クロスアンジュ トライブブラザーズ   作:マシンクーガー

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チャプター24 襲撃者

「シフト変更?」

 

アルゼナルでは、第一中隊の皆(アンジュ、ヒルダを除いて)が集まり、これからの計画をサリアが説明していた。

 

「今日はエレノア隊、明日はベティ隊へ編成になるの」

 

何故だか分からないが、すき焼きしながら説明を行っていた。ヴィヴィアン達はすき焼きの肉を取ると、エルシャが後から肉全部を取る。説明していたサリアは肉が取れなく、ネギを頬張る。次にロザリーが脱走したヒルダの事を言う。

 

「脱走犯のせいで、こっちは暇だからなぁ」

 

「二度と出てくるな…」

 

「!?」

 

ロザリーの隣に座っていたクリスが毒舌し、ロザリーは引きながら頷く。

 

一方、反省房の方ではモモカがお弁当が入っているバスケットを警護官と話していた。

 

「お願いです!どうかこれをアンジュリーゼ様に!きっと粗末な物を口にされていないはずです、どうか!どうか!」

 

「腹減った…ま、ダイエットと思えばいっか。」

 

「それよりもお風呂よ。今日で何日?」

 

「一週間」

 

「通りでそんな臭い…」

 

「アンタも同じ臭いだよ。」

 

「贅沢言わないから、せめて水浴びでもしたいわ。」

 

 

その頃、第一中隊の隊長のサリアはアルゼナルの上部で何やら花を集めていた。

ある程度集め終えたサリアが紐で花の枝を結ぶ。

 

「あ~、サリアお姉様だ」

 

サリアが呼ばれた方を見ると、幼年部の子供たちとその担当員が居た。

 

「サリアお姉様に敬礼~」

 

子供たちがサリア達に敬礼をし、サリアも子供たちに向かって敬礼をして、子供たちは「サリアお姉様綺麗~」「おっきくなったら第一中隊に入る~!」とそう言って去って行き。担当員も挨拶をして子供たちの面倒を見に行った。

そんな中でサリアは幼い頃の自分を思い出す。自分もかつては当時司令官ではなかったジルの様になりたいと幼い頃からの夢であった……。

 

『私、絶対お姉様の様になる~!』

 

昔の事を思い出しつつも、サリアはそのまま墓地へと向かう。

 

そしてその場にメイも居た。

 

メイの前にある墓にはこう書いてる。

 

【Zhao Fei-Ling】っと…。

 

サリアはメイの元に来て、結んだ花を出す。

 

「これ、お姉さんに」

 

「毎年有難う、サリア」

 

メイがサリアに花の礼を言い、サリアは墓に花を置く。サリアは立ち上がって微笑みを浮かべていて。

それにメイが問う。

 

「どうしたの?」

 

「幼年部の子供たちに、お姉様って呼ばれた。私…もうそんな年?」

 

「まだ17じゃん」

 

「もう17よ…、同い年になっちゃった…『アレクトラ』と」

 

誰かの名前を言うサリアは昔の事を再び思い出す

 

 

10年前……。

 

 

アルゼナルの海岸に、後部から煙を上げるヴィルキスが降下して来た。

ヴィルキスはそのままアルゼナルの海岸に着地する、そしてそこに乗っていたのは当時メイルライダーとして戦っていたアレクトラであるジルだった。

 

「アレクトラ!!」

 

そしてアレクトラの元に、当時司令官であったジャスミンがと部下のマギーと一緒に部下もやって来た。

ジャスミンはアレクトラの右腕が無い事を見て、すぐにマギーに命令する。

 

「マギー!鎮痛剤だ!! ありったけの包帯を持ってこい!!」

 

「い!イエス・マム!!」

 

その様子を上のデッキにいる、まだ当時幼かったサリアとメイが居た。

 

「あれは…お姉様の?」

 

サリアが見ている中で、ジャスミンはアレクトラをヴィルキスから下ろす。

 

