俺は比企谷八幡でありバットマンである。   作:マッキーガイア

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EPISODE1:Bruce・Wayne

ふと、眩しい朝日が瞼に映る。

 

「・・・・・・・ぅ・・・うん?」

 

目を覚ますとそこは真っ白なベットの上だった。

周りを見渡すと洋風のベッド、壁、高そうな絵画と金持ちの家のようなたたずまいの屋敷だと分かる。窓もしっかりと手入れをされていてしっかり掃除が行き届いているようだ。

 

「何処だ?ここは・・・」

 

見たことが無い場所だ。少なくとも一般人は来れないような場所。

例え病院だとしてもこんな豪華な建物の病院で介護を受けられるほどの金は家にはないはずだし。それを俺に分けてくれるほど家の親は優しくない。

すると内側のドアが開く。

 

「―――――――おや、目が覚めましたか。ブルース様」

 

現れたのはメガネを深くかけている。紳士的なご老人なぜだか執事服を着こんでいる・・・ブルース?誰だ?

 

「ああ、申し遅れました。私はアルフレッド・ペニーワース。貴方の執事です。」

 

「執事?俺、執事なんか頼んだ覚え無いですが・・・」

 

俺がそう言うとアルフレッドさんは自分のひげをなで始める。その姿は凄く様になっている。こういう人をかっこいい人っていうんだろうなぁ

考えがまとまったのか口を開く

 

「そう言えば説明がまだでしたね。じゃあ、まず一つ質問をいいですか?」

 

質問したいのはこっちなのだが・・・とりあえず話が進まないので首を縦に振って置く。

 

 

「貴方の名前をお伺いしても?」

 

 

アルフレッドさんはニッコリと笑いながらそう言う。

 

「比企谷八幡ですが?・・・・」

 

「いいえ、貴方は比企谷八幡さんではありません。」

 

この人いきなり人の事を否定しやがった・・・泣くよ?ホントに

 

「ハハ、否定してるわけではありません。ただ貴方は()()比企谷八幡では無いのです。」

 

心を読んだ・・・だと?・・・・・・・・・・ん?

 

「もう、ってどういう事ですか?」

 

「そのままです。比企谷八幡は5日前ジョーカーに刺されて

 

 

 

 

―――――――――――――――亡くなりました。」

 

 

 

 

は?

 

「言い換えると。戸籍上死んだことになってます。」

 

「はぁ・・・・ますます分からないのですが・・・」

 

訳が分からない。何故俺が死んだことになっているのか何故この人が俺の事を主人としているのか。

 

「まぁ、そのことはお食事をしながらでも。」

 

そういいアルフレッドさんは俺を手招きして食堂へ連れていかれた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

本当にここは凄い所だと思う。

 

あまりにも綺麗すぎる。

床も電灯も窓も暖炉も・・・ゴミどころか塵一つない椅子もテーブルも新品同様。聞いてみるとこの椅子も机もこの屋敷自体200年の歴史があるらしい。

俺がおかしいのかこの屋敷がおかしいのか・・・

 

「さて、朝食を持ってきますね。」

 

「え?貴方が作っていらっしゃるんですか?」

 

「ええ、そうですが。というか此処の掃除も全部私が一人でやっております。」

 

この人あれだ・・・スーパーマンだ。いやスーパーマンをも軽く凌駕してるよ。

アルフレッドさんのいや、老人の力恐るべし。

 

次の瞬間、いつの間にか料理がテーブルに並んでいた。いや、マジですごいと思う。

 

「どうぞお召し上がりください。」

 

「は、はぁ・・・じ、じゃあ、いただきます」

 

目の前に出てきたスクランブルエッグを一口口に含む

 

 

 

「・・・・・・・・っ!!??」

 

 

 

うまい・・・というか旨すぎる。いや違うな・・・ああああ!!自分の言語力を恨みたい!!

 

「どうですか?お口に御会いしましたでしょうか?」

 

「ええ、というか。すごいとしか言いようがありません・・・」

 

もう、オカシイ。この屋敷。

 

「ハハハ、ではそろそろ本題と行きましょうか。」

 

軽く笑いながらアルフレッドさんは言う。

旨すぎてすっかり忘れてた。

 

「あ、はいそうでした。では質問良いですか?」

 

「ええ、比企谷八幡が死ななくてはいけなかった理由ですね?」

 

質問の内容をしっかりと言い当てる。

 

「・・・まぁ、はい。」

 

「じゃあ、説明させていただきます。まず、あなたのおばあ様とおじい様をご存知でしょうか?」

 

「ああ、確か外国人だったんでしたっけ?」

 

俺はそう答える。

実は俺の母側の祖父と祖母は外国人だったらしい。母さんが小さい頃に亡くなったらしいが。名前は確か・・・マーサ・ウェインとトーマス・ウェインだったっけ。

 

「はい、トーマス様とマーサ様です。実はあの方がたは元々《ウェイン・エンタープライズ》のオーナーだったのです。」

 

ウェイン・エンタープライスと言えばアメリカのゴッサムシティーの最大企業のはず・・・なんでそこのお偉いさんがこんな日本の小さな町に住みこんでいたんだ?

