恐らく史上最もアホなギルド   作:茶久良丸

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前回のあらすじ
リンネ「アッー」
チャタ「ンアッー」
リスモ「歪みねぇな」
ルリ「[あらすじ]の[あ]の字もしてない件について」




ボッチはボッチに引かれ会う

〈 第一層 始まりの町近隣の圏外〉

 

「せい!」

「プギィィィ!!」

 

 一人のプレイヤーがイノシシ型のモンスターに止めを刺す。断末魔をモンスターがその場からポリゴン状となり消え失せる。

 

「ふぅ、そろそろ戻るか。アイツ等も起きる頃だろうし」

 

 手にした片手剣を鞘に納め、始まりの町え戻るプレイヤー。

 時刻は朝七時頃。このSAOでデスゲームと呼ばれるものが始まって既に十四時間以上が経過していた。

 

━━━━━━━━━

 

〈第一層 始まりの町 とある民家〉

 

 年期を感じさせる木造性の建物。その屋根裏部屋に繋がる階段を上がっていくプレイヤー。ギィギィと音をたてながら屋根裏部屋に到着するとそこには毛布にくるまって寝ている人物が三人いた。ふと窓の近くで寝ていた人物が足音に気付いたのか目を覚ました。

  

「ん…んん?あぁチャタか。もう起きてたのか」

 

 目を覚ましたルリは、階段から上がってきたチャタに声をかける。

 

「よっす、寝てたから起こさなかった」

「どっか行ってたのか?」

「ちょっと外にな」

 

 外と聞いて覚醒しきってなかった意識が一気に呼び覚まされ飛び起きるルリ。

 

「外って、まさか圏外に出たのか!お前分かってるのか今の状況!」

「いくら俺のお積むがクソムシでも分かってるよそんなことぐらい。けどお前ら起こすのもなんかシャクで自然に起きるまで時間もあるだろうし朝飯代稼ぎたくって」

 

 そう言ってチャタはメニューウィンドウのアイテムから白いパンのような物を二つオブジェクト化し、一つをルリに投げ渡す。

 

「昨日食ってて旨かったヤツ。おかわりもある」

「起こしてくれりゃ一緒に行ったぞ」

「職業病で朝四時起きなのにか?」

 

 朝四時と聞いてルリは押し黙る。その時間ならぐっすり寝てしまってるからだ。

 その後毛布にくるまっていたリンネとリスモも起きチャタが買ってきた朝食を静かに食べ、全員が食べ終わった所で四人はその場で輪になって座った。

 

「よし、まず状況確認。昨日の事を思いだそう」

 

 昨日までのおちゃらけていた雰囲気とはまるで別物の真剣な面持ちでリンネが三人にそう述べる。ルリ・チャタ・リスモは昨日起こった事を思い出しながら今に至るまでの状況を一から十になるまで話し合った。

 昨日の出来事をまとめるとこんな感じになった。

・十七時丁度突然[始まりの町]の鐘がなり

 [始まりの町]の一番大きな広場

(分かりやすく言うとログイン地点)

 に強制転移させられた。

・そこには宙に浮いているローブを着たデカイ男が

 おりソイツは[茅場 晶彦](かやば あきひこ)と名乗った。

・ローブの男曰く

 このゲームは最初からログアウトボタンが

 無い仕様になっておりゲームをクリアしないと

 ログアウト出来ない様になっているらしい。

・さらにゲーム内でHP(ヒットポイント)が無くなると

 現実の自分達がナーブギアを通して

 死亡するらしい(既に何人かのプレイヤーが

 死亡したニュースを

 リアルタイムで見せられた)。

・また外部から何かしらの方法で

 ナーブギアを外そうとしても

 死亡するらしく外部からの助けは

 見込めないらしい。

・最後にプレゼントと称して手鏡を

 貰い、手に取ってみると現実での

 自分達の顔や体型になっていた。

 その後ローブの男は姿を消した。

・ローブの男が消えた後の広場は

 大混乱となりパニックになった

 プレイヤーの阿鼻叫喚が

 その場を埋め尽くした。

・何とか理性を保ったリンネ達は

 この場にいるのは危険と判断し、

 広場から脱出。

・その後リンネがβ(ベータ)テスター時代に

 使用していた民家の屋根裏部屋で

 一日ほとぼりが冷めるまで隠れる事にした。

 

「て、感じだよな?」

「OK」

「合ってると思う」

「異論無し」

 

 まとまった昨日の出来事を再確認した四人。だが今だに現実として受け止めにくい。

 ちなみにだが上記の通り全員リアルの顔と体型なので端から見たら不細工達が輪になって話しているので華がない。

 

「一日たってもログアウトボタンは無し…」

「何かのイベントって線は完全に消えたな…」

 

 メニューを開きログアウトボタンが無い事を再確認したルリとリンネ。タチの悪いイベントであってほしいと希望的観測を考慮していたが嘲笑うかのようにそれは無くなった。

 

