丁度その頃、アーサーはある夢を見ていた。煉獄の炎に包まれたミスルギ皇国。炎の中、ミスルギ皇国の紋章に一つの巨大な影が通り過ぎると、それは現れた。無数にいる穢れ騎士達が次々と上空で爆散していき、影が一機の頭部を掴み上げる。すると右腕に浮かぶ鬼が嘲笑いながら変異し、巨大な騎兵槍へとなった。影は背後から襲うとする穢れ騎士達を背中に生えている触手で払い飛ばしたり、触手の先端にある鏃状の槍からレーザーを発射する。影は巨大な騎兵槍を構え、穢れ騎士に突き刺した。
【“外使徒”…数多の世界を破壊し尽くす天使が!!】
すると炎が一気に燃え上がり、影を照らす。それは異形な姿へと変異した紅き騎神であり、コックピット内全てが触手と薄い皮膜、粘液状の物質で覆われた繭と化しており、その中に眼帯をしたアーサーがいた。さらにアーサーの腕には黒無垢を着た花嫁姿のフェリスの亡骸を抱え、怒り声を上げる。
《全てを……壊すっっ!!!!!!》
両目から血の涙を流すアーサーはフェリスを抱きかかえ、ミスルギ皇国、ガリア帝国、エンデラント連合、ローゼンブルム王国、マーメリア共和国、ヴェルダ王朝、アルゼナル、アウラの都、クラウドブルースの全てを煉獄の炎で焼き尽くしていく。
《何もない…何もいらない。“フェリシア”がいない世界なんて……滅んでしまえぇぇえええええええええ!!!!》
余りの事にアーサーは悪夢から覚醒する。
「何だ……今の?」
未明の3:42…夜明け前の寝室。額に寝汗をかいたアーサーは起き上がり、浴場へ向かう。それと同時に隣の寝室で寝ていたフェリスが物音に気づき、アーサーが浴場に向かっている姿を見る。
「アーサーさん…?」
浴場のシャワーで汗を流すアーサーは夢の事を考える。
「【外使徒】…何だろう、あの姿……前にも何処かでなった事がある……それも“一度でもない”様な…」
アーサーがそう考えていると、後ろの戸が開く音が聞こえてきた。
「ん?……ブッ!!!!????」
何とそれはフェリスであった。タオルで大事なところを隠しながら顔を赤くしていた。アーサーは慌ててフェリスから目を晒す。
「な!?何でフェリスが!!?」
「その…私も寝汗をかいてしまって…///隣…良い?」
「……いっ、いいよ(うわぁ!フェリスの…美乳で巨乳だ!)」
アーサーはおどおどする中、フェリスは頰を赤くしながら風呂に入り、アーサーの隣に近づく。
「う…流石にこれはやばい。フェリス、やっぱり俺上がるよ…」
「あ、待って!」
風呂から上がろうとするアーサーを止めようとフェリスが彼の手を掴む。っが、止めるどころかアーサーが足を滑らせフェリスの方へ倒れてしまう。
「っ!…大丈…はぁっ!!」
「え…?」
何と、アーサーがフェリスを押し倒した様な体制になっており、最悪な事にフェリスの身体を覆っていたタオルが剥がれ、彼女の豊満で形の良い胸と無防備で肉体、さらには下の方では女体の神秘である“あれ”が見えていた。
「が…が…!」
アーサーはあまりの絶景と言うより光景に目を回し、フェリスの胸へ倒れ込んでしまう。
「え!?」
数分後、アーサーは目を覚ます。
「あれ?」
「よかった、気が付いて…」
フェリスの膝枕から起き上がるアーサーは風呂場から急いで出る
「……アーサーさん!」
「?」
「……“デート”しませんか、今から……///」
「……え?」
フェリスからの言葉にアーサーは驚き、フェリスとデートする事になった。
午前9時ーーー私服に着替えたアーサーとフェリスはクレイン、ランス、焔、ヤトウ、リュウ、ミントに留守を任せる。そして二人は商店街を歩いていた。
「「///」」
「「その/あの……///」」
互いに返事し合った事にアーサーとフェリスは頰を赤くする。だがこの時、二人の後を尾行する三人には全く気づいていなかった。
「ねぇ、もうやめようよ…」
