クロスアンジュ トライブブラザーズ   作:マシンクーガー

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チャプター29 サラマンディーネ

アーサーと再会したアンジュとタスクがドラゴンを従えた女性たちと出会って少し後、何処かへ向かって空を飛行するドラゴンの集団があった。二体の大型ドラゴンがヴィルキスとヴィンセクトを足で掴み、修理が終わった輸送機でドラゴンの後を追う。

 

 

「何処に連れて行く気なんだろう…?」

 

タスクが呟いた。輸送機の中ではアーサーとアンジュとヴィヴィアン、タスク、そして操縦席にいるクリストバルとギルバート、ヨハネス、砲塔二基にキーラとメアが配置についていた。砲塔に乗っているメアがタスクの言葉に返答する。

 

「大丈夫、あなた達ノーマにとっては本当に安全な場所だから♪」

 

メアはニッコリとした笑顔で返すが、一人それに納得しない者がいた…アンジュであった。アンジュは再会したアーサーに言う。

 

「あなた一体何なの?ドラゴンと仲間だって言う事なんて聞いたこともないよ?」

 

「まぁそれに関しては、後で説明するから。」

 

アーサーはそう言い、輸送機の窓を見る。

 

「お!相変わらず迫力あるなぁ!」

 

アーサーが窓の先にある物に興奮する。タスクは何なのかと窓のハッチを開ける。その先に映ったのは。

 

「何よあれ!?」

 

「デカイ…戦艦!?」

 

「ピュイイイ〜!(スゲェ!飛んでる〜!!)」

 

二人と一匹が目にした物ーーー前後に長いスマートな艦橋と、メインノズルより後方に大きく伸びる艦尾部、おまけに2つ並ぶ艦橋や艦首から艦橋の付け根部分まで設けられた艦載機の滑走路兼誘導路を搭載した巨大飛行戦艦があちこちの空中を巡回していた。

 

「あれって戦艦!?」

 

「うん、【ザグザケル級巡洋艦】って言う“地球連邦軍”の主力艦だ。まだまだあるよ。」

 

「地球連邦…軍?」

 

「この世界の国の名前と言うより…世界政府?」

 

「訳がわからないわ!着いたら知ってる事を洗いざらいだからね!」

 

「お、落ち着け!詳しい事と知ってる事を全部彼女が言うから!」

 

「彼女?」

 

「おっと、もう直ぐ着くみたい」

 

アーサーが言ったその時輸送機が揺れて、アーサーとクリストバル達を除くアンジュ達は態勢を思わず崩し、アンジュはタスクの上に乗っかってしまう。

それに二人は思わず顔を真っ赤にして、アーサー達は目を見開いて唖然としてしまう。

 

「ちょ!何処を触ってるのよ!!?」

 

「えっ!? お!俺は何も!?」

 

「何時まで発情してる気!?」

 

「そんな!してない、してないよ!」

 

「終了!閉店!お座り!」

 

「何でしょう?この会話は……」

 

アンジュに同意するかのようにヴィヴィアンがいななき、ティアが呟く。そんなくんずほぐれつのドタバタ劇がコンテナ内で起こっているとは知る由もなく、ドラゴンの一団は目的地へ向かって飛んでいるのだった。

 

 

「着いたわ。出なさい」

 

くんずほぐれつのドタバタ劇の余韻も覚めやらぬ中で輸送機の尾部のハッチが開くと、先程の女性二人がそう言って一行を促した。その手に得物を持っているのがどうにも恐ろしいが。他にも白や銀色を基調とした配色の装甲服で、右腕に銃器を装備した人達ーーー【連邦兵士】も。

言われるがままにアンジュたちが外に出ると、そこには今まで見たこともない光景がアンジュたちの目の前に広がっていた。長い階段の上に巨大な、何処からどう見ても和風建築の建物があったのである。もっともアンジュたちは、この建物が和風建築という工法・技法のものだとは知らないだろうが。

 

「大巫女様がお会いになる。こちらへ」

 

その機体を見て衝撃を受けるアンジュ。対照的に、素直にこちらの言うことにアンジュたちが従ったことで少し警戒を解いたのか、二人は得物を外した。そしてそれとほぼ時を同じくして、ヴィヴィアンが突然悲鳴のような鳴き声を上げると意識を失ったのだった。

 

「ヴィヴィアン!」

 

異変に気づいたアンジュがすぐに振り返る。何故こんなことになったかというと、アンジュからは見えない位置に、麻酔と思われる注射器が刺さっていたからだ。

そして脇から、数人の新たな顔ぶれがヴィヴィアンの元に走ってきた。

 

「ヴィヴィアンに何をしたの!」

 

アンジュが強く詰る。が、二人は外していた得物を構え直して威嚇した。それを見て連邦兵士は主兵装である【アームブラスターガン】構える。、アンジュは悔しそうに唇を噛んで口を噤んだのだった。

