クロスアンジュ トライブブラザーズ   作:マシンクーガー

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投稿遅れてすみません。物語を書き上げる為にOP、EDを探していました。


チャプター16 交差する悲劇・前編

 

突然の警報に驚いたアーサー達。東護ノ介が皆を呼び集め、ブリーフィングする。

 

「アンジュが脱走!?」

 

「どうやら神聖ミスルギ皇国皇帝ジュリオはその姫さんが連れていた筆頭侍女を餌にして、アンジュの安否を確認していたらしいのだ。そして彼女の妹であるシルヴィア・斑鳩・ミスルギも彼女を殺そうとしている。さらにその中にヒルダも…」

 

「!?」

 

アーサーは脱走したメンバーに驚く。さらにライドは自分の思い人が脱走した事に疑問を抱く。

 

「オッサン!ヒルダは?ヒルダは何処に!?」

 

「アンジュの方はミスルギ皇国だ。ヒルダはまだ不明だが…」

 

「すぐに助けに行かないと!」

 

ライド達は行動を開始すると、東護ノ介がアーサーに言う。

 

「アーサー…」

 

「?」

 

「アンジュリーゼ達を救出した後、この島に上陸しろ。そろそろ12年前の事を…兄さんと話そうと決意をしたのだ。」

 

「俺の?」

 

「あぁ…」

 

「……分かった。」

 

アーサーはそう言い、格納庫へと向かう。

 

「(本来ならまだ秘密にしておきたかったが、もうこれ以上…あの悲劇を忘れたままでは行かん。アーサー…許せ。)」

 

どう言う事なのか、東護ノ介が格納庫に行くアーサーを見送りながら不安に思う。

 

 

 

「俺達にある『サポートメカ』を渡す!?」

 

格納庫でアーサー達はアリマからある物を配備してくれた。『グランビークル』ーーー超星神をサポートする隠密小型戦闘機。アリマが言うにはアーサー達がこれから使う超星神では物凄く目立つ為、代わりにグランビークルで発進してもらう事に。

 

「「「「これが俺達のグランビークル?」」」」

 

アーサー、タスク、ライド、エクエスがそれぞれのグランビークルを見る。炎のトライブは鳥型のグランビークルであり、それぞれの外観、武装が取り付けられていた。アーサーのは鷲型で炎のトライブの指揮官用グランビークル。トウジのは燕型の超速に特化し軽量グランビークル。ミクモは白鳥型の大型重戦闘グランビークル。

 

「鳥類をモチーフにしてるなぁ…」

 

タスク達のは昆虫型のグランビークルでありアーサー同様、それぞれの外観と武装をしていた。タスクのはカブトムシ型の指揮官用のグランビークル。ミュリエーナのは蝶型の大型爆撃グランビークル、ガイのは鍬形虫型で装甲を見にまとった重装甲グランビークル。

 

「こっちは昆虫だ」

 

ライド達のは陸上生物のグランビークルであった。アーサー、タスク達のグランビークルと違ってキャタピラや自走砲が取り付けられたーーー謂わば“飛行できる戦車”と言っても良かった。ライドのは二連装砲を二門を装備された猛牛型の指揮官用のグランビークル、クサビは機首部にプラズマドリルが装備された山羊型の重戦闘グランビークル、ヨーコは豹型で両翼とランディングにプラズマブレードを内蔵させた強襲グランビークル。

 

「俺らのは陸上と言うより…自走砲みたいだな。」

 

エクエス達のは水性生物型のグランビークルであった。エクエスのは鮫型で潜水できる指揮官用のグランビークル、マナコは外観が鱏型の隠密大型グランビークル。エミリーは鯱型の高速潜水グランビークル。

 

「俺達のは潜水ができるタイプだ」

 

アーサー達はそれぞれのグランビークルに乗り込み、発進していく。

 

 

 

 

 

クラウドブルースから出たアーサー達はミスルギ皇国が支配域の森の中で待っている西十郎と合流する。

 

「お前等、準備は出来てるか?」

 

「《はい!》」

 

