ウェウェってGO!   作:九十九夜

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「なんでギルガメッシュ成り代わりとかガワだけみたいなのはあってもオジマンディアスのはそんなにないんだろうね」

知人M氏「そんな気になるなら書けば?」

「」




嘔吐描写があります。注意。


目覚めて牢屋

カタリ

 

光が一切差し込まない地下牢に一筋の光が差した。

そこ……扉に取り付けられた食事の差し入れ口から今日の食事が届けられたようだ。

それを視認するとともに身じろぎをする少年が一人。

この部屋に一人きりで幽閉されている少年は、差し出されたそれに泣きも喜びもせずに近寄っていくと、震える手でそれを一口。

 

口に含んだ。

 

咀嚼。

 

咀嚼、咀嚼。

 

数瞬の沈黙。

 

咀嚼、咀嚼咀嚼。

 

嚥、下……とともに少年は何やら部屋の脇。

水の流れる音の聞こえるそこへと駆け寄っていく。

 

 

「オロロロロロロロロロロッ」

 

ビチャビチャビチャッという汚らしい音とともに何かが水とともに排水溝へと流されていく。

この作業を食事の回数分こなすのが少年の日課だった。

グイっとおもむろに自身の顎を伝った耐えがたい異臭を放つ液体を拭って少年が呟いた。

 

「もう嫌だ。日本に帰りたい。」

 

そう言った少年の眼は死んだ魚の様だった。

 

 

 

***

 

 

 

俺の名は■■■。今世の名はまだない。つけられる予定もない。

さて諸君。俺がこうして囚人()になった経緯を説明しようと思う。

え?聞きたくない。まあ待て、多分暇つぶしくらいにはなるはずだから聞いていけ。

 

まず、俺は此処古代エジプトに生を受けた。元々いたのは平成という年号の時だから一応現代からのトリップというか転生という類のものになると思う。

そう、あの日俺は毎年恒例のコミケとかいう行事に友人の頼みでコスプレをして売り子をしていたのだ。

なんだっけあの……オジマン、オジサン?忘れた。

なんかそんな感じの名前のキャラクターの格好をしていた。

冬なのに、冬なのに。このクソ寒い中でほぼ半裸マントとか……辛い。

友人はギル何とかの格好してた。その上着よこせ。つか鎧全部よこせ。

そんなこんなで背中とかにホッカイロめっちゃ張ってソリッドブック(って友人が言ってた)売ってたらいつの間にか牢屋に入ってた。

 

最初は俺気付かぬうちに犯罪者?と涙目になっていたがどうやら違うらしい。

なんか覗き窓から見える見知らぬおっさん方が会話しているのを聞いたら俺(正確にはこの子が)は何やらメンドクサイ所の産まれらしく、そんな高貴()な生まれのくせに何やら得体のしれないものにつかれているらしい。で、気味悪くなったけど安易に捨てるわけにもいかず此処に押し込められたのだそうな。

あれ、とかアイツとか言われてるところを見ると本当に名前はないらしい。

人生ハードモード()という奴らしかった。

 

取り敢えずここまでが粗方あったことだ。

うん、別に人生ハードモードかもしれんが俺としては別にいい。

だって、俺にとってはこの時代の子どもの様に幼少期から何らかの仕事をしたり身分に縛られるなんてことはないのだからこれほど素晴らしいことはない。

日がな一日ゴロゴロと怠惰を貪っていても気にしなくていいのだ。

ヒャッホウ!まるで夢の様なニート生活である。

 

……のだが、問題点が一つほど。

ここの、飯が、まっずい。

超、マズイ。

それはもう、食事毎に吐き戻すほどマズイ。

え?パソコンと漫画?ゲーム?

ああ、そのあたりは大丈夫だ。脳内検索でなんとかなったから。

なんかよくわかんない連中がそれはしちゃいけないことだって何度か注意しに来たけどライオン頭のやつ追っ払った辺りから誰も来なくなったから。

……話し相手がいなくなって寂しくなったりなんてしてないぞ……違うかんな。

 

ともかく、目下俺の悩みはこの出される飯をどうにかしてうまくしてほしいという事だ。

 

ああーモ〇バーガー食べたい。叙々苑行きたい。

ジャンクジャンクジャンク。

三回言ったら叶う気がした。嘘だけど。

 

あーあ。誰か腕のいい料理人はいんないかなー。

 

 

 

***

 

 

「おねがいじばずうぅぅぅっ、だ、だづげでくだざい゛ぃぃぃっ」

 

