70年目のサクラサク   作:あんだるしあ(活動終了)

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 脱稿優先でクオリティー無視。
 みんなはこんな物書きになっちゃダメだゾ(^_-)-☆


Syndrome64 仮面ライダーに捧ぐ卒業式〈フィナーレ〉

 ああ。神さま、神さま。もし天におわすのなら、あなたの下さった奇跡に私は涙ながらに感謝します。

 

 ゲイツ君が、ソウゴ君への心証を180度変えたばかりか、ソウゴ君を「トモダチ」と呼んだのです。

 

 30年間の人生で、今ほど天の祝福を受けたと思う瞬間はありません。

 これでもう、思い残すことは一つも無くなりました。

 

 ありがとう、私の立派な生徒たち。

 おめでとう。若き仮面ライダーたち。

 

 

 

 

 

 アナザージオウは体を起こすと、忌々しげに俺たちを睨みつけて、腕を一振り。それが合図。アナザージオウのもとに続々と、今日までに俺たちで斃してきたアナザーライダーが参集した。

 

「やっぱ撒いただけじゃダメだったかぁ」

「お前を足止めしたのはあいつらか」

「ついでにボコったのも同上。多勢に無勢ってコトバが本当の意味で理解できたよ、ほんっと」

 

 ソウゴは至って日常的な台詞回しでジクウドライバーを装着し、ジオウウォッチを装填した。

 

「お前な。言っとくが、俺に斃される前にくたばったら承知しないぞ」

「ゲイツこそ俺を斃す前にくたばったら、時間巻き戻して生き返らせるからそのつもりでね」

「ハッ。ミイラ取りがミイラとはよく言ったもんだ」

 

 共通の敵を見据えたまま、俺たちは足並みを揃えて、肩を並べた。

 

《 ZI-O 》

《 GaIZ 》

 

 ――ミトさん。改めて、冥土のアンタに謝るよ。

 俺は過去の歴史を変える。先走った使命感でも、俺たちの現在(みらい)を善くするためでもなく、常磐ソウゴのために。

 

「「変身!!」」

《 ライダー・タイム  カメンライダー  ZI-O 》

《 ライダー・タイム  カメンライダー  GaIZ 》

 

 すまない、ツクヨミ。お前だけは、俺に取り憑いても、いっそ祟り殺しても構わない。

 ソウゴをオーマジオウになんかさせない。そう決心してしまった俺を、この世の果てまで、赦さないでくれ。

 

 

 

 

 復活したアナザーライダーが敵であっても、どいつもすでに俺たちがライドウォッチを手に入れた相手。

 ソウゴがいたから今日に繋がって、多くのレジェンドライダーから受け継ぐことができた光は、俺たちを決して裏切らなかった。

 俺とジオウ、互いに継いだライドウォッチに応じて対戦カードを組んでの快進撃だ。

 

 そしてついに、アナザージオウとジオウの決着がつく。

 

 

 ジオウⅡが告げたアナザージオウの行動予知に基づいて、俺はリバイブ・疾風のスピードでアナザージオウの機先を制して攻撃する。

 俺がアナザージオウを足止めする間に、ジオウⅡはトドメの一撃のチャージ。

 

 ドルフィンの針を模したブレードの一斬ごと、アナザージオウを捕まえた。

 

『決めろ! ジオウ!』

 

 金とルビーが彩るエネルギーフラッシュが、時針が文字盤を描くように弧状に放たれた。

 

『せりゃあああああっっ!!!!』

《 ギリギリスラッシュ 》

 

 俺がアナザージオウから離脱した一秒後、光はアナザージオウを飲み込み、爆散させた。

 

 歪んだ変身が解けて地べたに投げ出された、加古川飛流。

 

 奴のすぐそばにアナザージオウウォッチが転がり落ちる。拾って完全に壊してしまおうとしたところで、体のほうにガタが来た。

 変身が強制解除されて膝を折る――寸前、俺を先生が横から支えていた。

 

 不思議だ。先生は(シンドローム)を開放するスペルを唱えていないのに、こうして先生の腕に支えられているだけで、ダメージが鳴りを潜めていく。

 

 俺の一歩前にいたソウゴが変身を解いて、這いつくばる加古川にゆっくりと歩み寄っていった。

 

「お前さえ、お前さえいなかったら!」

「俺がいなかったら、事故が無くなって、お父さんとお母さんは死ななかった?」

 

 常磐ソウゴがいなかったら、ツクヨミは2009年で起きたバス事故と運命を共にして死ぬことはなかったか?

 

「そうかもしれない。けど」

 

 ――そうかもしれないな。それでも。

 

 ソウゴは加古川の前にしゃがむと、深く頭を下げた。

 

「ごめん。俺にはどうすることもできない。けど、思うんだ。きっと――きっと! 俺と飛流なら乗り越えられるって。あの過去の日から。だから、過去のためじゃなく、今のために生きようよ」

 

 加古川が血を滲ませるほど唇を噛み締め、俯いていく。そんな加古川の、両肩を、ソウゴは抱えて支え起こした。

 

 加古川は最後の意地のようにソウゴの腕を振り解いた。歯を食い縛っても押し戻せやしない嗚咽を、それでも殺そうとしている。

 

 先生が俺から離れて、加古川の傍らへと歩いていった。

 先生は、いつだったか泣き縋ったソウゴにしたように、菩薩のように加古川を抱擁した。

 

