仮面ライダーゲート   作:YOPPY1031

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この度シヨンさんとのコラボが決定しました!
面白い作品に仕上がるよう努力いたしますので、是非ご期待下さい!
恐らく、この回の次になると思われます。


日常を侵略する者

「えぇ!?仮面ライダー同士で戦ってたの!?なんで!?」

 

「その戦ってた二人、ジョーカーって言ってさ、本能的な問題で出会ってしまうと決着をつけようとして暴走しちゃうんだよ」

 

「ほう?んで、お前はそのジョーカーとやらの二人の暴走を止められたのか?」

 

「あぁ!ほらこれ、『ブレイドライドキー』だ!」

 

「そのライドキーがどんなものだかよく分からんが、まぁそれが暴走を止められた証拠って事だな?」

 

「そーゆーこと!」

 

仮面ライダーになった今でも、俺は元の世界に帰って夏川やオヤジさんとの日常会話を楽しんだりしている。最初は夏川が聞きたいと言うのでいやいやだったが、俺も話しているうちにだんだんと楽しくなり、二人にお土産話をするためにどう活躍しようか、と考えるまである。

 

「彼は本当に凄いです。この一ヶ月で仮面ライダーとして凄く成長しました。おかげで僕も導きがいがあります」

 

「出やがったなフィリップ」

 

「どうも」

 

「おう。フィリップ、お前さんもコーヒー飲むか?今機嫌がいいから奢ってやるぞ」

 

「では頂きます」

 

「おし、ちっと待ってろ。お前らの分も作ってきてやる」

 

オヤジさんはそう言うと奥のキッチンの中へ消えていき、カウンターから姿を消した。

 

「いやぁ、オヤジさんっていい人だよね。名前なんて言うの?」

 

「実は俺も知らないんだよな。その時は真夏で就活中に出会ってさ、金もなく住む家も無く、途方に暮れていたんだよ。俺の両親は物心付く前に死んでてさ、親戚の人に育ててもらったんだよ。独り立ちするって言っといてすぐに家に戻るってのもなんか申し訳なくて、宿屋生活が続いてたんだ。しばらくして金が尽きて、ついにホームレスの仲間入り、と思った時にオヤジさんと出会ったんだ」

 

 

 

ここからは、俺のオヤジさんとの出会いの過去話だ。

 

 

 

「クッソ、今のところ面接全落ち、せっかく叔母さんがくれた金も無くなった······!遂にホームレスの仲間入りか?嫌だ!俺は、絶対に······!」

 

しばらく何も食べていなかった俺は意識を失い、道端で倒れた。

 

「まったく、若いくせにこのザマか、みっともねぇなおい······」

 

 

 

何時間眠っていたのだろうか、俺はフカフカな何かの上で目が覚め、自分の二本の腕で無理矢理に上体を起こした。

 

「ここは······?」

 

「おう、目が覚めたか?」

 

俺が横に振り向くと、そこには俺を助けたのであろう、40代後半位の男性が立っていた。

 

「栄養失調、脱水、熱中症、まぁそんなところだな。俺が買い出しに行こうとしたら、いきなりお前さんが目の前で倒れるもんだからビックリしちまった。そのまま目の前で死なれちまっても胸糞わりぃから、思わず自分の店まで連れて来ちまった。とりあえず、お前さんが寝ている間にスポーツドリンクを飲ませておいた」

 

「ありがとう、ございます······」

 

「はぁ······。お前さん帰る家は?」

 

「ありません。育て親に、独り立ちするって言った手前、家に戻りづらくて······」

 

「そうか······。必ず就職しろ」

 

「え?」

 

「就職して、充分な金を稼いで、ちゃんと家賃を払え。それが守れるなら、この店の屋根裏だが、部屋と飯を提供してやる」

 

「······なんでそこまでしてくれるんですか?」

 

「本当は自分の子供がいるはずだったんだけどよ、そいつは胎内にいる時から病気を持ってて、その病気のせいで死んじまった。妻もそのショックとストレスで死んじまってな、そしてご覧の通りだ。俺ももうこんな歳だし、このまま歳をとってなんの意味もなさないまま死ぬんだろうな、なんて思ってた矢先お前さんが目の前で倒れやがってよ。もし俺にまだ意味があるならってよ。それに、もし自分に子供がいたらこんな感じなのかって思ってな」

