ルリ・チャタ・リスモ「親方!空から女の子が!!」
アスナ「いいからテーピングよっ!」
リンネ「止まるんじゃねぇぞ…」キボウノハナー
美少女「何なのこの人たち…」
こんにちは!私
本当はVRゲームなんて全然興味なかったんだけど近所のお店を通りかかったらあの[ナーブギア]と
て、思ってたのはもちろん最初だけ…
サービス開始時にログインしていきなりゲームから出られなくなってデスゲームって言われてもう頭の中はパンク状態、周りの人も私と同じ感じでしばらくは[始まりの町]にこもっていたんだけど、ある日第一層攻略完了の情報を見てこの
そして今日ちょっとした冒険心から最前線から二つ下の三十三層にやって来た。何時もならレベルも安全マージンも余裕くらいのところで探険してたけど最近はお宝ちゃんが見つけられなくて鬱憤が貯まってたのも理由の一つ。
最初は大分警戒してたけど案外モンスターも寄ってこなかったし戦闘になっても思ってたより苦戦しなかったから快調に探索出来てちょっと拍子抜けしちゃったな~。そうして歩いてるとなんと隠し部屋を発見したの!部屋の中には宝箱が一つ置いてあって私は飛び付く様に宝箱を開けようとしたら急に地面がポッカリ空いて下に落ちちゃったの。
結構長い時間下に落ちていたら何か柔らかいものにぶつかったんて、幸いダメージは無かったんだけど目の前には私より歳上ぽい男の人のプレイヤー三人いて何かヒソヒソ話をしていて声をかけようとしたら急に私の方に振り向いて、
「「「親方!空から女の子が!!」」」
て叫んだんの。
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「て、言うのがここまでの経緯かな?」
話を終えたフィリアはアイテムウィンドウから取り出した水筒に口をつけ中の水を飲む。長い回想を話していたため喉か乾いたのだろう。
今現在フィリアはリンネ達四人と一緒に迷宮区を散策している。理由はフィリアが落ち来たときに下敷きにしたリンネの謝罪として先程の話にあった隠し部屋で見つけたと言う宝箱の中身を貰うためである。フィリアは隠し部屋までの案内をしつつ上から落ちて来た理由を話し今に至る。
「へぇ~、てことは今までソロでダンジョン潜ってたのか?」
「そうだよ!あ、もしかして信じてない?」
リンネの疑問に答えたフィリアは口をへの字にしてリンネに詰め寄る。
「いや疑がっちゃいねぇけど、低層のダンジョンならともかく最前線近くの層の迷宮区にソロで入るなんて大分舐めプだなぁ~と」
「舐めてなんかないよ!それにさっきも言ったけど戦闘になってもあんまり苦戦しなかったから行けるって確信もあったし」
「だが最前線から二つ下の階層だぞ?臨時でパーティー組む位はした方がいい」
ルリがまるで子供に説教をするように強めに言う。当のフィリアはルリから目をそらしそっぽを向いている。その行動に何かを察する
「なるほどボッチだったか」
とチャタが空気を読まず言う。その言葉にフィリアは耳まで顔を赤くする。
「ボッチじゃないよ!単に組んでくれそうなフレンドがいなかっただけだよ!」
「それボッチが学校で『一人二組でハブかれたので一人でやって良いですか』って先生に言うのと同じ理由だぞ」
「お、さすが元ボッチのリンネ。言う事に説得力があるじゃん」
「よしチャタそこに直立しろ、メガネごと縦に真っ二つにしてやる」
「元ボッチは間違って無いだろ」
「ルリお前のその無駄な内脂肪俺が裂いてやるよ、骨がスケスケになるまでやるから激ヤセ出来るぞ」
などと無駄話(主にリンネいじり)をしつつ迷宮区を進む一行。その途中で珍しく黙り込んでいるリスモにルリが気付き声をかける。
「どうしたリスモ、何時もなら馬鹿話に絡んでくるのに?」
「いや…、フィリアの話だとこの先で隠し部屋が見つかったんだよな…?」
「そう言ってたな」
