アーサー邸での祝いを終えたアンジュとタスクは神殿前の屋敷にて休んでいた。翌朝、アンジュは起き上がり、外の空気を吸おうと戸を開く。するとこれまでアルゼナル近海での戦闘で見たこともないドラゴン達が浮遊されているのを目撃する。
「ドラゴンの星…。」
アンジュはそう言い、戸を閉める。っと横に置いてある花瓶と同時に昨夜の言葉を思い出す。
《貴方方を捕虜扱いするつもりはありません。》
《貴方達を知りたいと…それがサラマンディーネ様の願いです。》
サラマンディーネとカナメやナーガの言葉にアンジュはイライラさせる。
「何のつもりよ!全く!」
とりあえずアンジュは近くのものに座る。
「のぉ〜〜〜!!」
突然の声にアンジュは下の方を向く。アンジュが座っている場所はなんと、布団でグルグルの簀巻き状態にされたタスクであった。
「あ、忘れてた。」
「酷い!君が簀巻きにしておいて!」
「だって!欲求不満の獣と一緒に寝るのは危険でしょ!?」
「だから、あれは誤解だって!」
アンジュは昨日のタスクの出来事を思い出す。タスクは彼女達の【性教育】の協力をしていたのだ。アーサーとマイラはその事に大笑いし、タスクと違い襲ってくる危険はないと判断されたようだ。
とりあえずタスクを縛ってる縄を解く。まず上の部分が解けた。真ん中の部分も解こうとする。
「!?」
アンジュはいやらしい視線を感じた。視線の主を見ると、タスクがアンジュの胸元を見ていた。
「っ!!どこ見てるの!?」
アンジュは慌てて胸元を隠す。
「え!?いや…別に。」
っと話している中、真ん中の紐も解けたようだ。その時突然タスクがバランスを崩した。アンジュへと倒れ込む。そして最悪な事にアンジュとタスクの寝室の戸が開き、さらにそこへサラマンディーネとアーサーがナーガとカナメ、ヤトウとリュウ、アケロンを連れて部屋へとやってきた。
「おはようございます…あら?」
女は寝巻き。男に至ってはパンツ一丁。最早二人のそれをしていると思われても致し方ない。アーサーは顔を手で抑え、“お前はまた…”と呟き、リュウはアケロンに二人のハレンチな光景を見せぬ様にし、ナーガとカナメは顔を赤らめていたがサラマンディーネだけは冷静であった。
「朝の交尾中でしたか。さぁ、どうぞお続けになって♪」
「〜〜〜ッ!!ちっが〜〜〜う!!!」
アンジュの顔が一気に赤くなる。タスクを張り手で吹き飛ばすと蹴りを何発も入れのであった。
そこにはヴィヴィアンとラミアがいた。二人とも食事をとっていた。
「おかわり♪」
ヴィヴィアンはこの世界に来ても早々適応し、元気良く食べてはおかわりをしていた。
「もう、ちゃんと噛まなきゃダメよ?」
「うん!お母さんさん♪」
相変わらずなヴィヴィアンにラミアはホッとする。そしてそこにアンジュ達がやって来る。
「あれ?ヴィヴィアン?」
アンジュの声にヴィヴィアンは反応する。
「うほっ!おはようさ〜ん!」
「サラマンディーネ様」
「昨日は良く眠れましたか?」
「それが、朝までミィとお喋りしていて。」
「だから寝不足〜!」
サラはラミアと会話をし、それにラミアは少々笑いながら言う。
「それが、ミィと朝まで喋りしてまして」
「だから寝不足~」
それを聞いていたアーサー達は微笑みながら見ていた。アーサー達は食事を摂った後、ラミアがアンジュ達にある事を言った。
「家に帰る?」
「この子が生まれた家を見せたくて。」
「お〜!見る見る!」
ヴィヴィアンは興味津々で自分が生まれた家を見てみたいと興奮する。
「て事で!ちょっくら行って来るね〜!」
ヴィヴィアンはラミアに運ばれながら、皆んなに手を振り、家へと向かうのであった。その光景にタスクは呟く。
「親子水入らずか……アンジュ?」
「気に食わないのよ、何もかもが……っで。」
「はい?」