 

「······絶対に就職します!ここまでしてくれるあなたの期待に応える為にも!絶対!」

 

 

 

「そんなエピソードがあったんだ······。なんかいい出会いだね!」

 

「なるほど、だから君はここに住んでいたのか。納得がいった」

 

「仮面ライダーになって家賃払えなくなったけど、それでもあの人、「自分の仕事をまっとうすれば文句は言わねぇ」って言うんだぜ?優しすぎだよあの人」

 

俺が過去話にふけって、すっかり話し込んでいた時、突然オヤジさんの怒鳴り声が聞こえてきた。

 

「なんだお前は!?人様の店に勝手に裏口から入ってくるとはいい度胸じゃねぇか!なっ!?この化け物め!おいお前ら!この店から逃げろ!」

 

逃げろ、オヤジさんは確かにそう言った。そして化け物、恐らくはインベイダーの事だろう。つまり······

 

 

 

インベイダーがまた攻めてきたのだ、この世界に。

 

 

 

「フィリップ、夏川を頼む」

 

「鍵!しかし君だけでは─────」

 

「俺はオヤジさんを助ける!!もし何かあったらすぐさまサイクロンに変身してハーフインベイダーを退(しりぞ)けてくれ」

 

「分かった。行くよ、夏川梓」

 

「えぇ!?ちょっと!」

 

俺は急いでキッチンの方に行き、裏口を目指した。そこにはもうオヤジさんの姿はなく、荒らされた現場だけが残されていた。開け放たれた裏口の扉に近づき、その床に転がっていた、武器として使用されたと思われるフライパンの取っ手を握って拾う。

 

「変身も出来ないくせに、守られる側が何守る側を守ろうとしてんだよ!絶対に助けるからな、オヤジさん!」

 

オヤジさんを連れ去ったのがリーダー格のインベイダーだということは分かっていた。声はよく聞こえなかったが、オヤジさんがインベイダーと会話をしているのは聞こえた。インベイダーは元々知能が低く、命令されたようにしか動けない。そのため、知能の高いリーダー格にしか言語を扱うことは出来ない、つまりリーダー格だ。俺は外に出て、すぐさまマシンゲーターを召喚し、それに跨って発進した。発進してしばらくして、脳内に直接フィリップの声が聞こえてきた。

 

「鍵、聞こえるかい?」

 

「あぁ、聞こえる。どうした?」

 

「リーダー格の座標を捉えた、案内する。奴は移動の際に必ず高い場所まで行き、そして地上に着地する。つまり脚力の高い動物が進化の媒体としている。さらに、一度のジャンプで長距離を移動し、自らの持つ羽で高度や移動速度を調整している」

 

「つまりバッタか。さしずめ『ホッパーインベイダー』って所か。近いか?」

 

「あぁ、そのままの速度を維持して、真っ直ぐに移動すれば追いつく」

 

「分かった」

 

俺はそれを聞いた瞬間さらに速度を上げて一直線に移動した。

 

 

 

「Hahahaha!風が気持ちいいぜぇ!そしてエネルギー源も捕まえた!さらに人間は大切な奴が消えるとそいつを助けようとするからな!その性質を利用して一石二鳥!流石はORESAMAだぜ!」

 

上空で何者かが大声で話している。間違いなくアイツだ。俺は上空で大声で話しているそいつを睨みつけながら、右腕を横に伸ばしてガンブレードキー・ガンモードを取り出す。オヤジさん救出のためにあらかじめアビリティライドキーをガンブレードキーに刺しておき、ホッパーインベイダーを撃ち落とす。

 

[Ride Ability!]

 

「オヤジさんを、返せぇ!!!」

 

ガンブレードキーのトリガーを五回引いて、撃ち出された弾が、二発ホッパーインベイダーに当たる。

 

「な、なんだ!?あんな危ない奴が来るなんて聞いてないぞ!?」

 

「言ってないからな!!! 」

 

ホッパーインベイダーは弾が当たった衝撃でオヤジさんを腕から放す。

 

「俺様のエネルギーが!?」

 

「よし!」

 

俺はガンブレードキーに刺さったアビリティライドキーを右に回した。

 

[Net!]