「おかしい…。この迷宮区で隠し部屋なんて見つかったなんて情報聞いたことが無い」
「攻略組が見逃してたとか、最近になって解放されたとかじゃないか?」
「最近になって解放された…?待てよ、確かそんな事書いてた記事があったな…」
リスモはメニューウィンドウを開き情報屋から買い取った情報を閲覧し始める。
「え~とどれだったか、違うこれじゃない。こんなことならメッセージ整理しとけばよかった」
などと文句を言いつつ目当ての情報を探すリスモ。
「あ、着いたよ!ここだよ!」
すると目的地である隠し部屋の入り口に到着する。一見するとただの行き止まりにみえるがフィリアが壁に手を付けゆっくり力を入れ壁を押すと壁の一部が扉の様に開かれ中の空間が現れる。
「へ~、こんなとこに隠し部屋があったのか」
「よくわかったなフィリア」
「ふっふ~ん!これでもトレジャーハンターを自称してるからね!」
素直に感心するリンネとチャタ。それを聞き誇らしげに胸を張るフィリア。そうして一行は隠し部屋えと入っていく。部屋の中は広々とした空間があり、真ん中に不自然にポンと置かれている宝箱以外は何もなかった。
「で、あれが例の宝箱か」
「開けると落とし穴に落ちるんだよな?」
「そーなんだよ、本当ビックリしちゃった!でも同じ失敗を繰り返さないのが真のトレジャーハンターこと私だからね!」
そう言いつつフィリアは宝箱の目の前まで歩みよりメニューウィンドウのスキルから[
「やっぱり!宝箱その物がトラップの発動トリガーで開けた時に落とし穴が起動する仕組みになってたんだ!」
「いや何で最初に確認しなかったんだよ」
落とし穴の謎が解け嬉しそうに語るフィリアにリンネが疑問を投げ掛ける。
「いや~、お宝ちゃんが目の前に現れたら瞬間飛び付いちゃって…」
「なにその目の前に不○子ちゃんがいたらダイブするル○ン三世みたいなノリ」
チャタのツッコミに「えへへ~…」と漏らしつつ人差し指で自分の頬をかくフィリア。
そんな中、扉のすぐ近くに立っているルリとリスモ。リスモは今だに情報屋のメッセージを漁りそれをルリが覗き見ていた。
「おいリスモ、何をそんなに急いでるだ?別にここに来るまで何も無かったぞ?」
「確かに道中には何もなかった。だが問題はこの隠し部屋そのものだ。なぜ攻略組が探索した筈なのにこの隠し部屋が見つからなかったんだ?」
「それは見逃してたからじゃ…」
「レアアイテムに目がない[聖龍連合]がこんな隠し部屋を見逃すとは考えづらい。なら今なって解放されたとしたらなぜ今になって攻略済みの迷宮区で隠し部屋が解放されたんだ?」
「それは…、何でだ…?」
「これはゲームだ。ゲームでの
そうしてメッセージを漁っていると『緊急通達!!要注意事項!!』と題されたメッセージを見つけたリスモ。メッセージをクリックし内容を見てみる。そこに書いてあったのは…
『第三十層を越えてから各フロアで偽の隠し部屋が発見されている模様!隠し部屋には宝箱が設置してあり不用意に宝箱を開けてしまうと部屋に閉じ込められモンスターハウスと化し一定数以上のモンスターを倒さなければ出れない仕組みになっている!既に何人かがこの偽の隠し部屋のトラップの犠牲となり死亡が確認されている!
このメッセージを読んだ全プレイヤーは迂闊に隠し部屋に入らず[血盟騎士団]などの攻略ギルドに除去を依頼すること!!』
メッセージを呼んだ瞬間、ルリとリスモは一瞬全身の体温が無くなるを感じた。二人はフィリア達の方え振り向く。そこには宝箱を開けようとしているフィリアとそれを今か今かと待ち焦がれているリンネとチャタ。その三人の表情から今見たメッセージの内容を知らない事が一目瞭然だった。
「待てフィリア!!その宝箱を開けるなぁ!!!」
ルリがフィリアに向け叫ぶ。
だが…
ルリの声を裏切るように宝箱の上部がガチャリと開かれる。
ビー!ビー!ビー!