「しっかりしろアレクトラ! 一体何があった!?」

 

ジャスミンはアレクトラから事情を聞く、しかしアレクトラはある者からメイに伝言があると言うばかりであった。

それを却下するジャスミンは何があったかと事情を問う。

 

ところがアレクトラは突然ジャスミンへと謝る。

 

「ごめんなさいジャスミン、私じゃあ使えなかった…。私じゃあ…ヴィルキスを使いこなせなかった…!!」

 

っと涙ぐんでジャスミンに謝り、それにはジャスミンは何も言えなかった。

 

「そんな事ないよ!」

 

そこにメイとやって来たサリアが居て、サリアはアレクトラの弱さを否定し、最後に「わたしが全部やっつけるんだから!」とアレクトラに向かって言う。

アレクトラはそれにサリアの頭に手を置いて撫でる。

 

 

―回想終了―

 

 

「全然覚えてないや」

 

「仕方ないわ、まだ3だったもの」

 

サリアは当時3歳のメイに覚えてない事に仕方ないと言い、メイと共に墓地を離れる。

っがサリアはこの時に思った。その時から数年がたち、司令となったジルはサリアにヴィルキスの搭乗を許さない事にかなり不満感が抱いていた。

 

アンジュに出来てサリアに出来ない事は何か…。

サリアは格納庫に付いて、ヴィルキスを見る。

 

「(一体私に何が足りないの…? アンジュと私に一体何が違うって言うの…? …あの子に…ヴィルキスは渡さない!)」

そして同時にアルゼナルの司令室、レーダーに何かをキャッチした。

 

「これは…シンギュラー反応です!」

 

「場所は?」

 

ジルが出現地を特定しろと命令を言い、それにパメラが急いで特定する。

 

「それが…アルゼナル上空です!」

 

何と出現場所はアルゼナル上空、そしてアルゼナルの上空にゲートが出現し、そこから大量のドラゴン達が現れる。

 

「スクーナー級、数は…20…45…70…120…、数特定不能!」

 

「電話もなっていないのにどうして?!」

 

エマが司令室に到着して、電話が鳴らなかった事に疑問を感じていた。しかし今はそんな事を考えてる場合ではない。

ジルはするに基地全体放送で、アルゼナルの皆に言う。

 

「こちらは司令官のジルだ、総員第一戦闘態勢を発令、シンギュラーが基地直上に展開、大量のドラゴンが効果接近中だ。パラメイル第二、第三中隊全機出撃。総員白兵戦準備、対空火器重火器の使用を許可する、総力を持ってドラゴンを撃破せよ」

 

その放送を聞いて、食堂に居たエルシャ達やアルゼナル内にいる者達は直ぐに武器を持って格納庫へとむかう。

 

そしてアルゼナルの対空火器が展開して上空に居るドラゴンを撃ち落として行く。

しかし数が多いのか一向に数が減って行かない。そして一体のドラゴンが司令室へと向かって行き、そのまま突っ込んでいく。

 

パメラとヒカルは慌てて離れて行き、ドラゴンは司令室へと突っ込んだ。

 

「ひっ!!」

 

エマは怯えながら後ずさりをするも、ドラゴンは吠えた時に瞳のハイライトが消えて、マシンガンを構える。

 

「悪い奴…死んじゃえ!!」

 

そのままマシンガンを撃ちまくり、辺り構わずばらまいていく。それもその筈今の彼女は意識が飛んで行ってしまって暴走している状態なのだ。

それにジルはエマに手刀で首を打ち、気絶させて、マグナムを構えドラゴンの頭部に撃ちこみ、それによりドラゴンはそのまま絶命する。

 

すぐさまパメラがコンソールを調べる。

 

「司令!通信機とレーダーが!」

 

「…現時刻を持って司令部を破棄、以降通信は臨時司令部にて行う」

 

「「「イエス・マム!」」」

 

