クロスアンジュ トライブブラザーズ   作:マシンクーガー

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では、どうぞ


チャプター27 再来訪

何処か知らない空間、その空間にある物が映る。燃え盛る炎が巨大都市を包み込み、無数のドラゴンや人の焼死体が転がる中、一人の青年が炎の中で光の剣を手に、全身血だらけの姿、左腕がないままで立っていた。

 

「केवल आप हैं ... बिल्कुल श्रीमान! !(お前だけは…絶対に許さん!!)」

 

アーサーに似た青年は上空を見る。漆黒の暗雲から光が漏れ射し込み、その中からこの世とは思えない生物の大群が現れた。半透明で、脳が透けて見えるクラゲ状の生物は二つの目を変形させ、不気味な微笑みを浮かべる。そしてクラゲ状の生物達が触手を変形させ、砲口へと変わり、ビームを撃って来た。ビームが大地を抉り、青年を巻き込む。

 

「पिता का और माता का, बहुत से हमवतन अफसोस करते हैं! मैं तुम्हें नीचे भुगतान करते हैं! !(父上と母上、多くの同胞達の無念!払させて貰うぞ!!)」

 

アーサー似の青年は剣を天に掲げる。すると黒き雲が天を先、そこから曙光がクラゲ状の生物達を照らし射し込む。眩い光と共に、雲の中から赤、紫、黄、青、緑、黒、白のパーツに分かれた鋼鉄のドラゴンと黄金に輝く三つ首の天龍、そして二体の龍と共に天空の彼方より来たれし白と黒、赤と黄金に満ち、光と闇を超越し機械の大天使、そして神を上回るその輝きがクラゲ状の生物達を眩かせる。さらに地面が大きく揺れ、地中から五体の機神よりも数百倍もある大きさを誇る巨大な要塞と全身が要塞だらけの巨大ロボット及び、数隻の艦隊が現れる。そして青年は剣をクラゲ状の生物に向け、叫ぶ。

 

「जब तक आप अपने जीवन को नहीं मार सकते, तब तक आप जीवन के भविष्य को जारी रखेंगे! !(命潰えない限り、命未来永劫に続く!!)」

 

宣言と共に艦隊から白く満ちた無数の機械天使や機械竜、白銀の龍神、戦闘機が発進され、クラゲ状の生物達を攻撃していく。緑色に輝くビームと青白く輝くビームが直撃、掠れる、避ける、二つの大勢力が激しくぶつかり合う。そして巨大なロボットが腕部を変形させ、数百メートルもある光の剣を放出し、クラゲ状の生物達を塵に変えるか如く、薙ぎ払っていった。するとクラゲ状の生物達の中から鳥のような化け物の大群とクラゲ状の生物達とは全く個体差が違く、人のような目を持つ巨大なクラゲ状の生物が舞い降りる。

 

「ガサボガ、マアガカ ンイウ、ダラウ……」

 

「आपकी महत्वाकांक्षाएं ... हमेशा पूर्णता के लिए तोड़! अनंत भविष्य, खुशी और सम्मान आपके पास नहीं आएगा! !(お前のその野望……必ずや完膚無きまで打ち砕く!未来永劫、お前に幸福や名誉は訪れないだろう!!)」

 

青年は地面に溜まっていた水たまりのようになっていた血に足で踏み込み、彼の流す血涙が滴り落ち、血の溜まりに“ポチャン”という音が鳴った瞬間、アーサー似の青年とクラゲ状の巨大な生物が攻撃を開始するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

白い空間、その奥に色白で黒髪、目の下と手の甲にある赤い文様と太陽を模したと思われる頭の飾りをしたこの世とは思えないとても綺麗で美しい女性が手から生えていた炎のような赤い模様をした翼で赤子をあやしていた。

 

「अचंभा…貴方は私達や他の人の未来を託す希望。」

 

すると女性は左手からアーサーと同じ模様が浮かび上がる。すると模様が緑に光、手から浮き出て赤子の左手へと移る。女性は悲しそうな表情で涙を流すと赤子の左手をなぞっていく。

 

「この力は…私達の先祖と一族から継承してきた大いなる力。時には【善】、時には【悪】と言う使い方がある。使うのは貴方次第、貴方に全てを託す…。」

 

