BanG Dream!~隣の天才~   作:TRcrant

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投稿が遅れてしまい、申し訳ありません。

通信障害や本作に関する準備の関係で遅れてしまいました。
あとがきのほうで、重要なお知らせがありますので、ご一読いただけると幸いです。


最終章『隣の天才』
第49話 カウントダウン


「――――君っ!!」

 

完全にもうろうとした意識の中、聞えてきた声は、僕の良く知る人の物だった。

 

(日菜?)

 

僕には、その声が日菜の声に聞こえたのだ。

 

「しっかりして、一樹君っ!!」

「花音……さん?」

 

だが、意識が鮮明になった時に、目の前に写ったのは日菜の姿ではなく花音さんの姿だった。

花音さんの表情は、僕を起こそうと必死になっているように見えた。

 

「ッ!? 一樹君、目が覚めたんだね! ……良かったぁ~」

「驚かせてごめん」

 

僕の目が覚めたこと気が付いたのか、安心した様子で目に涙を浮かべながらほっと胸をなでおろしている花音さんに、僕は謝った。

 

「謝らなくて大丈夫だよ。それよりも、すぐに病院に行ったほうが――――」

「いや、今はやめておく」

 

心配した様子で病院に行くように言ってくる花音さんの提案を断った。

 

「え!? だって、一樹君倒れたんだよ!?」

「今、病院に行くわけにはいかないんだ」

 

そう、僕には病院に行っている余裕はない。

少なくとも、今は。

 

「それって、どういう――――」

「申し訳ないんだけど、今のこと誰にも言わないでもらっていい? ……大丈夫、本当にまずくなったらちゃんと病院に行くから」

 

僕の言っている意味が分からない様子で詳しく聞こうとする花音さんの言葉を遮って、僕は一方的に頼み込んだ。

僕が倒れたことを知っているのは、花音さんだけだ。

彼女の口を封じておけば、このことが明らかになる可能性は低い。

 

「………気を付けてね、一樹君」

「もちろん」

 

花音さんは僕の頼みを聞き入れてくれた。

……というよりは、言っても無駄だと悟ったのかもしれない。

そして、僕は彼女に背を向けて、再び足を進める。

 

(とうとうきやがったか)

 

これは前に、心臓の病気で倒れた際のツケだ。

あの時、僕はペースメーカーのようなものを埋め込む手術を拒否したのだ。

医者からも受けるように説得は受けた。

それでも、僕は拒否し続けた。

その時に医者に言われた言葉は、今でも鮮明に覚えている。

 

『君の心臓は、君が思っている以上に危険な状態だ。また今回のような症状が出たら速やかにここに来るように』

 

そこで医者は一度言葉を区切るとさらにこう言ってきたのだ。

 

『もし、症状が出ても来なければ、君は今度こそ手遅れになる』

 

それは、事実上の余命宣告でもあった。

そして、とうとう今になってそのシグナルが出てきたのだ。

 

(今病院に行けば、間違いなく僕は入院に手術コース……できるわけがない)

 

せっかく、彼らが一発逆転の手を打ってくれようとしているのに、入院なんてしていられない。

 

(一か八か……かけてみるか)

 

解決が先か、それとも僕の体の限界が先なのか……いずれにせよ、もはや動き出してしまったのだ。

命のカウントダウンが

 

 

 

BanG Dream!~隣の天才~   最終章『隣の天才』

 

 

 

あの日から、何の音沙汰もないまま、時間だけが過ぎて行った。

 

(僕の思い過ごしだった?)

 

あまりにも何もないので、そんなことを考え始めつつもやはり、時間だけがいたずらに過ぎていく。

そしてついにハロー、ハッピーワールドのライブの日を迎えた。

 

(時間も大丈夫だし、行くか)

 

自室で着替えを済ませた僕は、花音さんから言われた集合時間まで十分余裕があるのを確認したうえで、自室を後にする。

 

(それにしても、水族館に宝探しになぞ解きに……本当に何でもありだな)

 

想像しただけでも色々めちゃくちゃな感じになってはいるが、おそらく来園者にとってはこれ以上ないほど楽しんでもらえるだろう。

 

(これは、弦巻さん達がすごいのか、弦巻家がすごいのか……どっちだろう?)