「茶番はいいでしょ?あなた達の目的を教えて…」
アンジュはサラ達に本題を聞こうとする。
「…腹が減っては戦はできぬと申します。お腹は膨れましたか?」
「ええ。まぁ」
「では参りましょう」
サラ達はとある建物の中へ連れられた。
「何ここ?」
「古代の決闘場ですわ。かつては多くの武士たちが集い、強さを競い合ったそうです」
そうここはアーサーとサラが決闘した競技場であった場所でもあった。
「まさか、500年前の施設!?完璧な保存状態じゃないか」
施設の保存状態の良さに、タスクが驚きの声を上げた。
「姫様自らが復元されたのだ」
「ええっ!?」
そのことに、更にタスクが驚く。
「サラマンディーネ様は、その頭脳をもって旧世界の文献を研究し、様々な遺物を現代に蘇らせておられる」
「へぇー…」
素直に感心するタスク。興奮しているのか恍惚としているのか、説明するナーガの頬も赤く染まっていた。
「我々の龍神器も、サラマンディーネ様がっ!」
そこでナーガの雄弁は途切れた。何故ならカナメに足を踏まれていたからである。
「それ、機密事項でしょ!?」
「あっ!ご、御免なさい」
カナメに指摘され、ナーガはシュンとして縮こまった。
「んで、ここで何をするの?」
「…共に戦いませんか? 私達と」
サラマンディーネの言葉にアンジュは思わず「はっ?」と言葉をこぼし、それにはアーサー達は反応する。
そしてアーサーはサラマンディーネ達の目的を問う。
「それはもしや、アウラを奪還する為にか?」
「はい、それに目的は違うとはいえエンブリヲを倒す…」
「フフフ…ははは」
っと突然アンジュが笑い出し、それにアーサーはアンジュの方を向き、タスクが問う。
「アンジュ?」
「な~んだ、そう言う事、結局は私を利用したいだけなの…戦力として。知って欲しかっただの、解りあえただの、良い人ぶっていたのも全部打算だったじゃない」
それにサラマンディーネは笑みを浮かばせて言う。
「その通りです、他の者達は兎も角として。あなたはそれなりの利用価値がありますから」
っとサラマンディーネの言葉を聞いたアンジュは思わずキレる。
「っ!? ふざけるな!私はもう!」
「もう、誰かに利用されるのはウンザリ…ですか?」
「そう仰ると思い、ここへお連れしました。勝負しましょう、アンジュ。」
「勝負?」
「そう、互いの未来かけてですわ。私が勝てば、貴方は私の所有物ですわ。」
「「っ!!」」
「その代わり、貴方が勝てばタスク殿を解放しましょう。」
そこで初めてアンジュが、彼女らしい不敵な笑みを浮かべたのだった。
「ふふふ…無論、貴方が勝てば、の話ですが」
「いいわ。やってやろうじゃない!」
「そうこなくては♪」
アンジュとは対照的に、了承を得たサラは今までの不敵なものと違い、実に楽しげな笑みを浮かべた。こうして、アンジュは己自身の未来を賭け、そしてそれ以上に溜まった憂さを晴らすためにサラとの勝負に挑むことになったのであった。
「その球を打ち返して、枠の中に打ち込めばいいのね?」
ルール説明を受けたアンジュが確認のためにサラに聞き返す。まず最初にアンジュたちがやってきたのは、屋外にあるクレーのテニスコートだった。当然というかご丁寧にテニスウェアに着替えたその格好は、何処をどう贔屓目に見ても多くの武士たちが集って強さを競い合ったというお題目からはかけ離れている。
…まあ実際、これからやるのはテニスなので当然なのだが。
「その通り。では、始めましょう」
「サービス!サラマンディーネ様!」
審判を努めるカナメがそう宣言する。いよいよ、大勝負が始まりを迎えようとしていた。
…ちなみに、姿の見えないタスクはどうしているかというと、
「……」
悲しいかな炎天下の中、一人コートの外に追いやられていた。その理由はただ一つ、フェンスを越えてボールが飛び出していったときの球拾いのためである。
