ある次元にて、巨大な艦隊航行していた。それはケーニヒスが根城にしている筈の闇の大聖堂並みの大きさを持ち、改造された闇の大聖堂であった。その聖堂内のカタパルトデッキにある機体が移送される。
そして、聖堂内の王座の間にて座る高貴な衣服で身を包んだ妖麗な女性。
「時は来た!全ての世界、過去、現在、未来を【マナの闇】に染め上げ、全ての秩序を変革する時が!ケーニヒスの元へ向かうよ!彼の最後の晴れ舞台を観覧する為に!」
《オオオオオォォォォォォォ〜〜〜〜〜〜!!!!》
女性は歓喜を上げると共に、彼女の下にいる“人だった”何かが蠢き、その歓喜と共に雄叫びを上げる。美しく、気高く、禍々しく穢れた歌声が聖堂内に響く。聖堂の中枢からだ。中枢の球状大型ユニットから歌声を発しているのは、【胎児】であった。胎児が自分の能力で形成しているのか、歌声の正体はホログラフィック映像で映し出されたバーチャルアイドルであった。だが問題なのはそれだけではない。なぜなら、その歌声がアンジュとサラ、そしてフェリスの声と彼女の双子の姉であるフェアリスの声、他の歌姫達の声が複合されていたのであった。
闇と歌声によって要塞のシステムが起動し、大聖堂は時空を越え、ある場所へと向かっていった。
地下奥深くにある不気味な格納庫……古い教会……そこにいるアーサーはカプセルから映写されている白い女性“地球星警備団の団長”であるユザレの話を聞いていた。
今から6500万年前…かつて地球にエクシリアと言う古代人が繁栄を築き上げいた。彼らは【ソルの光】と呼ぶ念動力のように物質を浮遊・移動させたり、拘束・防護用の結界を張ることも可能。また、統合システムへのアクセスによって情報共有が可能な魔法に似た技術…マナの光の原点である社会化システムを使い、様々な文献、アーティファクト、戦闘・防衛・支援兵器を作り上げてきた民を愛した恒星国家であった。
またソルの光の使い道は幾つもあるが、特に重要なのは…ソルの光の力は強く、エクシリア人の殆どがそれの力の使い道をよく知っていた。赤の他人がこの力の存在を知られれば、他者はその力に目が眩み、己の欲望の道へと走ってしまう。必ず……。エクシリアは代々それを教訓として、ソルの光を正しく使っている。だがそれを知り、エクシリアに厄災を齎した。
【ゼノム】と名乗る異次元人の多種混成集団による侵略であった。ゼノムはそれぞれの六大元素を司りし原初のボスキート六人を将軍にし、ソルの光の五つに分け与えた。しかし、その中で唯一残ったソルの光は…貴方の手に、それを狙うのは原初のボスキートの領将の一角【イブリートス・アルマス・ゼノム】です。
ユザレの言葉にアーサーは驚く。
「俺のアルファリオンの他に、異母兄弟と姉妹が!?それに俺の中にある痣のこれって!?」
「はい…あなたには暁の光王ラースとの間に【曙光と宵闇】の理を携し十人の妻の異母兄弟姉妹家族が生きておられます。第一の曙光妃の妻と宵闇妃との間に生まれし【第一第二光太子と闇太子】、【第二妃との間に生まれし第一第二光姫と闇姫】、【第三のそれぞれの妃から産まれし双極の王子】、【第四から産まれし第三の双極の姉妹】、【第四光太子と闇太子、光姫と闇姫】、そして【第五の幼き光姫と闇姫】を未来へ…ソルの光と希望を託して。」
「(俺に…兄貴五人、姉貴四人、弟二人、妹四人…腹違いでありながら凄い家族構成だなぁ。それにしても、俺にはまだ腹違いでありながらの肉親がいたなんて。ソルの光……マナの光の原点にして本来有るべき)」
アーサーがそう思っていると、異母兄弟の名前と家族写真が映し出される。
【スメラギンガ・エクシリアス】第一王太子
【マクシミリアン・エクシリアス】第二王太子