 

 

 

その頃格納庫で、エルシャ達は侵入してくるドラゴンを撃退していた。

 

「大分減ってきたね」

 

「エレノア隊とベティ隊に感謝ね」

 

「アタシ等の分も稼ぎやがって!…?」

 

突然ロザリーとクリスは不思議な光景を見る。

それはドラゴン達が突如アルゼナルから離れて行く光景が目にして、それにヴィヴィアンが指をさす。

 

「あれ? 逃げるよ?」

 

「どういう事でしょう?」

 

ココがドラゴン達の行動に疑問を感じる中、反省房の中にいるアンジュとヒルダはその中である物が聞く。

それは物と言うより・・・。

 

「何だ…?」

 

「…歌?」

 

そして上空に居るドラゴン立はゲートの回りを飛び回ると、そのゲートから三機のパラメイルがゆっくりと降下してきた。

その内の一機の紅いパラメイルはヴィルキスと同じ間接部が金色のパラメイルであり、そこから歌が流れていた。

 

「♪~♪~♪」

 

その光景を臨時司令部にいるジルが双眼鏡で見ていた。

 

「パラメイルだと…」

 

同じ様にアルゼナルの上空で戦っている中隊の隊長のエレノアもその機体に目を奪われる。

 

「何こいつ? 何処の機体?」

 

皆が見ていると、その機体がいきなり金色の染まり始め、そしてその両肩が露出展開し、そこから光学兵器が発射されてそれにエレノアを含め第二中隊、ベティ隊の第三中隊の数名を含むメンバーは塵に変えた。中隊を消し去った光学兵器はそのままアルゼナルに直撃し、強烈な光が包み込む。

 

サリア起き上がり、目の前の光景を目にする。

そこには半分ほど削られたアルゼナルを目にした。それをチャンスとしたドラゴン達は一斉に向かって行き、サリア達はすぐに体制と整えてライフルを構える。

 

 

一方、独房に居るアンジュとヒルダは先ほどの衝撃で体制を崩していて、頭を押さえながら立ち上がって来る。

 

「いった〜!?」

 

「一体何が?」

 

ヒルダは外を見渡そうとすると、目の前にある物が来る。それは突っ込んで来たドラゴンだった。

 

「い!?」

 

ヒルダは慌ててその場を離れると同時にその場所にドラゴンが突っ込んできて、そのまま檻を突き破って死んだ。そしてそこにモモカが急いで来た。

 

「アンジュリーゼ様〜!ご無事ならお返事を〜!」

 

「モモカ!」

 

「開錠!」

 

モモカは扉の鍵を開錠し、アンジュとヒルダを解放する。

 

「助かったわ!モモカ」

 

「いえ、そんな…!」

 

するとモモカは鼻をつまむ。そう今の二人の体には一週間も風呂に入っていない程の体臭を放っており、流石のモモカもその臭いには耐えれなかった。

 

「モモカ?」

 

「いえ!何でも」

 

「誰よ!こんな事したの!」

 

「「え?」」

 

「せっかく帰ってきたのに!」

 

「パラメイルとこ行きゃ分かるだろ?」

 

「急ぎましょう!」

 

「その前にお風呂に!」

 

「あ!そうね」

 

「んな事言ってる場合か!!」

 

アンジュ達は急いでパラメイルがある整備ドックへと向かう。

 

 

 

謎のパラメイルの光学兵器の攻撃で、戦場の戦況は変わり始めていた。

 

「第二中隊全滅! 第三中隊!隊長以下ロスト!」

 

パメラの報告を聞いたジルはすぐさま次の指示を出す。

 

「残存部隊を後退!指揮系統を第一中隊のサリア達に集約。サリア達を出せ!」

 

「了解!」

 

パメラはすぐに通信し、ジルは上空のパラメイルを見ながら思った。

 

「(あの武装…まさかな…)」

 