 

『連れて参りました』

 

建物内に入り、彼女たちの言う“大巫女様”の御前までアンジュとタスクを言葉通り連れてきた二人が報告した。

 

「ご苦労」

 

アンジュたちの正面にいる、一番高い場所に鎮座している人物が労をねぎらった。御簾に隠れて姿こそ見えないものの、声質からそう年齢がいっていないことが推測される。しかしその座っている場所と、真っ先に口を開いたことから、彼女が二人の言う大巫女様であるのだろうということは容易に推察されるものだった。

 

「異界の女…」

 

アンジュは不満そうに少し顔を上げ、

 

「それに、男か…」

 

タスクは緊張した面持ちで唾を飲んだ。

 

「名は何と申す?」

 

尋問としてはある意味当然の質問をする。が、こういう真似をされて大人しくしていられるような性格のアンジュではない。

 

「人の名前を聞くときは、まず自分から名乗りなさいよ!」

 

この状況下で臆せずにそう言えるあたり、流石に肝が据わっている。あるいは長い皇族生活の影響かもしれない。が、いくら納得できなくてもこの場合の初手としてはあまり賢い選択ではないかもしれない。

案の定、御簾に姿を隠したその他の連中がザワザワとざわめきだしたからだ。

 

「大巫女様に何たる無礼!」

 

後ろの二人のうち、一人が激高して自分の得物に手を掛けた。

 

「アンジュ!」

 

アーサーは自身の顔を手で覆い隠し、呆れる。タスクが窘める。まあ当然だろう。話し合いでいきなり喧嘩腰では纏まるものも纏まらない。だが、アンジュは不満そうな表情を崩さない。

 

「…特異点は開いておらぬはず。どうやってここに来た」

 

だが大巫女様は意に介する要素もなく、違う質問を投げかけた。自分の言葉を無視されたのが気に入らないのか、アンジュは不満そうな表情を隠そうとはしない。

 

「大巫女様の御前ぞ、答えよ!」

 

そして更にアンジュをイラつかせることに、他の連中も口々に質問を向け始めたのだった。

 

「あの機体、あれはお前が乗ってきたのか?」

 

「あのシルフィスの娘、どうしてそなたたちと一緒に…。」

 

「うるっさい!」

 

元々高くないアンジュの沸点がすぐに噴火する。

 

「聞くなら一つずつにして!こっちだってわかんないことだらけなの!大体ここは何処!?今は何時!?貴方たち何者!?」

 

「ちょ、ちょっとアンジュ!」

 

慌ててタスクが宥めようとする。そんなアンジュの態度に、御簾の向こうの人影が一つ楽しそうに口元に笑みを浮かべた。

 

「威勢のいいことで」

 

そしてそのまま立ち上がると、その影はゆっくりと御簾の先から姿を現した。

 

「っ!貴方!」

 

引き続き不快な表情に染まりながらもアンジュが驚いたのは無理はない。何故なら、その姿には見覚えがあったからだ。そう、先程の人間たちによる侵攻の前に戦った人型兵器のパイロットだったからだ。

 

「神祖アウラの末裔にしてフレイアの一族が姫。近衛中将、サラマンディーネ」

 

名乗りを上げる彼女…サラマンディーネに、アンジュは敵意を隠さずにぎりりと歯軋りをすると睨みつける。グレイスはあの不明機に乗っていた女性がサラマンディーネだと知り見惚れる。

 

「ようこそ、真なる地球へ。偽りの星の者たちよ」

 

「知っておるのか?」

 

大巫女がサラマンディーネに尋ねると、彼女はクスッと笑って、

 

「この者ですわ。先の戦闘で、我が機体と互角に戦ったヴィルキスの乗り手は」

 

そう、答えたのだった。

 

「ヴィルキスの乗り手…」

 

その事実に、大巫女は思わず息を呑む。

 

「この者は危険です! 生かしておいてはなりません!」

 

「処分しなさい、今すぐに!」

 

御簾の先にいる他の面々が次々と好き勝手なことを言う。言葉通り、アンジュが危険要素だと判断したからだろうか。

 

「やれば?死刑には慣れてるわ」

 

対してアンジュはぶっきらぼうにそう言い放つ。が、

 

「…但し、タダで済むとは思わないことね」

 

ドスを聞かせて釘を刺すのも忘れない。その迫力に飲まれたのか、御簾の先にいる連中は思わず息を呑んだり、二の句が告げなくなった。

 

「お待ち下さい、皆様」

 

そこにサラマンディーネが割って入る。そして、アンジュたちの元へと歩を進めて降りてきた。

 

「この者は、ヴィルキスを動かせる特別な存在。あの機体の秘密を聞き出すまで、生かしておくほうが得策かと…」

 

その言葉に、御簾の向こうの面々がザワつく。

 

「この者たちの生命…私にお預けくださいませんか?」

 

