クロスアンジュ トライブブラザーズ   作:マシンクーガー

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チャプター33 千年前の真実

あの戦いから二時間後……連邦政府はアルトリウス・コールブランドを取り込んだ謎の肉塊の調査をしていた。付近には近づけさせまいと肉塊に対抗するゲートも建造中であった。調査隊は上流にあるとされる時沢生命工学研究所を調べようとドローンを飛ばす。しかし、肉塊から触手が飛び出し、次々にドローンを破壊していった。

 

「これで何機、飛ばした?」

 

「72機、4機だから18回だ。」

 

「無理だと思うぞ、何せドローン飛ばしても直ぐに破壊される。」

 

いくら飛ばしても破壊される事に愚痴る調査隊員、すると横にいる隊員の一人がある事に気づく。

 

「前々から思ったんだけど…これって1000年前の物だよな?」

 

「ん?確か…アルトリウス・コールブランド本人がそう言ってた。」

 

「1000年前となると戦争が再活動始まる前に建造されていた。だったら何で…“光学迷彩機能を持つシールドが劣化しなくて稼動しつつ、1000年間そのまま放置されてたのか?”」

 

「っ!?」

 

隊員は驚く。そう1000年前と言ったら第三次世界大戦が始まる数年前の時代…この研究所も破壊兵器で抹消される筈。だが何故抹消しない?そして放置されつつもシールドは稼動していたのか?肉塊も正常に保っていたのか?深まる謎が多くなるのであった。

 

 

 

 

 

 

一方、タスク達はアーサーが放った1000年前の真実を確かめに連邦評議会に来ていた。太平洋上に建設された人工島『アーク』…外壁にはそれに対抗する防衛兵器が並んでおり、防壁内には高層ビルや街が立ち並んでいた。遠くに大きく空高く伸びているビル並みに高く、ドームらしき建物が見えてきた、そして周りに輸送機や船が辺りにいて、滑走路に着陸や港に停泊する様子が見えた。

 

その様子を見て、タスクとアンジュは思わず目が釘付けとなる。

 

「凄いな…あれがか?」

 

「ああそうだ、あれがこの世界の連邦政府の評議会『地球連邦元老院』だ」

 

「地球連邦元老院…」

 

タスク達は輸送機の発着場に到着し、元老院の中へ入って行く。係員の案内に従い、元老院最高議長であり、大統領である自分がいる部屋の前に着く。

 

「お館様、連れて参りました。」

 

「入っても良いですよ…」

 

ドアの向こうから優しい声がタスク達の心を安らぐ。ドアを開けると、和式の部屋になっており、そこには粗相の無い和服を着た老婆とアリマ、東護ノ介、大巫女、老男男女の12人、そしてオリヴァルトと一緒に抹茶を飲んでいた。初老の男女達がこちらを見ていた。

 

「よくお越しなったわね、私の勇敢なる子供達。」

 

老婆は笑顔でタスク達を見た後、係員を見る。係員は頭を下げた後にその場を去り、残ったオルト達は7人の初老の男女を見る、するとオルトとサラが前に出て言う。

 

「アウラの都から来たオルト・冨岡」

 

「同じく近衛中将サラマンディーネです」

 

「よくぞ参ったね。私が世界評議会最高議長、産屋敷家187代目当主“産屋敷かぐや”と申します。そしてよく来られた別地球から参られた者達よ」

 

産屋敷かぐやが出迎え、それにオルトとサラは頭を下げ、それに釣られるかのようにアイン達も一度頭を下げる、っがその中でアンジュだけは頭を下げなかった。

 

「コラッ!アンジュちゃん!お館様の前よ!」

 

「うるさい!私はどんな人物だろうと頭は絶対に下げない!」

 

「いや下げろ」

 

っとアインとナツキが強引にアンジュの頭を下げさせ、それにアンジュはジタバタと暴れだす。それに東護ノ介たちは思わず呆れながら見ていて、議員たちは笑いながら見ていた。

 

「あはははは、なかなか面白い小娘な事。まるで昔の私みたいで懐かしい♪」

 

議員たちの冗談話の事にアンジュは思わずイラっとする。

 

「何が懐かしいよ!」

 

「あの、お館様…そろそろ本題に。」

 

っとオルトがすぐに気持ちを切り替える、それに対しアンジュの方はまだムスっとした感じだった。

 

「ああ分かっている。では早速だが都で何が起こったのか報告してくれないか?」

 

「はいお館様、実は…」

 

オルトとサラは都の方で何が起こったのかを全て話す、ラグナメイルの襲撃、時空の影響、アルトリウスの消息、正体不明の生命体、千年前の真実のすべてを話し、かぐやはそれに納得する表情をする。