「アンジュの方はアーサー、トウジ、ミクモ、タスク、ミュリエーナ、ガイに、ヒルダの方はライド、クサビ、ヨーコ、エクエス、マナコ、エミリーに任せる。」

 

「《はい!》」

 

「それじゃ、行動開始だ。」

 

ライド達はグランビークルに乗り込み、ヒルダの捜索へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

ミスルギ皇国、これから起こるアンジュリーゼの処刑台の周りに集まっている国民に紛れ込んでいるアーサー達。建物の屋上でタスク達がグランビークルを構えていた。

 

『アーサー達は人達に紛れ込んで待機、俺たちは建物の屋上でチャンスを伺う!』

 

「分かった…」

 

小声で通信を終えると絞首刑台に連れていかれているアンジュが歌い出す。

 

「♪〜♪〜」

 

アンジュが母の歌である永遠語りを歌い出す。それを聞いて歌うのを辞めさせようとするシルヴィアとジュリオ。ジュリオが近衛兵に命令し、アンジュの首に絞首の縄を付け、下す。

 

「さらばだ、アンジュリーゼ」

 

「アンジュリーゼ様あああぁぁぁ〜〜〜〜っ!!!」

 

モモカが叫ぶと同時に、上空から閃光弾が放たれ、辺りを眩く照らす。その隙にタスクのグランビークルが動き出し、ジュリオからアンジュの指輪を取り返し、そしてグランビークルのプラズマカッターを発射し、アンジュを吊していたロープを切り。その者は落ちて行くアンジュをキャッチするが…。

 

「うわっ!」

 

バカなのか、アホなのか、タスクがグランビークルから放り投げ出され、見事にアンジュをキャッチするのだが…。

 

「う、うえ~~~!!?」

 

何とアンジュの股間に頭を突っ込んいて、それを見ていたアーサー達は思わずドン引きしアンジュは真っ赤な顔になる。

そいつはもがいていて、アンジュはさらに真っ赤にある。

 

「こ…こっの~~!!!」

 

「ぐほっ!!」

 

アンジュはその人物の腹を蹴り飛ばし、壁に激突した瞬間頭に被っていたローブが取れてタスクの顔が現れる。

アンジュはその人物がタスクだった事に驚く。

 

「えっ?!タ…タスク!!?」

 

「近衛兵!何をしている、早くあの者を捕えぬか!」

 

近衛長官のリィザが近衛兵に命令をする。

 

「それは困るな!」

 

「「っ!?」」

 

すると人混みの中に紛れ込んでいたアーサー達がセイザータリアス、セイザーミトラス、セイザーリオンへと変身し、それぞれの武器を取り出し、必殺技を放つ。

 

「バーニングファルコン!」

 

アーサーが近衛兵に向けて聖緋弓ファルコンボウの炎の矢を放つ。

 

「ブラン・トルネード!」

 

ミクモが聖鉄扇スワンセクターという2本の鉄扇を使って、華麗に振り高熱火炎の竜巻を起こす。

 

「飛燕斬!」

 

トウジは聖双剣ダブル・クレッセントという二刀流の剣を使い、ダブル・クレッセントをクロスして、貯めた炎エネルギーをツバメの形にして飛ばす。

それに続き、ミュリエーナとガイが乗っているグランビークルが空から援護する。

 

「来い!グランビークル!」

 

アーサーが大声で呼ぶと、空からアーサー達のグランビークルが飛んで来た。

 

「ほらタスク!あ〜!気絶してやがる!」

 

アーサーはタスクを揺さぶるが起きなかった。

 

「おい、タスクをグランビークルに乗せて逃げるぞ!」

 

アーサーはアンジュにそう言い、高く跳び上がりグランビークルに乗り込んだ。

 

「パラメイルと同じだわ、モモカ!しっかりつかまって!」

 

「はい!」

 

「逃すな!!」

 

タスクのグランビークルに乗り込んだアンジュとモモカ、そして気絶したタスク。

 

「おのれアンジュリーゼ…!」

 

