なんでキバなのかって?
タイプシェフを活躍させるならキバの世界が良さそうだなと単純に思っただけです。
それではキバ回スタートです!どーぞ!
奇妙な笛の音色とともに夜闇の雰囲気が大きく変わり、大きな満月が紅く、そして妖しく輝く。紅い満月の真ん中に
「ウェイクアップ!」
「はぁっ!」
やがて異形とも思える何者かの攻撃は「インベイダー」に命中し、直後再び地面に着地する。
「グッ、やるなっ、仮面ライダーよ······。しかし、これからもやってくる我が同胞たちは、こんな物では無いっ!精々、『ゲート』がやって来るのを期待するのだな······!」
インベイダーはそう言い残して爆散し、自身の世界を終わらせた。
「ゲート、か······。ここに来てよく耳にするようになったね、キバット」
「そうだな。しかしアイツ、「これからもやってくる我が同胞たち」って言ってなかったか?あんな訳分からないやつがまだ来るってのか!?」
「いったい何が起きてるんだ······」
ようやく元の世界に戻ってきた。皆の元へ帰ると、梓が真っ先に俺に抱きついてきて、「おかえり」と言ってくれた。俺も「ただいま」と言って、梓をしばらく抱き締めた。俺の居ない間に何も無かったかフィリップに説明を求めたところ、「愚かにも君に挑もうとした
「鍵、次の世界だ」
「分かった。今度はどんな世界なんだ?」
「仮面ライダーキバの世界だ。もう既に侵略が始まっている。何度か撃退しているようだけど、そろそろ限界だろうね」
「キバの世界か······。よしフィリップ、行こう」
「あークソっ!またかよ!おい渡、コイツら倒しても倒してもキリがねぇ!こんなのどうしようもねぇよ!」
「くっ、どうすればいいんだ!?」
俺達がキバの世界に来た頃には案の定もう戦闘は始まっており、キバが何とか持ちこたえてるという感じだった。ガルル、バッシャー、ドッガ、三人の従者を呼び、状況に応じて使い分けているが、正直もう限界に見える。むしろ限界を超えているのだろう。証拠に、キバからは嘆きの声が聞こえる。
「頼れば良いんじゃないかな?専門のライダーに」
「え?君は······」
「フィリップ、行くぞ。アラタも居るなら、そろそろ出てきて欲しいかな」
この場に姿が見えないが、居るはずのアラタにそう呼びかける。
「バレてましたね」
「着実に怪盗としての腕を上げてるみたいだな」
「えぇ。一応、仮面ライダーアインなので。修行もしないとアインがうるさいですからね」
「当然です。Mr.アラタ、あなたは私の後継者だ。その事をお忘れなく」
「だからこうして修行しているんじゃないか。鍵さん、フィリップさん、行きましょう!」
「あぁ!」
「「「変身!」」」
俺達はそれぞれの変身アイテムをセットし、それぞれ仮面ライダーゲート、仮面ライダーアイン、仮面ライダーサイクロンへと変身した。
「殲滅開始!」
「予告しよう。本日、貴方達の運命を頂戴する!」
「さぁ、お前の罪を数えろ!」
決まった。それぞれの決めゼリフを言い切ってやり切った感を感じながら、ハーフインベイダーの群れに飛び込んでいく。俺はガンブレードキーとゲートガイアソードを取り出していつもの二刀流で、アラタはガンブレードキーツヴァイとアビリティライドキーを多様したトリッキーな戦闘スタイルで、フィリップは拳や足に緑色の風をまとって、それぞれハーフインベイダーを殲滅していく。
「はぁっ!ふっ!」
「こっちだよインベイダー!もう遅い!」
「その程度かい?」
「凄い、僕達が苦戦した正体不明の敵をあんなにはやく!」
「なぁ渡、アレがゲートって奴じゃねぇか?」
「うん、僕もそう思う。あの三人の中のどれかだと思う」
