茶でも出来る人なんです。僕が今使ったこのヴァイオリンは『ブラッディ・ローズ』、父と母が共同で作り上げた、僕が知りうる中では最高のヴァイオリンです。僕が今こうしてヴァイオリンを作っているのは、両親の形見とも言えるこれを越えたいと思ったからなんです。僕の、原点です」

 

(紅音也とパールシェルファンガイアか······)

 

「そうか······。話してくれてありがとうな、渡。でも、他人である俺達に何でそれを話してくれたんだ?」

 

「何ででしょう、僕にも分かりません。あなた達と話してると、楽しくてついつい口がすべっちゃいます」

 

「そうか、ありがとう。それは嬉しいんだけど、でもな渡、相棒も相手にしてやれよ。お前の相棒、泣きそうになってるぞ」

 

俺がそう言うと驚いたような顔をして後ろを振り向く。すると渡の目には、大きな赤い目に溜めた涙をこぼさずにこらえ、今にも泣きそうな金色の蝙蝠(こうもり)、『キバットバットⅢ世』の姿が映った。

 

「き、キバット!?どうしたのそんな今にも泣きそうな顔をして!」

 

「だってよ渡、お前俺が何度呼びかけても全然気づいてくれなかったじゃねぇか······」

 

「ごめんごめん。それでどうしたの?」

 

「あぁ。ブラッディ・ローズが反応してるぜ」

 

キバットバットⅢ世の言葉に促され、渡がブラッディ・ローズの方を向くと、何かに取り憑かれたように不気味な音を響かせ続けるブラッディ・ローズがあった。同時にフィリップも今回の親玉でもあるインベイダーの反応を感知したらしい。どうやら戻ってきたと見て間違いないだろう。

 

「行くか」

 

 

 

俺達がそれぞれのバイクに乗って現着した頃には例によって侵略が始まっており、瓦礫にまみれた崩れた街となっていた。さて、今回のインベイダーはどんな奴だ?

 

「ウフフ♪やっぱり最高ね、人間の愛するものを壊していくのは♪」

 

なるほど、今回は女だ。そして、どうしても渡とは戦わせたくない見た目をしている。

 

「鍵さん、今回のインベイダーの姿って······!」

 

「あぁ、パールシェルファンガイアだな」

 

今回はどうやら記憶から能力を吸収したタイプらしく、どうやら渡の記憶から『母親の記憶』を吸収して進化したようだ。そして渡の母親、つまりパールシェルファンガイア、真夜だ。さしづめ『パールシェルインベイダー』というところか。

 

「パールシェルファンガイアか。確か紅渡の母親だったね」

 

「正確には、人間態の時は真夜って名前だな。パールシェルファンガイアは二人いるが、おそらく真夜の方を吸収したで間違いないだろう」

 

「母、さん······?母さんだよね!?どうしてこんな事するの!?なんで!?」

 

まずい、渡がパールシェルインベイダーを完全に真夜だと、自分の母親だと思い込んでいる。これはまずい。渡は純粋で、それでいて優しい心の持ち主だ。それ(ゆえ)に何度もその優しさをファンガイアに利用され、ピンチに(おちい)った事が何度もあった。このままでは今回も······

 

「渡、助けて······!何者かに体を勝手に操られて身動き出来ないの!お願い!」

 

「母さん······!今助けるからね母さん!変身!」

 

渡はキバットに左手を噛ませ、腰に鎖が巻き付くようにして出現したベルトにキバットをセットし、仮面ライダーキバに変身した。

 

「母さんの中から出ていけ!ぐぁっ!?」

 

「ウフフフッ♪」

 

ダメだ。パールシェルインベイダーは渡が自分を母親だと信じ切っているのをいい事に、渡を好き放題にしている。

 

「あぁ渡、私苦しいわ。早く助けて······」

 

「母さん······!」

 

パールシェルインベイダーは声も似ている。その上、渡の記憶を吸収しているんだ。どんな母親だったかも理解した上で演じているのだろう。

 

「鍵さん、僕達も!このままだと渡くんがやられてしまいます!」

 

「変身しよう、鍵!」

 

「分かってる!」

 

「「「変身!」」」

 

俺達もそれぞれ仮面ライダーゲート、仮面ライダーアイン、仮面ライダーサイクロンに変身し、パールシェルインベイダーに攻撃する。

 

「殲滅開始!はぁっ!」

 

「あなたの運命を頂戴する!ふっ!」

 

「さぁ、お前の罪を数えろ!せいっ!」

 

「ぐぅっ!?」

 

「待って下さい皆さん!母さんはインベイダーに操られているだけなんです!」

 

「そこをどくんだ渡!そいつは紛れもないインベイダーだ!」

 

「お願いします!信じて下さい!」

 

