クロスアンジュ トライブブラザーズ   作:マシンクーガー

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Another05【エクシリアの軌跡】

地下水脈の中を潜水していく海獣とアーサー。すると水脈の奥地から青白く発光する何かが見えて来た。

 

「(お!アレは!)」

 

発光が強くなり、アーサーはついに水脈の最奥地に到着する。そこで目にした光景にアーサーは驚く。

 

「っ!!」

 

それは今も尚、使われてもいない廃墟化した都であった。辺りに広がる無数のクレーターや風穴、ヤトウ、リュウ、アケロンの種族である星竜族の亡骸や超星神の残骸、そしてウルトラマンティガの様な巨人像が転がっていた。

 

「……」

 

アーサーは察した。トリト廃村がある島の地下奥深くにあった古代都市……此処が彼の生まれた故郷『光都エクセリス』であった。すると都の奥深くから青白く輝く巨大な塊が見えて来た。その巨大な塊の正体は球体であり、青白く発光していた。

 

「ゴジラ…」

 

アーサーはゆっくりと手を伸ばし、球体に触れる。すると球体の表面が崩れ始め、その中から巨大な物が眠っていた。それは体長50メートル以上もあり、頭から尻尾にまで生えた鋭利な背鰭、ゴツゴツとした黒い岩肌、鋭い牙と爪、胸部に左眼、凡ゆる所に浮かび上がる複数の傷跡、そう…この巨大な生物にして獣の王として、エクシリアと共に君臨した怪獣【隻眼のゴジラ】であった。ゴジラは片方の鋭い眼でアーサーを睨む。アーサーも警戒し、日輪刀を持った直後…。

 

「ガァァァァァァァァァァァァッッ!!!」

 

ゴジラの大咆哮がアーサーを襲う。

 

「ッ!!(やっぱ無理無理無理無理!!!!こんなバカデカく!ドラゴンや邪星神でもない怪獣の王を生身で単体の俺でも無理だ!!やっぱりコイツこそが“神”に相応しいよ!!)」

 

アーサーは心の中でゴジラの気迫に怖気付いてしまう。するとゴジラはゆっくりと別の方を向く。

 

「え?」

 

ゴジラの奥にあるもの…それは光都エクセリスの光城【光宮グロリアス】であった。その城は翡翠色の結晶石に満ち溢れ、結晶石に浮かび上がる赤く発光する術式。

 

「赤い模様…ドラグニウム!!??」

 

ドラグニウム…かつて22世紀末の真実の地球にて発見された強大なエネルギーを持つ超対称性粒子。と言うより、これからのアーサーが生み出してしまうものでもあったが、そのドラグニウムが何故この結晶石の術式…。

 

「っ!!」

 

アーサーは光宮グロリアスに驚く。何故ならーーー。

 

「この光宮グロリアス自体が……“巨大なドラグニウム”。」

 

光宮グロリアスそのものがドラグニウムで満たされた城であり、さらにそのドラグニウムの中枢部から周りのドラグニウムよりも強大なエネルギーを感じ取る。

 

「このエネルギー…普通じゃない。ドラグニウムよりももっと次元を歪ませ、調和させている。何だ!?このエネルギー量は!?普通じゃない!!普通じゃないぞ!?ソルの光で分かる!ゼノムはこれを狙って!?エネルギー名は……【ドラグニウム・エタニティ】!!」

 

その存在…名前を言ったその直後、そのエネルギー源が輝き、ドラグニウム・エタニティの粒子をアーサーへ流し、譲渡させる。

 

「ウゥッ!!!」

 

突然の譲渡に驚くアーサー。しかし、それもすでに遅し、エタニティウムの粒子が彼の身体を這い回り、彼の活性細胞を増幅させる。筋肉繊維が増強し、ソルの光がさらなる力を開花させる。

 

「ソルの…光よ!!」

 

アーサーは叫ぶ。するとソルの光が反応し、彼から緑色に輝く範囲的結界が形成される。

 

「普通よりもさらに出力が上がっている…これだったら!」

 

アーサーはそう言うと、ゴジラを見る。

 

「俺を外へ連れ出して。」

 

アーサーの言葉にゴジラは反応し、アーサーを頭頂部に乗せると、何かを始める。尻尾まで生えた背鰭が青白く発光し、それが段々と背部、頸まで上がり、そして…。

 

「っ!!!!」

 

ゴジラが口から青白く発光する大出力放射熱線を吐き、天井に巨大な風穴を開けた。

 

「な…何ちゅう破壊力だ。」

 

アーサーは翼を広げ、外の光が差し込んでくる外へと出ようとすると、ゴジラを見る。

 

「…ソルの光よ。」

 

アーサーはソルの光で外へと出入りする為の通路を形成する。ゴジラがその巨大な足で光の橋を踏み込み、外の世界へと出る。

 

「ゴジラ!もうお前は自由だ!好きに生きろ!」

 

ゴジラを解放したアーサー。するとゴジラは大咆哮で返す。

 

「ガァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!」

 

ゴジラはゆっくりと動き、森林から海へと解き放たれた。

 

「……俺の故郷を守ってくれて、ありがとう。」

 