女性はそう言い、赤子の額に優しいキスをすると、身体中傷跡だらけの男が現れ、赤子の頬を優しく触れる。

 

「……お前は愚かな下々の民や真の民の運命を救う救う希望であり、“奴等”にとってたった一人だけの“天敵”。」

 

男はそう言うと、別の方から侍女らしき女性が声をかける。

 

「閣下、大巫女様…そろそろ。」

 

「あなたにこんな宿命を託した私達を許さなくても言い。だけど、私達はあなたを遠くから愛して見守ってます……。」

 

「カレトヴルッフよ…息子を頼む。」

 

「“兄さん”…」

 

カレトヴルッフは男からカプセルに入っている赤子を受け取り、轟天号に乗り込むのであった。

強烈な閃光が目の前を照らされる。現れたのは正座した五人の仮面の者達であった。

 

 

 

 

“アーサーよ、我等はこの聖地にて待っているぞ…。偉大なる我等【凰帝】の一族の世継ぎ。”

 

 

 

五人はそう言うと、天の彼方から赤と白、黄金に輝く竜の人馬の騎神が現れ、咆哮を上げるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「うう……んんっ……。」

 

見知らぬ土地の廃墟で各部が破損しているフラドーラ。いつコックピットから投げ出されたのか、アーサーがその場で倒れていた。するとアーサーのポーチから黒い霊符と怪獣の銀色の外殻で覆われ、先端に翡翠色の水晶体が付いた杖が飛び出し、水晶体が光り始め、形を変えていく。現れたのはなんとトリト廃村で出会った少女 アケロンであった。

 

「ん〜〜!よく寝た。」

 

アケロンは各関節の音を鳴らしながら身体をほぐしていると、背後に倒れているアーサーを見る。

 

「え?」

 

アケロンはアーサーを起こそうと、長い舌を伸ばし、頰を舐める。

 

「……ん?」

 

それに目を覚ましたアーサーはその方を見ると、長い舌を伸ばす少女が見ていた。

 

「やっと起きた…」

 

「あれ?お前は……アケロン!?」

 

アーサーは起き上がり、辺りを見渡す。

 

「……ここはどこ?あれ?ここって……もしかして!」

 

アーサーはすぐに墜落したフラドーラのコックピットの中へと入り、レーダーを見る。

 

「やっぱり…ここは、真実の地球だ。また、この地に墜落しちゃったんだな。(確かあの時…アンジュと一緒に光に包まれて、俺とヤトウ、リュウ、他にもライドやエクエスを包み込んだ様な……。)そうだ!早速“彼女”達に救難信号を送ろう!」

 

「終わった?」

 

「あぁ、後はサラ達が来るのを待つだけだ。」

 

「そっか…」

 

「そう言えば、ヤトウとリュウの姿が見えないなぁ…」

 

『主君、我等はここにいます。』

 

「ん?」

 

突然何処からともなくリュウの声がし、周りを見る。しかし、何処にもいる気配がなかった。

 

『主君、こっちだ。』

 

「今度はヤトウ、何処だ?」

 

『『ここだ。/ここです。』』

 

アーサーは二人の声がする方を向く。そこはなんと、足の方からであり、よく見ると蒼色と翠色をした宝玉があった。

 

「え!?まさか…お前らなのか!?」

 

『そうです。本来なら元の姿に戻りたいのですが……』

 

「ここへ飛んだ時、時空間の歪みに察知した俺達は【コクーン】へとなり、局所的インフレーションのパルスを防いだのです。そのせいか時間が掛かってしまっています。」

 

「あ、そろそろコクーンがパージされる。」

 

「主君、なるべく数メートル離れてください。10…、9…、8…、」

 

「え!?ちょっと離れよう」

 

アーサーはヤトウがいる場所から八メートル離れる。

 

「3…、2…、1…。」

 

「やっと元に…もど……」

 

アーサーは言葉を失う。二人の本来の姿…それは。ヤトウの方は全身に巨大なヒレを持ち、水晶のような結晶が生えた『水竜』。リュウは長い首で全身に苔や木々を生やした『古竜』。あまりの事にアーサーは気が動転してしまう。

 

『これが我等の本来の姿。』

 