 

「なるほど…アルトリウス・コールブランド、あなたはやはり、運命を背負いし勇者王ですね。」

 

「勇者王?」

 

オルト達が首を傾げる。かぐやがあるメモリを用意していた機器に差し込まれる。部屋が暗くなり、映画のように映像が映し出される。映し出されたのは…。

 

「《アーサー!?》」

 

白く染まり、髪も長くなっていたが、間違いなくアーサーであった。

 

『初めまして、1000年後の皆さん。私はアルファリオン・エクシリアス…アーサーの双子の兄だ。これを見ていると言う事は、時沢生命工学研究所何があったのかを知る事になる。遡る事1138年前ーーー西暦2033年5月14日(火曜日)… 黒部峡谷上流の黒部ダム湖に位置する時沢生命工学研究所にて起きた人工生体の細胞異常増殖事故【D・インパクト】。その内容の全てを話す。』

 

アルファリオンは事の全てを話した。まず最初に、アルファリオンはオリヴァルトの正体…6500億年前に侵略者によって滅ぼされた超古代人類【エクシリア人】の生き残りであり、アルファリオンとアルスことアーサーはその王族最後の末裔でもあった。二人はオリヴァルトの乗っていた時間跳躍機能を持つ方舟に乗っていたが、突然のアクシデントで二人は別の世界、別の時代へと飛ばされた。アルファリオンは本当の魔法が発達した世紀末世界、アーサーはマナと言う偽善に満ち溢れた世界として…。だが、この時、運命の歯車はさらに増えていた。再開した二人が待っていた物…それは植物人間状態になっていたアルトリウス・コールブランドであった。当の本人も身体がもう一つと言うより、新しい身体として復活していて、何が起こっているのか分からない様子であった。さらに、それに続くかのようにサヨリ・コールブランドを含むA組メンバーも復活していた。彼等も自分の幼少期の姿を見て驚いていた。アルファリオンと妻であるフェアリスはエンブリヲの義兄となる【時沢アルト】の両親“時沢夫妻”に相談したところ、ある解決方法があった。

【分離移植手術】ーーー過去へ飛ばされて来たA組メンバーの二つの存在、幼少期と成人期…成人期を極力で幼少期へと若返らせ、二人の脳を入れ替え、傷ついた方の身体を治療すると言う大規模集中治療計画であった。手術は成功し、A組メンバーはそれぞれの暮らしをしながら、12年間待った。“アイツ等”が来なければ……。

12年後、ナノマシンで人工的生体機能を持つアーサー達は待ちに待った手術を開始させた。だがある日、Dr.ベンドロスと名乗るアルザード帝国の刺客が現れ、研究所を乗っ取ろうとした。そしてそれは等々起きた……アルトリウス・コールブランドの治療中に使用していた人工生体の細胞が突如暴走し、爆発的に増殖。飲み込まれた多数の研究職員が死亡した。増殖した細胞はミュータントとなって渓谷全体を覆いつくし、平野部付近まで渓谷を埋め尽くしていった。幸いにも、アルトリウス・コールブランドとA組メンバーの人工生体ユニットは防弾カプセル内でハイパースリープ状態であったが、肝心の本体、そしてアルトリウス・コールブランドの兄妹弟子である小さき少年少女が囚われた。アルファリオンとフェアリス、時沢アルトは泣いた…アルトは私を責めた。お前のせいで父と母、修学旅行で来ていた彼の友人達もミュータントに食われていったと。アルファリオンとフェアリスはその罪を償う為、時沢アルトを弟子として育て、そして一族に伝わる時空の力を与え、【崩壊者】として名乗らせた。だが数百年後に起こったドラグニウムの発見により、事態が急速に激しさを増した。アルファリオンはエリアを守る為、人工生体機能を持つ半永久機關を搭載させた自律式修復システム防護壁『ミスト』開発、エリア全体を光学迷彩で隠し通して来た。そしてついに、1000年……産屋敷家にこの事態を終息に終わらせる精鋭部隊のメンバーを育ててくれると信じていると。

 

『私は野暮用で君達の前に現れる事はできないが、どうか弟…アルス・エクシリアスとA組メンバーを助けて欲しい。』

 

アルファリオンからの映像通信が終わり、【For a new life ...】と言う文字が映る。

 

1000年前の真実を知ったタスク達は今までの事を整列して行く。

 

「だからアーサー達を、狙ったんだな。ケーニヒスにとって、A組メンバーの殆どがアルザードに終焉を齎した災厄として。つまり上流に行けば、アーサー達を復活させる事ができる。」

 

「えぇ、もしかしたら、上流へ向かう途中でアルザードの邪魔が入ると思います。既に精鋭部隊のメンバーも決めております。」

 