怪しい人物の様な服装をしたマイラと彼女の行動に呆れ返っているライドとエクエスが双眼鏡でアーサーとフェリスの姿を覗く。
「ちょっと…あの二人まさかデートしてるんじゃ!?」
「まさか?だってアーサーにはサラって言う好きな子が「そんなのどうだって良い!」ゴブゥッ!」
「新たな恋敵……さらに増えたよ!!」
「「(もしかしてマイラ…アーサーの事ーーー…。)」」
ライドとエクエスはマイラの考えている事に呆れ変え、アーサーとフェリスのデートの後を隠れながら尾行する。
アーサーとフェリスは互いに服や髪飾り(フェリスは露出度が多いチャイナ服姿を見て貰うと、アーサーがフェリスの露出部分を見て鼻血を出してしまうハプニングを含めて)、和菓子や洋菓子、ランチを食べたりしていた。尾行していたマイラ達は呆れ返り、寮へと戻っていく。帰ろうとした時、アーサーがある事を思い出す。
「ちょっと待ってて」
「?」
アーサーは花屋で沢山の花を買う。
「行こうか」
「何処へ?」
「“皆んなが安らかに眠っている所”」
アーサーはそう言い、格納庫にあるフラドーラにフェリスを乗せ、雲の下へ降下し、トリト廃村へと向かう。
黄昏時に見れる夕陽、無残な廃村と化したトリト村、アーサーは花屋で買った花を先日アーサーが作り立て、ユーティスによって穢れボスキートへ変えられた候補生達の墓標の前に置く。アーサーとフェリスは互いに手を合わせ、祈る。
「皆んな…仇はとってやるからな。」
ーーー《回想》ーーー
「神との戦い…ってさ、本当に終わらせられるんだよな……?俺達がいた意味ってちゃんとあったよな……?」
「テッちゃん!」
「頼むな…あーさー…みんなの分も悪い神様をやっつけてくれよ…?へへへ…結局…俺、最後まで…あーさーにはひとつも勝てなかった……。生まれてきて…なりたいと思ったもの…やりたいと思ったこと……ひとつも……叶わなかったなぁぁ……」
「テッちゃぁぁああああああああああああんっ!!!!」
《テツジ……》
「外へは出られないし、ここもいつまでも隠れられる訳じゃないーーーそれに…このままじゃ…私も皆んなみたいに……悪魔に…」
「……」
「そうなる前に…ねぇ、アーサー……お願い」
「悪魔になって醜く生き続けるくらいなら、アーサーの手で祓い殺してくれた方がいいなぁ…」
「サヨリ…!」
「……っ」
「ちょ…サヨリ…?」
「嫌だぁ…嫌だよぉアァサァア」
「!?」
「死にたくないっ…死にたくない!死にだぐないよぉぉお!!もっと生ぎでだいよおおおおお…アーサーと一緒に大人になりだいよおぉおぉ〜〜〜〜!!!!」
「…あー…さー」
「ゴメンねアーサー…ありがと……」
《サヨリ…!》
「アーサーさん!?」
「ゴメン…やっぱり、俺には最強のトライブ使いにはなれない!俺が未熟者だったから…」
「!!」
「アリサ…シュン…ユキ…ムツミ…カツキ…ルリ…チエ…ロミオ…リク…リリー…スゥ…マコト…モモ…アラシ…シズク…ケイ…サアヤ…アレン…ディーンおじさんにマーサおばさん…そしてマーサおばさんのお腹にいた赤ちゃん……皆んな…俺が祓い殺したり、食い殺した。俺は人間じゃない……人間の言う通り……俺は【化け物】だ!だから……」
パァンッ!!
「……そんなこと言わないで、自分を責めないで!」
フェリスはそう言い、アーサーにキスをする。
「!?」
軽く口づけされて言葉が引っ込んでしまうアーサー。フェリスは呟く。
「私は覚えてる…警察官や検察官に追われ、囚われている私達を助け、家の無い私達を養い、家族として見守ってくれた。だから今度は…私やクレイン達が、アーサーさん……いいえ、呼び捨てで呼ばせてもらいます。私は…アーサーが好きです!愛しています!」
するとアーサーの身体が光り出し、白きドラゴンへとなる。
“こんな醜い俺でも……愛してくれる?”
「…はい」
“たとえ血まみれや、インゴの様な強姦魔みたいな怪物…人を殺めても…?”
