ウェウェってGO!   作:九十九夜

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暴挙に出ようと思う。

更木剣八VS黒崎一護。ただし、一護は代行初期、みたいな。

そんなとんでもない暴挙に出ようと思う。


人生ははーどもーど

―――漣の音が聞こえる。

余計なものを運んでくる音だ。

懐かしい音だ。

 

いつの間にか重くなっていた身体を起こして浜へとゆっくりと歩を進めた。

無論、獲物を殺すために。

 

―――さて、今回はどんな風に殺してやろうか。

 

そんなふうに真っ先に考えるようになった自分に内心でここまで堕ちていたのかと自嘲する。

ふうと溜息を吐いて前を向くと、既にそれは自分の方へと視線をよこしていた。

 

「     」

 

男が放った一言に思わず面食らう。

その一言が何だったのか、既に私にはわからない。

だが、その一言があったからこそ、より残酷に、より凄惨に殺そうと、そう思って

 

そう思って、私は口を開いた。

その筈だ、その筈だった。

 

その筈だったのだ。

 

 

……殺すつもり、だった。

 

 

 

***

 

 

 

カタカタ、カタカタカタ。

 

キーボードを叩く音が室内に響く。

 

「うーん、これでもダメか……。」

「お疲れー。これ、差し入れのコーヒー。」

 

栄養剤もあるわよー。とフリフリのメイド服に身を包んだ職員(どうやら()の趣味らしい)が各席を回ってコーヒーを渡していく。

 

「ほい。熱いから気を付けてね~。」

「さんきゅー。」

「また解析?凍結保存されてた既存のデータと照合させればいいって話だったけど……思ったより難航してるわねえ。」

「ん?ああ、まあな。そもそもその既存のデータとやらの実証証明の再認もしなきゃなんねーからなあ……マスター君には悪いがもうしばらくシュミレータにこもってもらうことになりそうだあっっづっ。」

 

思わず取り落としてしまったコーヒーがバシャリと無残にも床に転がる。

「んもーだから言ったじゃない。」と言って懐からハンカチ……ではなく雑巾を取り出す様にいったいこいつは何処を目指しているんだと訝しんでいるとモニターには乱数がシャラシャラと絶え間なく、画面いっぱいに移しだされる。何事かと思って男が周辺機器の確認をしていると……足元に設置されたデバイスの一部に、先程のコーヒーが付着していた。

 

「「あ」」

 

未だ赤く燃え盛るカルデアスの一点が突如として表示される。

そこは―――

 

「至急、マスター君とマシュとサーヴァント各位に連絡を。」

「は、はいっ。」

 

現在の指揮官であるロマニ・アーキマンが冷静に言い放つと、慌てて職員が駆けていった。

 

カルデアスに表示された一点。

このカルデアにおいて最初の(・・・)特異点として観測されたそこは―――

 

 

【絶対魔獣戦線バビロニア――人理定礎値A++】

 

 

***

 

 

「いーやーだ!!小生はいかん!!」

「や、でも君いないと定員足りないから。」

「いやだ!!」

 

さっきから繰り広げられる不毛な争い、既にこれで五回目である。

それでも両者とも諦めることなく(諦められたらそれはそれで困るが)ウェウェコヨトルとロマンの会話は平行線を辿っていた。

 

「マスター。準備はよろしいですか?」

「え?ああ、うん。でもウェウェ様が……」

「ああ、大丈夫です、」

 

そう言ってスタスタと背後に近づいていくとおもむろに襟首をひっつかんでコフィンのところへと旦那を引き摺ってくるイシスネフェルト。

叫ぶ旦那を余所にそのままコフィンへと荷物か何かの様にぞんざいな仕草でソレを放り投げ自身も乗り込んでレイシフトを開始した。

 

「嫌だアアアアアっ」

 

ウェウェコヨトルの悲痛な叫びをそのままに初めてのレイシフトは開始してしまった。

 

 

 

 

「どうせその内、太陽みたいな奴に両目潰されるんだ。どうせそのあたりから出てきた酔っ払いに両の眼抉られるんだ。」

 

ブツブツと上の空で独り言を連発し、心此処に在らずといった態のウェウェコヨトルを最後尾に一行は杉の森の中を進んでいた。

 

「あの、ウェウェ様。」

「どうせ、どうせ……。」

「あの「うるさいですよ。そんなにその目が心配なら酔っ払いの前に僕が抉り出してあげましょうか?」

「……。」

 

静かになった。

例え嫁相手でも流石に目を抉られるのはいやらしい。いや、当たり前なのだけれども。

 

「あ、あの。ウェウェ様。俺でよければ相談に乗りますよ?」

 

静かになったウェウェコヨトルに立花が声を掛ける。

初対面の時は出来なかっただろうが日々シュミレータにもぐったり、日常生活を共にする中でそれなりに絆は深まっていると思っているし、何より彼はそう気難しい質ではない(と立花は思っている)ので応えてくれるだろうと思って、思い切っての事だった。

 

「う、む。」

 

よくよく見てみると良くも悪くも正気を取り戻してしまった彼はうっすらと冷や汗をかいており、顔色もだいぶ悪いことが見て取れた。明らかに異常だ。

 

 

「大丈夫だ。何やら動悸が止まらんのだが、たぶん大丈夫だろう。」

 

いいながらその手は立花の服の裾を掴んで離さない。

そのまま再度顔の方に視線を戻すと瞳にはうっすらと涙の膜が張っていた。

 

ドシュッっと立花の中の何かに何かが刺さったような気がした。

 

―――あ、あれ?

こころなしウェウェコヨトルがきらきらして見える、なんかこう……。

 

そんなことを考えているとふとマシュが思い浮かび何故マシュ?と思った矢先に彼の心の中のマシュがこう言った。

 

「不潔です。先輩。」

 

今度はぐさぁっと違うものが刺さった気がする。

ここから、どうすればいいんだああああというぐだおの苦悩が始まるのだが、その苦悩は取り敢えずは緑の髪の麗人の登場によって一端中断させられることとなる。

そんな悩み苦しむ青少年の姿をちらりと見遣ってクスリと笑うものの姿があったのは此処だけの秘密である。

 




リアル友人から
「ねえねえこのひとそんなに嫁が何人もいるならいっそ男の子も一人くらいいてもいいんじゃない?ぐだ男君とか!」
と言われた。

……のだが、
「え?何人もじゃなくて3人だよ。もしかしたらひとりそれっぽいの増えるかもだが……。」

そして、期待に目を輝かせる友人に一言。
「うん、でもマシュがいる限りぐだ男君のヒロインは(ヒーローは)マシュだけだと思うよ。」
「え」

いやだって……あのヒロイン/ヒーロー力には勝てないと思うんよ……。
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