そして格納庫内でドラゴンと戦っているサリア達に命令が下る。

 

「了解! 皆!パラメイルに騎乗!」

 

「「「イエス・マム!」」」

 

サリア達が自分達のパラメイルに搭乗している中で、その時にジルからサリアに通信が来る。

 

『サリア、もう説明しなくても分かってるな?』

 

「はい」

 

『それと、アンジュを原隊復帰させろ。』

 

その事にサリアは重い表情をする。

 

『ヴィルキスでなければ、あの機体は抑えられん。アンジュを乗せるんだ。』

 

「だったら…私がヴィルキスに乗って出るわ!」

 

『黙れ!今は命令を実行しろ。』

 

その事にサリアは思わず反論する。

 

「お願いです!司令!!」

 

『黙って命令に従え』

 

そう言い残してジルは通信を切る。それにサリアはどうしても納得が行かなかった。

 

「どうしてよ…ジル。(ずっと…ずっと頑張って来たのに…! なのに!)くっ!!」

 

するとサリアはアーキバスから降りて、ヴィルキスの方に向かい。それにメイが思わず振り向く。

 

「サリア!!」

 

サリアは二人の静止も聞かずにそのままヴィルキスに搭乗して皆に言う。

 

「サリア隊!出撃!!」

 

「「「イエス・マム!!」」」

 

デッキから発進したヴィルキスを含むパラメイル隊はドラゴン迎撃の為に出撃する。

 

「うわぁぁ!!」

 

「皆んな!一旦撤退して補給を!」

 

「ここは私達が引き受けたなり〜!」

 

『は、はい!』

 

「ここはアタシ等が引き受けたなり~!」

 

エルシャとヴィヴィアンが残存隊にそう言って、その部隊は頷きながら撤退して行く。

臨時司令部では発進したのを確認する。

 

「第一中隊、出撃しました!」

 

「よし…」

 

ジルはパメラの報告を聞いて、無線機を取り話す。

 

「アンジュ、聞こえているな?。お前の敵はあの所属不明機のパラメイルだ、未知の大出力破壊を搭載している。注意してかかれ」

 

『分かっているわ、ジル』

 

っとその音声を聞いたジルは驚いた、何とヴィルキスに乗っているのはアンジュではなくサリアであった事に。

 

「サリア!? 何をしているサリア!降りろ!命令違反だぞ!」

 

『黙ってて!!』

 

それにジルはサリアの異変に気付く。サリアはハンドルを握りながら言う

 

「分からせてあげるわ…、私がアレクトラの代わりに慣れる事を!!」

 

っとそう言って通信を切り、それにジルは舌打ちをする。

 

「チッ、馬鹿が…(あれは『皇族』の者しか乗れんものだ!)」

 

 

そしてパラメイル格納庫に到着したアンジュ達は目の前の光景に驚く。

それはアルゼナルの外壁がごっそり抉られていたのと、ヴィルキスがない事に…。

 

「ない!?どうして!?」

 

「まさか!吹っ飛んだのか!?」

 

「違う!サリアが!」

 

「「「!?」」」

 

戦場ではサリア達がドラゴンを撃ち落として行く中で、サリアは単体で不明機のパラメイルへと向かう。っが出力が上がらない事にイラ立ちを現す。

 

「もっと!もっと早く飛べるでしょ!?」

 

その時にドラゴンがやって来て、それにサリアは追い払おうとヴィルキスで蹴る、だが逆に弾かれてしまい飛ばされる。

何とか体制を整えて、呼吸を整えながらもヴィルキスの性能に驚きを隠せない。

 

「嘘よ…ヴィルキスがこんなにパワーが無いなんて…(アンジュの時はもっと…!)」

 

サリアが戸惑っていると、ドラゴンがサリアに襲い掛かる。が、別の方から弾丸が飛び、ドラゴンを撃退する。するとヴィルキスから通信が入る。

 

『ちょっと!胸苦しい!』

 

