翌日、アーサーは病練に入院しているライドとエクエスの見舞いに来た。二人がいる部屋にはトウジ達も来ていた。
「本当に大丈夫か?」
「大丈夫だって!見ての通りどこも以上もない!」
「とか言って一番無理するだろ?」
「何んだと!」
元気な二人を見てアーサーは安心する。
「でも無理はするなよ、穢れボスキートはかなりの呪力とトライブの力を吸われるからな…下手でもしたら体が消滅して、衣服だけ残ってしまうからな。」
「確かに…お前がこれを普通に使えたのは驚いたな。てか、こんなヤバいものをユーティスはどうやって手に入れたんだろう?」
「分からない…いつ何処でどうやって知って覚えたのか。……待てよ?」
アーサーが突然立ち上がり、深く考える。
「どうしたんだ?」
「……“内通者”」
「《え?》」
「もし、クラウドブルースの中に……内通者がいたら?」
「《……!!》」
ライド達はその事に驚く。確かに辻褄が合う…彼が一体どうやって、厳重封印していた邪法を持ち出したのか。
アーサーは早速クラウドブルース本部の人達に事情聴取をする。
・彼がここへ来たのが6歳頃であった。
・妙にトライブの元である四大元素や陰陽師の呪力を学んでいた。
・7歳頃にクラウドブルースを出て行き、超星寮へ転校した。
三つのヒントを頼りに、アーサーは庭園の湖のほとりで考える。
「さて…本題はここからだ。どうやって得たのか……妙に一致するのはこの二つのヒントだ。」
・妙にトライブの元である四大元素や陰陽師の呪力を学んでいた。
・7歳頃にクラウドブルースを出て行き、超星寮へ転校した。
「多分、この二つのヒントの間に盗んだ……だがどうやって。」
アーサーが深く考えていると、昼食のおにぎりを持ってきたフェリスが覗く。
「何を深く考えているのですか?」
「ん?ユーティスがどうやって穢れボスキートの方法を入手したのか。厳重に封印されていた部屋からドアも開けずに取るっていうのは……相当なやり方をしたんだろう。」
アーサーは部屋の見取り図を調べながら、おにぎりを食べる。するとフェリスがあるものを指す。
「これは?」
「それは式神を使った監視カメラ。それで厳重封印している穢れボスキートを映していたけど、途中で画面にノイズが出て見えなくなったんだ。その数秒後に直ったら穢れボスキートがなくなっていたんだ。」
「……そのカメラに何かあるのでは?」
「かも知れないんだ……」
アーサーは熱心に考えていると、フェリスがアーサーの頰に指先を付ける。
「?」
「頰にご飯粒がついていましたよ。」
「あ…」
フェリスの指先にアーサーの頰についていたご飯粒がついていた。
「ごめんな、せっかくの握り飯を粗末に…」
パクンッ♪
「……え?」
「……“頑張ってくださいね♪”」
フェリスの満面な笑顔にアーサーは頰を赤くする。
「…………///」
数十分後ーーー熱心に考えていると、机の上のある物に気がつく。
「ん…?」
机の上にある物…それは手紙であった。
「誰のだ?」
アーサーは手紙の封筒を開け、手紙に書かれている文を読む。
“拝啓 アーサー様にこの手紙を内容を書きました。
君は「過去」「現在」「未来」”を掴んでみたいと思わないか?