『本来は人間でありましたが、ある事情によって無理やりされました。無論、アケロンもその一人…。ですが、私は覚えています。あのお方が我々を自由にしてくださった事を。』

 

「あのお方?」

 

「……【崩壊者】」

 

「あ、それって!」

 

『はい、貴方を守るよう御命令したのは崩壊者です。崩壊者は貴方に会いたがっていますが、まだ会う時ではないと…。』

 

「何故?」

 

「残念ですが、それは返答できません。崩壊者と会って事情をお聞きください。」

 

「そっか…」

 

そしてアケロンも巨大化し、銀色に輝く鱗が並んだ『冥竜』へとなる。

 

『アーサー…これを。』

 

アケロンが口でくわえている者をアーサーに渡す。それは古い大きな箱で中に入っていたのは赤い宝玉が付いたビンディと新しい狩衣、そして奇妙な模様が描かれたマントであった。

 

「これは?」

 

『崩壊者が着てくれと……。』

 

アーサーは箱に入っていた服を取り出し、今着ている狩衣を脱ぎ、新しい狩衣に着替える。

 

「これ…物凄くカッコいいのか、それか物凄い威圧感と雰囲気を出しているのか…。」

 

アーサーが呟くと、風が彼の着込んでいる羽織を靡かせる。羽織とマントに描かれた奇妙な模様ーーー天に向かう三頭の竜、不死鳥の翼、三つの勾玉ーーーこの模様はまるで家紋か国旗をも表していた。

 

「なんだか王様気分で恥ずかしいなぁ。お前ら、よくこんな派手な服を保存していたな?」

 

『『『……』』』

 

三人がアーサーの言葉に黙り込んでしまう。

 

「え?……なんか、ごめん。あ、ちょうど来た!」

 

すると上空から二体のドラゴンが飛来し、着地する。

 

「って……誰ですか?」

 

ドラゴンの頭から現れたのはセクシーなスーツと腰に刀をぶら下げた綺麗な女性であった。

 

「ご機嫌、アーサーさん。私は神祖 アウラの末裔にして、フレイヤの一族のもう一人の姫 “ファイ”と申します。妹の命により、お迎えに参りました。」

 

「妹?」

 

「お会いなされたのでは?サラマンディーネと言う……」

 

「……え!?サラマンディーネという事は……姉妹!!?(アイツ、姉貴いたんだ。)」

 

「そう言えば、あなた、サラマンディーネの胸を見て噴水のように鼻血を出したってね?」

 

「あぁ!嫌!あれは事故で!決してやましい事では!」

 

「分かってるわ。東護ノ介が色々とあなたについて話してくれたから、味方って分かるわ。ほら、あなたの機体を待っていくから、ドラゴンの頭の上に乗りなさい。」

 

「あ、分かりました。」

 

アーサーはファイの横に座る。っと、アーサーはファイの背中を見る。アウラの民の特徴である羽が虫取られ、何かの焼印が付けられていた。

 

「その背中……」

 

「ん?あ〜、気にしないで。随分前にエンブリヲとアイツにやられたものだから。」

 

「?」

 

「ほら、着くよ。」

 

前方にアウラの都が見えてきだした。都に着いたアーサーは大破したフラドーラを格納庫に入れる。

 

「アル!」

 

突然の声にアーサーが振り向くと、誰かが抱きついてきた。

 

「フェリス!?」

 

アーサーは偽りの世界にいるはずの愛する妻 フェリスやライド達がいる事に驚くのであった。

 

 

一方、ミスルギ皇国へと帰還したユーティス達はミスルギ邸の地下奥深くにある聖堂……そこは仄暗く、人を死に至らしめる程の瘴気が漂い、毒の水が流れる闇の大聖堂『ディスピア』であった。その大聖堂の奥の通路、扉を開ければ目の前にfarther・Xが玉座に座っていた。ユーティス達は膝まづき、先の戦闘の報告すると、farther・Xが立ち上がり、持っていた杖でユーティスの頰にぶつける。

 

「殺し損ねた?アルトリウスがどれだけ“危険な存在”とわかっていながら、殺し損ねただとっ!!?」

 

「申し訳ございません、お師匠様……」

 

「…………まぁ良い。」

 

「え?」

 

「時間はたっぷりとある。」

 

farther・Xはそう言うと懐から短剣を取り出し、自分の手に突き刺し、ドス黒い血をグラスに注ぐ。

 

「飲め……飲めばアーサーをも上回る強大な力が手に入る。」

 

「……“ゴクリ”」

 

ユーティスはfarther・Xの血が入ったグラスを受け取る。その時、グラスに入っている黒血の水面が歪み、水面に写っていたユーティスの思考を歪ませていく。

 

“何でアーサーが主人公気取ってるんだ?”