『狭いんだから我慢しろ!』

 

「え?」

 

『アンジュ!』

 

『ヒルダちゃん!』

 

ヴィヴィアンとエルシャが呼んだ先に、アンジュとヒルダがヒルダの機体に二人乗りでやってきた。ヒルダはサリアに近づき、アンジュが声をかける。

 

「サリア!私の機体返して!」

 

アンジュはそう言い、目の前にいる敵機を睨む。

 

「アイツは私がやるわ!」

 

「私のヴィルキスよ!」

 

不明機と向かって行ったサリアはヴィルキスのライフルで攻撃するも不明機は遊んでいるかの様にかわす。それにはサリアは怒りが溜まる。

 

「馬鹿にして…!」

 

そんな時にジルの言葉を思い出す。

 

《アンジュとヴィルキスがなければ、その機体は抑えられん。》

 

「アンジュなんて…ちょっと操縦が上手くて、器用なだけよ!!」

 

《どんなに頑張っても出来ない者は出来ないのだ》

 

「違う!そんな事ない!」

 

それにサリアは否定するかのように頭を横に振る。

 

「そんなはずない! 誰よりも頑張って来たのよ!!私!!」

 

《無駄だ》

 

っと目の前に不明機が現れヴィルキスを蹴り飛ばし、海へと落ちて行く。

 

「追って!ヒルダ!」

 

「何する気!?」

 

「飛び移るわ!」

 

「はあぁ!?もう、アンタらしいか。突っ込むよ!」

 

ヒルダはアンジュの言う事に従い、落ちていくヴィルキスへ接近する。サリアはヴィルキスを動かそうとするも、反応がなかった。

 

「どうして動いてくれないの!?動いてくれないと…ダメなのよ。大好きなアレクトラの役に…立てなくなっちゃう…」

 

サリアは余りの悔しさに涙を流す。そしてヴィルキスの上にヒルダのグレイブが到達する。

 

「今だ!行け!痛姫!」

 

ヒルダの掛け声と共にアンジュはヴィルキスへと飛び移った。

 

「良し!」

 

アンジュは急いでヴィルキスの操縦桿を握る。

 

「無理よ…落下限界点を超えてる。このまま落ちるしか…」

 

「無理じゃないわよ!この機体なら!」

 

アンジュは操縦桿のアクセルを捻る。するとヴィルキスのモニターが起動し、サリアはヴィルキスがどうして動いたのかも分からなかった。海面ギリギリでヴィルキスが飛翔し、海水が二人を濡らす。

 

「サッパリしたわ!」

 

アンジュは海水で風呂代わりをし、ヒルダに通信を入れる。

 

「ヒルダ!」

 

『何?』

 

「落とすから受け取って!」

 

『はっ!?』

 

その事にヒルダは驚きを隠せず、そしてアンジュがサリアを放り投げた。

 

「うわわわああああ~~!!!!」

 

「ええ~~!!??」

 

ヒルダは突然の事に慌てて拾いに行き、何とかサリアをキャッチして後部に乗せる。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…、別料金だぞ!!馬鹿姫!!」

 

それにアンジュは笑みを浮かばせて、不明機を見る。

 

「じゃあ!やりましょうか!」

 

アンジュはヴィルキスを飛翔形態から駆逐形態へと変形させ、不明機へと向かう。不明機も右腕部に装備された伸縮式のソードを展開し、アンジュとの互角の戦いを繰り広げていた。

 

『スッゲ〜!』

 

ヴィヴィアンは二人の戦闘に思わずを声を上げる。不明機は腰部に装備していた銃剣型バスターランチャーを持ち、アンジュに目掛けて撃つ。アンジュはそれを舞うかの如く、光線を回避し、ラツィーエルを振る。不明機は銃剣で防御するが、蹴り飛ばされる。アンジュは不明機との距離を取る。

 

「♪〜♪〜」

 

