BanG Dream!~隣の天才~   作:TRcrant

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何気に毎日投稿の状態になっていますが、どこまで行けるかは不明です(汗)


第21話 始まりの一手

「ただいま」

「おかえり。どうだった?」

 

家に帰ると、待ち続けていたのか義母さんが慌てた様子で出迎えてくれた。

 

「僕の疑惑が晴れたみたいだから、明日から学園に通ってもいいって。はい、これ義母さんに」

 

僕は、羽丘で先生に渡されたプリントを義母さんに手渡す。

 

「良かったぁ……義母さん、一樹のこと信じてたのよ。そんなひどいことをする子じゃないって」

「あはは、ありがとう」

「決めたわ! 母さん、今日は腕によりをかけて一樹の好きな料理を作ってあげるわね」

「うん、楽しみにしてるよ。義母さん」

 

なんだかんだ言っても、家族に信じてもらえているというのはうれしいことこの上ない。

 

「さあ、部屋に行って休んでいなさい」

「うん、そうさせてもらうよ」

 

義母さんに促らされるまま、僕は自室に向かうのであった。

 

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

自室に戻った僕は、ほっと一息ついた。

 

「そうだ、携帯……」

 

学園に向かう時にメールのようなものが届いていたことを思い出した僕は、スマホを取り出すとそのメールを見ることにした。

すぐに確認したい気持ちはあったが、さすがに歩きスマホは危険なのでやらなかったのだ。

 

(マツさんからだ)

 

メールの件名は『結果報告』となっており、僕はそれを読み進める。

今回、僕が最初に潰した辻先生は、反日菜グループの主要メンバーの一人とつながりを持つ”関連人物”という流れで、マツさんの情報網に引っかかったのだ。

その調査結果は、反日菜グループの主要メンバーの一人、橙色の髪の女子学生……元木(もとぎ) 香苗(かなえ)と恋愛関係にあるというものだった。

生徒と教師の恋愛という、いわば恋愛ドラマでの定番な禁断の関係ではあるが、それだけではマツさんが動くには弱い。

生徒と教師という点を除けば、よくある普通の恋愛だ。

羽目さえ外していなければ、さほど大きな問題に発展する可能性は少ないのだ。

マツさんが調べた結果、辻先生には妻子がいるのだ。

つまりは、元木さんとは不倫関係にあるということになる。

しかも、一線を越えているというおまけつきだ。

そうなってくると、これは辻先生にとってすさまじい威力を発揮する”爆弾”となりうる。

僕がお願いしたのは、その調査結果をしかるべき場所に伝えてもらうことだった。

……主に、教育委員会や先生の奥さん等だけど。

 

「うわ、悲惨」

 

そして、メールの本文に書いてあった内容を読んだ僕は、思わず声を出してしまった。

簡単に書くと、辻先生は今回の一件で奥さんから離婚され、かなりの額の慰謝料と養育費を請求されたらしい。

さらに、教育委員会からは教師としてあるまじき行為として、どこかに飛ばされたらしい。

はく奪の処分でなかったのは奇跡だというのが、結果報告には記されていた。

ちなみに、僕の処分に関して不当である旨も一緒に報告していたので、僕の処分が取り消されたのはそういった理由だろう。

 

(多分教頭先生も飛んだな)

 

まだ推測の域を出ないが、あの場にいた責任者である教頭先生にも、なにがしらかのお咎めがあった可能性は十分考えられる。

 

「まあ、初陣としては上々かな」

 

僕の想像よりもはるか上な効果を発揮してくれたおかげで、幸先のいいスタートをきれた。

 

「あ、皆にこのこと言おうっと」

 

流石に、先生を飛ばしたということは言えないので、僕の処分が取り消されたことだけをメッセージで伝えておくことにした。

 

 

 

 

 

夜、いつものように夕食を食べてお風呂に入った僕は、突然なり始めた電話の着信音で、誰が相手なのかがすぐにわかった。

 

「日菜から電話だ」

 

彼女だけ違う着信音(この間作曲した、日菜をモチーフにした曲の着メロ版)で日菜からの電話だと把握した僕は、すぐに電話に出た。

 

『もしもし、一君。今大丈夫?』

「大丈夫だよ」

 

日菜とはこの時間に電話で話をするのが、最近の新しい日課になっていた。

主に話すのは、今日あったことだったりする。

 

「今日は、いじめのほうはどう?」

『うーん、今日は全くなかったかな。なんでだろ』

 

僕の問いかけに首を傾げていそうな日菜の反応を聞いて、僕は心の中でほっと胸をなでおろす。

どうやら、辻先生に対しての処置が反日菜グループに動揺を与えているようだ。

 

(これなら大丈夫そうだな)

 

次のステップ……反日菜グループへの処置を行うには、ちょっとした準備が必要なため、少しだけ時間がかかる。

僕が戻ったことで、また奴らが暗躍する危険性もあったが、どうやらその心配はなさそうだ。

とはいえ、それはほんの一時しのぎであるのは言うまでもないことだけど。

 

「あ、そうだ。明日からまた羽丘に通えるようになったよ」

『ほんと!? やったー! もうるるるるるんっ♪だよ!』

 

昼間に起こったことを話すと、日菜はハイテンションで返事をしてきた。

あまりの声の大きさに、若干携帯を耳から遠ざけてしまったが、それでも喜んでいるということは、ものすごく感じることができた。

 

『じゃあ、明日いつもの場所で一緒に学校に行こうよ!』

「そうだね、いつも通り一緒にね」

 

いつもどおりがどれほどありがたいことなのかはここ数日で嫌と言うほど実感しているつもりだ。

 

(明日が楽しみだな)

 

そんな期待に胸を膨らませながら、日菜との電話は続いた。

……電話が終わった時には、日付が変わりそうになっていたのには驚いたけど。




というわけで、辻先生の末路でした。
次回からは反日菜グループのほうの話になります。
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