時を遡る事数週間前……トリト廃村…そこはアーサーにとって想い、情熱、友情、愛情、信頼…そして“残酷な悲劇”。その上空にワームホールが開かれる。そこから赤い羽が舞い落ちるのは鳳凰の風貌となったアルトリウス・コールブランドであった。
「トリト廃村…」
アーサーは村の焼け跡の中を歩き、海を眺める。
「(辿り着いた時間は…俺が消えた一週間前か。と言う事は俺が記憶を取り戻す数時間前と言う事になるか。)」
アーサーが辿り着いた時間はと場所…それが判明したその時。
《こっち…。》
「ん?」
《こっちだよ…》
何処からか、奇妙な声が響き、森の方を向く。
「…そうか。」
アーサーは何か分かり、森の奥深くへと歩く。
夜の森の中、アーサーは恐れず突き進む。
「クソ…枝のせいで翼が。」
木々から生えている枝によって羽が傷付くも、再生していく。するとある事に気付く、傷を付けた枝がどう言うことか、金属化しており、枝の他に葉や先に見える木々も金属化していた。
そしてやっと森を抜けると、月光によって水面が鏡の様に綺麗に輝いており、月夜を反映させていた。そのど真ん中にポツンと巨大な船の残害が水没していた。そしてそこを中心に湖の周りの殆どが金属化していた。
「アレは…。」
アーサーは羽ばたき、水没した船に近づく。船の外装は錆び付き、船内はボロボロ、そして苔が生えており、300年前も経過していた事が判明する。だがアーサーは見覚えがあった…この船こそがかつてオリヴァルトの船と生き別れ、赤子のアーサーがなっていたとされる“時の方舟”であった。
そしてアーサーの前に小さなカプセルの他に、何か割れるような物を踏んだ。
「ん?」
アーサーはそれを拾い上げ、指から小さな火を起こし、拾った物を照らす。
「あ…。」
それは別れる前、最後にと赤子であったアーサーと記念として遺してくれた“両親との写絵”であった。
「本当の父さん…母さん…!」
アーサーはもう会えない父と母の写真をだきしめか、泣き崩れる。っとカプセルの横のコンソールが点滅している事に気づく。
「ん?」
アーサーはコンソールに触れる。するとコンソールが強く光り、別の扉が開く。
「!?」
アーサーは恐る恐る中へ入ると、扉の奥にある物に驚愕する。
それはこの世界にはない古代の銃器や兵器、テクノロジー、遺物、鉱物、植物、化石、本、データ書記等が詰まっていた。その光景は未来アーサーが見せた未来には全くない物であった。
「凄い……。」
アーサーはそれに驚き、その遺物全てに魅了されていた。本の一冊を取り出し、ページを捲る。それに書かれている事は“魔法”、“科学”、“理力”、“導力”、“霊力”、“呪力”による捜査方法であった。
アーサーはその本に興味を持ち、試しにやってみることにした。
「感じろ…己の中にある“ソル”の“音色”として…。」
アーサーは自身の身体に流れるソルの光のエネルギーを音色の様に感じ取る。するとアーサーの周りにある物が突然と宙に浮き、そして彼を中心に地割れが起こる。
「おぉ!?」
突然の理力の習得とコントロールの難しさに驚くアーサー。理力を使った念動力、空気中の量子を感じ取り、それらを術式として学んでいく。そして第三の世界で知った魔法と本に書かれている魔法は異なる術式で書かれており、中でも強力なのは【二重詠唱】と言う口一つで“二つの魔法を唱える”事ができるオーバーマジックが書かれていた。
「ん?…これは?」
アーサーは本に記されているある【能力】の使い方、その能力の発動条件に興味心身になり、それを習得する。
この空間内は普通ではない、そのことにアーサーはこの空間を【ラプラスの図書館】と名付けた。ドアを開き、外へ出ると、ドアが小さくなり、アーサーの懐の中に入る。
「これなら、いつでもどこでもラプラスの図書館に入れるな。」
アーサーはそう言うと、コンソールがまだ点滅しており、ラプラスの錬成庫があった場所の奥に、まだドアがあった事に気づく。
「アレ!?」
懐からラプラスの錬成庫を取り出し、目の前のドアと見比べる。
「これじゃない?え!?じゃあ何だ…このラプラスの錬成庫は?」
アーサーは不思議に思いながら、もう一つのドアを開ける。開けた先にアーサーはさらに驚く。この世界…真実の地球にも存在しない…ラプラスの錬成庫にあった鉱物と植物、どう言う概念なのか、岩や大陸が空に浮いており、水と空気のある素晴らしき大地であった。