すると不明機から綺麗な歌が響く。そして機体の色は赤色から金色へと変わり、両肩部が展開する。

 

「っ!?この歌は…!?」

 

不明機から奏でられる歌を聞くアンジュはそれに流れるかのように歌い出す。

 

「♪〜♪〜」

 

するとヴィルキスのモニターが光だし、天使のマークが表示する。それと同時にヴィルキスのバイザーが赤く光り、白から黄金へ変色、不明機と同じ、両肩部が展開し、破壊兵器の発射準備をする。それは近くにいるヒルダ達や臨時司令部のジルも目にする。

 

「あれは!?」

 

「「♪〜♪〜」」

 

ヴィルキスと不明機から一気に光学兵器の破壊光線が発射されて、同時にぶつけ合う。強烈な光が二機を包み込み、アンジュは目を開けると不思議な空間にいた。そして目の前に不明機が現れ、声が響く。

 

「何故偽りの民よ。真なる星歌を?」

 

不明機のコックピットが開き、中から美しく綺麗な女性が現れる。

 

「え?」

 

アンジュも負けず、コックピットから出てくる。

 

「貴女こそ何者!?その歌は何!?」

 

するとアンジュと美少女の回りにある光景が広がる、それはある服装や戦争をしているアンジュ達の姿をしていて、それにアンジュ達は目を奪われる。

っとその女性からの機体にある警報がなり、アンジュの方を向く。

 

「時が満ちる…か。」

 

少女はそう言い、コックピットの中へ戻る。

 

「あ!ちょっと!」

 

「真実は…『アウラ』と共に。」

 

アンジュが慌てて止めようとするが、不明機は生き残ったドラゴンと共に、特異点の中へと消える。

 

『未確認機、ドラゴン、共に撤退しました。』

 

「真実?」

 

アンジュは少女が言った言葉に疑問を抱き始める。そして臨時司令部ではジルがヴィルキスの事を考える。

 

「なるほど。最後の鍵は…“歌”か。」

 

ジルはその事を考えながら、タバコに火を付ける。

 

 

 

一方、サリアはヴィルキスの本当の力と自信がヴィルキスの継承者ではない事に、理解していた。

 

「(あれが本当のヴィルキス…ジルの言う通りだった。)」

 

「やれやれ、何とか終わったみたいね。」

 

ヒルダが落ち着いていると、サリアが抱き着いてきた。

 

「あ、アンジュと全然違う感触。」

 

「えぇ、違うわ。全然違った…。」

 

サリアは悲しそうな表情でヒルダに言う。

 

「ヒルダ…」

 

「今度は何?」

 

「……臭い」

 

「はぁ!!?」

 

ヒルダはサリアの言葉に思わず声を上げる。その後、ジルは不明機の破壊兵器によってえぐられたアルゼナルを眺めていた。するとジルの元にマギーがやってきた。

 

「散々たる有様ってやつだね。マズイ事になった…」

 

「これ以上にか?」

 

「プラントがやられた。」

 

「!?」

 

マギーが放った言葉にジルは驚く。そしてアルゼナル内ではヴィヴィアンが自分の部屋の有り様を見る。

 

「うわぁ!ひっど〜い!……まぁいっか!」

 

ヴィヴィアンはそんな事気にせず、ハンモックの上で横になる。

 

「アンジュ、綺麗な歌だった…にゃ〜……♪」

 

《どれだけ持つ?》

 

《分からん…だが。》

 

この後、ヴィヴィアンの身体に異変が起きている事をアンジュ達は知る由もしなかった。

 

 

 

 

 

その頃、アーサー達は家でのんびりしていたその直後、アーサーを含むオリヴァルト、シェレザール、クリストバル、セレスティア、ギル、キーラ、メナに異変が起こる。

 

「うっ!!?」

 

アーサーの頭に強烈な頭痛が襲い、それにアーサーは思わず苦しみ出す。

 

「どうしたの!?」

 

