翌朝青年は工具を持ってヴィルキスの修理をしていた。するとそこにアンジュがやって来た。
「もう動いて大丈夫?」
「何してるの?」
「……修理…かな?」
「直せるの?」
「此処にはたまにバラバラになったパラメイルが流れ着くんだ、それを調べて行っている内に何となくね....そこの六角レンチ取ってくれる?」
アンジュは横にある六角レンチを青年に渡すとあることに気付く。
「マナで動かせば良いじゃない」
その言葉に青年は手を止めた。
「どうして使わないの?、どうしてパラメイルの事を知ってるの? あなた…一体何者?」
アンジュの問いに青年はアンジュの方を向き、名乗った。
「…俺はタスク、ただのタスクだよ」
青年の名はタスク.......タスクはそう言って作業を再開した。
「いや、そうじゃなく」
「あっ!やっぱり出力系の回路が駄目になってるのか、でもこれさえ直せば無線は回復する…そうすれば君の仲間とも連絡が取れるよ」
「…直したって無駄よ」
「え?」
「連絡しても誰も来ないし、帰ったって…誰も待ってないもの」
アンジュは悲しそうな表情で海の方を向くと、タスクはアンジュに問う。
「…あの、しばらくここにいたら?......その、変なことはしないし!」
「…そうね」
アンジュはタスクの誘いを受け入れ、再び海を見る。その時アンジュは思った。助けてくれたタスク、心配してくれるヴィヴィアンとエルシャ、あの時慕ってくれているココやミランダの事を思いだし、アンジュの心の中に、凍り付いていた心が少しずつ溶けていくような気がした。
それから数日後、川辺で二人は寝転んでいた。互いに無人島で打ち解けたり、楽しく日々を暮らしていったようだ。
「うわぁ.......こんなに星が見えるなんて」
「子供の頃、師匠が良くここに連れて来て、星を眺めていたんだ......気付かなかった?」
「空なんて、ずっと見てなかったから....、綺麗.....」
アンジュは星を眺めていると、タスクがアンジュの手をそっと握り、顔を赤くしながら言う。
「君の方が…綺麗さ…」
「え?」
アンジュは少しばかりタスクの言葉にドキッとした。
良い雰囲気となり、アンジュとタスクは顔を近づけようとした時にタスクが何かを感じ取ると、アンジュを押し倒し、"静か"にと言われる。
すると空にある物が見える。
「あれって、ドラゴン!?」
二人は凍結されたガレオン級ドラゴンが輸送機に運ばれていくのを目撃した。
「連れていくの!?何処に!?どうして!?」
アンジュはタスクに問うと、森の方から鳴き声が聞こえた。
「「!?」」
すると、森の中から一匹のスクーナー級ドラゴンが現れた。
「あれは…!?」
アンジュは思い出す。あのスクーナー級ドラゴンは戦っていたドラゴンの一体だと。スクーナー級ドラゴンは凍結されたドラゴンを助けようと輸送機へ目指すと輸送機が反撃してきた。しかし、輸送機は反撃するが全て撃墜されてしまい、凍結されたガレオン級ドラゴンと一緒に島の奥へと墜落した。
「逃げるよ!」
タスクはアンジュの手を引っ張ってその場を逃げようとしたが、目の前にスクーナー級ドラゴンが落ちて来た。
スクーナー級ドラゴンはボロボロであったが、二人を睨み襲い掛かって来た。アンジュはホルスターからハンドガンを取りだし、対抗するが全く効かなかった。
「パラメイル!あれなら!」
「でも!まだ修理が!」
「直して!」
「分かった!」
二人はヴィルキスがある海岸へと向かった。
ヴィルキスがある浜辺に着いた二人、タスクはすぐに修理に取り掛かり、アンジュはナイフでスクーナー級ドラゴンと立ち向かった。
「急いで!」
しかしスクーナー級ドラゴン翼で弾かれてしまいナイフを落としてしまう。
「これをっ!!」
タスクはアサルトライフルを取りだし、アンジュに投げ渡した。
「急いで!」
アンジュはキャッチし、スクーナー級ドラゴンの攻撃を回避し、ドラゴンに攻撃する。タスクは急いで修理していく。