タスクは何も言わないものの、るーるーと悲しみの涙を心中で流しているのが容易に推測できるような表情をしていた。が、言っては悪いが部外者の男は置き去りにして、女たちの戦いは着々と始まりを迎えようとしていた。
(あのトカゲ女、ぎゃふんと言わせて…)
これまでの鬱憤を思い切り晴らそうと意気込むアンジュだったが、それを見透かしたかのようにサラがサーブを打つ。アンジュもエアリアで活躍した運動神経があるからか反応はするものの、そのラケットの先を抜けていった。
「あっ!」
タスクも反応こそしたものの残念ながら拾えずにボールは転々と後ろへと転がっていった。
「15-15! サラマンディーネ様!」
スコアボードをめくり、カナメがサラのコートに向かって手を差し出した。
「っ!」
少しの間固まっていたアンジュだったが、すぐにサラを睨みつける。…それにしても、ここだけ見ればどこをどう見てもスポコンである。競技がテニスだけに、『エース○狙え』の焼き直しといっても過言ではないが、それはとりあえず置いておこう。
「あら、速すぎました?」
手でポンポンとテニスボールを軽く上に投げながらサラが挑発する。
「手加減しましょう、か!」
そして再びサーブを打った。唸りを上げて硬球がアンジュに襲い掛かる。しかし、
「結構、よ!」
今度はアンジュも追いつき、ジャンプしながら打ち返す。
「!」
それに反応できなかったのか、或いはどうせ取れるわけないという油断からか、サラは一歩も動けずにその脇をボールが通っていくのを見送るだけだった。
「フィ、15-15!」
驚きながらも審判の役目を忠実にこなすカナメ。そして今度は、アンジュが不敵な笑みを浮かべる番だった。
そして、それに呼応するかのようにサラも不敵な笑みを浮かべる。これを皮切りに、二人の勝負は延々と続いていくのであった。
そしてテニスの後に野球、未来的なレース?的なマシン『サイバーフォーミュラ』、ゴルフ、卓球、クレーンゲーム、そしてツイスターゲームまでやり続けていた。
一方その中でもティアは何やら薄々と微妙な違和感を感じていた。
「これ…本当に決闘ですか?」
そう言いつつもカナメがルーレットの色をと位置を教える。
「サラマンディーネ様、右手、緑」
カナメの指示にサラマンディーネは言う通りに手を指定の位置に置き、次にタスクがルーレットを押す。
そして色と位置が表示されて言う。
「アンジュ、左手、赤」
アンジュも言われた通りに手を位置に置く。
苦しみながらサラマンディーネはアンジュに言う。
「予想以上ですわ…アンジュ」
「何が…?」
「少し…楽しみだったのです。今まで私と互角に渡り合える者などいませんでしたから」
そしてカナメが次のルーレットの色と位置を言う。
「サラマンディーネ様、左足、赤」
「ですから…すごく楽しいのです」
それを聞いていたアーサー達、しかしアーサーは少しばかりと言うか…少々汗をかきながら頬を赤くしてサラマンディーネを見ていた。
カナメの指示通り左足を赤い部分に持っていく。その結果、彼女の尻がアンジュを圧迫する形になった。
「くっ!こんのーっ!」
負けじと、肩の筋肉を使って掬い上げるアンジュ。体勢を崩して潰れそうになったサラだが、尻尾を使ってバランスを保つことに成功した。
「ふふっ」
「尻尾使うの反則でしょ!?」
余裕の笑みを浮かべたサラが又癇に障ったのか、アンジュが尻尾に噛み付いた。
「いやーん!」
「ちょ、ちょっと!」
可愛い悲鳴を上げながら一度は保ったバランスを崩してしまうサラ。それに巻き込まれる形でアンジュもバランスを崩してしまい。そして両者共にシートの上に崩れ落ちた。
「尻尾を噛むのは反則ですっ!」
サラが涙を流しながら抗議する。起き上がったアンジュがこれまでと同じように反論するかと思ったが、