 

ネットが常時発動した状態のガンブレードキーのトリガーを何回も引き、空中に何発もネットを撃ち出した。オヤジさんの落下速度は減速していき、やがて一番地面に近いネットの上に着地した。

 

「オヤジさん!良かった、息はある。フィリップ、すぐに店に戻ってくれ、今からオヤジさんをそっちに送る」

 

「分かった。全力でショートカットして店に戻る。夏川梓、ついてきてくれ」

 

フィリップの声が聞こえなくなり、それぞれの行動を開始する。俺はガンブレードキーを突き出して、脳内で移動先を指定し、扉を開いた。向こうにはもうフィリップ達がおり、こちらを見ていた。俺はオヤジさんの腕を自分の肩にまわし、扉の中まで運んだ。

 

「オヤジさんを頼んだぞ」

 

「あぁ、任せたまえ」

 

そう言って俺は扉の外に出た。やがて扉は閉まり、その姿を消した。

 

「Oh Shit!てめぇ何してくれんだ!せっかくのエネルギー源が─────」

 

「黙れよ」

 

俺はその一言でホッパーインベイダーを黙らせ、更に言葉を並べて言った。

 

「お前のせいでオヤジさんの命が危険にさらされた。そしてそれは俺のせいでもある、俺がもっと早くオヤジさんの危機に気がついていたら······!だから責任を持ってお前を倒す!変身!!!」

 

ゲートドライバーを腰に巻き付け、ゲートライドキーをドライバーに刺してすぐさま回す。ガンブレードキー・ブレードモードを手に持ったまま変身し、変身音声か流れているのにも関わらず、途中で走り出してホッパーインベイダーを切りつける。

 

「What!?仮面ライダーが居ない世界なのになぜGateが!?」

 

「知らないのか?この世界はゲートが誕生した世界だ、つまりこの世界は俺の管轄と言ってもいい!」

 

「Oh my god!完全にやらかしたぜ!とりあえず逃げる!」

 

「逃がすか!」

 

アビリティライドキーの効果を変えて、元々刺さっていたそれを再び刺し直し、そして右に回した。

 

[Ride Ability!Magic Hand!]

 

効果が発動し、ガンブレードキー・ガンモードの銃口が光り輝く。トリガーを引くと銃口からマジックハンドが飛び出し、その大きな手でホッパーインベイダーを鷲掴みして俺の立っている目の前に放り投げる。

 

「イテテテ······!」

 

「おい」

 

「ひぃっ!?」

 

「俺の新しい力だ。お前はその力のための(にえ)となれ」

 

俺はそう言って右腰からブレイドライドキーを取り出し、ドライバーの二つ目の鍵穴に刺した。

 

[Ride Cross!]

 

ブレイドの変身前の待機音声が流れ出し、ブレイドライドキーを回す。

 

「グレードアップ!」

 

その言葉と共に俺の目の前に青く光る透明なカードが現れる。

 

[World gate keeper!KamenRider Gate!Type Braid!]

 

やがてその青いカードはブレイドの変身音と共にまとわりつき、鎧へと形を変え、「仮面ライダーゲート タイプブレイド」へと変身した。

 

「仮面ライダーゲート タイプブレイド。グレードアップ完了だ」

 

「ライダー同士が合わさったライダーなんて······!勝てる気しねぇ!!」

 

ガンブレードキーを右手から左手に持ち替え、右手にブレイラウザーを召喚してそれを握った。ラウザーのデッキを片手で器用に展開し、左手でカードを引いて、そのカードを刀身のスキャナー部分でスキャンした。

 

[Thunder]

 

サンダーを発動し、ラウザーに雷の属性を付与した。さらにガンブレードキーをクロスさせることで、ガンブレードキーにも雷の属性が付与されるようにした。

 

「行くぞ!」

 

「や、やばっ─────」

 

ホッパーインベイダーの嘆きの言葉を待たずにそいつを切りつけ、二本の剣で連続攻撃をくり出す。

 

「せいっ!はぁっ!」

 

「ぐっ、ぐぁっ!?中々やるなぁ?bad、俺様もタダではやられねぇ!!」

 

「うおっ!?」

 

ホッパーインベイダーも負けじと反撃し、自慢の脚力を活かしたキック攻撃をくり出す。でも奴は気づいていない。キックの決定的な弱点に。俺は元々高かった反射神経と動体視力を駆使し、ホッパーインベイダーのキックしてくる足を鷲掴みする。