 

“何でアーサーだけが一番可愛そうと思えるんだ?”

 

“何でアーサーは絶望したのにまだ立ち上がれるのか?”

 

“何故、アーサーは力の門前で立ち止まってしまったのか?”

 

“何故、アーサーに続いて外野三人も僕並みの力に覚醒したのか?”

 

“何であいつだけ幸せな日常を過ごして生きていけるんだ?”

 

“僕が一番な筈!可愛そうなのはこの僕だ!!”

 

“なのに何で!?何で!?何で!?何で!?何で!?何で!?何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で……何でだ!!!!????”

 

彼の心はアーサーに対する嫉妬と恨みと言う穢れに満ちた闇に飲み込まれていく。そして彼を倒そうとある策を思い付き、グラスを受け取る。そして一気に口の中に移し、飲み干す。

 

「っ!!!」

 

飲んだ直後、腹から焼けるような激痛が全身へと伝わり、悲鳴を上げる。

 

「あ``あ``あ``ああああああああああああああっっ!!!!!!」

 

激痛のあまり、その場で転がるユーティス。すると大聖堂の門が開き、中から現れたのは禍々しい鎧を着ており、背中から美しく禍々しい紫の炎を靡かせる翼が生えており、手にアルゼナルを襲撃した神聖ミスルギ皇国皇帝 ジュリオ・飛鳥・ミスルギを抱えていた。

 

「よく着たな…【煉獄皇 イブリートス】」

 

「……」

 

「相変わらず無視か…(実際は私が改造して動く屍にしたがな。イブリートスよ、君に頼みがある。」

 

farther・Xは懐からある写真を四枚取り出し、それをイブリートスに見せる。

 

「そろそろ頃合いだからな。連れて来てくれないか?特に“彼女”は……」

 

farther・Xは不気味な微笑みを返すと、イブリートスは無言のまま部屋を出る。

 

「父上…奴は?」

 

「奴の名はイブリートス。お前達で言う【最初の穢れボスキート】にして、ボスキートのオリジンでもある。」

 

「《っ!!?》」

 

farther・Xの言葉にモルドゥレイス達は任務に向かっているイブリートスを見て驚くのであった。farther・Xはその場から消え、ある異空間へと移動した。そこは薄暗く、何もかも全てが憎悪と破壊に満ちた大地…その中に黒い影が現れる。

 

「もう少しです、我等の【神】よ。もう少しで貴方様がこの次元も支配する時が来るのです。太古の昔、大聖地から追放されたあの日から…。」

 

『ナクトゥ・イ・ニッド・アラン・イマゴ』

 

「怒りをお静めて下さい。あと一歩まで来ております。それに、あの世界にはかつて先史文明を治めていた“光帝 アルファリオン”の末裔である光妖精の姫巫女と竜の姫巫女もいます。」

 

『マゴ!テゴ・アンバタ・サラクポ』

 

「いいえ…アルトリウスはまだ自分の真の力の一歩手前まで踏み出すことしかできていません。私の弟子であるユーティス・飛鳥・ミスルギはそれを成し遂げて見せます!」

 

『ウクートゥ・リハヴジャラム、エニード、アギー!シラクタモン!』

 

「次の段階はもう既に整っています。後はアーサーの本来の力が解放し、彼の【本来あるべきの姿】へと戻れば…我等の【正体】が何か…彼の【一族】がなんなのかをお伝えします。」

 

「ゼクシム、ジコブ、イニー・アグーン・ジャム…。」

 

「イガ・ベリシマ!我等の“崩星皇”様…。」

 

黒い影がその場から消えると同時に、farther・Xもその場から消えるのであった。




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