「感謝してるわお兄様、私の正体を暴いてくれて。ありがとうシルヴィア、薄汚い人間の本性を見せてくれて」

 

アンジュはシルヴィアに向かってじょうだんでもない笑みを見せる。その事にシルヴィアは思わず引いて、アンジュはそのまま叫ぶ。

 

「さようなら、腐った家畜共よ!!」

 

アンジュは飛行艇を動かし、ジュリオは怒りが爆発する。

 

「く!追え!追ええええ!!!」

 

その時、炎の拳がジュリオの右目へ目掛けて飛んできた。

 

「っ!!ぎゃぁああああああああああっ!!」

 

ジュリオの右目に火矢が炸裂し、彼の右半分が大火傷を負う。ジュリオに火傷を負わせたのはコックピットから顔を出し、右腕に鬼の籠手でクロスボウパンチを放っていた。アーサーは舌を出し、アンジュ達の後を追うのであった。

 

 

 

アンジュとモモカを無事救出に成功したアーサー達は素早くミスルギ皇国から脱出し、アルゼナルへと帰投していた。

グランビークルと連結させている輸送艇の中でアンジュとモモカは毛布を渡されて身体を包み、モモカは毛布に包まれながら静かに泣いていた。

 

「申し訳…申し訳ありません。アンジュリーゼ様…」

 

モモカはジュリオに自分が利用されていた事に気付かず、主であるアンジュを危険な目に合わさせて仕舞った事に罪悪感を感じており、必死に頭を下げながら謝っていた。

しかしそれをアンジュは頭を横に振る。

 

「何言ってるのモモカ、お蔭でスッキリしたんだから」

 

「え?」

 

アンジュの意外な言葉にモモカは顔を上げる。

 

「私には、家族も仲間の故郷も…何にもないって分かったんだから」

 

「アンジュリーゼ様…」

 

「それよりも…!」

 

「痛った〜!?」

 

アンジュが、気絶しているタスクの頬に平手打ちをした。

 

「痛い!!」

 

「どう?目が冷めた?」

 

「あ!良かったアンジュ!無事でって!?」

 

「あなた、またやったわね!!」

 

アンジュはタスクの上に乗っかって、頭をぐりぐり攻撃をする。

タスクは怒っているアンジュの行動に分からずにいた。

 

「何~!? 何が~…?!」

 

「どうして股間に顔を埋める必要がある訳~?意地なの癖なの? それとも病気なの~!!?」

 

「ご!ゴメン!!いででででででででででででででででで!! ゴメン!!!」

 

その事に聞いていたアーサーは思わず呆れる様子になる、そして見ていたモモカはアンジュに問いかける。

 

「あの…、アンジュリーゼ様。そちらの方とは一体どう言う関係で?」

 

「えっ?えっと…」

 

「た、ただらなぬ関係…」

 

っとタスクがそう言って、アンジュはその事に思わず「は!?はぁ!?」と声を上げる

その事を聞いたモモカは嬉しい表情をする。

 

「そうですか! お二人はその様な関係でしたか!男勝りのアンジュリーゼ様にもようやく春が…筆頭侍女としてこんなに嬉しい事はありません」

 

「違〜う!」

 

「いだっ!」

 

「どうしてあそこにいたの?」

 

アンジュが問うと、タスクは頭をすすりながら返答する。

 

「連絡が来たんだ、ジルから…」

 

「ジル…司令が?」

 

「君を死なせるなってね……」

 

タスクは説明し、ポケットからあるものを取り出し、アンジュに渡した。

 

「それとこれ…大事なものだろ?」

 

それは、ジュリオに奪われたあの皇族の指輪だった。

 

「ありがとう…あなた達、一体何者なの?」

 

「俺達は……グランセイザー。そして俺は“ヴィルキスの騎士”だ。」

 

「グランセイザー?……それに騎士って?」

 

「君を守る騎士の事だよ。詳しくはジルに聞いてくれ。」

 

「そうするわ」

 

「あと一つ良いかな?アンジュの髪……綺麗な金色の髪だね。」

 