部屋に鳴り響くブザー音。うっすらと周りを照らしていた明かり真っ赤に光り、開けっぱなしだった扉は勢いよく閉ざされた。
「何だ!?」
「おい!急にどうした!?」
「えっえぇ!?」
突然の出来事に動揺する三人。
「クソ遅かったか!ルリ、扉は!?」
「ダメだ!開かない!」
リスモが状況の悪化に悪態をつきながらもルリに扉の状況を聞く。ルリは叩いたり体当たりを扉にかけるもまるで扉その物が加部になったかのように閉ざされていた。
二人はきびすを返し三人の元えと走る。
「おい!どうなってんだ!」
「説明は後だ、とにかく脱出するぞ!フィリア、転移結晶持ってるよな!」
「う、うん!」
リンネがルリに状況説明を求めるがルリは脱出の優先を急がせる。ルリに急かされフィリアは懐から転移結晶を取り出し起動させる。だが転移は起こらなかった。
「起動しない!?結晶が起動しないよ!」
「
「嘘だろ!?最前線でも極一部に限られてるのに!?」
文字通り結晶アイテムの使用を制限する部屋並びに空間の事である。SAOでは結晶アイテムとゆう物が存在し[回復結晶][転移結晶][解毒結晶]など種類も豊富である。その効果も絶大で例えばポーションによる回復では全体
だが今この瞬間にその認識は誤りだと判明した。
そうこうしている内に部屋の左右の扉が開きゾロゾロとモンスターが入り乱れる。
「っ!?全員フィリアを中心にひし形に広がれ!」
リンネの声に従いルリ・チャタ・リスモがフィリアを中心に全方位警戒の陣を取りそれぞれの武器を構える。
「リスモ、敵の種別は?」
「…不味いな、全部最前線レベルだ。しかも見たこと無いモンスターもいる」
「数は?」
「現状で大体50体前後。もっと増えるかも」
「四人で割ったら一人12体か。やれるか…」
「チャタ、正確には12体×2人の13体×2人だ」
「屁理屈ごねてる場合かリスモ!?シャレになんないくらいのピンチなんだぞ!?」
普段のやり取りの様にも聞こえる彼らだが、その額には汗が滲み出ており状況の深刻さを彼らなりにだが自覚しているのが分かる。
「…ごめんなさい」
不意に四人の後ろからそんな声が聞こえる。四人の後ろから聞こえ声と言ったら該当するのは一人しかいない。
「私のせいでこんなことに…、謝って済む話じゃないのはわかってるけど…でも…」
小刻みに震える体を必死に抱きしめ、か細い声で謝罪するフィリアの姿は自責の念で今にも潰れてしまそうだ。
四人はそんなフィリアの姿を片目で見ていたがすぐさま目の前のモンスター達に振り返る。
「…別にお前のせいじゃねぇよフィリア」
リンネがフィリアにそう伝える。
「真っ先にこうゆうトラップかもしれねぇって疑うべきだったギルドリーダーである俺の責任だ。お前じゃねぇ」
後ろめたさから地面を見ていた顔を上げるフィリア。そこには刀を構える
「あぁそうだな。そういったところで補佐出来なかった俺のせいでもある。副団長失格だなまったく」
声のした右の方を見る。そこには片手剣を構える
「無警戒でいた俺にも責任がある。だからフィリア一人のせいじゃないじゃん?」
今度は左。槍を構える
「事前に情報があったのにろくに確認もせず直前になって思い出した僕こそ責任が問われる人間だ。このギルドの参謀役が聞いて呆れる」
後ろ。短剣を構える
「ほらな、お前のせいじゃないだろ?」
その言葉でフィリアの目頭が熱くなる。出会ってまだ一日もたってないのにこんなにも自分の事を思ってくれる人達がいる。感謝よりも申し訳なさで涙が溢れてしまいそうになるフィリア。
その顔を見て頬を吊り上げるリンネ。それに呼応するようにルリ・チャタ・リスモの三人も続く。
そしてそれぞれ武器を握り直し、利き脚に力を入れる。
「さてそろそろ
「背中のフィリアを守りつつ最前線レベルのモンスターを各個撃破…骨が折れそうだ」
「だけどやれそうな気ぃするじゃん?」
「まったくだな」
「「「「だって、女の子の涙見ちまったら頑張るっきゃないっしょ!」」」」
四方向一斉に肉薄する四人。レベル差や数の利など無視した無謀な突撃は彼の風車に向かうドン・キホーテの様である。だが彼と違い彼らは幻影に取りつかれてなどいなかった。何故なら彼らには守るべき仲間の背中とその背中を見据える一人の女の子がいるのだから。
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結論から言ってしまえばリンネ達ギルド[SOB]とフィリアは無事に隠し部屋から脱出できた。ほぼギリギリでの勝利であったもののフィリアを守りつつ、最前線クラスのモンスターを一人
その後今回の一件を攻略に積極的に参加しているギルドに報告し、[血盟騎士団]の指示のもと各フロアで隠し部屋の調査と掃討が行われたことによりダンジョン内での死亡率が激変し以降犠牲者の報告がなくなるのであった。
「攻略組のお前が、僕達に関わる資格なんて無かったんだ!!」
極一部を除いてだが…
やっぱりシリアスが入ると書くのが遅くなる作者(茶久良丸)です。
前回の投稿後しばらくサイトに入ってなかったのですがいつの間にかこの作品に色がついてました。しかも赤…
マジか…Σ(゚◇゚;)
こんな妄想の産物が評価されるのも皆様のおかげです。ありがとうございます。
さて次回はクリスマス回。えぇ…ギャグ回ですよ。