「ぷっ、あはははははは…」
その顔を見て思わず噴き出していた。
「泣くことないでしょ、別に」
「そうですけど…ふっ、あはははははは…」
拗ねた表情を見せたサラだったが、おかしくなってしまったのかアンジュと同じように笑ってしまっていた。
「姫様、笑ってる…」
「あんなお顔、始めてかも」
「ホッとしてるのか?」
「え?まぁ…。」
二人の発言を聞きながら、今回に関しては全く良いところの無かったタスクもアーサーも又、彼女たちの横で微笑んでいたのだった。
その後、アーサーはタスクに話があると男性用のロッカールームに連れて行く、
「タスク…お前にだけ、話しておく事がある。」
「何?」
アーサーは自分の身の事を話す。もう時期に来る寿命、細胞の死滅、延命できない事に。
「そんな!!」
「事実だ。俺がトリト廃村で穢れボスキートの力を全開にした事で、細胞の殆どが死滅してしまった。だから……俺の余命は後ーーー“3日”ーーーぐらいなんだ。」
「何でそんな事…もっと早くに!?」
「寿命なんだ。治療法は全くない、延命の措置もない、いつ苦痛や心臓が止まってもおかしくない。だから、お前に頼がある……。」
アーサーの頼みにタスクは止めようとする。
「やめてくれ…」
「俺がくたばったら……“フェリス達を頼む”。」
「そんな事!!」
思わぬ死を予兆するかの様な台詞にタスクはアーサーに希望を持たせようとする。
「絶対に治療法がある!ごめんだが、この事はオリヴァルトさんや皆んなに伝える!」
タスクが皆んなのところへ行こうしたその時、地震が起きる。
「何だ!?」
そしてそれはシャワー室にいるサラとアンジュも確認できた。
「っ!?」
「サラマンディーネ様!」
ナーガがサラに知らせる。どうやら外で異常な空間が出現したとの事。アウラの塔に謎の竜巻が発生していた。都ではヴィヴィアン達住民もそれを見ていた。
「あれは!エアリアのスタジアム!?」
その竜巻の様なものはエアリアのスタジアムであったのだ。アンジュは理解が追いつかない。
竜巻の様なものは徐々にだが広がっていった。それに何名かが飲み込まれた。すると飲み込まれたものが瓦礫に取り込まれた。物理法則などあったものではない。
「焔龍號!」
サラマンディーネがそう呼ぶと額の宝石が光った。すると焔龍號がその場へと駆けつけた。どうやらあれば機体の遠隔操作可能な装置らしい。
「ナーガは三人を安全な場所へ!カナメは大巫女様にこの事をご報告して!アンジュ!勝負の続きはいずれ!」
そう言うと焔龍號は飛び立っていった。
「「はい!」」
「悪いが、俺も付き合うぜ。フラドーラ!」
アーサーはナックルライザーを上に掲げ、名を叫ぶ。するとフラドーラが空中に現れ、自動で変形する。
「ダイブ・イン!」
アーサーは光となり、フラドーラのコックピットに乗り込む。
『サラ!先に行ってるぞ!』
アーサーはフルスロットルで謎の異空間へと翔ける。
「アンジュ、勝負の続きはまた後で。」
サラはそう言い、アーサーと共に謎の異空間へと向かうのであった。
アウラの塔を中心とした時空の歪みは徐々にその範囲を拡げており、人々は避難するも、間に合わず、呑み込まれてしまった人は次の瞬間、崩壊した建物の残骸の中へと一体化して息絶えていた。
その光景に人々は逃げ惑い、その中にはヴィヴィアンとラミアの姿もあった。実家でお喋りに興じていた中で起きた突然の事態に母親に連れられて避難するなか、吹き荒れる時空嵐にて巻き起こる突風に煽られ、飛んでいた者達は地上へと落とされる。
誰もが混乱するなか、崩れ落ちた建物の破片が落下し、その真下にいたヴィヴィアン達を狙う。悲鳴が木霊するなか、真っ直ぐに飛来したビームが瓦礫を撃ち抜き、粉々に粉砕する。