 

「彼らはこの日本で大きなプロジェクトを抱えてきたのですが・・・・それを成す前に亡くなってしまいました。」

 

残念そうにそう話す。

俺の祖父祖母はかなり慕われてたんだな。

 

「私たちはそのご子息であるルーラ・ウェイン様に引き継ぎをお願いしたかったのですが・・・彼女は日本で国籍を変え比企谷留美として生きる事を選び幸せな日々を送っていた

ためそう言う訳にもいかなくなってしまって・・・そんな時起こったのがあの事件です。」

 

葉山・・・いや、ジョーカーの事件か・・・

 

「あの事件で彼女の息子であられる比企谷八幡さまが瀕死の重体になられたとお聞きし私たちはすべての力を結集してあなたを助けました。

その時です。彼女が我々にあなたを引き渡したのです。」

 

「え・・・捨てられたの?俺?」

 

少しショックを受ける。

 

「いえ、多分捕まったジョーカーは貴方が生きていることを知ったら。またあなたを殺しに来るでしょう。そのためにあなたには死んでもらわなければならなかったのです。そうすればあなたが狙われることはもう無い。貴方に関する人々には貴方は死んだと伝えられています。」

 

俺ボッチでよかった。あまり心配する奴いないから少し安心した。・・・いや、安心できないな。学校どうなるんだよ。

 

「すみません。その場合俺中卒になっちゃうんですが・・・」

 

「そのことについては・・・すみません私の方もどうにもできません。」

 

申し訳なさそうにアルフレッドさんは言う。

 

「まぁ、そのことに関しては俺のためを思ってでしょう?」

 

「ええ、すみません」

 

本当に申し訳なさそうにしている

 

「とりあえず、俺は何をすればいいんですか?」

 

「貴方はこれからウェイン・エンタープライズのオーナーとなっていただき。貴方のおじいさまのプロジェクトをあなたに引き継いでいただきます。これは仕方がない事なのです。分かってください。」

 

まぁ、話の内容的に分かっていたけどな。

そしてアルフレッドさんはまた話し始める

 

「それからあなたは名前を変えていただきます。」

 

「え?・・・はい」

 

俺も今では死んだ人間だ。

戸籍を変え名前を変えなくてはいけないか

 

「そんなに固くならないでください。あと敬語もやめてください。」

 

「え?・・・あ、うん。分かったアルフレッド」

 

「はい、ではこれから貴方は《ブルース・ウェイン》です。それでよろしいでしょうか?ブルース様」

 

「ああ、分かった・・・」

 

まぁ、俺もかなりのお人好しらしくあっさり許してしまった。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

「――――――――――――え・・・比企谷君と由比ヶ浜さんが・・・・死んだ?」

 

 

時を同じくして雪ノ下雪乃は唖然としていた。

 

昨日まで6日間ウェイン・エンタープライスがいきなり活発化し始めたという事なので雪ノ下家に強制的にあいさつ回りに行かされていたのだ。

そのため学校の状況を全く知らなかった。

由比ヶ浜結衣が死んだことも比企谷八幡が葉山に殺されたことも。

はっきり言って今までこんなに多く自分と接してきた人間は彼らが初めてだった。そしてこんなにも愛おしい存在も彼らが初めてだった。

そんな存在が一気に全員いなくなってしまった。それは彼女にとってすべてを失ったも同様。もうこの世に意味もなくなった。

 

「わ、私は・・・・どうすれば・・・・」

 

頭を抱える。

すると部室のドアが開いた。

平塚先生だ

 

「・・・雪ノ下入るぞ?」

 

「はい、」

 

いつものノックしての言葉が出ない。

 

「・・・大丈夫か?」

 

「・・・・・・・大丈夫です」

 

咄嗟にそう言った

 

「嘘だな。」

 

平塚先生は一瞬でそう言い放った。

当然と言えば当然だ大切なものが6日の間にすべてなくなったのだから。

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・今回の事は本当に残念だった。」

 

冷たく平塚先生は言い放つが、言葉が揺れている。

かなり動揺しているようだ。

 

「私の方からも君を出来るだけ支えられるよう努力しよう。君は・・・・・・・・・・・負けないでくれ。」

 

そう言うと平塚先生は部室から出て行った。

 

ガラリと静まり返った部室からは彼女に温かさをくれるものはもう無い。

あるのは温かかった記憶と彼女自身の冷たい夢のみだった。

 

 

 

 

―――――――――彼女は一切歩き出せなくなってしまった。

 

 




眠い
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