 

後者は……できれば考えたくはなかった。

ということで、強制的に弦巻さんたちがすごいという結論に達したのは、いい思い出だ。

 

「あれ、もう行くの?」

「あ、うん。色々と準備があるみたいだから」

 

玄関で靴を履いていると、義妹の蘭が話しかけてきた。

この日は日曜日なので、学園はお休みだ。

 

「そう……気を付けて」

「うん、行ってきます」

 

蘭の、どこか含みのある言葉に見送られながら、僕は自宅を後にすると、集合場所である駅前に向かうのであった。

 

 

 

 

 

「一樹君っ」

「あ、花音さん。おはよう」

 

集合場所にたどり着くと、そこにはすでにみんなの姿があった。

まだ時間には十分余裕はあるのだが、みんな考えていることは同じなのかもしれない。

 

「おはよう、一樹君。今日も頑張ろうね」

「もちろん。パレードのほうも楽しみにしてるよ」

 

今日の僕の役割は、各アトラクションのフォローが主だ。

色々と発想を広げた結果、かなりの多忙が予想されるだけに、以下にフォローをうまくできるかがカギだ。

パレードでは僕は観客として見させてもらうことにしている。

 

「ええ! 皆を笑顔にできるように楽しいパレードにするわ! だから、一樹はちゃんと見ててね!」

 

大丈夫なのか不安に思っていたりもするが、そんな僕の不安を吹き飛ばすほど、弦巻さんの言葉には力強さがあり自信に満ち溢れているような気がした。

パレードは夜からの開始だ。

これも明日が祝日で連休でなければできなかったかもしれない。

 

(とうとう、間に合わなかったか)

 

そんな僕でも、一つだけ心残りなのは、やはり日菜のことだった。

今日のパレードは日菜と一緒に見ようと思っていたのだが、こうなるとそれはあきらめたほうがいいのかもしれない。

 

「それじゃ、みんな出発よ!」

 

そんな僕の気持ちなど知るはずもない弦巻さんの号令で、僕たちはスマイル遊園地に向けて歩き出そうとした時だった。

突然電話の着信音が鳴りだしたのだ。

 

「ごめん、ちょっと電話」

 

僕はみんなに一言断って、少し離れた場所に移動すると、携帯を取り出して相手を確かめる。

 

(日菜っ)

 

画面に表示されていた『日菜』の二文字に、鼓動が速まるのを感じた。

指先をやや震えさせながらも、僕は電話に出る。

 

「………もしもし」

『氷川日菜を預かった』

 

それは僕すらも予想にしていなかったものだった。




今回より始まりました、最終章。
ここから一気に完結まで駆け抜けます。

さて、前書きで書きました重要なお知らせですが、新作を投稿することが決定しました!
この新作では1作品で1バンドの少女たちとの物語となります。
簡単に言いますと『Roselia編』や『Pastel*Palettes編』といった感じを予定しております。
ただ、前回のアンケートのご要望を踏まえた結果、現時点の設定では執筆を行うのはやや難しいという結論になりました。
このため、本作をベースに主人公の設定などを一部変更した状態での物語を書かせていただきたいと思います。

そこで、皆様にお力をお借りしたいと思います。
まず最初がこの度実施いたしましたアンケートです。
『どのバンドの話を読みたいか?』という内容でアンケートを行わせていただきたいと思います。
お読みになりたいバンド名を選択してください。
票数の一番多いバンドの物語を第1弾として執筆いたします。
なお、このアンケートには人気投票といった意図は一切ございません。

そして、もう一つが、タイトル案の募集です。
私のネーミングセンスだと、微妙にタイトル詐欺感が出たり、誤解を招くようなものになってしまうため、読者の皆様のお力をお借りしたいと思います。
募集しているタイトルは『Poppin'Party』や『Roselia』といった5バンド分になります。

タイトル案は感想ではなく、『https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=237037&uid=35481』の活動報告のコメント欄か、メッセージからお願いします。

大変ご迷惑をおかけしますが、皆様のご協力をよろしくお願いします。

新作で、読みたいバンドは、どれでしょうか?

  • Poppin'Party
  • Pastel*Palettes
  • Roselia
  • After glow
  • ハロー、ハッピーワールド
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