クロスアンジュ トライブブラザーズ   作:マシンクーガー

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チャプター35 黒の破壊天使・後編

戦闘を行っている中、ドラゴン達が次々とアルザード艦隊で落とされて行くのをヴィヴィアンが見て、大声で叫ぶ。

 

「ああ!!やめろーーーーー!!!!」

 

「くっ!」

 

するとアンジュがヴィルキスを動かして、最前線へと向かう。

それにタスクが慌ててしまう。

 

「!アンジュ!!」

 

「サラ子を助けに行くわ!」

 

「待ってくれ!相手はエンブリヲとケーニヒスだ!!」

 

「黙って見るつもり!!?私も行くわ!」

 

アンジュはフルスロットルを全開にし、サラを助けに戦場の中へ入る。

 

「クソ!!ヴィヴィアン!しっかり掴まってて!」

 

「おう!」

 

ヴィヴィアンの掛け声と共に、タスクはヴィンセクトの速度を上げ、アンジュを追う。

 

そして戦闘は膠着状態へと陥っており、ドラゴンや連邦艦隊が次々と撃沈されて行く。

サラの焔龍號は蒼い模様があるヴィルキス“クレオパトラ”と右腕に装備されている伸縮式ブレード“積層鍛造光子剣「天雷」”で応戦していた。

 

『戦力!消耗三割を超えました!!』

 

『早くも戦況が維持出来ません!!』

 

ナーガとカナメが左右の通信モニターから報告し合う。

 

「相手は……(考えてみれば多すぎるます、どうすれば!)」

 

サラが現状によって混乱し、クレオパトラがラツィーエルを振り上げる。

 

「っ!!」

 

サラが油断したその時、アンジュのヴィルキスが颯爽と焔龍號の前に現れ、ラツィーエルで防御する。

 

「!?」

 

クレオパトラに乗っているライダーは思わず反応し、アンジュはクレオパトラを一気に吹き飛ばして、その中にいるライダーはヴィルキスを見る。

 

「ヴィルキス…アンジュなの?」

 

ライダーはヴィルキスに呟く。

 

「大丈夫!サラ子!」

 

「アンジュ!」

 

「今の内に逃げなさい!」

 

「出来ません!エンブリヲからアウラを取り戻すまでは!」

 

『馬鹿!周りを見なさい!!こんな状況でアウラを奪還するのは無理よ!』

 

サラはアンジュの言う通りに周りを見渡すと、戦況が混乱状態だ。横で戦っていたガレオン級ドラゴンがデバステーターと応戦するも、胴体を貫かれ、落ちていく。

 

「アンジュの言う通りだ!今は引いて、戦力を立て直すんだ!勝つために!」

 

その事を言われ、少し頭を冷やして操縦桿を握りしめて皆に言う。

 

「アウラ…全軍!撤退する!! 戦線を維持しつつ特異点に撤退せよ!」

 

それによりドラゴン達は特異点に撤退を開始する。

それに緑のヴィルキス『テオドーラ』がビームライフルで追撃していた。するとアンジュがテオドーラに気付いてアサルトライフルのグレネードランチャーを撃ち、それにテオドーラはビームシールドで防御するも、強烈は爆風と吹き飛ぐ。

 

「ぐっ?!!」

 

そして再び攻撃しようとした時にアサルトライフルの弾が切れた事に気が付く。

 

「くっ…!」

 

『アンジュ、これを!』

 

っとサラがアンジュに崩壊粒子収束砲「晴嵐」(対装甲銃剣「震電」装備型)を投げ渡す。

 

「アンジュ。どうかご武運を…」

 

「良いからさっさと行きなさい!!」

 

アンジュは怒鳴りながらも銃剣型バスターランチャーを放ち、サラの撤退を援護する。アンジュは邪星神をバスターランチャーで倒し、飛翔形態へ変形した直後、後方からクレアオパトラが接近する。

 

「やっぱり…」

 

「?…」

 

アンジュはクレオパトラの方を見ると、クレオパトラがフライトモードになり、そのライダーのバイザーが透通って素顔が現る。

その人物はサリアだった事に…。

 

「どうしてあんたが…」

 