その事に他の者達はただ黙って聞いていた。

 

 

茶室へ案内されたアーサー達。サラマンディーネはナーガとカナメに言う。

 

「二人はお下がりなさい。」

 

「しかし!」

 

ナーガが躊躇すると、サラマンディーネは微笑む。

 

「「っ!!」」

 

「二人とも、心配するな。いざといなったら俺が守る。」

 

アーサーはそう言い、二人は納得し、部屋から出る。

 

「随分洒落た監獄ね。」

 

「あなた方を、捕虜扱いするつもりはありません。」

 

「「!?」」

 

「シルフィスのあの娘も、治療が終われば直ぐ会えます。御二方の機体も連邦軍の整備班と共に責任を持って修理します。さぁ、此方へ♪」

 

「何なの?」

 

「長旅で」

 

「俺はタスク、アンジュの騎士だ、聞いても良いかな?サラマンディーネさん」

 

「何なりと、タスク殿」

 

「ここは…本当に地球なのか?」

 

それにサラマンディーネは頷く。

 

「それじゃ君達は?」

 

「人間…ですわ」

 

「ああ、それに地球は俺達の星で、人間は俺達だ。だとしたらここは…」

 

タスクがそう言う中でサラマンディーネがある事を言う。

 

「『地球が二つある』っとしたら?」

 

「「「…えっ!?」」」

 

サラマンディーネが言った言葉にタスク達は驚き、サラマンディーネが続けて答える。

 

「並行宇宙に存在したもう一つの地球、一部の人間がこの星を捨てて移り住んだのが、別宇宙にあるもう一つの星、それがあなた達の地球なのです」

 

「地球を…捨てた?!」

 

「何のためにだ!?」

 

「あなた方はあの廃墟を見て来たのではありませんか? この星で何が起きたのかを」

 

「戦争…環境汚染…」

 

「やっと分かったわ。」

 

っと、アンジュが何か納得したかのように返答する。

 

「つまりこうでしょ?あなたがいて、地球が二つあるって事は!!」

 

アンジュはそう言い、茶碗を壁へ投げ捨て、割れた茶碗の破片を掴み、サラマンディーネの背後に回り込み、彼女の喉元に突き付ける。。アンジュはサラマンディーネに言う。

 

「変える方法があるって事ね!」

 

騒ぎに気付いたナーガとカナメが手元の武器を構える。そしてアーサーは穢れボスキートの大きな鋭利の巨爪を伸ばし、その爪をアンジュの顔元に近づけた。

 

「姫様!/サラマンディーネ様!」

 

「おい、アンジュ…言葉は凶器って言うのを分かれ。それと捕虜扱いしないと言っただろ。」

 

「黙りなさい!それとお父様とお母様は何処!?」

 

「…知ったか。だがその前にサラを解放しろ。二人の居場所と安否も必ず教える。」

 

「その前によ!」

 

「ハァ…」

 

アーサーが呆れる。

 

「野蛮人め!やはり早々に処刑するべきだったわね!」

 

ナーガがアンジュに睨み付けると、カナメがタスクの首元に薙刀を近づけて抵抗する。

 

「姫様を離せ!さもなけばこの男を!」

 

「えぇっ!!?」

 

「殺れる者ならやってみなさい!」

 

「え?」

 

「は?」

 

「タスクは私を守る為なら、命も惜しくないって言ってくれた!」

 

「え!?いや、それは…」

 

「私のためなら、喜んで死ぬって!」

 

「うぐ…!」

 

「コイツ…めっちゃ酷いことを口にするな。タスクも自分から死亡フラグ立てる様なセリフを言うなんて…いや、驚きだよ。」

 

すると、サラマンディーネは顔色を変えずに背中のアンジュに向かって話し掛けた。

 

「帰って、どうすると言うのです?」

 

その指摘にアンジュは動揺し、言葉に窮するも、畳みかけるようにサラマンディーネは続ける。

 

「待っているのは機械の人形に乗って我が同胞を殺す日々。それがそんなに恋しいのですか?」

 

「っ、黙って!」

 

己の迷いを指摘され、動揺を必死に押し殺しながら言葉を荒げる。だが、その手が震えていることに、サラマンディーネは小さくため息を零した。

 

「偽りの地球、偽りの人間、そして偽りの戦い――あなた達は何も知らなさすぎます」

 

するとサラが立ち上がり、アンジュの手を握り、何処かへ連れて行こうとする。

 

「参りましょう。真実を見せて差し上げます」

 

「ちょっ、ちょっと!」

 

「俺も付いて行った方が良いか?」

 

「えぇ」

 

「ナーガ、カナメ。留守を頼みましたよ」

 

そう言い残してサラマンディーネは部屋から出て行き、残されたナーガとカナメ、そしてタスクは呆気に取られたままだった。

 

 

 

サラマンディーネが呼んだガレオン級の頭に乗ってある場所へと向かった。

 