「頭が痛いっ!痛い!!」

 

アーサーは頭を抑えていると、オリヴァルト達も激しい頭痛に襲われ、倒れる。

 

「《うぅ…!!》」

 

「“ビ…ルキス”ッ!!!!」

 

「ビルキス?」

 

「呼んでいる!」

 

「え…?」

 

「呼んでいるっ!!…ビルキスがぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

アーサーの目が真っ赤に輝くと同時に、アルゼナルに格納されているヴィルキスのバイザーが赤く点滅し始める。

 

 

 

 

 

また別の方ではFather・Xとモルドゥレイス、ユーティスは目の前にあるカプセルの前にいた。

 

「ユーティス、それを貸せ。」

 

ユーティスはFather・Xから貰った小さな水晶玉を渡す。水晶玉には紫色に蠢く人の邪な力【マイナスエネルギー】が入っており、水晶玉を機械に入れる。すると水晶玉からマイナスエネルギーが解き放たれ、カプセルの中にいる巨漢の男に入っていく。

 

「最後は…」

 

次にFather・Xが取り出したのは先日のアーサーとユーティスの激闘によって採取できたアーサーとタスク、ライド、エクエスの血液が入った小さなカプセルであった。Father・Xはそれを水晶玉を入れた機械に嵌め込むと、四つのカプセルが移動し、カプセル内の注射器が起動し、巨漢の男の各部に刺す。

 

装置の電源を切る。するとカプセルが開き、中から巨漢の男が身体にバイオ液で濡れたまま起き上がる。

 

「“X”…気分はどうだ?」

 

Father・Xは男に問う。

 

「……俺は。」

 

巨漢の男は辺りを見渡す。

 

「君は12年前に…心が絶望と憎悪に染まったアルトリウス・コールブランドにやられ、瀕死の状態へと追い込まれた。そして今、君は蘇ったのだよ。」

 

するとXが鋭いサメのように並んだ歯を食い縛り、握り締めた拳を地面に叩きつける。地面に激しい亀裂ができ、Xは激しく呟く。

 

「アルトリウス…っ!!あの糞ガキャッ!!痛い目に合わしてやる!!!!」

 

怒り出すXを密かに見るモルドゥレイスとユーティス。

 

「(父上…まさかと思ったが、予想通りであった。コイツだけは世に放ってはいけない。当時のXは目的の為なら手段も問わない。さらには《インゴの将》とも呼ばれ、奴の頭は『酒』『金』『薬物』『戦い』そして『女』の事しか考えない。特に女の場合は何人も犯し、さらには女は喰い殺すと言う。世に放ってはならぬ怪物だ!!)」

 

「(あれがお師匠様の『最狂最悪の切り札』?見た目はただの筋肉だと思うが…)」

 

二人がそう思っていると、XがFather・Xに問う。

 

「っで、俺に捧げる“雌人間”は?」

 

「(出た、Xの悪い癖が…)」

 

するとXがモニターに表示されている物を見る。

 

「コイツは誰だ?」

 

「Father・Xがモルドゥレイスの妻を寝取り産ませた子らしい。」

 

モニターに表示されている人物ーーーそれはフェリスであった。Xは彼女を見て、不気味な微笑みを舌を舐めずる。

 

「……決めた。コイツは俺の女だ。」

 

「私の娘をか?」

 

「そうだ!ついでにアルゼナルにいる雌人間も!」

 

「フフフ…良かろう!好きなだけ捕まえて来い!但し!エンブリヲが必要とする該当するメイルライダーだけは捕まえるなよ…」

 

「(っ!!?)」

 

「(マジかよ…!?)」

 

Xは楽しげな笑い声を上げながら、彼の専用の邪星神『ダイロギアンX』を見上げる。

 

『Now! Hunting time! !』

 

Xの口角から線が現れると、口が耳まで裂け、サメの様に並んだ鋭い歯を噛みながら音を立てるのであった。

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