「!? サリア…!?」

 

クレオパトラに乗っているライダーがサリアであったことに、アンジュは驚くのであった。

そしてそれはミスルギ皇国にいるエンブリヲ達も見ていた。エンブリヲはサリアに電話しようと受話器を取る。

ヴィンセクトがアンジュの所へ向かうと、ヴィヴィアンがクレオパトラのライダーがサリアと分かる。

 

「サリア…サリアだ!」

 

「え!?」

 

「でも、何で!?」

 

ヴィヴィアンが混乱する。アンジュが怒鳴る。

 

「何やっているのよ!」

 

「質問してるのはこっちよ、どうしてあんたがドラゴンと共に戦って…、それにヴィヴィアンもどうして…」

 

するとレイジアとテオドーラが近くにやって来る。

 

「本当にアンジュちゃん?」

 

「うわ、マジビックリ」

 

「っ!? エルシャに…クリスも!?」

 

三人が敵側になって居る事にアンジュは驚く、するとサリアの元に通信が入る。

 

「こちらサリア…えっ? 分かりました…エンブリヲ様。アンジュ、貴女を拘束するわ、色々と聞きたいことがあるから…二人共、良いわね?」

 

「「イエス、ナイトリーダー」」

 

そう言って三人はアサルトモードに変形し、それにアンジュは驚いて慌てて逃げる。その時、ヴィルキス目掛けてビームが飛んで来る。

 

「っ!!?」

 

上空の彼方、それは現れた。禍々しく滑らかにして異形の装甲、黄金のフレーム、、純白に満ち、赤のライン、蝶の如く妖精の風貌をした邪星神が腰部に装備されたビームレイピア二刀流を抜刀する。

 

「何なのあれ!?」

 

アンジュは戦闘体制に入った直後、目の前から来ていた邪星神が突然と消えた。

 

「消えた!?」

 

その時、アンジュの背後から邪星神が突然と姿を現す。

 

「アンジュ!」

 

タスクはヴィンセクトを変形させ、プラズマシールドを展開する。ビームレイピアのプラズマ刃がプラズマシールドと激しくぶつかる。するとビームレイピアの刃が徐々にプラズマシールドを貫通しようと迫る。

 

「くっ!」

 

タスクとアンジュ、ヴィヴィアン、絶体絶命なその時、横からメーサー光線が飛んできた。邪星神はそれを回避し、防御体制をする。艦砲射撃して来たのはオリヴァルト達が乗っている新・轟天号とランブリング、火龍、エクレール、そして五隻のザグザケル級巡洋艦がメーサー砲で援護していた。タスク達の通信機からオリヴァルトとクリストバル等が安否を確認して来た。

 

「アンジュ!タスク!ヴィヴィアン!大丈夫か!?今からジャンプする!三人とも、轟天号に入れ!」

 

すると、謎の白い邪星神が今度はサリア達に襲い掛かっていた。ビームライフルの攻撃をビームレイピアでの高速突きで拡散させ、ラツィーエルの刃を受け流して回避すると言う蝶の様に舞、蜂の如く刺すかの様な戦い方であった。

 

「ちょっと!仲間でしょ!?」

 

しかし、白い邪星神に乗っている者は反応なしであり、攻撃を続ける。その時、背後から赤いダイロギアンが白い邪星神を抑え付け、命令する。

 

「“フェリシア・斑鳩・ミスルギ”、そこまでだ。」

 

白い邪星神は攻撃を止め、空中で停止する。それよりも、あの赤いダイロギアンのパイロットがモルドゥレイスであり、彼が放った言葉であった。アンジュは戸惑い隠せず、モルドゥレイスに質問する。

 

「どう言うことなの!?それに乗っているのはフェリスなの!?」

 

質問の返答に応じたのか、白い邪星神『アルテギア』のコックピットがハッチが展開する。コックピットは四肢を覆う埋め込み式であり、露出度が高いライダースーツ、さらに背中に六本のチューブが取り付けられており、そこから強化促進剤を投与することになっている。そして彼女の頭を覆うかの様にヘルメット型のデバイスを付けられ、さらに薬を使っての二重洗脳されていた。

 