【カササギンガ・エクシリアス】第三王太子
【レグルス・エクシリアス】第四王太子
【アルファリオン・エクシリアス】第五王太子
【ヒナホル・エクシリアス】第七王太子
【ソラリア・エクシリアス】第八王太子
【エメラナ・エクシリアス】第一王女
【トワイライト・エクシリアス】第二王女
【ヒノカ・エクシリアス】第三王女
【エグランタイン・エクシリアス】第四王女
【アリーシャ・エクシリアス】第五王女
【ミドナ・エクシリアス】第六王女
【リーシャルス・エクシリアス】第七王女
【シャナルア・エクシリアス】第八王女
【エレイン・エクシリアス】第九王女
【エリーゼ・エクシリアス】第十王女
そして写真に写っていないもう一人の王子【アルス・エクシリアス】……アルトリウス・コールブランドであった。
「それと未来から来たあなたと御対面したようですね。他のエクシリアはそう……あなたを含んで、トリト村で静かに暮らしていたエクシリアの末裔達。【エクシリアの防人】」
「【エクシリアの防人】…王家を守護する騎士団。サヨリ達はその末裔って事か。それともう一つ……タスクの仲間である【古の民】はまだ何処かにいる?」
「……健在しています。彼等はエンブリヲの戦いに恐れを感じ、逃走派として二手に別れました。彼等の末裔は今、別の種族との間に子を成し、穏やかに暮らしています。彼等の印である」
ユザレはそう言うと、辺りが明るくなる。眩い光がアーサーを照らす中、目の前にそれは現れた神々しく、勇ましい大きな巨人像であった。
「これが……ティガ?」
「えぇ…ティガは宿命を終え、異次元の旅へ出て、この地に眠りました。来るべき災厄に備えて……」
ユザレは近づき、アーサーにある物を渡す。それは三つの宝玉が入った箱であった。宝玉の中に、【小さくされた光の古代怪獣】が眠っていた。そしてティガの力が眠る神器【スパークレンス】も入っていた。アーサーはスパークレンスを持ち、天空に掲げる。しかし、スパークレンスは輝くことはなかった。
アーサーはユザレの語り継がれる言葉と目的、運命を聞き入れたアーサー。するとカプセルの隣に大きな木箱と“和”を基調とした異形の鎧と炎の鍔が付けられた刀、日輪の模様をした花札の様な耳飾りが一緒に入っていた。アーサーは耳朶に穴を開け、そこに耳飾りを付ける。和服の上に鎧を見に纏い、最後に一緒に入っていた不気味な仮面(滝夜叉の鬼面)を付け、顔を覆い隠す。お髪を整え、長い髪をつむじに束ねる。最後に刀とビームセイバー、ロングボウを装備しようと炎の鍔をした刀を握る。
「!!」
すると刀を握った直後、脳に声が響く。
「罪なき人に牙を剥こうものならば この煉獄の赫き炎刀が お前を骨まで焼き尽くす!!」
炎を思わせる焔色の髪と眼力のある瞳を持ち、白地に炎の意匠の羽織をした男性がビジョンとして映る。そして背景が変わり、日差しが強く、辺りが炎が噴き上がる世界に変わる。
「っ!!?」
「よく来たな!鬼もどきのような少年!」
っと、彼の背後から熱血感溢れる声がした。アーサーは後ろを振り向くと、そこにいたのは先のビジョンに映っていた男性であった。
「自己紹介をしよう!俺の名は“煉獄杏寿郎”!鬼殺隊炎柱を務めていた剣士だ!君は?」
「アルトリウス・コールブランド…地球連邦特殊戦士グランセイザー 射手座の戦士だ。」
「グランセイザー?それが時代を越えた隊の異名か?」
「ま、そうなるな。」
「アルトリウスと言ったな。率直だが…各柱の【全集中の呼吸】を学んでみないか?」
「全集中の呼吸?」
煉獄杏寿郎はアーサーに全集中の呼吸、並びに各流派について教え始めた。