「あの緑色のは〜、ゲートって感じはしねぇな、一人だけベルト違うし。あの紺色のと白いのがベルト似てるな?ゲートは確か門番なんだっけか?あの白いのはどちらかと言うと『怪盗』だな」
「って事は、あの紺色のライダーが、仮面ライダーゲート?」
「なんじゃないか?ベルトもなんかゲートって言ってたし」
「世界の門番、仮面ライダーゲート······」
「さて、調理実習と行こうか」
俺はベルトの右腰にぶら下がったホルダーから、新たに手に入れたミライダーのライドキー、『シェフライドキー』を取り出し、ベルトの二番目の鍵穴にセットする。
《Ride Cross!Chef!》
「柊一郎、力を借りるぞ!グレードアップ!」
《World gate keeper!KamenRider Gate!Type Chef!》
頭にはシェフの代名詞とも言えるコック帽のようなものをかぶり、左右の腕にはコンロ型のガントレットが装着され、体中にコックコートのようなアーマーが装着された。「仮面ライダーゲート タイプシェフ」だ。
「そろそろ手料理がしてみたいと思っていたところだったんだ、丁度いい。焼き加減はどうする、レア?」
そう言って俺は自分の拳に装着されたコンロ型のガントレットから火を発生させ、まずは弱火で。
「ミディアム?」
中火へ。
「それともウェルダン?」
そして強火へ徐々に変化させ、拳に炎をまとってインベイダーを攻撃していく。更に右手にガンブレードキーを、左手にゲートガイアソードをそれぞれ持ち、二つの剣に炎をまとわせ
「それか、欲張ってフルコースでも行ってみるか?」
文字通り「焼き切った」。
「鍵さん、その力は?」
「仮面ライダーシェフ、未来のライダーの力さ」
「未来にもライダーは居るのか。そう考えると、僕達がここまでやって来たのも、無意味では無いと思えて、嬉しくなるね」
「あぁ。たとえ俺達が倒れようとも、インベイダーの他にも悪意を持った奴らが現れようとも、俺達の魂を受け継いで、仮面ライダーに変身して、未来に繋げていってくれる。こんな嬉しい事も、中々ないよな!」
俺はベルトにセットされていたシェフライドキーを抜き、ガンブレードキーに刺し直し、それを右に捻る。
《Ride Attack!Chef!Bon Up Teat!World Break!》
「メインディッシュはこれで決まりだ!」
必殺技を発動した事によってガンブレードキーはシェフの専用武器、「ミートカットブレード」へ、ゲートガイアソードも、中華包丁型の大剣に変形し、デタラメにハーフインベイダー達を切りつける。
「ぶつ切りにして盛り付けたら完成だ!さぁ、召し上がれ!」
ハーフインベイダーを乱雑に切りつけ、最後の一撃を食らわせると、大爆発して殲滅した。
「お粗末さま」
「アレが、ゲート······!」
「はぁ〜お疲れ〜、フィリップもアラタも」
「あぁ。鍵、君がさっき倒したのでこの世界に存在するインベイダーは全て消えた」
「逃げられましたね」
「あぁ······。どうする?このままこの世界に残って、リーダー格が出てくるまで待機するか?」
「そうしよう。元の世界に帰ってまたここまで戻るとなると、流石に時間がかかりすぎる。快条アラタ、君もそれで良いかい?」
「はい、構いません」
「よし、じゃぁ今回は一度解散しよう。お疲れ」
そう言って俺達がその場を離れようとすると、後ろで傍観していた青年が俺達の近くへ歩み寄ってくる。
「待って下さい!」
「(紅渡か······)君は?」
「僕は紅渡、仮面ライダーキバです。さっきは助けてくれてありがとうございました。あの、お礼もしたいので、良かったら僕の家に来ませんか?」
これが、俺とキバの初めての出会いだった。
かなり適当になった感じするけどこれで良かったのかな······