「そもそもだけど、ナーブギアで人殺せるの?」

「出来なくは無い。色々と説明は省くがナーブギアに搭載されてる信号阻止を行うマイクロウェーブの出力を最大にすれば人間の脳ぐらい簡単に焼ける」

「どんな具合に?」

「電子レンジに卵を突っ込んでチンする想像すれば早い」

 

 リスモの説明道理に想像し顔を青くするチャタ。今自分達が電子レンジに入れられた卵だと考えると自然と空気は重くなる。

 

「…なぁ、皆聞いてくれ」

 

 しばしの沈黙の後、ルリが重い空気を払うようにリンネ達に思い立つ。

 

「俺はこのゲームを攻略しようと思う」

 

 ルリの決断に三人の顔が驚愕になる。

 

「こんな事になってるんだ、警察とかの公務が動かない訳が無い。なのに一日たっても音沙汰無しってことはそれだけ手を焼く事案ってことだ。このまま待ってても埒が明かない。いつ帰れるかも分からないままより、一日でも速くリアルに帰るために戦う方を俺は選ぶ」

 

 その場から立ち上がるルリ。座っているリンネ達は自然とルリを見上げる形となる。

 

「無理強いはしないし助けが来るのを待つのも手だと思う。だけどもし俺と考えが一緒なら「何水臭い事言ってんだよ」」

 

 ルリの話を切り上げ、オッサン臭く「うぃしょっと」と声を出しながら立ち上がったのはチャタだった。

 

「お前、俺と三年以上バカやってお互いの黒歴史ノートも見せびらかしたレベルの仲だろ?何急に『一緒に戦ってくれシー○ー』みたいな台詞吐いてんだよ」

「チャタ…お前…」

「それにそこの二人も同じだろ?」

 

 と、振り替えるとリンネとリスモも立ち上がっていた。

 

「ま、β(ベータ)上がりの俺がいればその分速く攻略も進むだろうしな」

「別に外部からの助けを諦めてはない。単にその間、攻略を進めた方が合理的だと考えただけ」

「お前ら…、今時のツンデレキャラだってもっとマシな屁理屈言うぞ」

「「うるせぇ、これしか思い付かなかった」」

 

 その言葉を聞き全員がバカ笑いをした。現状は真っ暗で先なんて全く見えないのに、それでも笑った。腹筋が割れるんじゃないかってくらいに笑い合えた。彼らにとってはそれだけで今を乗り切るのには十分だ。ひとしきり笑った四人はお互いの肩に腕を回して円陣を組む。

 

「いいか?俺たちは今日から運命共同体だ。この場にいる全員が生きてこのゲームから脱出することを最終目標にする。いいな!」

「「「おう!」」」

 

 こうして四人は戦いの覚悟と共にゲームクリアを目指すことを決めた。後にこの四人が攻略組トップクラスプレイヤーになることはそれから一年ほど先の話である。

 だが、これで終わる彼らではなかった。円陣を組んだ彼らは何故か一列になり一言、

 

         バーン  

    「「「「行くぞ!」」」」

    

 

 

「ところで何なのこのポーズ?」

「一度この四人でやってみたかった!」

「どちらかと言うと第五部の方が好きだな俺」

「それな!」

 

 最後の最後で締まりが悪かった。

 

━━━━━━━━━━

 

 それから約一ヵ月が経過した。始まりの町から出たリンネ達四人はリンネのβ(ベータ)テスター時代の記憶と経験を頼りに狩り場でのレベリングやクエスト周回を着々とこなしていきレベルと装備を上げていった。しかし今だに第一層から上がれず二千人程のプレイヤーが死んでいった。

 

〈第一層 トールバーナ〉

 

 ボスのいるフロアに最も近いこの町で攻略会議が行われると耳にしたリンネ達は町の広場に集まっていた。

 

「案外と多いな」

「いやネットゲーマーから言わしてもらうとむしろ少ない方だ。もう(いち)ダースくらいでようやくだな」

 

 会議が行われると広場にの段差に座っているチャタとリンネがプレイヤーの数に対して未経験者と経験者との差のある答えを言う。それぞれ槍と曲剣を装備している。

 

「大体はフロア攻略途中のヤツだろうな。飛び込みはあんまりいないとは思うけど」

「とは言えこの大人数で連携が取れるかどうか…」

 

 大人数に対して現状精鋭であることを見抜くリスモと攻略の不安を漏らすルリ。こちらもそれぞれ短剣と片手剣を装備している。

 すると広場の中央に立っているプレイヤーが手を叩き注目を集める。どうやら会議を始めるらしい。

 

「今日は俺の呼び掛けに応じてくれてありがとう!俺はディアベル、職業は気持ち的にナイトやってます!」

 

 『ドッ』と広場に笑いが起きる。つかみを得るためにあえてこう言ったらしい。周りから良い意味でのヤジが飛ぶ。そしてこの四人も…

 

「それなら勇○王って答えろ!」

「それがダメなら宇宙○偵!」

「それか聖○士!」

「板○王でも良いよ!」

「ちょっと待って!なんか変なのない!?」

 