「これも凄い……。」
ドアを後にし、その大地に足を踏み入れるアーサー。すると森の中から複数の足音と地響きを感じる。そしてそれは現れた。地球のシュモクザメのような頭形状をした頭部に象のような体型をした草食動物の群れであった。さらに既に地球には存在しない筈の絶滅危惧種ドードー、ジャイアントモア、パラケラテリウム、そしてブロントサウルスも現存していた。
「……この空間は一体何…!?」
アーサーはあまりの光景に驚き、この空間から出る。そして、そのドアを【ラプラスの保護園】と名付け、ラプラスの図書館同様に小さくさせ、懐にしまう。
さらに驚くべき事に、コンソールがまだ点滅しており、アーサーは恐る恐るドアを開く。中にあるもの…ナノメタルで満ち、湖を金属…ナノメタル化させて増殖し、今も稼働している何かの装置であった。
アーサーはその装置とソルの光を使った光学コンピュータを使い、装置とアクセスする。
すると装置が赤く発光し、そこからナノメタルの回路が増殖・生成され、船内の破損部を修理していたその時…。
『ーー・ー・・ーーーー』
「ん?」
装置からモールス信号らしきツートン音が鳴らしていた。
『---- ・・ --・-・ ・・ ・・・ / ・-・・ ・・ / -・・・- -・-・- ・・ -・・・- -・--・』
アーサーはモールス信号の解読を始める。
「……」
『---- ・・ --・-・ ・・ ・・・ / ・-・・ ・・ / -・・・- -・-・- ・・ -・・・- -・--・』
「…ゴ」
『---- ・・ --・-・ ・・ ・・・ / ・-・・ ・・ / -・・・- -・-・- ・・ -・・・- -・--・』
「ゴジ…ラ…メザメル…」
「“ゴジラ ガ メザメル”…っ!!?」
アーサーはモールス信号の解読で得た言葉…『ゴジラ』と言う言葉を思い出す。
ーーー《回想》ーーー
13年前…まだアーサーが幼き頃、育ての親であるディーンと共に川辺で釣りをしていると、ディーンは『ゴジラ』について話していた。
「ゴジラ…?」
「ゴジラ…大昔、人はそれを“獣の王”と呼ばれ、『神』の様に崇められていた。でも、人はその存在を忘れていく内に、神と呼ばれた獣達もまた、姿を消していった。」
「お義父さんはゴジラを“見たこと”あるの?」
「あるよ、この島の東南部に岬があって、そこにそれに関する秘密の小屋と大きな洞窟があってな。俺はその小屋にある資料でゴジラや他の獣達も知り、確かめに洞窟の中へと入ったんだ。だけど洞窟内は迷路みたいになってて、息も続かないから慌てて出ようした時、微かだが見えたんだ。小さな穴から“青白く輝く発光する影”を。」
「ふーん」
「何?その顔だとまるで信じていないようだな。」
「だってマナの光にそんなもの載ってないし、そんなに大きかったら世界中大騒ぎだよ。」
「いやいや、アレは…誰にも知られてはいけないものなんだ。ゴジラのエネルギーはこのマナの光よりも恐ろしい何かで満たされているんだ。」
ーーー《回想終了》ーーー
アーサーは昔の事を思い出し、ディーンが言っていた場所の近くに建てられていた小屋に入り、水中用スキューバマスクと酸素ボンベ、フィンとスキューバスーツに着替え、海中へと入っていった。
洞窟の出入り口に到着し、アーサーはモーションスキャナーと触手の超音波メスを利用した超音波ソナーで洞窟内の迷路を脳内でイメージさせると、水深6000メートルもあった。そしてその位置から微かだが放射能が確認される。
「ゴジラ…。」
アーサーは一旦海上へ浮上し、ある事を思いつく。アーサーは懐から光の古代怪獣が眠っている宝玉を取り出し、箱から取り出す。三つの宝玉の内、青い宝玉を取り出すと、ボスキートの手から宝玉が嵌め込めるサイズの凹みができる。アーサーは宝玉を凹みにセットすると、宝玉が青白く光り輝き、飛び出す。光が形を変え、姿を現す。その姿、海竜の如く、身の丈 山の如し、ワニの様な巨大な口と非常に沢山並んだ鋭い牙、背部から生えた巨大な角の様な突起
「ゴジラの所へ連れて行って…。」
アーサーは古の海獣に道案内をして欲しいと言うと、海獣がアーサーを乗せる。すると海獣やアーサーの身体が青白く輝くゲル状のバイオ液へとなり、洞窟の深部へと入り込むのであった。