 

「What!?ふんっ!ふんっ!」

 

「無駄だ。キックは確かに威力が高いが、その威力を高める為にタイムラグが必要になる。キックだけで片をつけるなら、この程度余裕で押し切れるぞって言いきれるほどの威力が必要になる。これが俺の経験上の話だ」

 

「ふんっ!ふん〜っ!」

 

「そのままもう片方の足でキックしようとするとコケて大きな隙を作るぞ」

 

俺はそれだけ言ってホッパーインベイダーの右足首を掴んだまま、腕に力を込めて思い切り突き飛ばした。

 

「あだっ!?」

 

「トドメだ」

 

雷の属性が付いたままのラウザーのデッキを展開し、再びカードを一枚引き、それをスキャンする。

 

[Slash]

 

スラッシュをスキャンした事でコンボが発生する。

 

[Lightning Slash]

 

両手に持った二本の剣を構え、ホッパーインベイダーを連続で切りつける。十回程切りつけたところで俺は動きを止め─────

 

「消えろインベイダー。お前らの居場所なんて、この世界のどこにも無い!!!」

 

─────二本同時の最後の一撃を喰らわせた。

 

「Kamen Rider!!!」

 

やがてホッパーインベイダーは最後の言葉と共に爆発の炎に飲み込まれ、自らが持つその世界を終わらせた。

 

 

 

「······ここは?」

 

「オヤジさん!良かった、目が覚めて!」

 

「俺の店か?なんでお前が······」

 

「目の前で死なれちまっても胸糞わりぃんで。それじゃ駄目ですか?」

 

「っ!ははっ、あの時と立場が逆じゃねぇかおい!」

 

オヤジさんは未だに震える自分の腹を抱えながら、自分の太ももを叩いて大爆笑していた。

 

「はぁ〜笑った笑った。鍵、ありがとうな」

 

「礼を言うならまず名前を教えてよ」

 

「あぁ?名前言ってなかったっけか?そう言えばそうだったような······。俺の名前は『七瀬 祥太(ななせ しょうた)』だ、名乗るのが遅くなっちまって悪かったな?」

 

「まったくだよ。改めてよろしくお願いします、祥太さん」

 

「よせやい、今まで通りオヤジさんで頼むよ」

 

俺達は、二人の絆を確かめ合うことが出来た。

 

 

 

あれから数日が経ち、俺とフィリップはオヤジさんに買い出しを頼まれて外に出ていた。

 

「重いーっ!なんでこんなに注文が多いんだよ!」

 

「オヤジさんは今ぎっくり腰で腰を痛めているんだ、仕方の無いことさ。それに、変身してる時はもっと重いものを持っているだろう?ガンブレードキーとか」

 

「あれはゲートだから出来るんじゃん!あーもう駄目、ギブ」

 

俺は両手に持っていた荷物を地面に落とし、気だるげな姿勢をとった。

 

「あっ、こら!荷物を落とすな!ビニール袋が破けてしまうだろ!」

 

フィリップの母親にも似た説教を聞き流し、俺は空を見上げた。すると突然虹色に輝く空間の穴が現れた。

 

「なんだ······?」

 

「こら鍵!聞いてる······あれは······」

 

やがて空間の穴の中から線路と、その上を走る『列車』が出てきた。列車は猛スピードで走り続け、目の前に同じ空間の穴を作ってその中へ消えた。

 

「あれはデンライナー······!?にしては色も形状も違ってたような······。あんなに大きなものが大きな音を立てて上空を通過したのに周りは気づいてないのか······。フィリップ、今の見えたか?」

 

「あぁ、見えたよ」

 

「あれは一体なんなんだ?」

 

「あれはデンライナーブレイズ、世界と世界を駆ける列車さ。そしてそれを操縦するのは仮面ライダー電王ブレイズ、三代目の電王だ。ある時間で二つのルートに進む分岐点が発生し、もう片方のルートに進んだ結果誕生したライダーだ」

 

「なるほどね。なぁフィリップ、近いうちに会える気がしないか?」

 

「そうだね、きっとそうに違いない」

 

「電王ブレイズ、待ってるぞ。お前と会えるその時を!」

 

俺はディフィリントライナーが消えた場所に拳を空高く突き上げ、しばらくその一点を見つめて帰路に着いた。

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