アーサーはゴジラがエクシリアにとって、守護神であった事を悟り。自身が乗ってきたとされる方舟の残骸がある湖へと向かう。

湖の水面にゆっくりと着水するアーサー。水面が一滴の雫が落ちたかの様にウェーブが起こる。そしてアーサーは手を伸ばし、方舟の残骸へ翳す。

 

「ソルの光よ!」

 

アーサーがそう言うと、方舟が湖から引き上げられ、陸地へと移動される。

 

「さて、だいたいやることは決めている。」

 

アーサーは引き上げた方舟の船内から物資や道具を一つ残さず取り出し、ソルの光である事を始める。

 

「【変異】」

 

すると方舟の形状が変わり始め、生き物の様な生体細胞が増殖していく。

 

「良し…後は時間が過ぎたら俺の理想とする戦艦が出来上がる。(嘘…本当はラプラスの図書館に書かれていた【エクシリアの高機動戦闘艦】のを見てイメージしてみただけだがな。)さて、そろそろ“皆んな”の所に行くか。」

 

アーサーは皆んな…サヨリ達がいるとされる世界各国へ周る為、翼を広げ、青空へ舞い上がる。

 

「ソルの光…【認識】【識別】【可視化】【地形情報】」

 

ソルの光で偽りの地球の天体図をホログフィックで映し出す。

 

「さらに!ボスキート!12年前のあの日!皆んなを祓い殺した時!彼等のDNAが俺の腕によって取り込まれている筈!ボスキート…皆んなを探して!」

 

鷲の如く異形のボスキートが鳴き声を上げた。

 

「ピィィィィィッッ!!!」

 

すると島から一羽のハクトウワシが舞い上がり、アーサーの横に並んで飛ぶ。その時、ホログフィック映像で映し出された偽りの地球の各地からサヨリ達の情報が表示される。

 

「ローゼンブルム王国に『テツジ』『シュン』『ユキ』『ムツミ』。エンデラント連合に『リク』『リリー』『ルリ』『チエ』『ロミオ』。マーメリア共和国『スゥ』『マコト』『モモ』『アラシ』ヴェルダ王朝『アリサ』『シズク』『ケイ』。ガリア帝国『カツキ』『サアヤ』『アレン』。ミスルギ皇国に『サヨリ』…そしてマーサ叔母さんの三女『マナ・コールブランド』。それから…【エミリア】だな。」

 

A組メンバーと共に【エミリア】と言う名の事でアーサーは首を傾げる。

 

「エミリア?…エミリア…あ。」

 

その名と共にある記憶が目の前に写る。島の中、そして湖、アーサーを乗せた方舟が不時着した場所でもあった。そこで幼少期のアーサーとマゼンタ色の髪、ツインテールをした少女が指切りげんまんをしながら何かの約束をしていた。

 

“大きくなったら、私!アーサー君のお嫁さんになる!”

 

その言葉と共に12年前…さらにその3年前の過去を思い出す。

 

「そうだ…A組にはまだ“呪い”を掛けられていない者がいた!15年前、母親と一緒に引っ越した…あの子が!!」

 

昔馴染みの友がいた事を思い出したアーサーは急いでリク達がいるエンデラント連合へと向かうのであった。

 

だがこの時、アーサーは気づくべきであった……廃墟化した光都エクセリスと光宮グロリアスの間にあることが起こっていた。廃墟の瓦礫がナノメタルへとなり、集まり、巨大な“何か”を建造していく……そして完成したのは巨大な【城】であった。さらに光宮グロリアスが輝き、島の周辺や廃墟をナノメタルへと変異させ、白銀から黄金へと変色し、島を改造し始める。そしてアーサー専用の戦闘艦がついに完成するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー「◯月◯◯日 水曜日ーーーアビス島上空にて謎の特異点が開き、3年後の偽りの地球に無理矢理転移させられた。だが収穫はあった…。トリト廃村の島の地下は巨大な空洞となっており、そこにあったのはかつて6500万年前に存在し、ゼノムから地球を守って滅び去ったエクシリアの都…光都エクセリスと光宮グロリアスの遺跡であった。そして俺はそこである物を手に入れた。【ドラグニウム・エタニティ】“信念に思い描いたものを全て現実のものとする”事ができる無限にして万能の力。実際に使って見るととても恐ろしく、危うくソルの光が暴走しかけた。上手く調整し、有効活用しなければならない。“本当の意味での正しい事に使うべきにして、力があるから何かを為すんじゃなく、何かを成し遂げる為に力を求め使うんだ”という事を…。だから…俺は決めた。次の目的地はエンデラント連合首都“フィラデル”…そこでリクの暴走を止める。皆んな…俺に力を貸してくれたら良いが、精一杯努力してみる事を祈る…。」

 

アーサーの日記…それはこの世界の運命を左右する大事な記録。その日記は三冊用意されていた。一つはオリヴァルト達、もう一つは現在アーサー復活の為に動いているサラとB組メンバー、そして最後の一冊……、ある美少女がアーサーの記したメッセージを読み上げる。その内容は今日の日付が書かれた文書であった。

 

「これをアーサー君が…これから。」

 

少女は日記を閉じ、展望台から見えるエンデラント連合首都フィラデルを見下ろす。

 

「待っててね、アーサー君!」

 

少女は日記をリュックの中にしまい、階段を降り、フィラデルへと向かうのであった。

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