オラリオで暗躍するのは間違っているだろうか 作:チョウハジメ
最上 シンは突然行方不明になり、お尋ね者になった。
Lv.10になってから三ヶ月、シンは夜遅く、【人間失格】でロキから刻まれた
朝、シンの恩恵が消えていることに気づいたロキは【ロキ・ファミリア】全団員だけでなく、オラリオの全ての住人をも巻き込んだ大捜索が始まった。
しかし生死不明のまま見つかることも無く、半年の月日が過ぎた。
しかしある日突然、神々とその【ファミリア】が殺される事件が発生した。神は本来なら強制送還されるはずなのだがそれが発動せず文字通り死んだのだ。他にも眷族達の遺体が見つかっておらず、犯行現場には壁や床に飛んだ血飛沫のみ残されていた。
その対処に【ロキ・ファミリア】が派遣され、捜査していた。目撃者の情報や犯行現場などから犯人の人物像が浮かび上がってきた。その人物像に【ロキ・ファミリア】は戦慄した。
その人物像は未だに行方不明の人物──最上 シンと重なったからだ。その正体を確かめるために【ロキ・ファミリア】の団長であるフィン・ディムナは次の犯行が行われるであろう場所に待ち伏せをしかけようとした。
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監視をしていた団員達から犯人らしき影を見たと報告を受け、フィン率いる第一級冒険者が建物に入った。
建物に入ったフィン達が目にしたのは、そこら中の壁や床に飛び散っている血飛沫だった。しかしその血飛沫の元の者はいなかった。
フィン達が建物の通路を進んでいると、ある部屋から喋り声が聞こえてきた。
フィン達がドアを蹴破って部屋に入ると、赤い狐の仮面をした赤黒いロングコートを羽織った男と、丁度仮面の男に致命傷を与えられた女神が強制送還されようと『
仮面の男は強制送還を許すまいと持っていた黒刀で女神の心臓に突き刺した。
その瞬間。
強制送還されるはずだった女神は『神の力』が発動されず、徐々に肉体が刀に吸われだした。
女神「うあぁぁぁぁぁッ!!!」
数秒後には女神が完全に消滅し、女神の消滅した場所には真珠のような玉が落ちていた。
仮面の男はその玉を拾い上げ、ロングコートのポケットにしまった。
フィン「……君はシン……なのかい?」
フィンは仮面の男に自分の得物である槍を向け、問うた。他の面々も各々の得物をフィンのように向け、仮面の男の一挙一動を見逃さず見る。
仮面の男「……」
仮面の男は唐突に自分の仮面を外し、顔を晒した。
『ッ!?』
ティオナ「えっ……ウソでしょ……」
フィン達は仮面の男の顔を見て絶句した。仮面の男は行方不明だった最上 シンであった。
ティオナ「なんでシンがこんな事してるのッ!?」
シン「……」
ティオナ「なんで……なんでなのッ!?」
ティオナは泣きながらもシンを問いただした。
シン「これが俺のやり方だからだ」
シンは冷徹な声音でティオナに言い放った。
ティオナ「意味分かんないよッ!?しっかり説明してよッ!?」
シン「じきに分かる」
シンは仮面を付け直すし、ティオナに手で収まる程の小さな箱を投げ渡した。
シン「時が来ればその箱も自然と開く。それまで強くなれ、ティオナ」
そう言い放ち、シンはティオナ達に背を向ける。
フィン「君に聞きたいことがある」
シン「……なんだ」
シンは振り向かず、答えた。
フィン「なぜ転移魔法を使わなかった?あの魔法なら目撃者なんて出ない筈だ。そもそも君が証拠を残すようなヘマはしない。それにここの【ファミリア】は闇派閥の残党だ。これまでの事件も闇派閥の残党ばかりだった」
シン「……」
フィン「君はいったい何が目的なんだ?」
シン「……大神が残した『
フィン「大神?誰のことだ」
シンはその答えを言わず、部屋の窓から飛び降り、オラリオの街へと消え去った。
翌日、元冒険者の最上 シンがギルドのブラックリストに載ったことが公表された。
シンには【
シンを尊敬・信奉していた者達は何かの間違いだと暴動を起こした。それをギルドや【ガネーシャ・ファミリア】が鎮圧し、騒ぎは収まった。
『黄昏の館』ではティオナが一週間近く部屋で塞ぎ込んでいた。
ティオナ「なんで……なんでよぉ」ポロポロ
シンに恋幕を抱いていたティオナは他の者より、ショックは大きい。この一週間、碌に食事をしず、泣いている。
ティオナはシンから渡された箱を眺めながら、そう呟いた。
ティオナ「ん?何これ?」
ティオナは箱の表面に文字が書かれている事に気付く。
ティオナ「この文字、シンから貰った本と同じ文字!」
箱にはこの異世界では馴染みが無い日本語で書かれていた。ティオナは前にシンから貰った日本語で書かれている本を見ながら解読する。
ティオナ「ティ、オ、ナ、す、き、だ。 す、べ、て、が、お、わ、る、ま、で、ま、っ、て、て、く、れ。 だ、け、ど、お、れ、は、よ、わ、い、お、ん、な、が、き、ら、い、だ、か、ら、な…………」
ティオナはこの文章を理解するのに時間がかかった。そして理解すると
ティオナ「……///」ボフッ
一気に顔の色が真っ赤になり、トマトのようになった。
ティオナ「ど、ど、どうしよーーー!?」
ティオナの叫びは部屋の外まで響き、部屋のドア付近で心配していたティオネが部屋に入ってきた。
ティオネ「どうしたの!?」
ティオナ「ティオネ!私強くなるよ!」
ティオネ「え、えぇ」
ティオナ「早速ダンジョンに行こーー!!」
ティオネ「ちょっとどうしたの!?いきなりダンジョンだなんて!?」
ティオナは無事復活し、上機嫌にダンジョンへ潜っていった。
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それから半年後、表だった殺人事件がぱったりと無くなり、オラリオには平穏が戻った。