クロスアンジュ トライブブラザーズ   作:マシンクーガー

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内容が途中からぐだぐだですみません。


チャプター18 最果ての悲しみ

アーサーの家、フェリスと焔が帰ってくるアーサーの為に料理を作っていた。

 

「アーサーさん、遅いわねぇ」

 

フェリスがアーサーを心配していると、焔がテレパシーでフェリスに伝える。

 

「“彼の事が心配なのか?”……はい、私達はアーサーさんに助けられて、ここで居候……恩人を心配するのは当たり前です。まぁ、これはお父さんが言っていた言葉ですから♪」

 

フェリスは満面な笑顔を表す。焔は呆れた様子でフェリスとテレパシーする。

 

「“恩人を心配するのは当たり前か……もう一層の事、アーサーにその事と自分の今の気持ちを告って、【女房】になれば〜?”…///!?」

 

その言葉にフェリスは顔を赤くし、持っていた包丁を慌てながら焔に振り回す。

 

「ちょっと!何言ってるのですか焔は〜〜!!」

 

焔はフェリスを落ち着かせようとすると、ベルが鳴る。

 

「あ、アーサーさんかな?見てきます。」

 

フェリスはそう言い、ドアを開く。現れたのはヤトウとリュウが身体を支えられた姿のアーサーであった。

 

「アーサーさん!?」

 

「物凄い高熱なのです!急いでください!」

 

「はい!クレイン!ランス!ミント!早く来て!」

 

「どうしたの!?」

 

「アーサーさんが高熱出してるの!」

 

「アーサーお兄ちゃんが!?」

 

「アーサーさん!」

 

「アーサーの兄貴!」

 

クレインとランスとミントは急いで氷水と布団を用意し、アーサーを寝かせる。焔がアーサーを看病していると間、フェリスがアーサーを連れて帰ってきたヤトウとリュウに話しかける。

 

「あのぅ…アーサーさんに何があったのですか?」

 

「……実はーーー」

 

ヤトウとリュウはこれまでの事を全て話す。記憶を思い出した事、トラウマ以上の真相、悲劇を起こした元凶、ユーティスの事、タスク達が穢れボスキートの力を得た事、アーサーが穢れ騎士の一人だった事……その話を真剣に聞いていた四人はアーサーの余りの残酷な事に黙り込んでしまう。だが一人…ランスが声を上げる。

 

「ヤトウとリュウと言ったな……俺もトライブを学びたい!」

 

「……学んでどうするんだ?」

 

「強くなってソイツを倒しにだ!!アーサーの兄貴の友達の仇敵打ちだ!そのユーティスって言う屑野郎は何処にいる!!」

 

「それは分からない…穢れ騎士の行動は全く分かっていないんだ。」

 

「そんな……兄貴をあんな風にした奴をこのままにして良いのか!?」

 

「《……》」

 

ヤトウ達は黙り込んでしまう。その事にイラついたランスは壁を叩く。

 

「……クソッ!」

 

誰もが静寂に鎮まると、アーサーが目を覚ます。

 

「あれ?皆んな…」

 

「《主君!/アーサーさん!/兄貴!/アーサーお兄ちゃん!》」

 

皆んなはアーサーを心配する。フェリスは熱で倒れかけたアーサーをヤトウとリュウが家まで送ってくれた事を話してくれた。

 

「そっか……俺、高熱で倒れかけたんか…。ヤトウ、リュウ…ありがとう。」

 

「人として当たり前な事をしただけです。それにもし貴方の身に何かが起これば…」

 

「良いんだよ。ただの熱だったし、安心しろよ。」

 

「し、しかし…」

 

「まぁ主君がそう言ってるんだ。ヤトウ、落ち着けよ。」

 

「リュウまで…」

 

「それに…俺のやるべきことも思いついたしな。……なんか記憶が全部思い出したら、ちょっとはスッキリするな♪」

 

アーサーがそう言うと、彼の前にジュライとソフィアが入ってきた。

 

「アーサーよ…」

 

ジュライは気まずそうな表情をしながら二人共膝をつき頭を下げ始めた。

 

「えっ!!?なっ…皇帝陛下に皇后陛下まで!?」

 

「此度の件 並びにトリト村と超星寮の悲劇は全て我が息子であるユーティスによる…もの。

 

「息子が……大変なご迷惑…をおかけ致しまし…た」

 

ジュライとソフィアがアーサーに謝罪する。

 

「あぁ、そんな!あなた方は悪くありません!!?」

 

「だからと言って自分達には関係ないと開き直ることなど出来…ない!君がユーティスから受けたもの…が怒りや悲しみなどと言った…言葉で括れるものではないこと…は重々承知して…いるなのに…頭を下げる以外……出来ることが……ない!」

 

「皇帝陛下……皇后陛下……。と…とにかく頭を上げてください、そんな事を言い出したら俺も似たようなものだ。俺だってユーマ…ユーティスと長い時間過ごしたのにアイツの本性を見抜けなかった。そもそも俺が12年前にちゃんと…倒していれば……今、こんな事態になってねぇ…。」

 

「…そう言って貰えると胸が少し軽く…なる…。アーサーよ…不躾を承知で頼みが……ある。」

 

「?」

 

「“バカ息子であるユーティスと兄であるジュリオを葬ってほしい”……」

 

「っ!?」

 

「ユーティスの件は分かっているかもしれない。ジュリオは完全にエンブリヲに魅入られてしまった。彼の行いはノーマ達を完全に根絶やしにする事。斑鳩家や飛鳥家の持つ平和を愛する思いが影で染まった偽善者になる。君が助けた君達に飛んだ無礼な事をしてしまった……心から…謝罪する。」

 

