BanG Dream!~隣の天才~   作:TRcrant

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今回より、日菜ルートが始まります。
彼女との物語をどうぞ、お楽しみください。


日菜ルート 『隣の天才』 第1章『部活と無人島と』
第1話 始まり


セミの鳴き声がうるさいくらいになり響く夏の日の放課後。

僕は柄にもなく、一人屋上で黄昏ていた。

 

(SPACEが閉店するという一件以来色々あったな)

 

振り返るのは、少し前に開催された『ガールズバンドパーティー』だ。

ライブハウス『CiRCLE』で開催されたライブイベントで大盛況で終えることができた。

このイベントでは、スタッフが足りないという理由で、僕も手伝いに繰り出されたのだが、色々と大変だったのは言うまでもない。

とはいえ、このイベントのおかげで、バンド同士のつながりなどが増えたのは最高の収穫だと思う。

つながりが増えれば増えるほど、様々な事態の対応策を見つけやすくなるなどのメリットも大きい。

 

(ん?)

 

そんな時、ふと誰かがここに来る気配を感じた僕は、無意識的にドアから資格になる壁のほうに隠れた。

 

(って、どうしてわざわざ隠れてるんだ?)

 

屋上への立ち入りは禁じられてはいないので、僕がいたところで問題はないはず。

変な疑いを持たれてもあれなので、元居たとこに行こうかとも思ったが、ドアが開く音が時間切れだということを告げていた。

 

(しょうがない。ここは隠れておくか)

 

こうなってしまったら、隠れたままのほうが良いので、僕はそのままその場に留まることにした。

やってきたのは、聞える声から、女子学生数名ほどと思われる。

 

「で、あの女どうすんのさ?」

「ほんっとー、チョームカつくんですけど」

 

声が大きいのか、割と近くで話しているのかはわからないが、聞えてくる話の内容はあまりいいものではなかった。

 

「ちょっと、テレビに出たからってえらそーに」

 

(テレビ?)

 

女子学生が出した単語に、僕はふとある人物のことを思い浮かべた。

 

「ってかさ、雛は雛だしく、ピヨピヨ泣いてろよっての」

「ぎゃははは! マジウケるっ」

 

(やっぱりか)

 

話に上がっているのは、やはり日菜さんのようだ。

少し前にも、同様の陰口を聞いたことがあるので、まさかとは思ったが当たってしまうと複雑な気持ちになる。

 

(ちょっと、リスクはあるが)

 

僕は話している人物の顔を見るべく、壁からそっと顔をのぞかせると、そこにはこの間パスパレの一件の時に陰口をたたいていた細目で橙色のロン毛の女子学生たちの姿があった。

 

「いっそのことさ、階段から突き落としちゃう?」

「えー、やめときなって。あいつのファンとかに仕返しされちゃうんじゃない?」

「だったら、あいつと一緒にいるあの腰ぎんちゃくな根暗野郎に罪を着せてやればいいんだよ」

「それいーっ!」

 

(こりゃ、かなりエスカレートしてるな)

 

この学園には”反日菜グループ”(僕命名)なるものが存在している。

主なメンバーは細目で橙色のロン毛の女子学生らを中心として、数十名にも及ぶ規模だ。

日菜さんに言われた手前、放っておいたが、ここまでエスカレートしたとなると、放っておくのは難しい。

もっとも、その腰ぎんちゃくな根暗野郎というのが誰なのかによっては、ただでは済ませないというのは確定だけど。

 

(こうなったら、マツさんが見つけた”爆弾”でも、投下するか)

 

そんなことを考えていると、何かを察知したのか、彼女たちは屋上を後にする。

 

(どうしたものか)

 

僕が抱えている爆弾は、間違いなく彼女たちの人生をめちゃくちゃにすることができる代物だ。

だが、変に投下すれば宣戦布告となり、面倒ごとが起こる可能性も高い。

 

(やはり、ここは静観……しかないか)

 

結局のところ、僕は何もできずにいる。

 

(不甲斐ないな)

 

そう心の中でつぶやきながら、僕は屋上を後にするのであった。 

 

