仲良くなりたいっていう気持ち、忘れちゃダメだよね 作:雨降り
「信じられない…」
今や食堂は満員御礼。そして舞台上に立っている者達を誉め称える歓声と拍手の嵐。
吹雪「な、なんで…こんな…」
ありえない!ありえない!!!
…阿武隈さんたちから聞いた。このライブはあの人間が画策したものだと、そして朝潮ちゃんと加古さんが…。
直ぐ様、私はライブの妨害及び朝潮ちゃん、加古さんの救出を提案した。でも、阿武隈さんたちは…。
阿武隈「まあいいんじゃないかな~、ヘル・アンカーズは去る者追わず主義だからさ」
鬼怒「そうそう。でもアブが言うと、負け惜しみに聞こえる!?」
阿武隈「な、なんですってぇ~!!?」
鬼怒「わ~!!アブが怒ったぁー!!」
理由は分からないが、阿武隈さんたちは私の提案には乗り気ではないようだ。
同様に雲龍さんにも私の提案は断られ、私は何も出来ずにこの日を迎えてしまった。
それでライブを見に来たわけだけど…。
会場に溢れる笑顔!溢れんばかりの笑顔!!!
しかも、それは観客の娘たちだけではない。
吹雪「ばかな…なんで…」
壇上で幸せそうに笑う朝潮ちゃん、加古さん。
見ている私が羨んでしまうくらいの笑顔。
私も見たことのないその笑顔をあの人間が作り出したと考えると、虫酸が走った。
潰してやる。
「えっーと、それでは…祝!ライブ成功ということで……乾杯!!!」
僕の呼び掛けに追随するように「乾杯」という声が上がる。
僕たちは今、地下牢にて宴会を開いている。ライブという大きな荷が降りたようで、皆一様に嬉しそうな顔をしながら好みのお菓子を頬張り、談笑に興じていた。
長門と陸奥は缶ジュースをそれぞれ一本ずつ手に取ると、執務室に戻ってしまったのでこの場にはいないが、楽しかったそうなので良かった。
宴会も終盤に差し掛かると、朝潮は「ようやく妹たちにちゃんと向き合えそうです」と言って、幾つかお菓子を抱えて行ってしまった。
その後しばらくして加古も地下牢を後にした。「今度一緒にあそぼ」と最後までクールなイケメンだった加古。うーむ、PMTのお兄さんも可愛いけど、加古も…あるいは…。
川内「なーに考えてんの~!?」
そんなことを考えていると、後ろから川内に抱きつかれる。へぁっ!?
「せ、川内…!?ど、どうした!!?」
川内「え~何が~!?」
神通「姉さん!?」
那珂「おー!!川内ちゃん、積極的~!!!」
川内のいい匂いに包まれながら、背中に感じる川内の温もり。死ぬ。悶え死ぬ。
「ちょ、川内…」
神通「これ、お酒入ってません?」
ばかな!?僕が買ってきたやつに酒など……あれ?
神通が手に持って見せてくれた缶にはアルコールと書かれている。
これは…。
川内「や~~だ~~!!!もっとここにいるの~~!」
「ごめんね、神通、那珂…」
神通「いえいえ…それでは失礼します。…行きますよ!姉さん!!」
那珂「川内ちゃんがご迷惑おかけしました!!今日はありがとね~!!」ヒラヒラ
ふぅ…。とりあえず、僕も戻るか。眠いし、後片付けは…後日で。
翌朝、僕はパンダになった。