あ゛あ゛あ゛アアァァとまるで猛獣の雄たけびか何かの様なけたたましい叫び声が、狭い地下牢の回廊に響き渡る。ついでに俺のいる独房の扉がものっそい叩かれてる。怖い。

その叫びがほんの少し弱くなるとすかさず「うっせーぞ!!ぶち殺されてーのか!!」とどこぞの牢屋から怒鳴り声が聞こえた。

どうやら他の囚人も相当堪えているらしかった。

しかし、その心情を察せるほどの余裕がないのか雄叫びの主は今度は「じぬのばい゛や゛ああああああああああああっ」と泣き叫びだした。

煩さ倍増である。なんということだ。声からして自分と同じくらいの女のものだがどうなんだろうこれ。

騒ぎを聞きつけた若手の兵士が駆けつけてきたようだが、あまりにも少女()がお話にならないという事で幾度かの会話の後めんどくさくなったらしい。

久々に扉が開いたかと思うと何かが放り込まれた。

ドシャっという音とともにまた「うえ゛え゛っ」と泣きそうになっているそれはおそらく、というか確実にさっきまで泣き叫んでいた少女()であろう。

しゃくり上げる少女は髪は既にボロボロで、散々泣いたせいか施されていたであろう化粧もぐちゃぐちゃ、そこに涙と鼻水と唾液ぶったらしである。

最早悲惨とか通り越して凄惨というか軽くホラーの類だ。

妙に上等な服を着ているのが気になったがそれは置いておいて。

まず少女を落ち着かせようと変化()する。

 

「ワンっ」

 

一声鳴いて少女にすり寄る。

 

「え?犬?」

 

そういえば普通の人って夜目そんなに聞かないんだっけ?この身体になってから暗闇でも普通に見えるから忘れていた。

わざとらしく荒く呼吸してごろんと寝っ転がって腹を見せる。

少女はバッはなした腕を恐る恐る辿る様に伸ばし、ゆっくり撫でてくれる。

俺はというとされるがままである。

どうだ?俺可愛かろう?撫でたいだろう?撫でてもいいんだぞ?もっと撫でるがいい!!

そんなこんなで少女と戯れてみることにした。

暫く戯れていると少女は大分落ち着いたらしくへにゃりと笑って言った。

 

「お前はいい子ね。飼い主は……いないか。じゃあ、お近づきのしるしに私が名前つけてあげる。」

 

んーと考え込んでから少女が一言。

 

「お前はハチ。なんかすごく頭がよさそうだから、きっと未来のハチ公並みの名犬になると信じてハチと名付けよう。よろしくね。」

 

待てってか?雨の日も風の日も雪の日も待ってろってか!?

てかこれ犬じゃねーよ!!コヨーテだよバカ!!

 

「いやあの……流石にハチはちょっと……。」

 

「ぎゃああああああっ犬が喋ったああああああああっ」

 

一瞬の沈黙ののち少女がまたもや騒ぎ出す。

賑やかだなおい。

 

「そもそも俺は犬ではないぞ。」

 

言って変化を解く。

とやっと夜目が効いてきたらしい少女が一言。

 

「え……オジマ。えちょっ嘘でしょ!?オジマンディアス!あ、や、まだ子供だからチビマンディアス!?本物!?」

 

いきなりテンション上がったぞこの子。てかそうか、あの時のコスプレの格好オジマンディアスか。

うんでも残念ながらそれはない。今でこそ来なくなったけど彼はもっと小さなころに此処の常連だったから。

残念なことに俺は彼ではないのである。今までラーメス呼びだったから気付かんかった。

 

「で?貴様はなぜここまで来たんだ?何か助けが必要で来たのだろう。」

 

そうでした。とお口アングリ状態になってしまった少女は固まった後俯いて口をもごもごと言いずらそうに動かした。

このままでは埒が明かないので助け舟を出してみることにした。

 

「まあ、無理にとは言わん。何もないが取り敢えずこれでも食っていけ。」

 

そう言って少女の前に先程運ばれてきた食事を差し出す。

どうやら若手神官もあんまり俺の案件には首を突っ込みたくないらしく、そのまま帰っていったようだ。

ありがとうと言って少女が器を受け取り、スープをおもむろに飲み干し、て。

 

「んぐ、ぐ。え……う゛っ」

 

あ、そろそろだなと思った俺はそのまま流れるような動作で少女を脇の排水(兼水飲み場?)の方に連れていく。

 

「【規制音】」

 

きらきらと流れ出るモノがキレイな虹色の何かに加工されている。漫画効果ってやつか。すごいな。

俺のはかからなかったのに。それともよそから見たら同じようにかかっているのだろうか?

それにしても

 

【―――しばらくお待ちください―――】

 

「日本、帰りたい。」

 

数十分後、レ〇プ目の美少女()がそこにいた。

ね?だから不味いんだってこれ。

 




書いた後にちょっと噴き出してしまった。
でも後悔はしてない。
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