「///それが……何よ?」

 

「“下も金色”なんだ」

 

「死ねぇ!この変態騎士!!」

 

「あだっ!!」

 

輸送艇内で悲鳴と殴られる音が響く中、アーサー達は呟く。

 

「《タスク…ご愁傷様》」

 

アーサー達は両手を合わせながら、南無阿弥陀と唱えていると、アーサーが東護ノ介の言葉を思い出し、タスク達に伝える。

 

「皆んな、聞いてくれ実は東護ノ介さんがある場所へ来て欲しいと言われたんだ。一緒に来てくれ…」

 

「え?わ、分かった」

 

顔面が酷い痣と傷だらけのタスクとトウジ達はアーサーに付いて行く。その数分後、ライドとエクエス達のグランビークルがやって来る。

 

「おーい!」

 

「ライド達だ!」

 

猛牛と獅子を模した琥珀色のグランビークルと鯱とエイを模した紺碧色のグランビークルがアーサー達のグランビークルに接近する、

 

「そっちも救出したんだな!」

 

「あぁ!それにしても、東護ノ介のオッサンが言っていた島って……あれか?」

 

アーサー達の目の前に見えてくる大きな島…荒れた海岸、断崖絶壁の渓谷と峯山が成り立っていた。

 

「何なんだ?荒れた海岩はあるし、不気味だ」

 

ライドが先の海岸の事で呟いていると、アーサーが渓谷の下にある大きな川を見る。

 

「(あれ?海に通じてる川…何処かで……)っ!!」

 

するとアーサーの視界がノイズで埋め尽くされ、突然と頭痛が起こる。

 

「どうした!?」

 

「おい、アーサー!?」

 

頭痛で頭を抑え、苦しむアーサー。するとと耳から女の子の声が響く。

 

『アーサー…』

 

その時、アーサーの視界がノイズからある皆んなの集合写真が映る。

 

「っ!?」

 

その声の主が誰なのか、同時に頭痛が治る。

 

「頭…大丈夫か?」

 

「うん、平気……もう、治った…(何だろう今の…それにあの写真、女の子の声……)」

 

アーサーはそう考えながら、島の奥へと向かう。数分後、グランビークルを発着させる広間へと着陸し、アーサー達はそこである物を目にする。

 

「何なんだ……ここは?」

 

林と蔓、苔、草に覆われた廃村、火事があったのか数件の家々が黒く焦げた焼け跡であった。

 

「この島で何があったんだ?見るからに廃村だけど……」

 

アーサー達はそれぞれの調査を開始する。アーサーとエクエスはボロボロの雑貨屋の腐敗度を確認する。

 

「どれぐらい古く経過してるんだ?」

 

「12年前だな…」

 

「12年前…それって!?」

 

「分からない…だが、ここで何があったかは俺も知らない。」

 

エクエスはそう言い、焦げた木板に触れる。

 

「この焼け跡…まるで“誰かにを燃やされた”感じなんだ。事故なら分かるんだが…」

 

 

「《っ!!?》」

 

「何…これ…!?」

 

アーサー達が見たもの。それは大きな焼け跡の中に黒く焦げ、石のようになっている子供のバラバラ死体が広がっていた。

 

「人?」

 

アーサー達はその光景に驚いていると周りの空気が時が止まったかのように静寂する。

 

「……え?」

 

ただ一人……アーサーを除いては。

 

「皆んな!?」

 

みんなの動きが完全に止まった空間。

 

「……ねぇ」

 

「?」

 

突然の声にアーサーは振り向く。そこにいたのは白いワンピースと麦わら帽子をした少女であった。

 

「やっと見つけた…」

 

「え?(あれ…俺、この子何処かで見たようなぁ…)もしかして、前に会った?」

 

「うん、“似てる”でしょ?」

 

「名前は?」

 

「名前……【アケロン】」

 

「アケロン?それが名前?」

 

「うん♪……それに私、“怪獣”なんだ」

 

「怪獣って…特撮じゃあるまいし……」

 

