ハイスクール ワン×パンチ   作:アゴン

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今回は体調不良の為かなり短め。

キリの良いところで書いたらかんな具合になりました。


32撃目 ヒーローと無限 対峙

 

 “無限”それは人の領域から大きく離れ、神や魔王を始めとした怪物達の手にも大きく余るとされる存在。

 

無から生まれたが故に無限。その力に際限など無く、その命に限りなどありはしない。

 

完成された存在。完結し、完全たるその存在は世界を滅ぼして余りある力を内封し、己の中にある唯一つの目的の為に慈悲も、容赦もなくその力を奮う。

 

「───オーフィス」

 

 広大な戦場に開いた巨大な穴。遙か彼方で佇む一人の少女を見て、サーゼクスは静かに少女の名を口にする。

 

“黒”その外見と瞳に映し出される少女の色は常闇より深いその色は差し詰め無間。光も届かない無間の闇にサーゼクスとアザゼルは互いに臨戦態勢を取る。

 

無限神龍───ウロボロスドラゴン、オーフィス。それが少女の名前であり、禍の団の首領とされる存在だった。

 

敵味方お構いなく放った一撃は混沌と化した戦場を鎮めるには十二分な威力を持っていた。

 

穴を覗けば底はなく、あるのは少女を体現した無間のみ、余波で次元すら歪ませるその一撃にアザゼルやサーゼクス、遠くにいるはずのオーディンやタンニーンも戦慄していた。

 

「───オーフィス、まさか奴まで現れるとは……禍の団はここを決戦の舞台にするつもりか?」

 

「そもそも、何故彼女がここに……やはり、アオヤマ君が狙いか?」

 

『それはお前達が知る必要のない事だ』

 

虚空から聞こえてきた声、何かと思い振り返れば一陣の魔法陣が浮かび上がり、そこから現れたのは貴族服の一人の男。

 

「初めまして堕天使の総督、俺は真のアスモデウスの血を引く者、クルゼレイ=アスモデウスだ」

 

禍の団、その旧魔王の血筋を持つ者と名乗るクルゼレイの登場にロスヴァイセは今まで混乱していた思考を元に戻してサーゼクスとアザゼル、二人の前に出る。

 

「アザゼル様、サーゼクス様、この者の相手は私がします。お二方はオーフィスの相手に集中して下さい」

 

「んな余計な心配はいらねーよ。今まで隠れていた奴が勝てそうとフンで出てきただけだ。ビビるこたぁねーよ」

 

「ヒーローを名乗る偽善者を利用しておいて良く言う。確かに奴の力は危険だが、大きな力にはより大きな力をぶつけるだけで事足りる。貴様等の切り札は潰えた。素直に降伏する事を薦めるが?」

 

 クルゼレイの口元が卑しく歪む。無限神龍という巨大な力を味方に付け、その様は虎の威を借る狐そのもの。

 

しかし、現状は目の前の三流が言うとおり、状況は圧倒的に此方が不利。神、魔王、龍王という大きな力あっても、それでも無限には遙かに及ばない。

 

“無”から生まれたとされるオーフィスは正に無限の体現者、そんな存在からの一撃を受ければ人間如きの耐久力では肉体所か魂さえ砕け散る事だろう。

 

あの巨大な穴を見て分かるように、恐らくはアオヤマは……生きていることさえ叶わないだろう。

 

世界を救っても、ヒーローという存在であっても絶対者である無限神龍には届かない。ロスヴァイセもサーゼクスも、アザゼルすらもそう思った時。

 

 

 

 

 

 

「おいおい、折角貰ったヒーロースーツが受け取って一分足らずに消滅って、どういう事だよ」

 

「「!?!?!?」」

 

そいつは立っていた。

 

無限龍の後ろで、誰にも気付かれず、オーフィスすら気配が読めなかったその男は……。

 

「おいアザゼル。これ結構丈夫そうな事言ってたけど、どういう事だよ。詐欺じゃねーか」

 

全裸で、威風堂々と佇んでいた。

 

アオヤマ、人生二度目の大サービスである。

 

 




前代未聞の1000文字弱

次回はもう少し頑張ります。


そしてもう一つ、感想を下さった読者の皆様に質問。

感想の大半がオーフィスの心配で、誰一人主人公の心配をしないとはどゆ事?(笑)


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