しかし、アサルトライフルで攻撃するも、スクーナー級ドラゴンの尾で弾かれてしまった。ドラゴンはアンジュを喰い殺そうした時にアンジュの指輪が光だし、ヴィルキスが起動して、持っていたアサルトライフルがドラゴンへと発砲する。その時の異変にタスクは気付く。
不意をつかれたスクーナー級ドラゴンが怯み、アンジュがこの隙に近くに落ちていたナイフを拾い、飛びかかる。
「はあああああぁぁぁぁぁっ!!!!」
アンジュはナイフをドラゴンの首を刺す。
「このぉぉぉぉぉっ!!!!」
ドラゴンを刺しまくるアンジュの身体中に噴出するドラゴンの血が大量に付着する。アンジュはなりふり構わずドラゴンを刺し殺していく。タスクは彼女の手を止める。
「もう死んでるよ…」
タスクがそう言うと、アンジュは刺し殺すのを止める。っとアンジュは我に返ってようやく止まり、その場から少し離れて震え出し、ナイフを捨てて自分の身体をゆする。
自分が先程まで全く別の者になっていた事に気づかずに、ドラゴンに向かっていたことに身体をゆする。
その光景をタスクはジッと見つめていた。
朝日が昇り、一筋の曙光が照らす。スクーナー級ドラゴンの死体は海へ攫われ、そのまま流されて行った。二人は光景を静かに見届けていた。
「仲間を助けようとしたんだ.……帰りたかったんだね、自分達の世界に…」
タスクは墜落した場所の方を見る。
「もうこの森にはいられないな…急がなくちゃ。」
タスクは森を出る準備に取り掛かろうとする。
「君は…どうする?」
「一緒に来ない?」
「……」
「君は、ちょっと乱暴だけど…そのぅ 綺麗だし、可愛いし、美人だし……君の裸も見ちゃったし、あんな事もしちゃったし…責任とるからさ。」
するとヴィルキスの方からヴィヴィアンの声が聞こえてきた。
『アンジュちゃ…ん、応答願いまーす!もう死んじゃってますか?死んじゃってるんなら、死んじゃってるって言ってくださ〜い!』
「何だ?」
「こちらアンジュ、生きてます」
『嘘っ!?アンジュ!?本当にアンジュなのっ!?』
「救助を要請します」
『りょっ!了解!』
ヴィヴィアンは慌てて通信を切り、アンジュの方はタスクの方を向いて、決意する。
「私、帰るわ…今はあそこしか...私の戻る場所はないみたいだから」
「うん、そっか」
タスクが頷いた直後、アンジュは突然タスクの襟元を掴み、顔を赤めて言う。
「いいこと?私とあなたは何もなかった。何も見られてないし、何もされてないし、どこも吸われてない、全て忘れなさい!!いいわね!?」
「え!?はい....」
「“アンジュ”…アンジュよ」
「良い名前だね。またね、アンジュ!」
タスクは別れを言い、森の中へと消えるのであった。
「変な人……」
アンジュがそう呟くと、上空からヘリがホバリングしながら現れる。
「ここでクイズです!墜ちたのに生きてる人ってだぁ〜れだ!答えは!アンジュ〜〜!!」
ヘリから心配しに探しに来てくれたヴィヴィアンとエルシャ、ココ、ミランダが顔を出す。
アンジュと別れたタスクは荷物をまとめ、仲間たちの墓を見ていた。
「やっと決心したんだね。」
突然の声にタスクは振り向く。そこには11年前に契りを交わした義兄弟であるアーサー、ライド、エクエスがいた。
「アーサー!?それにライドにエクエス!」
「オセェンだよ!お前は!」
「全く、君と彼女の光景を見ていると、本当に仲の良いバカ夫婦に見えました。」
「え…見てたの!?」
「当たり前じゃん、呼びもどそうと思ったらこんな孤島であの皇女さんとデレデレするとは。」
「違う!違う!違う!俺は…………」
「……まぁ、それは置いておいて。今こうやってタスクもようやく決意したし、12人揃ったな。」
「12人?」
「俺らと同じ、グランセイザーだ。」
するとアーサー達の背後から光学迷彩で姿を隠していたトウジ達が現れる。
「タスク…もう一人じゃない。俺達がいる!」
アーサーは拳をタスクに向ける。タスクも拳同士で交わし、格納庫に入っていたヴィンセクトに乗り込み、アーサー、ライド、エクエス、トウジ達と共に孤島を出るのであった。
ED :「きみをつれていく」(超星神グランセイザー: ED)