「ホントだよ…♪」

 

すると目を離していたのかそこにいたのは少女ではなく、パラメイルやドラゴンを遥かに上回る程の巨体を持つ“竜”がいた。

 

「え?……えぇっ!!?」

 

《私、“人間”に造られた怪獣なんだ♪》

 

「(で、デカ過ぎる!…しかも、口臭い〜!)」

 

怪獣の口臭に気にしているのか、苦笑いしてしまう。

 

《そうだ…》

 

すると怪獣の額にある翡翠色の水晶体が光り、一筋の光がアーサーの手元へと渡される。光が形を変え、黒い霊符と怪獣の銀色の外殻で覆われ、先端に翡翠色の水晶体が付いた杖を渡される。

 

《これ上げる…あの時、“助けてくれた”お礼……》

 

「助けた?お前を?」

 

《うん…君はいずれ、運命をひっくり返す者になる。その時は…歪み過ぎた伯父さんを“怖い人”から解放させて…。》

 

「怖い人?」

 

《いずれ分かるよ……》

 

怪獣はそう言いながら粒子へとなり、杖の結晶体の中へと吸い込まれる。

その時、後方から声がした。

 

「お前達…見たのか?」

 

「《!?》」

 

振り向くと、そこにいたのは西十郎と東護ノ介であった。

 

「西十郎さんと東護ノ介さん!?」

 

「え?知り合いなの?」

 

「ん〜〜、よく分からないが西十郎さんと東護ノ介は兄弟でアーサーの師匠みたいなんだ。」

 

タスクがアンジュとモモカに二人の事を説明している中、アーサーが前に出る。

 

「西十郎さん連れてきました…それで、この島とこの廃墟は何なのですか?」

 

「……ここが、“トリト村”だ。」

 

「え!?」

 

西十郎の言葉に、アーサー達が驚く。そう……この廃村こそが、12年前の悲劇の場所となったアーサーとマイラの故郷。アーサーはトリト廃村を見渡す。

 

「……やっぱり思い出せないか。」

 

「どういう事なんですか…?」

 

「これだけの有様を見て思いださねぇというのは、脳に最大のショックを受けている事になるな。(やりたくはなかったんだが……)よく聞け馬鹿弟子1号……トリト村がどうしてこうなったか話してやる。落ち着き、心して聞け。12年前……」

 

12年前…このトリト村にはトライブ使い…後々次のグランセイザー候補生を育てる施設「超星寮」に何処からともなく“インゴ”と“穢れボスキート”言う悍ましき者が現れ、候補生と村人のほとんどが犯され、殺されていった。これが俗に言う“トリト村の悲劇”となったと…。

 

「ーーーが…真相は全く違う」

 

「……!?」

 

「12年前のあの日…悲劇の起きた夜ーーー超星寮から現れた穢れボスキートなんざ一匹もいねぇ」

 

「え!?」

 

「では何故、候補生の子供達や村の人々は死ななければならなかった?……理由は簡単だ。」

 

西十郎はアーサーを見て、その言葉を言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

超星寮で一人生き残った子供……アーサーが残りの候補生と村人全員を祓い殺した張本人だからだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

衝撃の言葉に誰もが声を殺してしまう。

 

「俺が……このトリト村の皆んなを…?」

 

アーサーの額から汗が垂れ流れると、西十郎はポケットからある一枚の写真を取り出し、アーサーに見せる。それはこの焼け跡ーーー超星寮の前で撮られた集合写真、年輩の人達や教師、そして幼年部の子供達と共に真ん中に二人でピースサインをしている少年とアーサーが写っていた。

 

「俺…?」

 

アーサーは幼少の自分を見ていると、彼の耳から無数の断末魔の悲鳴が響く。

 

「ぐっ!!」

 

突然の頭痛に頭を抱えるアーサー。彼の頭の中に少年少女たちの光景が浮かび上がる。

 

『違うんだよ俺…アーサー俺はただ…アーサーみたいに強くなりたかっただけなんだよ…』

 