「皇帝陛下…」

 

アーサーは慰めようとするとそれを聞いていたランスが怒鳴る。

 

「ふざけるな!!あんた達が…あんた達がそのエンブリヲに従うせいだろうが!!そのせいでミントは存分に怖い目にあったんだぞ!!慕ってくれた友達が俺たちの妹を連行させようとするわ、守るべき親はいない、親戚も敵になってしまうわ…俺たちを助けてくれたアーサーの兄貴の友達をアンタ達の一族が弄ぶ!俺は…アンタ達一族を…許さないぞ!」

 

「ランス!」

 

クレインが止めると、ランスは舌打ちし、部屋に戻る。

 

「責任者として少し謝罪する。あなた方の件…謹んでお受けします。」

 

三人の意見が一致する。

 

「アーサーさん……」

 

フェリスは無理をするアーサーを心配する。

 

 

 

 

 

 

 

静寂な夜、アーサーはユーマの事を考えていた。

 

 

【君の罪は……真に“強くなる”と言う覚悟がなかった事だよ。】

 

 

ユーマから放った罪の言葉に胸を抑えるアーサー。アーサーは起き上がり、庭園に生えてある桜を見る。

 

「トリト村にも、桜の花が咲いていたな…」

 

雲に隠れていた月が現れ、月光がアーサーを照らす。

 

月光が照らす廊下、フェリスがアーサーを心配しているのか様子を見にきた。

 

「?」

 

フェリスは庭園に何かがいる事に気が付き、そっと覗く。

 

「あ…」

 

ミントがそれに驚く。月光によって煌く神々しい純白の体、 白銀に光輝く翼、神秘的に煌く蛋白石の瞳を持つドラゴンであった。

 

「なんて綺麗なドラゴン……でも…」

 

そのドラゴンを見ると血の様な赤い涙を流していた。するとドラゴンが何かを察知したのかフェリスの方を向く。フェリスはドラゴンに腰が抜けてしまう。ドラゴンがゆっくりとフェリスに近づいて来る。

 

「あ…ああ…!」

 

ドラゴンの鋭い瞳がフェリスを睨む。

 

「い……いや…!!」

 

『大丈夫か?』

 

「…………え?」

 

ドラゴンから突然喋り出した事に茫然する。するとドラゴンの体が光り出し、アーサーへと戻った。

 

「フェリス?」

 

「……アーサー…さん?」

 

フェリスは茫然しながらも、震えながら月が見える廊下に座り、フェリスが入れてくれたお茶を飲みながら説明する。

 

「アーサーさん…その……あの姿は?」

 

「何処まで見てた?」

 

「え!?…いえ、その……月を見ながら赤い涙を…」

 

「そっか……。この姿ね…12年前の悲劇で得た姿みたいな物なんだ。」

 

アーサーは説明しながら右腕の鬼の籠手をフェリスに見せる。

 

「触っても良いですか?」

 

「……良いよ。」

 

「襲ったり、爪で切り裂いたり、噛み付きはしませんか?」

 

「……しない。」

 

フェリスは唾を飲み込み、勇気を出して醜い右腕に触れる。ゴツゴツとした肌ーーーまるで鰐の様な鱗と鮫の様なザラザラした肌、オレンジや赤く輝く鬼の面が炎の様に燃え上がる大鬼であった。

 

「痛くないのですか?」

 

「全くない。元々俺の右腕はトリト村で起こった日に穢れボスキートへとなってしまった友達に喰われたからな……腕も失くなって、超星寮の皆んなが一人…また一人穢れボスキートにされていって…それでも最初はユーマ…ユーティスを止めないと皆んなを戻さないとって思ってたんだけどな。結局…最後は俺も皆んなと同じように穢れボスキートの洗礼を受けてしまった」

 

【どんな姿になろうとも僕らはずっと友達だろう…?】

 

「でも俺も…ユーティスにも理由は分かっていなかった。何故、俺だけが穢れボスキートにはならずに“力”を自分のものにする事が出来た…。それがユーティスにとって俺が求めていた“実験の結果”であり成功作だったって訳だ。あとはまぁ……大体ヤトウ達の言っていた通りだ……」

 

「あのドラゴンの姿も…?」

 

「……うん。あれは力の暴走で得たものなんだ。あの姿で俺はユーティスに勝てた。けど……」

 

アーサーは涙を流しながら、話す。

 

「代償は大きかった…気が付けばマイラ以外生き残りはいなくなって、育ての親であるおじさんとおばさん…おばさんのお腹の中には赤ちゃんがいたが、穢れボスキートとなってしまったおばさんを身篭ったまま殺してしまった…自分の犯した罪とか自分の罰…自分の弱さを恨まなかった日は……ないなぁ…」

 

「ア……………!」

 

フェリスも涙を流しながら、アーサーの悍ましい右腕に優しく触れる。

 

「?」

 

するとフェリスがアーサーの右手を自分の頰に触れさせる。

 

「弱く醜く穢れても……私達は貴方様に助けられました。記憶を失っても…候補生の方々を忘れても…貴方様は十分にお強い…」

 

フェリスはそう言いながらアーサーを抱きしめる。

 

「大泣きしても良いのですよ…」

 

「…………!!」

 

「アーサーさんは12年ものの苦痛を味わっていたのですから…」

 

「………う…うう…!!」

 

アーサーは大粒の涙を流す。フェリスは心の中で思う。

 

「(私は…アーサーさんが好きです。愛しています……例え貴方に運命の人がいるかもしれない。それでも私は貴方を愛し続けます…貴方に助けられたあの日から…)」

 

フェリスは叶わぬ恋を抱き、泣き崩れるアーサー を優しく撫でるのであった。

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