「着きましたわ」

 

サラマンディーネが示す場所の先を見るアーサー達、そこはアケノミハシラと同じ塔だった。

 

「アケノミハシラが…ここにも?」

 

「『アウラの塔』とわたくし達は呼んでいます。嘗てのドラグニウムの制御施設ですわ」

 

「ドラグニウム…?」

 

アンジュは聞き覚えのない物を問い、サラマンディーネは制御施設内を進みながら説明していた。

 

「ドラグニウム、22世紀末に発見された強大なエネルギーを持つ超対称性粒子の一種」

 

そしてあるエレベーターの場所に着き、サラマンディーネがそれを操作して下へと向かって行く。

 

「世界を照らす筈だったその力は、すぐに戦争へと投入されました。そして環境汚染、民族対立、貧困、格差、どれ一つも解決しないまま人類社会は滅んだのです」

 

「…よくある話だ」

 

アーサーの問いにサラマンディーネは頷く。人は強大なエネルギーをすぐに兵器にする事を優先とする本質がある、しかし間違いだと知るのはいつも後になり後悔するばかりであった。

 

「そんな地球に見切りをつけた一部の人間たちは、新天地を求めて旅立ちました」

 

「似たような話、聞いた事あるわ」

 

っとアンジュはその事をサラマンディーネに言い、ジルに聞かされていたから当然の事でもあった。

そして目的地へと到着したエレベーターは止まり、サラマンディーネはエレベーターを降りながら言う。

 

「残された人類は汚された地球で生きて行く為に一つの決断を下します」

 

「決断?」

 

アンジュの言葉にサラマンディーネは頷いて言い続ける。

 

「自らの身体を作り変え、環境に適応する事」

 

「作り変える?」

 

アンジュはサラマンディーネが言った言葉を聞き、それにサラマンディーネは頷く。

 

「そう、遺伝子操作による生態系ごと…」

 

そしてアーサー達の前に巨大な空洞が広がり、それにアンジュは問う。

 

「ここは?」

 

「ここに『アウラ』が居たのです」

 

「アウラ…?」

 

アンジュはその事を問うと、サラマンディーネはキオの方を向いて、それにキオは頷き装置である物を映し出す。するとアンジュの目の前に見た事もないドラゴンが現れる。

 

「これは…」

 

「アウラ、汚染された世界に適応する為、自らの肉体を改造した偉大なる子祖。あなた達の言葉で言うなら、『最初のドラゴン』ですね」

 

サラマンディーネの説明にアンジュはまたしても驚きの表情を隠せない。

これ程の真実を聞かされて、戸惑いを表さない者はいない。

 

「私達は罪深い人類の歴史を受け入れ、食材と浄化の為に生きる事を決めたのです、アウラと共に。男達は巨大なドラゴンへと姿を変え、その身を世界の浄化の為にささげた」

 

「浄化…?」

 

アンジュがその事を問い、それをサラマンディーネが説明する。

 

「ドラグニウムを取り込み、体内で安定化した結晶体にしているのです。女たちは時に姿を変えて、男達と共に働き、時が来れば子を宿し産み育てる、アウラと共に私達は浄化と再生へと道を歩み始めたのです」

 

アーサーは元の景色に戻すとサラマンディーネが少しばかり重い表情をする。

 

「ですが…、アウラはもういません」

 

「どうして?」

 

「奴に連れて行かれたんだ」

 

アンジュがそれを問うとサラマンディーネの代わりにキオが言う。

 

「エンブリヲ…ドラグニウムを発見し、ラグナメイルを作り、世界を壊し捨てた。この世界の破滅の元凶として“神に堕落した屑人間”だ」

 

困惑しながら問い掛ける。何故『アウラ』を連れ去る必要があるのか――まさか、一度滅んだ世界が再び再生しようとするのが気に喰わなかったなどというわけでもあるまい。

 

「――あなた達の世界は、どんな力で動いているか知っていますか?」

 

唐突に問いで返され、眼を剥く。

 

「え?……マナの光よ」

 

困惑しながらアンジュが答えるとサラマンディーネはやや表情を硬くし、更に問い掛ける。

 

「なら、そのエネルギーの根源は?」

 

「何言ってるのよ、マナの光は無限に生み出される……って、まさか!?」

 

「そう……そのまさかだ。」

 

無限のエネルギーなんて、ありはしない――どんなものにでも必ずそれを生み出す要因がある

 

『マナ』というものを不思議に思っていた。

 

無限に生み出される万能の光――『人間』であれば、如何なる者だろうと使用できる夢の物質―――だが、それが『まやかし』であるとしたら? 『無』から『有』は生み出せない―――エンブリヲという男が、あの世界を創った。ジルが言った争いを好まない人類のためには与えてやる必要があるのだ。

 