「操られてるだけなら良いんだけどな、それなら何とかならなくもない。が、そいつはどうにもならない。お前の母親をただ演じているだけの偽物なんだからな!」

 

俺がそう言うと、俺達に攻撃されて渡の後ろで倒れていたパールシェルインベイダーが復活し、渡を後ろから攻撃する。

 

「カハッ······!母、さん······!?」

 

「ウフフフッ♪ごめんなさい渡、本当にごめんなさい♪」

 

渡は後ろからの強攻撃と裏切られたというショックで変身を解除してしまい、地面に倒れ込んでしまう。

 

「渡!」

 

キバットバットⅢ世が真っ先にベルトから離れ、渡の顔を足でつついたりしながら渡の反応を確かめる。ダメだ、反応がない。完全に気絶している。

 

「フフ······ウフフフフフッ♪ごめんなさいね渡、本当にごめんなさい♪あなたが純粋で簡単に騙されてくれるから、お母さんついはしゃいじゃったわ♪」

 

「お前っ、渡がどんな思いでお前を守ったと思って······!」

 

「知らないわ。この子が勝手に騙されて、この子が勝手に私を守っただけ。この子が純粋な子で助かったわ♪」

 

家族でないのは勿論、親戚ですらない赤の他人が何ただ一人に肩入れしてるんだって思った奴、笑えばいい。例えどんなに笑われようとも俺は渡を助ける。

なんでそんなに肩入れするのかって?さぁ、なんでだろうな······。

 

「インベイダー、覚悟しろ。俺は今、猛烈にキレてる······!」

 

俺は右腰からマヴェリックライドキーを取り出し、ゲートライドキーと刺し替える。

 

《Burrrrrrrrrrst!!!》

 

「アップデート!」

 

《Berserker of passion!!!KamenRider Gate!!!Marrrrrrrrrrvellick!!!》

 

ゲートとしての俺の全身が紅い炎に包まれ、アーマーが変色して黒い炎の模様が現れてマヴェリックゲートに変身する。

 

「今の俺は、仮面ライダーじゃない。世界とか関係なく、ただただ一つの事の為に戦う雇われ傭兵だ。だから、仮面ライダーとしての俺は期待するな。俺はこれから、絆の為に渡を救う!!!」

 

久しぶりに変身したマヴェリックゲート。特に違和感があるわけでもなく、寧ろ前よりも力が馴染んでいる。ナイトゲートへの変身が可能になった事で俺自身もパワーアップしたのだろうか?久しぶりにアレを使おう。

 

《Ride Weapon!Riders Weapon!》

 

「レジェンドライダーの武器達よ、俺に従え!」

 

ガンブレードキーにウェポンライドキーを刺してそれを捻り、俺が叫ぶと光の粒子が現れ、それぞれレジェンドライダー達の武器の形を形成していく。

 

「行け!」

 

俺は脳内で指示を出しながらそれらを操り、かつ、ガンブレードキーを右手に、ゲートガイアソードを左手に持って、パールシェルインベイダーを攻撃していく。

さぁ、反撃開始だ。

 

「ぐぅっ!?なんなのよコイツら!?」

 

「うちの頼もしい頼もしい兵士達だ。痛いだろ?もっとも、渡の心の方が痛いだろうけどな!」

 

そう言って俺は両手に握った二つの剣でパールシェルインベイダーを切りつけ、ダウンさせる。

 

「フィリップ、アラタ!お前らはハーフインベイダーを頼む!」

 

「了解だよ」

 

「任されました!」

 

フィリップはライディングブレスにグリスライドキーを刺してタイプグリスへ、アラタはベルトにルパンライドキーを刺してタイプルパンに変身する。フィリップは、油や硝煙の匂いが漂う黒い嵐を発生させ、それをハーフインベイダーの群れに飛ばして、アラタはルパンガンナーを召喚し、セットされたルパンブレードバイラルコアのブレードを展開し、それを左手に逆手に持って、それぞれ攻撃していく。

 

「おい渡起きろ!いつまで寝てる!」

 

俺は渡を守りつつも渡に接近し、ペチッと音を立てて軽くビンタして気絶している渡を起こした。

 

「アレ、僕は一体······。そうだ、確か母さんに······」

 

「いい加減に現実を見ろ渡!アレがお前の母親なのか!?奴の心をそっくりそのまま体現したかのような、あんな奴が!」

 

「ソレは······」

 

「アイツはお前の記憶から力を得たタイプだ。だからお前の母親がどんな奴だったか、大体は分かる。つもりだ。渡、お前の母親はあんな心無い事が出来る奴だったのか?」

 

「っ!違う!」

 

「なら立て!」

 

「はい!キバット!」

 

「おっしゃ!キバっていくぜ!ガブッ!」

 