皆が上を見るとサラマンディーネの焔龍號がやって来た。
「皆さん!すぐに宮殿に避難を!!」
それに皆はすぐに避難をし始めて、サラマンディーネは落ちて来るがれきを次々と破壊して行く。
「急いでください!…っ!?」
っとサラマンディーネは気配に気づく。迫っている異変の空間の中に黒い巨影が浮かび上がる。
「あれは!?」
空間の中から現れた巨影、それは全身に赤黒く発光するコードの様な編み糸が絡み、巨大な翼を広げ羽ばたく大型の機械龍であった。しかもそれは一つではなく、複数として現れる。
「全身機械でできた…ドラゴン!?」
アーサーとサラが驚いていると、機械龍が一斉に吠え、口から無数の鉄球を放出する。放出された鉄球が卵の様に割れ、中から見たこともない異形の怪物達が現れ、両掌の白い球体からビームを発射する。
「サラ!大丈夫か!?」
「えぇ、大丈夫です!」
「奴等を食い止める!その隙にサラは逃げ遅れた人達をっ!!」
その時、フラドーラの装甲に銃弾が当たりまくる。別の方向からユーティスのバジリスが専用のアサルトライフルを乱射する。アーサーはすぐにバジリスの攻撃を防ぎ、ガルクローを伸ばし、斬りにかかる。ユーティスもフラドーラのガルクローを蹴り防ぎ、蹴り払う。
「コイツ!」
「掴んだ!そしてさらに!【ゴルスフィスト・モード】!」
バジリスの紫に光る流動経路が白く輝く。すると機体から同じ機体が複数増える。
「増えた!?嫌、違う、残像…!?」
アーサーとサラが驚いた時、バジリスがアサルトライフルを乱射する。さらに残像からも弾丸が飛んできて、アーサーとサラは直様防御体制を取る。
「残像の方も弾丸が飛んでくる!どう言うことなんだ!?」
「これが敵の科学力!」
バジリスは腰に下げていた曲刀『ブナハヴァル』を抜刀し、アーサーに襲い掛かる。アーサーは返り討ちをしようとするも、ユーティスは得意能力である軌道予測でアーサーの攻撃パターン及び、軌道を見て回避し、カウンター攻撃する。
「グッ!」
「アーサー!」
息を荒く呼吸するアーサーに心配するサラ。そしてユーティスがある事を言う。
「ハハッ!!知ってるよ!君の身体はもう持たないって!もう時期穢れボスキートの細胞がお前の命を食い尽くしている事を!もう時期立てなくなるんじゃないのか?」
彼は寿命の事を知っていたのだ。ユーティスの言葉の意味が分かったサラはアーサーの安否を確認する。
「まさか!」
「やっぱり、奴にはバレてたか……これも“内通者”の手か。」
『(命?内通者?)どう言う事なのです!?』
「言葉の通りだ、サラ…。俺はもう時期死ぬ…そしてこの世界や俺たちの組織に…敵のスパイがいるんだ。」
「その様な事!?」
「恨むなら、アリマ司令に言ってくれ。今は目の前の敵をゴフッ!!」
っと突然の吐血にサラが驚く。
「アーサー!」
サラが心配した直後、異空間の中からそれは現れた。
「あれは!?」
その姿、巨獣の如く、身の丈、山の如し、複数本もある巨大なテンタクルアームからガリガリとぶつかり合う音を鳴らし、紅く光る目でアーサー達を睨む。
「500年前の遺物にして最強にして最大の兵器【デバステーター】だ!!」
野獣の様な咆哮を上げるデバステーター、さらにその真下が光り始め、ある物が現れる。大きな艦体、X字型の前進翼、巨大なスラスターバーニア、無数の対空砲『Mk XIマルチタレット:ヒドラ』『120mm 滑腔砲』それは“戦艦”であった。
「あれは…一体!?」
アーサーは驚く。あの様な巨大戦艦は未来で映っていなかったのだ。
「(どう言う事なんだ!?未来が改変されているなんて!?それに…乗っているのはまさかだけど…。)」
アーサーは謎の巨艦の艦橋を見上げる。そしてそれは艦橋の方でも同じであった。艦橋から見下ろす影は不気味な微笑みを現し、アーサーとサラを睨むのであった。