【呼吸】ーーー著しく増強させた心肺により、一度に大量の酸素を血中に取り込む事で、血管や筋肉を強化・熱化させて瞬間的に身体能力を大幅に上昇させる特殊な呼吸術。流派として炎・水・風・岩・雷の五系統が存在しており、他の流派はここから派生している。
煉獄杏寿郎が使う流派は【炎の呼吸】と呼ばれ、派生は【恋の呼吸】となっている。
【水の呼吸】ーーー派生は【蛇の呼吸】【花の呼吸】【蟲の呼吸】となっている。
【雷の呼吸】ーーー派生は【音の呼吸】。
【岩の呼吸】ーーー派生は無し。
【風の呼吸】ーーー派生は【霞の呼吸】【獣の呼吸】
他にも…【ヒノカミ神楽】【月の呼吸】と言う流派もあるが、ヒノカミ神楽は始まりの呼吸と呼ばれ、それぞれの流派の元となった呼吸。月の呼吸と言うのはかつて【ある鬼】が血鬼術と共に編み出した独自の派生。この二つは難関な為、習得は難しいとの事。
話を聞き終えたアーサーは鞘から刀…日輪刀を抜刀し、煉獄杏寿郎に向ける。煉獄杏寿郎も鞘から日輪刀を抜刀する。刀身の色が紅く、揺らめく炎が浮かぶ刃紋、そして抜刀した際に刀身から炎が噴出する。
「君にはこの精神の中、俺の炎の呼吸を伝承させる。何年も掛かると思うが、外は変わってもいないいつもの光景だ。君なら大丈夫。」
煉獄杏寿郎はそう言い、日輪刀を構え、技を見せる。アーサーはそれに付いていき、時には疲れ果て、時には死に掛け、正に地獄の鍛錬でもあった。
そして……。
「炎の呼吸 奥義“ 玖ノ型 煉獄”!!」
アーサーは刀を構え、その奥義を放つ。強大な炎の壁に向けて、灼熱の業火の如き威力で猛進し、轟音と共に炎の壁を抉り斬り払った。
アーサーの身体が複数の切り傷跡が見られるが、舞い上がる炎が傷を癒やし、さらにアーサーの髪の毛先が炎のように赤く発光していた。
杏寿郎はアーサーの姿と炎の呼吸の伝承が成功した事に納得し、3ヶ月間の修行を終えた。
そしてアーサーは煉獄杏寿郎からあるアドバイスを聞く。
「俺からの修行も終わった。この世界は魔法と言うものがあるが、他にも神殿や社、祠がある。そこに行って、3回お辞儀をすれば各流派の柱から呼吸を学べる。」
「分かりました。」
「うむ!炎の呼吸、確かに伝授した!」
煉獄の言葉と共にアーサーは日輪刀を静かに鞘へ納刀する。すると杏寿郎がある事を言う。
「不思議に思った事なのだが、君の中には小さいが、強大な力を持った鬼がいる。」
「?」
「その鬼はどうしても君に何かを伝授したがっている。もし伝授したければ、その鬼に何かを頭の中で問いかけて見れば良いと私は思う。」
「分かりました。」
「うむ!気をつけて行って参れ!」
煉獄がアーサーの旅に不幸が在らんことを祈り、彼を元の世界へと戻させた。
精神世界から戻って来たアーサーは格納庫を後にする。
っと、目の前にユザレが現れる。
「鬼狩りの者と御対面した様ですね。」
「あぁ…。」
「それともう一つ、貴方に話しておかなければなりません。」
ユザレはそう言うと、あるビジョンをアーサーに見せる。それは禍々しく、恐ろしい闇であった。
「【崩星皇“アザトス”】…500年前、この地に現れ、ウルトラマンティガによって封印されし“無”の存在。ウルトラマンティガは僅かな光を生き残った人々に分け与え、魔力を持つ適用生命体を生み出し、この地は世に言う魔法世界へとなった。アルトリウス・コールブランド…貴方はこの世界ではティガであり、唯一無二の絶対的存在なのです。ソルの光と言う存在をこの世界の者に知れ渡れば、それを利用しようとする者達が現れる。それは勿論、貴方の腹違いにして瓜二つの兄であるアルファリオンも異母兄弟・姉妹…そしてあなたの愛する妻であるフェリスに宿し、二つの命も。」