  

BanG Dream!~隣の天才~   日菜ルート 第1章『部活と無人島と』

 

 

「あ、一君!」

 

屋上を後にして、教室に戻った僕を呼び止めてきたのは日菜さんだった。

 

「今日、部活の日だから部室に行こう?」

「部活? あー、そういえば天文部だったっけ」

 

最近全く部室にも行っていない(というより、行く暇がないんだけど)ので、完全に自分が部活をしていることを忘れてしまっていた。

 

「むぅ……一君は天文部の副部長なんだから、もっとシャってしないとだめだよっ」

「日菜さんに怒られちゃったよ」

 

まさかの日菜さんに怒られる日が来ることになるとは。

これは天変地異の前触れなのかもしれないなーっと、冗談交じりに思ってしまった。

 

「というより、そもそも人数がいないからそうなってるだけなんじゃ……」

「細かいことはいいから、早く行こ!」

 

(全然細かくないんだけどなー)

 

僕は心の中でツッコみながら、日菜さんに引きずられるようにその場を後にする。

もうこうなった彼女を止めるのは無理だというのは、これまでの付き合いで学んでいるのだ。

 

 

 

 

 

そしてやってきました天文部の活動。

久々の部活動なので、気合を入れないと。

 

「じゃあ、いっぱいお話ししようね! 一君」

「ちょっと待って」

 

そんな僕の気持ちはものすごい勢いで空転していた。

 

「なに?」

「天文部の活動なのに、どうして話をする必要が?」

「話しをしないと、説明とかできないじゃん」

「そうだけど、これのどこが”説明”なんだ?」

 

僕の疑問に何を言ってるんだと言わんばかりに返してくる日菜さんに、僕はそう聞き返した。

僕と日菜さんはテーブルをはさむようにして向かい合ってソファーに腰かけていて、テーブルの上にはトッキーやうまし棒といった、定番中の定番なお菓子が用意されており、その横には申し訳程度にノートが一冊置いてあった。

タイトルは『天文部活動日誌』となっており、この部活動の活動内容が書かれているのだろう。

 

「このノートを読むのも十分活動だよ」

「………オーケー。わかった」

 

どうやら、僕のほうがおかしいらしい。

僕は、ノートを手に取ると、適当にパラパラとめくってみる。

 

(えーと何々……?)

 

そして、読んで早々に理解した。

 

「なにこれ?」

 

僕には到底理解不能であるということが。

 

『部室の掃除をしていたら、ごみを見つけた。やばい、ビッグバーンを感じた。これは残しておくべきだろう』

 

これをどう理解すればいいんだ?

 

「さすが一君。あたしのお気に入りのページを一発で引き当てるなんて、すごいっ」

 

(………)

 

ここにいた天文部の先輩もかなり独特だったが、日菜さんはもしかしたらそのはるか上を行くのかもしれない。

僕にできるのは、せいぜいそれに取り残されぬようにしがみついてでもついていくことだけなのかもしれない。

 

「それじゃ―ね、これなんてどう?」

 

日菜さんが次々に見せてくる理解不能の活動日誌を見ながら、僕は心の中でそう思うのであった。




前回の最終回という表記についてですが、話の終着点の関係上、このような形となりました。
これ以上続けると、だらだらと続くことになり、また続編の展開にも影響を与える恐れもありました。
読者の皆様には混乱を招いてしまいましたことを、心よりお詫び申し上げます。
最終話から続編の第1話までの間の話のプロットはすでに完成しており、あとは執筆・投稿を行うだけの状態です。

こちらについてはアニメの展開を見てからどのようにするのかを決めたいので、今しばらくお時間を頂きたいと思います。
日菜ルートが終わるころにお知らせできるかと思いますので、今しばらくお待ちください。

また、現在実施中のアンケートは今週の土曜日の23:59分までとさせていただきます。
回答がまだの方は、お早目のご回答をお願い申し上げます。

それでは、また明日お会いしましょう

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  • 1:ほかのヒロインとの話
  • 2:いっそのことハーレムを
  • 3:その他
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