「それでも…私はアーサーが好き!」
“…………”
「お願いかあります。私達の…家族になってください……」
“……フェリスの願い、俺も同じだ。フェリス…俺の家族になってくれ”
「アーサー…」
するとアーサーの身体が見る見るうちに変わり、ドラゴンの翼が生えた人間態へと変わり、翼の鉤爪から触手を伸び、触手から皮膜のような物が現れ、フェリスを優しく包み込みこみ、お互いトリト廃村に黄昏の夕陽が差し込む光の中、唇を重ねる。夜になり、二人は互いが求め合うように激しく、時には優しく合わせ、互いの身体を快楽で蹂躙していく。互いの唇と舌が絡み合い、互いの両手を握りしめ合う。それはまさに“美女と野獣”ーーー禁断の恋であった。
「何だろう……どこか懐かしく…何処かで会ったことがある。」
アーサーがそう考えていると、目の前の光景が変わり、睡蓮の花が咲く湖の水面の上に立っていた。っとアーサーの衣装も変わっていた…純白に満ちた祭服、背中には真紅に満ちた天使の翼が生えていた。さらにアーサーの目の前に漆黒に満ちた黒無垢の花嫁姿のフェリスが現れる。不気味な黒と赤の瞳が輝き、アーサーに近付き、耳元で囁く。
『私は……貴方様を愛している。“殺したい程”……』
虚無の中、アーサーの身体が光り出し、姿が変わっていくのであった。
「ここか、Father・X様が言っていた膨大なエネルギー波を放つ空域……ん?」
闇夜を照らす月光の彼方、雲の中からそれは現れた。両肩から2本ずつ、計6本生えている伸縮自在の触手、両腕(っぽく見える触手)には槍状の鋭利な手甲、部分的に発光する胴体、背中には甲羅のような外殻に加えて4枚の翼状の突起、頭部で光る三つ目が光り輝いていた。背中から生体エネルギーをジェット噴射し、触手から青白く、虹の様に光る皮膜のような翼を展開しながらジーダの方へ向かってくる。
「おい!何だあれは!?」
ジーダの穢れ騎士達が目の前に現れたUnknownに警戒すると、一人がUnknownのエネルギー波をスキャンする。
「何だこの膨大なドラグニウムエネルギー波は!?」
Unknownのエネルギーが増大に上がっている事に驚く。
「上がっている!?」
「まさか…こいつの身体と呪力そのものがーーーっ!!」
そしてレーダーやスキャナーがUnknownのエネルギーに耐えきれなく、測定不良を起こし爆発していく。
するとUnknownの触手の先端にある鏃状の槍から300万サイクルの超音波がジーダ達を襲う。
「うっ!!超音波だと!!?」
すると鏃状の槍の先端部が光り出し、光線を放つ。
「っ!旋回しろ!!」
二機は急いで回避できたが、残りの二機が光線直撃かと思いきや、機体諸共一刀両断した。
「レーザー兵器…?嫌!」
一刀両断された機体は爆発を起こし、墜落する。
「超音波を帯びた刃だと!?」
ジーダはビームバズーカを放ち、残りの二機の穢れ騎士のビームライフルをまともに受けるが、触手から展開されている皮膜がビームバズーカのプラズマエネルギーとビームライフルのビームを吸収する。
「エネルギーを吸収した!?」
そして槍状の鋭利な手甲から高圧電磁鞭が伸び、ジーダに向かってくる。
「うあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
その後…トリト廃村にUnknownが降り、アーサーへと戻る。洞窟内のテントの中で眠っているフェリスに近づく。
「?……アーサー?」
「あ、ごめん……起こしちゃったね。」
アーサーはそう言うと、首にかけていた物を差し出す。
「これ…?」
それは黒曜石でできた勾玉であった。
「俺の御守り。超星寮の焼け跡で見つけたんだ…子供の頃、どうしてそれを肌身離さず。御守りとしていたんだけど、記憶を失って忘れていたんだ。今の俺には必要のないもの…だからフェリスにあげる。」
アーサーは勾玉のペンダントをフェリスの首にかける。
「まぁその……綺麗で似合ってる///。だから…それを肌身離さず首に掛けてくれ。もし離れ離れになった時、それを握っていれば繋がっている様にも思うから……」
「わかった…これをアーサーと思うわ…」
フェリスは勾玉を握り、アーサーにキスをする。
だがこの時、山奥の中の一本杉、干からびて無残な姿へ成り果てたジーダが突き刺さっていた事を張本人であるアーサーとフェリスは知らずにいた。
すいません…なんか、エロス展開になってしまいました。そこで、小説のタグに『ヒロインはサラ』からサラ、フェリス、マイラを含む『ヒロインは多数』に変更しました。