ふーむ……ふむふむふむ。
よろしい。ひとまず及第点としようか。
前に出した課題の「変身プロセスの意味と理由」、ゲイツなりにすっっごく! 考えに考えたのは、よく伝わったから。そこの色を付けてってことで。
その色も、ツクヨミに手伝わせてなきゃもうちょい高かったんだけどね~。
じゃあ、一つ一つおさらいしつつ、課題の答え合わせと行こうか。
着眼点がグレートダッド8・仮面ライダースーパー1ってのは、正しい。まさに私も彼からインスピレーションを得て、いつものキレッキレなポージングで変身してるわけだし。
仮面ライダーへの“変身”において欠かせないのがスペルとポージング。
……レジェンド6・仮面ライダー響鬼はスペルなしでもやれてたんだから、それはそれで当時の新機軸なんだけど。まあ、スペルの重要性はまた次の機会にね。今日はあくまでポージングの勉強だ。
スーパー1は本来、改造した肉体と直結した研究所のシステム、つまり外部からのコマンド入力がなければ仮面ライダーに変身できない設計だった。
その研究所がドグマに壊滅させられたスーパー1・沖一也は、『梅花の型』という古武術の技を修行して会得し、自分の意思で変身を遂げた。
そう。自分の意思で。そこよ、重要なのは。ゲイツが考えた通りにね。
研究所が潰れて変身できなくなった時点で、スーパー1は、例え“フリ”だろうと、『ただの人間』として生きることもできたの。けれど彼が選んだのはドグマと闘う道だった。
私は沖一也とじかに会って言葉を交わす機会に恵まれたから、まさしく聞いてみた。「なぜ人間
驚いた? あははは。
告白しましょう。当時16歳だった私は、“人間”という種が好きじゃなかったのだよ。
ん? 何でかって? それこそオトナになりかけの若者が誰しも通る人生の難題よ。
若い私はその辺の情操教育をおろそかにして、戦闘能力だけを磨いた。
確かに当時の私は優秀な兵士だったでしょう。けれど、決して優秀な戦士ではなかったんだよ……
話を戻そう。
さっきの質問をしたのはね、スーパー1が固有兵装ファイブハンドの交換と強化を行ったばかりの時だったの。
新しいファイブハンドは威力こそ上がったけど、使うたびに腕に激痛が走るなんてシロモノになっちゃってね。
肉体の7割を改造した人間にとっての「激痛」がどれだけのものか、想像がつく? 少なくとも私は出産くらいしか心当たりがない。
スーパー1はこう答えた。
――“こうしている間にも、ドグマの犠牲になっている人たちがいるんだ”――
若い私にはやっぱり理解できなかった。どうしてそこまで身を粉にする必要があるのか。仮面ライダーが立ち上がらなければならないほどに、人間に守る価値があるのか。
今ではこう思うの。
スーパー1にとっては、そもそも人間の生態や美醜なんて二の次だった。そんな難しいことを沖一也は考えていなかった。
悪によって犠牲にされている誰かがいる。立ち上がる理由なんて、それだけで充分だったじゃないかなって。
選んだ理由は単純で、その選択は途方もなく重かった。
仮面ライダーの変身にスペルとポージングは欠かせないイニシエーションだと、私は過去に教育された。私にとってはそう教わったからなぞってきた、それだけのことだった。
どのライダーも同じく思っているかは分からない。
それでも私は、スーパー1の梅花の型が、仮面ライダーの変身のポージングの由来だというロマンを夢見ていたいんだ。
ゲイツ。そう遠くない日に、アンタも仮面ライダーになる。そうなった時、前線に立つとアンタが自分で決めたなら――オーマジオウのど真ん前で、最っ高のポージングをキメて魅せなさい。これは俺が選んだ闘いだ! ってね。
…………
……
…
―――ああ、ミトさん。あの世で見ててくれよ、俺の師匠。
常磐ソウゴは仮面ライダージオウになることを選んで変身した。これが己の選んだ道だと、生まれた時から決めていたことだと言って。
それなら俺は、今ここで、常磐ソウゴを魔王にさせないために闘うことを自ら選ぶ。アンタの言いつけ通り、オーマジオウのど真ん前でキメてやるさ。
《 GaIZ 》
「変身」
《 ライダー・タイム カメンライダー GaIZ 》
アンタの鎧を四肢に帯びて。アンタの教えを胸に燃やして。
俺は、仮面ライダーになる。
『行くぞ! オーマジオウ!』
出典『仮面ライダースーパー1』第18話
ラストのゲイツ視点のシーンは、皆さんもうお分かりでしょうが、ジオウ本編の記念すべき第1話です。
放映当時に
そしてこれまた
「過去編?」が現代編とクロスするパターン、その2でした。