「飛流君。今日までよく頑張ってきましたね。えらかったですね。もういいんです。好きなだけ泣いていいんです。泣いたって、誰にも君をいじめたり笑ったりさせません。私とソウゴ君が、守りますから。君が泣き止んで、今のために生きられるよう顔を上げるまで」

 

 加古川は顔を限界までぐしゃぐしゃにして、先生の肩に頭をうずめた。加古川の頭と背中を、先生は撫でた。何度でも、いつまでも。

 

 

 

 

 

「――こうして、とある究極のバッドエンドは、主人公の健やかで尊い感受性によってバッキバキにフラグを折られたのでした、と。メデタシメデタシ」

「一度は鬱ルート(2068年)にソウゴ君を突き飛ばしたお兄ちゃんが言うとブーメラン著しい」

 

 それ以前に兄妹でメタな話をするのをそろそろやめてほしい。

 

 門矢士&小夜の灰色のオーロラによって2019年に連れ帰られたツクヨミの、偽らざる心からの本音であった。

 

 

 

 

 

 ゲイツ君はソウゴ君に対してかなり素直になりました。さらには小夜さんがツクヨミさんを発見してケガ一つなく現代に連れて帰ってくれました!

 

 いいこと尽くめの3月末日。あと4時間半ほどで2018年度が終わる頃。

 

 ソウゴ君はゲイツ君とツクヨミさんをクジゴジ堂に連れて帰って、改めて下宿させてもらうよう順一郎さんにお願いに行きました。当人二名も当然一緒です。

 

 こっそり中の会話を聞くに、何と空き部屋の下宿人に黒ウォズさんが名乗り出ていたようで、お店の中が一時騒々しくなりましたが。

 

 私? クジゴジ堂の外で待機中です。サプライズの準備なのです。

 

『おじさん、待って待って! 夕飯! 夕飯さ、もう一人分作るのって、今からできるかな? 材料足りなかったら、俺がダッシュで買いに行くからさ!』

『もう一人分? えっ、なになに、もしかして!?』

『そのもしかしちゃうんです! ――入って!』

 

 ほら、呼ばれてますよ。ここは男らしく観念しましょうね。()()()

 

 私はお店のドアを開けて、飛流君と腕を組んで逃げられないようにして中にお邪魔しました。

 飛流君の抵抗は女の私が抑え込めるくらいでしたから、彼も内心では満更ではないと判断しちゃいます。

 

「失礼します。こんばんは、常磐さん。夜分に失礼します」

「ソウゴ君たちのクラスの先生? あ、どうもこんばんは。ところで後ろの彼は――」

 

 ソウゴ君がぴょこんと、私とは反対側から飛流君の隣にやって来ました。

 

「俺の新しいトモダチ。学校は違うけど、同い年なんだ」

「……加古川、飛流、です。お、おじゃま……します」

 

 ツクヨミさんから聞くに、ソウゴ君が友人を自宅に連れて来るのはこれが初めてのはずです。順一郎さんの反応は?

 ――悪いわけありませんでしたね。誕生日と父の日とクリスマスが一気に来たかのような喜び方です。ここがアメリカなら、順一郎さんはソウゴ君と飛流君をハグしてエアキスしてたでしょう。ふふ。

 

「それでは、先生はこの辺りで失礼致しますね」

 

 心から名残惜しいのですが、私はそろそろ席を外さないといけません。あとは若い方同士で、ね?

 

「えー!? 美都せんせーも食べてけばいいのに。すき焼きだよ、すき焼きっ。ね? ね?」

「んー、とっても魅力的ですが、またの機会で許してください」

「俺は今夜がいいんだけどな~」

「ガキかお前は。嫌がってる女性を強引に食事の席に誘うな」

「ゲイツに男女の機微を説かれる日が来るなんて! ――なんか、負けてらんない気がするっ」

「俺は他ならぬ先生の母親からみっちり仕込まれたからな。同じメニューでいいならいくらでも鍛えてやるぞ? ちなみにコースは全部で8つだ」

「……別の意味で死んじゃう気がする」

「ソウゴ、騙されちゃダメ。ゲイツ自身、3コース目でリタイアしたから」

「ツクヨミお前ぇーっ!」

「ちなみに私は5コース目までやり切った」

「解せん!!」

「どっちも完走はできなかったんだね」

「内容そのものは私も知らないけど、相当ハードだったのは傍目にも分かったわ」

 

 私抜きでもお祝いムードになってきたようですので、失礼を承知で、無言でお暇させてもらいますね。ごめんなさい。

 

 

 ――君たちはもう大丈夫。

 私が指し示すまでもなく、正しい路を進める。(しるべ)のないまっさらな土を踏み締めて、君たち自身の道に変えていけるほど、その両足は逞しくなったから。

 

 

 私は充足感でいっぱいの心地のまま――支えきれなくなった自分の体を、意識を、投げ出した。

 

 

「先生ッ!!!!」

 

 

 

 

 たとえ、進んだ道の先に――

 私が、いなかったとしても。




 こういう引きを一度はやってみたかっただけの話だった。どうも、あんだるしあです。
 待たせに待たせまくったので今更感ハンパないんですが、どうにか書き上げたブツを持って参りましたぜコンチクショウ(←深夜のテンション
 戦闘描写をもっと丁寧に! と、拘っていた時代の作者の捜索願を出すので誰か拾って届けてくださいorz
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