だが、そのために必要となったのだ。『餌』を生み出す『贄』が――『マナ』という餌を―――キオの態度にアンジュも察したのか、眼を瞬かせる。

 

「マナの光、理想郷、魔法の世界。それを支えているのはアウラが放つ、ドラグニウムのエネルギーなのです」

 

「!?」

 

「そしてアンジュ…聞いてくれ、ここからが重要なんだ。アウラは自らドラグニウムは生成できない…だけど、『マナ』は生み出しておく必要がある。そのためにはアンジュ……大型ドラゴンを凍結させ捕獲する必要があるんだ。」

 

あくまでアウラは、マナを生み出すための触媒に過ぎない。だが、あの世界を維持するためには『マナ』が必要だ。それを維持するためには―――アーサーとサラマンディーネの言葉にアンジュは重く頷く。

 

「そうです――エネルギーはいずれ尽き、補充する必要がある。ドラゴンを殺し、結晶化したドラグニウムを取り出し、アウラに与える必要があるのです。それがあなた達の戦い――あなた達が命を懸けていた戦いの真実です」

 

ノーマがドラゴンと戦わされていたのは、『ドラグニウム』を体よく手にれるため――『マナ』を維持し続けるために……人間の世界を『守る』ために―――――告げられた事実にアンジュは衝撃を隠せなかった。

 

どうして10年前に起きた反乱でノーマが粛清されなかったのか―――どうしてドラゴンを狩る必要があったのか―――どうしてそれが『ノーマ』でなければダメだったのか―――改めて胸糞が悪くなる。

 

「分かっていただけましたか? 偽りの地球、偽りの人間、そして―――偽りの戦いと言ったその意味を。それでも、偽りの世界に帰りますか?」

 

その問いにアンジュは一瞬逡巡するも、険しい顔をして答えた。

 

「当然でしょう、仮にあなたの話が全部本当だとしても、私達の世界はあっちよ!」

 

それは己の迷いを振り切るためのものだったかもしれない。だが、その答えにキオが顔を顰め、サラマンディーネはやや失望したように嘆息する。

 

「では、あなた達を拘束させてもらいます。これ以上、私達の仲間を殺させるわけにはまいりませんから」

 

凛と告げるサラマンディーネに気圧されるも、アンジュは反射的に身構える。

 

「やれるもんならやってみなさい! 私がおとなしく拘束されると―――!」

 

握っていた破片を振り上げようとした瞬間、尻尾を振り上げ、破片を叩き落とす。そして、サラマンディーネを守るように羽を広げる。

 

「本性表したわね、トカゲ女!」

 

殴りかかるアンジュの拳をかわし、もう片方の手で左腕を捻って拘束する。

 

耳元で囁く冷淡な声に歯軋りするも、サラマンディーネが静かに答える。

 

「殺しはしません――私達は残虐で暴力的なあなた達とは違います」

 

「アルゼナルをぶっ壊しておいて、何を――!」

 

痛みを耐えながら強引に拘束を解き、アンジュは睨みつける。対峙しながらも、こちらは悠然としている。

 

「アレは龍神器の起動実験です。あなた達はアウラ奪還の妨げになる恐れがありましたから」

 

ドラゴンとの戦いが戦争であった以上、彼女の言葉は正論だ。脅威を排除するために最小の犠牲で最大の結果を齎す――だが、それがアンジュの怒りを煽る。

 

「それで何人死んだと思ってるのよ!」

 

「赦しは請いません。私達の世界を守るためです――あなたが私と同じ立場ならば同じ選択をしたのではないですか、皇女アンジュリーゼ?」

 

「え……?」

 

突然、己の真名を言われ、アンジュは戸惑う。何故、会ったこともないドラゴンがそれを知っているのか――困惑するアンジュに、サラマンディーネはどこか不敵に告げた。

 

「あなたの事はよく聞いていました、リザーディアから―――近衛長官リィザ・ランドック、と言えば分かりますか?」

 

思いがけない名を出され、アンジュは驚愕する。

 

ミスルギ皇室の近衛長官であり、ジュリオの側近―――ジュリオに従い、自分を『アルゼナル』へと送り込んだ―――

 

「リィザが――あいつが、あなた達の仲間……?」

 

上擦った声で呟くと、肯定するようにサラマンディーネは笑った。それが酷く不愉快なものに見え、アンジュは悔しげに歯噛みする。

 

「バカにしてぇ―――!」

 

怒りに顔を真っ赤にし、アンジュは激情のままサラマンディーネに殴りかかろうと再度駆け出すも、寸前で割り込んだアーサーがアンジュの腹部に向けて拳を叩き入れる。

意識が薄れてく中、アンジュはアーサーの行動に問う。

 

「な、何で…?」

 

「いい加減にしろアンジュ、これ以上好き放題暴れるのはよせ」

 

そうキオは言い残して、アンジュはそのまま気を失う。

 

「あっ、う……」

 