「《誰?》」

 

かぐやと東護ノ介はオルト達を見る。

 

「お前達B組メンバーと私と連邦特殊部隊である『F.S.S.』だ。」

 

精鋭部隊のメンバーはオルト、ネーラ、アイン、ナツキ、ナタリア、ポーラ、ネス、ニック、ツカサ、ヒュウマ、スミコ、ナナコ、シノブ、ゲンヤの計14人とF.S.S(Federation Security Service)部隊、そして東護ノ介であった。アークの極秘格納庫に到着したオルト達。そこにはこの日の為に開発していた対用兵器と強化スーツ、必要な物資、戦闘車両が収納されていた。

 

「コイルガンにE.F制式F98アサルトライフル、レールガン、レーザートーチ、ビームガン、パルスグレネードランチャー…スゲェ!いつからこんな凄い武器を!?」

 

「…アルファリオンとアーサーが用意したんだ。」

 

「え?」

 

「二人はこうなると分かって、爆心地へ向かう為の装備や物資、武器を第三の地球で掻き集めてきたんだ。お前達の為に。」

 

「あの二人…俺たちの為に。」

 

「アーサー…」

 

「アイツ…あんな風になってまでも、俺達を今でも信じているんだ。」

 

ナツキとアインは涙を流し、決心する。

 

「皆んな!行こう!アーサー達が待つ…時沢生命工学研究所に!!」

 

「《おぉ!!》」

 

オルト達は一斉に声を上げ、準備をする。D・インパクト即ち爆心地へ向かう為の対ミュータント用強化スーツ【ナノダイバー・スーツ】ーーー全身を覆う構造で人工生体ユニットで構成されており、コイルガンや携帯型レールガン、レーザーガンなど大小様々な銃器の運用が可能となっているほか、足部には高速移動のためのローラーダッシュ機構やジャンプ距離を延ばす噴射機構、スラッシュハーケン射出機構など様々な機能が搭載されている。背中に回収物や予備弾倉を入れる背負子を装着する事になる。輸送機に出来るだけの物資や車両、武器を積んだオルト達はスーツを着用し、オスプレイに乗り込む。そして、東護ノ介も…。

 

「待たせたな。」

 

東護ノ介も強化スーツを着用していた。武装は右腕部にガトリングシールド、左腕部に核融合プロトンキャノンを内蔵させたラジエーターシールド、脚部に歩行及び姿勢を制御する高出力ホバーレッグを装備した強力な武装とスーツであった。タスクとアンジュ、サラ達が心配する中、オルトがタスクに言う。

 

「タスク!アンジュ!アーサーの事は俺たちに任せろ!お前達は次の事を考えて置くんだ!」

 

「「……」」

 

「サラマンディーネ、次なる手は分かっているな。」

 

「はい!」

 

「艦隊の指揮を頼む!それからもし失敗した時にお前も爆心地へと我々と合流してくれ!」

 

「分かりました!」

 

東護ノ介とオルト達を乗せたオスプレイは爆心地である国部ダムへと飛び立つのであった。

 

国部ダム付近 《平野部》……渓谷がミュータント細胞によって侵食されてしまう事恐れた政府は予めに建造していた防護壁をゲートとして役割を担っていた。ゲート前では、既に潜入するF.S.Sメンバーが揃いつつあった。先導するのは勿論…。

 

「待っていろアーサー…お前やサヨリ達、弟子である“ノーリイ”と“ミクリ”を助け出し、手術を成功させてやる…。」

 

アルファリオン・エクシリアスはゲートの向こう…ミュータント細胞に侵食された渓谷、温泉街、旅館、観光地、そして最終地点である国部ダム最大の湖…黒部湖の水上に建つ建物…そう、そこが終着点である時沢生命工学研究所であった。だが研究所の周りをダイソン球の様に覆い囲むミュータント細胞の肉塊、研究所の殆どが肉塊で侵略されているも、一部だけは健全であった。冷凍睡眠施設であった。そこには人工生体ユニットとなっているサヨリ達と本当の体であるサヨリ達が入ったバイオカプセルを肉塊が繭の様に包まれており、今も眠っている。展望ホールでも同じであった。髪が長くなったアーサーの弟子…孤児であったノーリイとミクリであった。そして研究所の最重要ポイントである部屋…ダイソン球様な大型バイオカプセル内のバイオ液で眠る人工生体ユニットのアーサーともう一人のアーサー……首が伸び、後の胴体がミュータント細胞の肉塊で構成された巨体になって、カプセルを覆い被さっていたのであった。

 




さて…続きの設定及び、続きを書いて行きますか!
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