その姿にアンジュ達は驚く。

 

「やはり…ケーニヒス、お前は自身の血筋の持つ者でさえも道具にするのか?それともアーサーによって“完膚なき”までに追い詰められたことでの復讐か!?」

 

オリヴァルトは過去の事を思い出す。かつてアルザードは第三の地球で軍事拡大を狙っていた。平民や他国の民、さらには亜人種ですら人間扱い、呼ばず、『道具』『醜い獣』呼ばわりであった。さらに彼らは宗教を弾圧し、ケーニヒス…即ち皇帝は神の下に在らず、皇帝こそが神の上に立つ者と言う意味おかしな事を言う。あの当時、先祖代々で連鎖し続けたアルザードにも終焉が訪れた。何も関係ない、何も罪もない人達が穏やかに過ごしていた街を焼き、奴隷狩りをしていた事……それに大激怒したアーサーとA組メンバー、そして彼に忠を抱く仲間達によって、アルザード皇室、一部の貴族、騎士や兵は別次元へ無限追放され、アルザード帝国は滅んだかと思いきや、彼らはゴキブリの様に生き延び、今現在…その復讐でアーサーの仲間であるアンジュ達を殺そうとしていた。

 

そしてフェリスが乗ったアルテギアがモルドゥレイスの命により、攻撃を再開する。新・轟天号を攻撃しようとしたその時、天空の彼方…太陽が上空や海面から海中、深海の闇を照らす。

 

「何だ!?この光は!?」

 

「《っ!!?》」

 

一同がその眩い光に目が眩む。ケーニヒスとエンブリヲはその光に驚く中、それは太陽から現れた。神々しく光り輝く体、鮮やかな白と赤、黄金の装飾が彩られ、施された巫女服、背部から陰陽太極図の光輪を発する光の巨人であった。

 

「何だあの巨人は!?」

 

タスクが驚く中、オリヴァルトとクリストバル達カレトヴルッフ家全員が跪く。そしてオリヴァルトが光の巨人を見てその名を言う。

 

「“曉和神アルス”…!!」

 

オリヴァルト達が巨人に向かって祈り始める。曉和神アルスは光の剣を取り出し、アルザード艦隊に刃を向ける。アルザード艦隊からビームやミサイル類の無数の攻撃がアルスに飛んで来る。アルスは大きく回転切りをし、その直後、跳ね返したビームとミサイルがアルザード艦隊に直撃した。さらに直撃した艦隊から火が吹き、全艦隊が海へと沈む。ドラゴン、連邦ですら勝てなかったアルザード艦隊が一瞬で沈めた事にタスクとアンジュとヴィヴィアンは驚く。

 

「す.凄い…!!」

 

アンジュ達が見惚れる中、ヴィルキスが青色に変色する。何と、曉和神アルスがヴィルキスに何かを指示していた。そしてヴィルキスが光り始め、タスク達を別の彼方へと跳躍した。

 

 

 

 

 

 

そして転移を終えて何処かに到着するタスク達、タスク達は目の前にある島を見る。

そこはアンジュ達にとって見覚えのある島だった。

 

「あそこは…アルゼナル?」

 

アンジュが完全に基地機能を失ったアルゼナルを見て呟き、ただアルゼナルを見て呆然とする。

 

そして夜、アルゼナルの付近の海に着水した轟天号と共に残った連邦艦隊、艦から降りたオリヴァルト達はを連邦軍兵士達にアルゼナル内の少女たちの遺体を回収するよう命令する。クリストバルとセレスティアは回収し、燃え盛る遺体に祈りをしている。その時、セレスティアが呟く。

 

「どうしてここまでこんな酷い事ができるのでしょう…本当の意味で変わらない普通の人間の筈なのに。」

 

「エンブリヲはそうやっていらない物を嘘で洗脳させ、幾度も続けてきた。遺体に触れて分かったのだが、ここへ襲撃してきた兵士達の話によると、ジュリオの狙いはアンジュとヴィルキス、そしてメイルライダーの確保であったらしい。エンブリヲの命令であったにも関わらず、勝手な思想で必要ない彼女達をそのまま銃殺していったとのこと。」

 