『“ボスキート”になって醜く生き続けるくらいなら、アーサーの手で祓って…死んで綺麗になってもらえる方がいいなぁ…』

 

『やっと、リリーの所に行ける…リリー…お兄ちゃんそっちに行くね。』

 

『どんな姿になろうとも…僕らはずっと友達だろう…?』

 

三人の少年と一人の少女の顔が浮かび上がった事にアーサーは全てを思い出した。

 

「………………」

 

無言のアーサーにライドが声をかける。

 

「アーサー…?」

 

「思い出した……」

 

「え…?」

 

「全部……思い出した。俺だ……トリト村の皆んなを殺したの……全部俺だ…」

 

アーサーの目には大粒の涙が溢れており、集合写真を見る。

 

「アリサ…テツジ(てっちゃん)…シュン…ユキ…ムツミ…カツキ(かっちゃん)…ルリ…チエ…サユリ…皆んな…」

 

順に候補生の名前を呼んで行くアーサー、そして12年前の悲劇に悲しみの声を上げる。

 

「…………うぐっ…うっ…くあぁ…うああああああ……うわああああああああっ!!なんで…なんで今まで思い出せなかったんだよぉぉお!!12年も…俺は皆んなやトリト村を!!俺は最低な奴だぁぁああああああああっ!!!!」

 

それと同時に、頭上から雨が降り注ぐ。

 

「アーサー…」

 

「顔を上げろアーサー……戦いはまだ…終わってねぇ。最早隠しようもねぇ……穢れボスキートがクラウドブルースやマイラの様に再び現れたのがどういうことか分かるよなぁ……?」

 

西十郎と東護ノ介はアーサーにある事を伝える。

 

 

 

 

 

 

 

お前の戦いは…それが現れた時点で終わっていなかったんだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

東護ノ介の言葉に、アーサーは驚愕する。

 

「……“奴”が……まだ生きている…だと!?」

 

するとアーサーの表情が見る見ると怒りへと変わっていく。その様子にタスクが問う。

 

「西十郎さん、ここで何があったのか教えて下さい…俺達はまだアーサーのことを何も知りません。」

 

「……悲劇の真相の話の続きだお前たち…特にアンジュ…お前は心して聞け。」

 

「先に言った通り…超星寮の候補生達を払い殺していったのはアーサーだ。ーーーだが、候補生達を穢れボスキートにさせたのはまた別の人間だ。」

 

「穢れボスキートに……“させた”…?」

 

「そう…穢れーーー「穢れボスキートというのはマナを持つ人を強制的に人類の捕食者であるボスキートにさせてしまう禁術のことさ♪」……チッ!」

 

西十郎が説明しようとしたその時、横から別の声がアーサー達に説明した。

 

「《っ!!?》」

 

現れたのは顔や全体にフードで見にまとった者がいた。

 

「よぉ、“馬鹿弟子2号”……良く俺と東護ノ介、アーサーとマイラの前にノコノコと姿を現したなぁ…!!」

 

西十郎の言葉にタスク達は驚く。そして頭を覆っていたフードを脱ぎ、顔を表す。

 

「誰、アイツ…?」

 

アンジュが首を傾げると、モモカがその男の顔を見て口を押さえる。

 

「そ…そんな…!」

 

「モモカ…?」

 

「あ…貴方様は…!!」

 

「やぁ!モモカちゃん!12年振りだな〜!」

 

男は元気な声で挨拶すると、アーサーが怒り声を上げ、その男の名を叫ぶ。

 

「…何で、お前が…!!何でお前が生きてやがるんだぁぁぁっ!!?ユゥゥゥマァァァァアアアアッ!!!!」

 

「そして……アーサー!久しぶり〜♪」

 

再び相見えた“友”ーーー今明かされる12年前の超星寮とトリト村、アーサーの身に起こった“愛情”、“友情”、“信頼”、“平和な日常”がーーー“憤怒”、“絶望”、“憎悪”、“残酷な惨劇”の過去が今、アーサーの記憶からその全貌が蘇ったのであった。

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