 変なのしかなかった。特にリスモのにいたっては職ですらない。

 ディアベルは咳払いを一つして気を取り直し。六人組を作るように指示する。ボス攻略のため役割をグループごとにするためらしい。リンネ達は四人いるのであと二人欲しいと思っていたところにあぶれたと思う二人組を見つけた。

 で、声のかけ方であるが…

 

「「「「へーいお二人、文化してる!!」」」」

 

 これである。

 別にコミ症とゆう訳ではない。単にこのアホどもの[普通]がこれであっただけで一般人で言うところの「髪切った?」みたいなテンションで言うのと同じなのであるのだ。

 もちろん聞かれた二人は硬直した。急に出てきてハイテンションでこんな事を言われたらそりゃこうなる。

 

「え、あ、うん文化してる…」

 

 いち早く再起動したのは黒髪の男。何となく元ネタを知っていたのかそのとうりに返してくれた。

 

「俺ら四人でいるからあと二人欲しかったところなんだ。良いか?」

 

 このメンバーで唯一常識がちょびっとあるルリが丁寧に誘う。

 

「あ、あぁ構わないけど…。あんたも良いよな…?」

「…」

 

 黒髪の男が赤いフードを被ったプレイヤーに聞く。たが明らかに警戒されている。すげぇ嫌な顔をしながら。

 

「ん?何で警戒されてんの?」

「おかしい、大学の飲み会では受けたのに…」

「つかみの台詞が悪かったか…?」

「いや、乗った俺もアレだけどそれ以前だから…」

 

 リンネ、リスモ、チャタが警戒される理由について考えるなかルリだけが呆れていた。

 その後いろいろ考えた末、渋々承諾っとゆう感じでフードのプレイヤーも了承した。その際…

 

「変なことしたらひっぱたくから」

「「「むしろ燃えます」」」

 

 と、ゆう会話があったとか。

 [Kirito](キリト)[Asuna](アスナ)がなかまになった!

※ド○クエの仲間になったときのBGM

 

 で、六人組を作り終えたことを確認したディアベルが会議を再開しようとした時、

 

「ちょお待ってんか?」

 

 そこになんか刺々し頭をしたプレイヤーが現れ階段から飛び降りた。

 が、

 ここで一つアクシデントが起こる。飛び降りる直前のプレイヤーの足にチャタの槍が引っ掛かった。背中に槍を背負っていたチャタは「いでっ」の一言だけで済んだが、トゲトゲ頭のプレイヤーは…

 

「っ!!おぉあああああ!!」

 

 見事なくらいに階段から転げ落ちた。どのくらい見事かと言うと宮○大○がチーズ転がし祭りに出たときくらいの見事な転げっぷりだった。

 そのまま『グシャァ』と何か柔らかい何かが潰れる音と共にディアベルの足元辺りで止まった。ディアベルが「お、おい大丈夫かい?」と一声かけるとスクッと立ち上がるトゲトゲ頭。そのまま服についたホコリなどパッパパッパと払い振り向くと、

 

「ワイはキバオウって者や」

(((((何事も無かったかのように始めやがったコイツ!!)))))

 

 会場の心が一つになった瞬間であった。

 だがこれだけでは終わらなかった。

 

「え、ちょっと待って聞いた今の?」

「あぁ、自分の事(キング)とか言っちゃってたな」

「ヤバイわ。自己中度がキン○ゲイ○ーか転○王者なみだわwww」

「それな!」

 

 このアホども(四人)が名前をいじり始めた。

 

「おい!聞こえちょるぞそこの四人組!」

 

 普通に聞こえる音量で喋ってたために本人に聞かれてしまっていた。本来なら焦るところ…だが、

 

「「「「うん、だって聞こえるように言ったし」」」」

「おまんらぁ!!!」

 

 この四人にそんな概念は無かった。キバオウの顔はみるみる赤くなっていく。その姿はまさしくド○リアさんのようだ。そしてそれをいじらない彼ら(四人)ではない。

 

「つーか何なんだよその頭の突起www」

「あれか?頭突きとかするために兜に突起付けようとしたらそのままその頭に取り付けちゃったの?」

「ヤバイわ。何がヤバイってその頭にするセンスがヤバイわ。遊○王の作者もびっくり!」

「それな!」

 

 最早イジメっ子のセリフである。四人の言葉に更に顔を赤くしていくダー○モール。

 

「うっさいわアホ!何で名前ゆうただけでこないいじられ方されへんといけへんのか!」

 

 当然の疑問である。そしてこのアホどもは『そんなものウチにはないよ』みたいなテンションで一言…

 

「「「「だって名前の時点で面白いから」」」」

「このアホったれぇぇぇ!!!」 

 

 その日トールバーナでそんな突っ込みが響いた。

 

 




実際あの頭はどうかしてると思う。
ゲームだがらブッ飛んだのにしようと思ったのかな?
また書けたら投稿します。
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