するとアーサーはサラマンディーネの方を向き、頭を下げる。

 

「すまない!サラ!」

 

「?」

 

「実は俺、お前の仲間の大型ドラゴンを殺してしまった事がある。あの時の俺は記憶を無くして、彼等の理由も躊躇なく殺してしまった。」

 

「この通り!彼等の親族に賠償金も払う!!」

 

「…顔を上げてください、アーサー。」

 

「私…いいえ、私達はあなたを恨んではいません。お師匠である東護ノ介と彼の兄である西十郎から、記憶を失う前の彼の記憶見て知りました。怒り、憎しみ、悲しみ、絶望に満ちた炎の中、あなたは迷うことなく、彼等の穢れた身体から解放して見せました。ドラゴン達はその事を知り、あなたの深い哀しみを知り、偽りの世界には我々の様に穏やかに暮らしたい物がいたと。」

 

「サラ…」

 

「ありがとう…こんな形だけど、許してくれて。」

 

「当然ですわ、あの時の試合で誰かさんが私の胸部を曝け出した男には…?」

 

「い!いや!あれは事故だって!」

 

「フフフ…冗談ですわ♪」

 

サラは微笑み、気を失ったアンジュを連れて外へ出るのであった。

 

 

 

 

 

「全く、このじゃじゃ馬娘には困ったものだ。」

 

医務室に運ばれ、台に流されたアンジュを見るアーサー。タスクの方はドクター・ゲッコーに連れられ、別の部屋で身体検査を受けているとのこと。するとそこに…。

 

「おーい!アーサー!」

 

は聞き覚えのある声が聞こえて、その方を振り向くとアウラの民の服装を着たヴィヴィアンがやって来た。

 

「あれ?ヴィヴィアン!?お前いつの間に元の人間に?」

 

「さあ~ここでクイズです、私はどうやって人間に戻ったでしょうか!」

 

っとここでヴィヴィアンのお得意のクイズが出て来て、それにレオン達は少々困った。何も知らないのにどうやって人間に戻ったか分からないからだ。

 

「ぶ~!残念! 正解は…え~と~…何だっけ?」

 

「知らないならクイズに出すなよ…」

 

アーサーは答えにならない事に呆れる。っとそこに医者の『ドクター・ゲッコー』がやって来る。

 

「D型遺伝子の制御因子を調整しました、これで外部からの投薬なしで人間の状態を維持出来る筈です」

 

「いやいや、ヴィヴィアンが答えたんじゃないだろ…」

 

「うわぁぁぁっ!!」

 

アンジュが突然と起き上がり、悲鳴を上げる。アーサーとヴィヴィアンは起き上がったアンジュに驚く。

 

「うわっ!びびった!」

 

「ひぇ〜〜〜っ!!」

 

「あれ?ヴィヴィアン?」

 

「おいっす!」

 

アンジュはヴィヴィアンが元の姿に戻っている事に驚くと、アーサーを見てキッと睨む。

 

「おいおい、あれは彼女を守る正当防衛だったからな。それに手加減もしたんだ!後それにタスクがお前のことを心配してたぞ」

 

「タスクが?」

 

「助けて〜〜っ!!!」

 

《!!?》

 

壁越しに聞こえた悲鳴は当のタスクのものだった。あまりの音量に一瞬驚きに固まるも、アンジュが慌ててベッドから起き上がり、アーサーもやや緊迫した面持ちで聞こえてきた部屋に飛び込んだ。

ドアを潜って飛び込んだ先で繰り広げられる光景に戸惑う。ベッドに拘束されていると思しきタスクの回りには何人もの女性が群がっており、皆一様に顔を赤くしながらも黄色い声を上げて興味津々に見ている。

拷問を受けているわけでもなさそうだが、タスクは先程から必死に抵抗しているも、顔を赤くしており、首を傾げるのみだ。

 

「ちょ、ちょっとあなた達何やってるのよ!?」

 

我に返ったアンジュが女性陣を掻き分けながらタスクに近づき、ようやく状況を視認した瞬間、顔を真っ赤に染めた。

 

「な、なななな!何やってるのよ!?」

 

「ご、誤解だ!俺は何も、って!そこはダメー!」

 

頭を振るタスクは女性が触れる場所に情けない悲鳴を上げ、それに対して周囲の女性陣の黄色い歓声はますます強くなる。

 

「何やってんだか……」

 

アーサーは心底呆れた面持ちで顔を抑える中、タスクに近づいたゲッコーが含むように妖しく笑う。

 

「御協力感謝いたします、ミスター・タスク。人型の男は非常に珍しいので、協力を願い出たのです。彼は喜んで受けてくれましたよ、『性教育』のね」

 

「……『性教育』に、協力?」

 

「はい♪」

 

聞き留めたアンジュは怒りに震える。

 

「へ〜〜…人が大変な目にあってるのに……そう〜」

 