罪悪な過去、今の自分を成し遂げようする現在、また一歩前進する未来、それぞれの力と…「愛」「希望」「勇気」を構成要素を象り、【王】の異名を持つ龍は君を選ぶ。君は特別だ…。私は彼女と共に君を待っている……“崩壊者”より。
謎の手紙を送ったのはヤトウとリュウが言っていた“崩壊者”と名乗る者からだった。すると手紙と一緒にある写真が出てくる。アーサーはそれを拾い上げ、見る。
「何で……俺が?」
どこか知らない施設、そこに写っていたのは四人の男女であった。右側の片目が汎用眼帯で覆われたアーサーに黒髪の青年が金髪の美少女と金髪の少年の肩を組んで写っていた。
「て言うか……何で俺が写ってるんだ?それにこの黒髪の青年と金髪の美少女……(『黒髪の方はスゲェイケメン』だし、『美少女はセクシーで抜群な巨乳で可愛い』なぁ…それに…この『金髪の少年』……何処かで見たような…)……う!」
突然と頭痛が起こり、目の前の光景が変わる。どこか知らない洞窟、写真で見た黒髪の青年と金髪の美少女、黒き鋼の巨神、先端部が巨大なドリルを搭載させた戦艦、紅き騎神、そして…洞窟の奥深く、天井や壁、床一面が凍てつく氷で覆われており、その中にある物が眠っていた。金色に輝く黄金の鱗に覆われた体、腕の代わりに巨大な一対の翼、二本の尾、そして三本の首を持つ途轍もなく巨大な竜であった。のすると黄金の竜が閉じ込めていた氷が割れ、黄金の竜が3本の首を伸ばし、目覚める。
《グルルルルルルッ!!!!》
黄金の竜はどう言うことなのか左右が四つずつある野獣の如く鋭い瞳で睨み、唸り声と出しながら牙を向ける。
「(……え!?何でこっちを睨んでるんだ!?)」
《ピィッギャアアオルルルルルルルオオオオオオオオオオオンッ!!!!!!!》
黄金の竜が咆哮を上げると黒髪の青年が前に出る。
『ライフリンク!』
すると黄金の竜が光輝き、黒髪の青年を包み込んで姿を変えた。黄金の装飾、白金に満ちた関節部、金色と純白の装甲を身に纏い、両肩と胸部が三つ首の竜の頭部を模していた。腰部からスカートマントのような八基のパイルが関節部無しで浮遊し、頭部のスリットアイが翠に輝き、声を上げる。
「颯爽登場!」
背部から黄金に輝く一対の翼と白く美しい天使の翼が四枚も現れ、大きく広げる。黄金の機体は胸部にある三つの結晶体から白く光り、水のように透き通った腕を出し、金髪の美少女へ手を差し伸べる。
金髪の美少女は近づいて来た腕の手に乗る。すると金髪の美少女の服装がクラシカルで美しいウェディングドレスに変わる。金髪の美少女は真ん中の水晶体の中にいる黒髪の青年に飛び移り、お互いキスをする。二人は笑顔で満ち溢れると、黄金の機体の手から黄金の装飾と純白に満ちた二丁のライフルと両サイドから黄金の装飾と純白の鞘に収めた二本の剣を装備し、パイルから粒子を放出する。
『さぁ!俺達のウェディングロードを作り、アーサーを助けるぞ!』
『はい!』
『行こう!“魔王”!』
《ピィッギャアアオルルルルルルルオオオオオオオオオオオンッ!!!!!!!》
両肩と胸部の『魔王』と名乗る部分が目を光らせ、咆哮を上げる。純白の天使の翼と黄金の竜の翼を広げ、洞窟の天井を破壊しながら地上へと出ると、目の前が真っ白になり、覚醒する。
「っ!?」
アーサーが目を覚ますと、窓に映る夕陽がアーサーを照らす。
「夢?(にしてはあの男…俺の名前を言っていたな。)」
アーサーはそう考えていると、一階からフェリス達が夕御飯が出来たと呼ばれ、食べに下りていくのであった。
同じ頃、どこか知らない異空間……全面が黒で染まったその間でモルドゥレイスが間の奥にいる者に伝える。
「……【父上】」
間の奥にいる者……自動移動する事が出来る車椅子に座り、人工呼吸器をマスクと仮面を身につけており、さらには左腕が異様な金属でできた義手をした全身焼けただれた老人が現れる。
「モルドゥレイスよ……お前も感じたのか?」
「えぇ……崩壊者とその妃がこの地に舞い戻って来たのを感じました。」
「……フフフ。」
「何故、笑うのですか?」
「嬉しいのだ…私をこの様な姿に至らしめ、持てる力の全てを奪った三人を。前に未来などない、我が怒りを存分に思い知るがいい……!」
「……(父上…【Father・X】とも在ろう貴方が、何故そこまで三人を?)」
モルドゥレイスはそう考えていると、謁見の間にユーティスが来る。
「Father・X……僕の“恩師”…」
ユーティスは拳を自身の胸に当て、膝まづく。
「そのままで良い…ユーティスよ。」
ユーティスは立ち上がり、Father・Xは見る。
「恩師…僕を呼んだのは?」
するとFather・Xは懐からある小さな水晶玉を取り出す。
「これは?」
「人の業を集める為の物だ…私や君の計画でもあるからな。」
「ありがとうございます。貴方様の計画の為に!」
ユーティスは拳を胸に当て、謁見の間から去る。
「(……もう直ぐだ。我の積年の怨みが、完遂する!!!!)」
Father・Xの目が赤く染まると、カーテンの奥深くから不気味な咆哮が聞こえて来た。稲妻が光り、カーテンの中にいる巨大な影を照らす。黒と黄金の鱗に覆われた体、腕の代わりに巨大な一対の翼、二本の尾、そして三本の首を持つ途轍もなく巨大な4本足の竜であった。竜はFather・Xと同じ赤い目を光らせ、Father・Xの背後で神々しく居座っていた。