シャルティアが精神支配されたので星に願ったら、うぇぶ版シャルティアになったでござる   作:須達龍也

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馬鹿な、日刊だと、そんなペースで最後まで行くはずがない。
ペースを落として、ストックにすべきだ!

冷静な自分の制止を振り切って、行ける所まで行きます!!


3

「わた…いえ、妾はうぇぶ版のシャルティア・ブラッドフォールンでありんす」

 

 

 

「は?」

 一言で言えば、わけがわからないよ…である。

(うぇぶ版って、WEB版ってことか? …というか、なんだよ、WEB版って)

 

「…なんだ、その、…どういうことだ?」

 

 さすがのアインズも、ふふっ、なるほど、そういうことか…という対応は取らないし、取れなかった。

 見れば、アルベドもデミウルゴスも、わけがわからないという顔をしている。そのことに少しホッとする。

 

「えっと、”こちら”のシャルティア・ブラッドフォールンは、先ほどの精神支配された段階で、えーっと、待機状態? みたいになってるでありんす」

 

「はあ」

 

「それで、その状態で、アインズ様に超位魔法をかけて頂いた際に、こう、なんというか、召喚? 妾が呼ばれたでありんす」

 

「はあ?」

 

「それで、その、世界を超えて召喚された際に、なんというか、わかったのでありんすよ」

 

「何が?」

 

 

 

「妾はうぇぶ版のシャルティア・ブラッドフォールンでありんす、ということが」

 

 

 

 説明を聞いても、全く理解できなかった。

 

「…ええっと、なんだ、お前がWEB版のシャルティア・ブラッドフォールンだと言うのはわかった」

 嘘である。わかるわけがない。

「では、ここは何だ? どういう世界になる?」

 アインズは理解がついていっていないが、わかったような口調で話を続ける。ある種の特技、スキルと言っても過言ではなかった。

 

「ここはショセキ版の世界でありんす」

 

 どや顔で言った。アインズはイラッとした。

 

「…つまり、その、なんだ。…お前はWEB版のシャルティアであり、この書籍?版シャルティアが精神支配されて、いわゆるコントロールする部分がなくなったところに、入り込んだということか?」

 アインズは自分で言いつつ、なんだそれ?と思った。

 

 

「そう! そうでありんす!! さすがはアインズ様!!!」

 

 

 微妙な気分のアインズに対して、さすアイ状態のシャルティアは大喜びだった。自分でも理解しきれていない状況を、アインズは全て理解していると勘違いするほどに。

 

「それで、妾も困っているでありんす。どうすべきでしょうか?」

 

 説明することは説明した。どうすればいいかは丸投げである。知るかっ!と即座に反応しなかったアインズは賞賛されてしかるべきであろう。

「あ、あの、アインズ様」

 困った時のアルベドからの助言が入る。

 

「申し訳ございません。私には全く理解できませんでした。お手を煩わせて申し訳ございませんが、教えていただけませんでしょうか」

 

 残念、違った。

 助けを求めて、困った時のデミウルゴスへと視線を向ける。

 

「申し訳ございません。私も全く理解が及びませんでした。お許しください」

 

 こちらも駄目だった。

 普段であったなら、どうしようかという展開だったが、この二人が理解できていないことが逆にアインズの背中を押した。

 そもそもが、現実世界からゲームのユグドラシルの世界に転移してきたと考えているアインズ…いや、鈴木悟にとっては、なんとなくではあるが理解できなくもなかった。

 WEB版だの書籍版だのということはよくわからなかったが、別世界のシャルティアだという理解でいいのなら、そうは問題ではない。…と考えた。

 

「…つまり、お前は異世界のシャルティアということだな。

 この世界のシャルティアが精神支配され、その後に相手を打ち倒している為、コマンドは受け付けていない。つまりはコマンド待ちの状態だった。

 そこに私の<星に願いを>が変に作用して、異世界より別のシャルティアを召喚し、そのコマンドを委ねた。

 そういうことだな?」

 あっているのか間違っているのかわからない。だが、とりあえず自信たっぷりに断言してみた。間違っているという証明がされない以上、怖いものはなかった。

 

「そう! まったくその通りでありんす!! さすがアインズ様!!!!」

 

 当のシャルティアからの全面肯定である。

 玉座の間に漂うのは、いつものように、さすアイの雰囲気。アインズ様、大勝利!!

 

 

 

「…では、こちらの世界ではどれだけ使えるかはわからないが、そちらの世界の状況を教えてくれるか?」




おおー、さすがアインズ様!

このさすアイが、オーバーロードの醍醐味だと思ってます。

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