青筋を浮かべて笑うアンジュがピンセットと羽箒を拾い上げ、ピンセットをカチカチと左右に動かす。これにはアーサーも青ざめる。

 

「待って!?…アンジュ!落ち着いて〜!!」

 

「こんのっ!!直結下半身ケダモノ野郎がぁぁ〜〜〜っ!!!」

 

「あああああああああぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!」

 

アンジュは叫びながら金棒を振り下ろすと同時にタスクの悲鳴が轟く。タスク…ご愁傷さま……。

 

 

 

 

 

外に出ると、既に陽は暮れ始め、茜色に染まっていた。

 

整えられた庭の中には小さな屋根に覆われた手水舎があり、備え付けの龍の置物から水が流れている。徐に近づき、水で顔を洗う。

 

「ふぅ……」

 

思わず小さく息が漏れる。

 

水で顔を洗うなど久々だ。柄杓で水をすくい、飲み干す。冷んやりとした水が喉を潤し、一息ついた形だ。その横でアンジュもホッとしたのか、リラックスしている。

 

「アンジュ、落ち着いた♪」

 

横で見ていたヴィヴィアンがタオルを取ってきて手渡す。

 

「私汚れちゃった……欲求不満なら、トカゲでも何でもいいのね!あのバカエロタスク!!」

 

タオルで顔を拭いていると、アンジュが不機嫌そうに顔を顰め、タオルを地面に叩き付ける。

 

「と言って嬉しいんだろ?」

 

アーサーの言葉にアンジュの表情が瞬時に赤くなり、同時に激しく狼狽したように取り乱す。

 

「ち、違うわよ! なんで私があんな奴に! 私はただ、あいつがあんなトカゲ女に不埒な真似をしないように……そう!それだけよ!私はあいつのことなんかなんとも思ってないんだからね!」

 

「はいはい♪」

 

必死に弁解するアンジュに相槌を返しながら視線を向けると、奥の通路から見知った顔が現われ、思わず顔を硬くする。その様子にアンジュも振り返ると、苦手そうに顔を顰める。

 

「もう起き上がっても大丈夫のようですね」

 

歩み寄ってきたサラマンディーネがそう話し掛けると、アンジュには嫌味に聞こえ、小さくそっぽを向く。

 

「ええ、手加減なんてしてくれたおかげで」

 

横柄な口調で返すと、控えるナーガやカナメは小さく睨むも、サラマンディーネは些かも害した様子を見せず、クスリと笑う。

 

「そうですか、あの子には手加減を少し覚えてもらわねばならないので」

 

そう切り返され、アンジュはまたも口を尖らせる。すると彼女は不意にサラマンディーネが見知らぬ女性を連れているのに気づき、眉を顰める。

 

その女性は先程から自分の隣を凝視している――正確には、隣にいるヴィヴィアンをだ。戸惑うセラの前でサラマンディーネは真剣な面持ちで視線をヴィヴィアンへと移す。

 

「ラミア、『彼女』です。遺伝子照合で確認しました、あなたの娘に間違いありません」

 

そう呟く内容に眼を見開く。

 

「え?」

 

「ほえ?」

 

アンジュは戸惑いの声を上げ、告げられた当人は自身を指しながらも意味が分からずに首を傾げる。そんなあを余所にサラマンディーネは言葉を続けた。

 

「行方不明になったシルフィスの一族、あなたの子『ミイ』よ」

 

「ミイ?本当にミイなの!?」

 

告げられた内容に弾かれたように駆け出す女性がヴィヴィアンに抱きつき、涙を流す。その光景に眼を丸くするアーサーやアンジュだったが、ヴィヴィアンは突然のことに混乱する。

 

「ああ、ミイ」

 

「いや、だから…あたしはヴィヴィアン…?」

 

抱きしめる女性に戸惑っていたヴィヴィアンは何かに気づき、思わず鼻をきかす。

 

「この匂い、知ってる…エルシャの匂いみたい……あんた誰?」

 

その問い掛けに抱擁していた女性は静かに離れ、涙を流しながら微笑み、口を開いた。

 

「お母さんよ」

 

「お母さん、さん?…何、それ?」

 

意味が分からずに首を傾げるも、見守っていたサラマンディーネが優しげに告げる。

 

「あなたを産んでくれた人ですよ」

 

「ヴィヴィアンのお母さん!?」

 

その意味を理解した途端、傍で聞いていたアンジュが驚く。確かに、ヴィヴィアンがドラゴンだった以上、こちらの世界に家族がいてもおかしくはないが、それでもいきなり母親と名乗る女性が現れれば、戸惑いもするだろう。

 

現にヴィヴィアンは未だに泣くラミアという女性にどう接していいのか分からずに困っている。アルゼナルで親のことなど教えられることはないから無理もないが。

 

「ええ、彼女はお母さんを追って、あちらの地球に迷い出てしまったのでしょう」

 