ユザレはそっとアーサーの左手の痣に触れ、目を閉じる。すると痣からマナの光とは思えない、黄金に発光する素粒子が噴き出す。そう、これこそがエクシリアの秘宝であるソルの光であった。アーサーは自分の両手が光輝いている事に見惚れ、ユザレがさらに説明する。
「闇であり光の意思を持つ者…皆んなに希望を齎す力があなたにはある。あなたはもしかして……。」
“他とは違う、また別の何かの存在である事…”
ユザレが謎の言葉を残したと同時に、映像が消え、カプセルが爆発する。
格納庫から出たアーサーは廃墟中を歩く。倒れたビルや崩壊したビルには50メートルもある程の人型のめり込んだ跡が残っていた。アーサーは被害跡に触れ、過去を覗く。
《ーーー回想ーーー》
538年193日前……。空は青ではなく黒く、死の空であった。稲光と雷鳴が轟く中、崩壊し、燃え盛る人工島に轟音が響く。【崩星皇アザトス】突如この地球に襲来し、人口の約99.9%が死滅、残りの0.1%の人口はこの人工島アークスで避難していたが、アザトスに見つかり、人類は滅亡寸前であった。だがアザトスの前に、上空から流星の如く、光が参上した。光から現れたのは体長53m、体重4万4千t、体色は赤・青紫・銀、胸部と両脇の中心部にあるカラータイマーを持つその巨人こそ、別の地球より参上した光の巨人【ウルトラマンティガ】であった。
ティガは得意の戦法で崩星皇アザトスを追い詰めていく。両者共々、力は互角…そしてティガは赤く点滅するカラータイマーを鳴らしながら、アザトスにゼペリオン光線を放つ。ゼペリオン光線がアザトスの闇を貫き、闇の中にあるアザトスのクリスタルを破壊した。
悲鳴を上げるアザトスは僅かな闇をティガに纏わり付かせ、ティガを石像に変えようとするも、ティガが最後の力を振り絞り、タイマーフラッシュでアザトスを異次元の狭間へと封印した。ティガは僅かな光を上空に飛ばし、そして石像へとなる。上空へと飛ばしたティガの光は地球の軌道上で破裂、光の雨がアザトスによって滅ぼされた大地を癒す。そしてそこから新たな生命体、新たな社会化システム、新たな文明開化によって再生・誕生させた新しき地球文明……第三の地球改め【ティガの新地球】の幕開けでもあった。
《ーーー回想終了ーーー》
過去に触れ、この世界の謎を知ったアーサーは光を失い、青銅となったスパークレンスを見る。
「お前も…俺と同じ、“運命を切り開く者”だったんだな……」
アーサーが何かを閃いたと同時に、朝日が昇る。すると朝日の光が青銅のスパークレンスを当たると、スパークレンスから不思議な光が現れ、アーサーの身体を包み込む。すると純なるボスキートへと強制的に変身すると、体が段々と変異していく。触手から赤を基本に黄色・黄緑色・緑色・白色の美しい羽毛が生え、そこから光と闇の力を持つ炎の翼となり、孔雀の如く虹色に輝く尾羽も生える。さらに髪の色が白から黒と赤、毛先が白へとなり、耳も尖り、そこから赤い羽、側頭部から赤い翼が生える。そして穢れボスキートの腕が赤く染まり、熱く焦げた部位が剥がれ落ち、赤き羽毛、鬼の角を持つ不死鳥の顔をした神々しい腕へと変わった。左腕にも羽毛が生えており、アーサーは背部の六枚の不死鳥の翼を大きく広げる。
「これから先…どうなるんだろう。」
アーサーがそう思った直後、アビス島上空に巨大なワームホールが現れた。
「っ!!?」
アーサーが上空に突如現れたワームホールに驚く。するとアーサーだけが宙に浮かび、ワームホールに吸い込まれていく。
「(もしかして、未来の俺が見せたあの光景が来ると言うことか!?だったら丁度良い!)」
アーサーはそう言いながら、胸に拳を当てる。
「(頼む、一度だけでも良い…ユーティスやケーニヒス、Xを倒せる力を俺に!ソルの光を!!)」
すると左手の痣の紋章が光り輝き、アーサーを包み込むのであった。