仲良くなりたいっていう気持ち、忘れちゃダメだよね   作:雨降り

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前途多難

しばらく歩いてみたが、鎮守府は広かった。

この鎮守府は規模が大きく、所属する艦娘も多いと聞く。ただブラックだし、ボロだし、肝心の艦娘は見つからないけど…。

 

「ふぅ」

僕は一息ついてもう少しこの鎮守府内を歩いてみることにした。

とにかく誰かとコンタクトをとらなければ…

正直来たばっかりだし、ブラック鎮守府だったことも考えると危険な気もするけど、自分から歩み寄っていかないと永遠にこの鎮守府をさ迷うことになりそうだ。

 

 

 

うーむ、さっきからまあまあ歩いているんだがこの鎮守府、本当にデカイ。今現在、中庭みたいなところにいるのだが…途方もないぞ、これ。

 

「どれくらいあるんだ、この鎮守府の敷地は…」

門のところで思わぬ足止めをくらって、歩き回って、時刻は18時を回ろうとしている。

 

「下手したら、誰にも会えず初日終わるな」

僕はため息をついた。

 

 

 

 

 

「ダメだーー!誰一人見つからない!」

疲れた足を無理やり動かし歩き回ったが、全然会わないぞ!艦娘に!

もういい加減辺りも暗くなってきた。本格的にまずいぞ、これは。

 

「まさか、もう誰もいないんじゃ…」

こんな寂れたところで独りは正直怖い。幽霊とか信じてないけど、周りの雰囲気が不気味でなんかやだ。

 

 

そもそも上層部からはブラック鎮守府ということしか聞いてない。それ以上は言わなかったし、こちらも尋ねるなという上層部のオーラに気圧され何も聞かなかった。(こういうところが自分の嫌なところだ、オーラなんてものに左右されず、しっかり聞けばよかった)

だから、このブラック鎮守府で何が起きていたのか(大方艦娘を奴隷のように扱ったのだろうけど…)、詳細は分からないし、今現在艦娘がどれだけ所属しているのかも不明だ。

 

 

「いや、でもいないなら着任させる必要ないよな」

自分で自分につっこむ。そうだ、誰もいないなら僕がここに来る必要もない。だけど僕はここに着任した。ってことは誰かいるってことだ。

 

 

「探しますか…」

僕は艦娘を探して再び歩き始めた。

 

 

 

「ふぅ」

何だこれ。

「いねぇじゃん!」

驚いた、本当に見つからない。まだまだ鎮守府内全てを見た訳じゃない。でもさすがに一人くらいいてもいいんじゃないか?見掛けさえしなければ、声も聞こえなかったぞ!

 

実を言うと、今この鎮守府は電気が点いていない。まだ見たところの範囲内ではあるが、どこも点いていなかった。中庭からどこか電気は点いていないかと探してみたが、パッと見た感じでは点いていない…。えぇ…。

どうしよう?

 

 

 

 

???「姉さん、侵入者です」

???「分かってるよ、追い払おうか」

 

僕は気付かなかった。

この鎮守府にはまだまだ沢山艦娘はいる。(この時点では知らなかったが)

そして、尋常じゃないくらい人間に対して艦娘が憎悪を抱いていることに。

 

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