ドラゴンによる侵攻はもう何十年と続いている。そう考えれば、確かに納得はできるのだが、それでもよくアルゼナルに捕まって無事でいられたものだ。

 

改めてヴィヴィアンを利用した司令に悪態をつくも、それでもそのおかげでヴィヴィアンが母親と再会できたのだから、悪いことばかりではないが。

 

親子の再会にナーガやカナメなどももらい泣きをしており、サラマンディーネは柔らかく微笑む。

 

「ナーガ、カナメ、祭りの準備を…祝いましょう、仲間が10年振りに、還ってきたのですから……」

 

その言葉に二人は大きく頷き、アンジュは首を傾げ、ヴィヴィアンは戸惑いながらも、母親という女性に抱擁されたままだった。

 

 

 

そして夜になり、アウラの塔で皆が集まっていた。そこにサラマンディーネが儀式用の蝋燭を手に持ち、皆の前に姿を現す。

 

「サラマンディーネ様よ!」

 

「サラマンディーネ様ー!」

 

サラマンディーネの後ろにヴィヴィアンとその母『ラミア』が共に居た。

 

「何をするの?これから」

 

「サラマンディーネ様のマネをすればいいだけよ」

 

ラミアがそうヴィヴィアンに言ってほほ笑む、そしてアーサーはその様子を人混みの中で見ていた。

 

「殺戮と試練の中、この娘を悲願より連れ戻してくれたを感謝いたします」

 

そう言った後にサラマンディーネは儀式の蝋燭を空へと舞い上げ、それに皆も同じように舞い上げる。

 

「アウラよ!」

 

『『『アウラよ!』』』

 

ラミアも同じように舞い上げ、隣に居るヴィヴィアンも同じように舞い上げる。

 

そしてアンジュの所にアーサー達がやって来る。

 

「不思議な光景だな」

 

アーサーがそう言ってる中でアンジュはアーサーの方をずっと睨みつけ、それにアーサーは少々苦笑いしながら謝る。

 

「おいおい、ここで揉め事は止めろよ。俺もやり過ぎた事には謝るから、それで勘弁してくれ。それといい加減にタスクを許してやってくれ。」

 

「フンッ!」

 

アンジュはタスクの方も見て、プイッとする。

 

タスクがため息を吐くと同時に月を見て呟く。

 

「同じ月だ。もう一つの地球…か」

 

「夢なのか現実なのか、分からないわ」

 

タスクとアンジュの問いにアーサーも月を見ながら言う。

 

「現実だ。今見ている光景は…」

 

「けど、ヴィヴィアンが人間で良かった」

 

アンジュがヴィヴィアンの方を見ながら言い、それにアーサー達は頷く。

その中でアンジュは不安に思っている事を言う。

 

「これからどうなるの? 私達、こんな物を見せて、どうするつもり?」

 

「知って欲しかったそうです、私達の事を」

 

っとそこにナーガとカナメがアーサー達の元に来ていて、カナメがアーサー達に話し続ける。

 

「そしてあなた達の事を知りたいと、それがサラマンディーネ様の願い」

 

「俺達の…事を?」

 

「知ってどうするの? 私達はあなた達の仲間を殺した。あなた達も私達の仲間を殺した、それが全てでしょ?」

 

アンジュがそうナーガとカナメにそう言うも、カナメは頭を横に振る。

 

「怒り、悲しみ、幸福。その先にあるのは滅びだけです、でも人間は受け入れ、許す事が出来るのです。その先に進むことも…全て姫様の請け売りですが、どうがごゆるりとご滞在下さい…っと姫様の伝言です」

 

「全く、姫様のお人好しには困ったものだ」

 

「聞かれたらぶっ飛ばされるよ」

 

「ごゆるりと…か」

 

「信じるの?」

 

「どうかな?でもヴィヴィアンは楽しそうだよ」

 

ヴィヴィアンは母親と空を見ていた。

 

「…帰るべきだろうか…アルゼナル、リベルタス、エンブリヲ。もしもう戦わなくてもいいのなら…。」

 

タスクのその問いかけにアーサーとアンジュは何も答えられず、ただ空を見上げていた。

 

アーサー達が空へ舞い上がる儀式の蝋燭を見ている一方、オリヴァルトとシェレザールは邸のとある地下である物の用意をしていた。そこは格納庫でアーサーのフラドーラが運ばれていた。その横にある機体が並ぶ。

 

「さぁ…第二フェーズを始めるぞ、『超星神 ガントラス』『超星神 ペガサロス』」

 

『『ठीक है। अल्वारोस के राजकुमार के लिए सब कुछ』』

 

「後はアーサーが我らの一族の源である【ソルの光】に目覚めれば…。」

 

オリヴァルトはもう一つの方を向く。それは天井から光が差し込み、台座に突き刺さった綺麗な剣を見つめるのであった。

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