渡の顔にステンドグラスのような模様があらわれ、眼が紅く変色する。直後、腰にどこからともなく鎖が現れ、紅いベルトに変形して巻き付く。

 

「変身!」

 

宙を飛んでいたキバットバットⅢ世を捕まえ、ベルトにセットするとキバの鎧が現れ、再び仮面ライダーキバに変身する。

 

「渡、私を信じて!」

 

「いいえ、信じません。僕が信じるのは、僕が信じた人だけです!」

 

キバに変身した渡は、俺の顔を見てそう言った。

 

「なんだよ、照れくさいな」

 

ついに俺は耐えられなくなり、キバに変身した渡の背中を強めに叩く。

 

「痛っ!?」

 

「ほら、行くぞ、」

 

「ってて······。はい!」

 

俺達は走り出し、パールシェルインベイダーに一蹴り喰らわせる。

 

「キバット、アレやるよ!」

 

「了解だぜ!渡の為だ、大出血大サービスだ!」

 

渡は、青、緑、紫の三つの笛のようなもの、「フエッスル」を取り出し、キバットが口を開いてそこにセットする。まずは青いフエッスル。

 

「ガルルセイバー!」

 

次は緑のフエッスル。

 

「バッシャーマグナム!」

 

そして、最後に紫のフエッスル。

 

「ドッガハンマー!」

 

やがて彫刻のような姿をした従者達がそれぞれ右腕、左腕、胴体とそれぞ憑依し、『仮面ライダーキバ ドガバキフォーム』となった。俺もセットしていたマヴェリックライドキーを抜き、そこにナイトゲートライドキーを刺す。

 

《Ride Change!》

 

「アップデート!」

 

《Would of Guardian Knight!!!KamenRider KnightGate!!!fooooooooo!!!》

 

「殲滅再開!」

 

ナイトゲートに変身し、俺は渡と協力してパールシェルインベイダーの殲滅を再開した。渡は左手にガルルセイバー、左手にバッシャーマグナムを、俺は右手にガンブレードキー、左手にゲートガイアソードを持ってそれぞれ攻撃していく。やがて自分たちの強攻撃でパールシェルインベイダーはダウンし、大きな隙を作る。

 

「トドメだ!行くぞ渡!」

 

「はい!」

 

渡が紅いフエッスルをキバットに咥えさせるとキバットはフエッスルを咥えたまま宙を飛び、右脚に巻かれた鎖を破壊して紅い翼を広げる。渡の背後に大きな満月が現れ、紅く変色して空を妖しく照らす。

 

「ウェイクアップ!」

 

「じゃぁ俺も!」

 

《Knight Gate!!!World Finish!!!》

 

共に空を舞い、背中合わせになってそれぞれ必殺技を発動し、パールシェルインベイダーに命中させる。

 

「「でぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」

 

俺達が同時に着地すると地面にキバとゲートのライダークレストが刻まれ、アスファルトの地面に大きなヒビが入る。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

やがてパールシェルインベイダーは爆散し、断末魔と共にその世界を終わらせた。

 

 

 

「皆さん、ありがとうございます。あの、お礼って訳じゃないんですけど、コレ······」

 

「キバライドキーか」

 

「そして僕はこのイクサライドキーを貰っていきます」

 

「アラタお前、いつの間に盗ってたのか······」

 

「残念ながら今回はフィリップさんの分は無さそうですよ?」

 

「そうかい。まぁいいさ、どのみち僕達はまた次の世界へ行かなければならない。あまり長居はしていられないよ」

 

「······との事らしいから、俺達はもう行くよ。またな渡」

 

「はい、お元気で!」

 

「キバっていけよ!」




キバ回、いかがだったでしょうか?
鍵がさりげなくマヴェリックゲートのモチーフを発表しているのですが、皆さんはお気づきになりましたか?
「雇われ傭兵だ。」、この部分ですね。
そうです!ゲートのモチーフは扉と鍵の他に、「兵士」があります!
ゲートの初期フォームはそのまま、モチーフは「門番」です。門番は国(仮面ライダー)に属しており、兵士(ベルト)という称号があります。
続く最初の強化フォーム、マヴェリックゲートは「傭兵」です。傭兵は国(仮面ライダー)には属していませんが、兵士(ベルト)という称号は持っています(偏見ですが、傭兵は金、つまり自分に利のある事で動く兵士です。自分に利のある事、鍵にとっては、それが「愛」や「絆」だったと言うことです)。
そして最後は現段階では最強フォームのナイトゲート。ナイトと言っている通り、モチーフは「騎士」です。騎士は国に属する兵士でありながら、常に王の側に立っています。
さて、ここまで「門番」、「傭兵」、「騎士」と来た訳ですが、次は何が来るんでしょうね?(すっとぼけ)
それでは!
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