夜も更けたから今日はお開きにしましょう、と言った織部教授からは、特別なことを言ったという空気はみじんも感じ取れなかった。
当の先生だってそうだ。中心人物なのに。
いつもの朗らかさを失うでもなし。「長い家族会議に付き合わせてすみませんでした」と言って、車で俺たちをクジゴジ堂前まで送ると申し出た。
道中の車内は、誰もが何も言い出せない、ねばっこい沈黙に支配されていた。
だから、やっとクジゴジ堂前に着いて車のドアが開いた時にこそ、俺は出そうと思って出せずじまいだった声を上げられたのかもしれない。
「ゲイツ?」
「先に中に戻れ。俺は先生に話がある」
そこで、すすす、と常磐ソウゴが俺の横に戻ってきて、一言。
「変なことする気じゃないよね?」
「貴様と一緒にするな!!」
――ツクヨミと常磐がクジゴジ堂に入ってから、俺は車の反対側へ回って助手席に乗り込んだ。
「明光院君? 忘れ物でもしましたか?」
「してない」
「じゃあ、常磐君たちがいると話しにくいことがあったとか? 先生でよければ聞きますよ」
あいつらを先に帰したからには、それが俺の本心なんだろうな。
「名前」
「名前?」
「さっきまでは俺を下の名前で呼んだのに、今は苗字呼びに戻ってる」
先生は何も言わない。どう答えれば角が立たないかで迷っているのは、表情で丸分かりだ。
「織部の家を出てからここまで、アンタは、俺を避けてる」
どうしてだ、と。本当なら彼女に掴みかかって大声で詰問したい。でも、耐えて、先生の答えを待った。
「…………かなしく、なるから」
先生はハンドルに額を押しつけるようにして俯いた。垂れた髪のせいで横顔も分からない。
「うれしかった。お母さんを通じて、ゲイツ君との間に特別な縁があるって、分かったことが。こんなに魅力的でかっこいい男の子が私の“弟”なんですよって、言い触らして自慢したいくらい舞い上がりました。でも、そう思えば思うほど、――悲しいんです。だって君は、オーマジオウが支配する未来の世界を救いたくて、2018年に来ました。
ことばが、圧倒的不意打ちを仕掛けて、きた。
「私っ! 一瞬でも、一度でも、思ってしまった……このまま常磐君がオーマジオウになってもいいんじゃないかって、思ってしまったんです! いつの間にか、私、こんなにも……っ」
俺はシートを跨いで、両腕で、先生を掻き抱いた。
男が女を抱き寄せることの意味くらい、俺だって弁えてる。恋仲でもない、恋愛感情も抱いてない異性に、こんな触れ方は不誠実だ。分かってる、分かっているのに……!
「君のことを考えると、悲しくなるんです……だから、元の“生徒”と“先生”に戻れば、心も巻き戻せると思ったのに……もっと悲しくなった……っ」
背中に回された先生の両手は、俺が微かに身じろげば容易く離れてしまうほど弱々しい。
「……ゲイツ君……私、どの時間まで戻ればやり直せますか……?」
償いを求める涙声を聞いて、俺はようやく、師だった人の、レジスタンスの大人たちの言葉を、正しく理解した。
“現在を善くするためであっても、過去の歴史を変えてはいけない”
俺がタイムマジーンで4か月前に遡って、彼女と出会わなかったことにするように立ち回るのは簡単だ。
だが、それを実行すれば、時空はより
ともすれば、こうしている現在も諸共に。
俺はどう答えることもできずに、ただただ、“姉”とも“教師”ともつかないひとを抱いていた――
今回がジオウ二次で一番書きたかったシーンと言える。
フラグ? 目の錯覚です(キッパリ
本当はもっと上級者向け(意味深)なシーンを入れたかったのですが、これはひとえに、自分の、文章力が足りなかった。
――――。
文才が来い( ゚Д゚)!!!!
ゲイツと美都せんせーの関係って、ゲイツ側から書くと消去法なんですよねー。
先生? ちがう→義理の姉? ちがう→じゃあ何だ!?←今ココ
原作ヒーローとオリ主をもだもだした関係にすると、たまに産みの親のほうがキレたくなります。
アナザーリュウガとの対比を狙いました。ゲイツの特攻は真司を犠牲にしても、とか思った自分への後ろめたさゆえでしたので、美都せんせーのはソウゴという生徒の将来を引き換えにしてもゲイツに逢いたいと思ってしまった自分への罪の意識にしてみました。
~*~リアタイな話~*~
ツクヨミちゃんが白ウォズ側に付いた――ホワーイ!? ジャパニーズピーポーホワーイ!!(違
というわけで、今から予告すると、仮面ライダーキカイ編はツクヨミにスポットが当たったエピソードになります。
更新は亀でも、手元にあるワードデータはいつでもリアタイ。それがあんだるしあクオリティー(`ФωФ') カッ