「そんな…!!」

 

「この世界の民は異常者だ。こんなのは人間のやる事じゃない…。」

 

クリストバルはそう思いながら、回収された遺体に向けて、ご冥福をお祈りしていた。

 

 

一方、アルゼナル裏口の方では、ヴィヴィアンが魚を美味しくのん気に食べている中、アンジュは暗い表情に包まれていた。

 

「帰って来たんだ…アルゼナルに」

 

アンジュはアルゼナルを見上げて言い、悲しみの声で言う。

 

「皆…何処に行ったの? まさか…」

 

「脱出して、無事で居るはずさ。ジルたちがそう簡単にやられる筈がない」

 

タスクの言葉にアンジュは頷く。そしてアンジュは先の戦いで現れたフェリスの事、光の巨人の事を思い出す。

 

「(フェリス……そしてあの光の巨人…一体、この世界で何が起こっているの?)」

 

アンジュがそう考えている中、ヴィヴィアンは何かに気付き、それを見る。

すると海の方に緑色の光の玉が浮いて、そこから三人の人影が現れる。

 

「え!?何あれ!?」

 

アンジュはそれに怖がりタスクに近寄り、タスクはホルスターからハンドガンを取り出す。

海から上がって来る謎の三人にタスクは冷や汗を流しながらつぶやく。

 

「お化け…幽霊? 海坊主?!」

 

っとアンジュは恐怖のあまりに悲鳴をあげながらタスクに抱き付き。

っと一人の者がアンジュの姿を見て言う。

 

「あ…あ…アンジュリーゼ…様?」

 

「ち!違う!!……私は!!……え?」

 

アンジュは自分の本名を知っている事に反応する。するとその人物はマスクを外すとモモカが現れる。

 

「モモカ…?」

 

「アンジュリーゼ様ー!!!」

 

モモカはアンジュに駆け寄って抱き付き、アンジュもモモカが現れた事に嬉しながら抱き付く。そしてヴィヴィアンはその他の者達を見た時にマスクを外したヒルダとロザリーを見て驚く。

 

「うわ!みんなだ!!」

 

「ヒルダ!ロザリー!」

 

ロザリーはヴィヴィアンを見てビビって引いて、ヒルダは笑みを浮かべてアンジュに駆け寄る。

 

「本当に…アンジュなの?」

 

「勿論よ、ヒルダ」

 

それにヒルダはまた笑みを浮かべる。

っとそこに強化服を身にまとった隊員たちがやって来て、ライフルを構え。それにヒルダ達は慌てる。

 

「な!なんだこいつ等!?」

 

「待って!皆んな!待てヒルダ! 彼らは味方よ!」

 

「はっ?」

 

っと海中から現れたのはセイザータウラス、セイザーゴルビオンになったライドとエクエス、そしてトウジ達であった。

 

「お久しぶりです。オリヴァルトさん。」

 

「お前達も、よく無事だった。」

 

「ライド、エクエス、コイツ等知ってるのか?」

 

「知ってるも何も…彼の名はオリヴァルト・カレトヴルッフ。俺達の所属している地球連邦海軍情報局特務参謀総長。俺達の義兄弟であるアーサーの肉親だ。」

 

「君達がノーマのヒルダとロザリーだな。情報通りだ。」

 

オリヴァルトが丁寧に挨拶すると、ライドがタスクの方を見る。

 

「タスク…アーサーの事は、西十郎さんから聞いた。」

 

するとライドが涙目でタスクに抱き付く。

 

「ごめん…お前等がそんな事になっているなんて……俺、グランセイザー失格だ。」

 

泣くライドにエクエスも涙目でタスクとライド、さらにトウジ達も泣き崩れる特にトウジとミクモの姉弟にとって、アーサーは炎のトライブのリーダーでもあった。そんな二人が中、一人の悔やむ声と泣き声がした。みんなの視線がその方向へ向く。

 

「《ランス!!??》」

 

何と、コールブランド邸で大人しく待っている筈のランスがここに。彼は侵攻するする際に、轟天号の倉庫室に隠れ潜んでいたのだ。その事にタスク、ライド、エクエスが怒鳴るのであった。

 

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