仕事が忙しくて考えと修正に手間取ってしまいました。
そして今更ですが、明けましておめでとうございます。
黒い煙が空へと立ち昇る…海面に浮かび上がるのは巨大な戦艦の残骸、そこから紅蓮の焔が噴き出ていた。黒い煙、燃え盛る海と艦艇の残骸、その戦火の中から戦士達の雄叫びが響き渡る。海面に浮かび上がる巨大な影…それは、ケーニヒスの居城にしてアルザード帝国の総本部である天空要塞“闇の大聖堂”であった。だが妙な事に、闇の大聖堂は天空に浮いておらず、逆に要塞の大半が海中へ徐々に沈んでいるのであった。他にもたくさんのデバステーター達も海中へ沈んでいた。
大聖堂内部は半壊しており、炎が燃え移り、辺り一面にアルザード帝国兵士や全身『機械でできた純白の騎士』と様々な戦士達の亡骸が転がっていた。さらに別の方では今も尚、戦っている者達がいた。機械でできた純白の騎士が巨大な盾と剣を持って、アルザード帝国兵士を切り付ける。っとその隙にアルザード帝国兵士が騎士の脇腹に剣を突き刺し、もう一人の兵士も騎士に剣を突き刺し、とどめを刺す。そしてそこへ白を基調とした黄金と青紫の重装甲を見に纏い、聖甲銃アイアン・ゲイルが銃剣へと進化しており、セイザーレムルズことタスクは銃剣と化したアイアン・ゲイルも左腕に装備した大型ガントレットシールドからエネルギーシールドを展開し、敵の攻撃を防ぎ、“騎士”の如く敵を粉砕する。タスクはヘルメットのマスクをオープンさせる。だがよく見ると、彼の両目の瞳孔が縦長へとなっており、青紫色に輝き、口も見ると上下左右の狼の如く、鋭利の牙となっていた。
するとタスクの上を誰かが飛び越す。その者、巨大な戦斧を携え、蛮族の如く怪物の頭蓋骨と素材で加工した鎧、両腰に日本刀の他に、ウィンチェスターショットガンとライフルを重装備したライドが現れ、兵士達を睨み、唸り声を上げる。兵士達はライドに銃を突きつけ、襲い掛かる。タスクがシールドを展開し、ライドを守り、ライドがホルスターからウィンチェスターショットガン2丁を取り出し、発砲する。帝国兵士達が散弾によって怯むと、二人の背後から紙でできた“式神人形”の群れが形成しながら帝国兵士達を翻弄させる。式神人形を操っている者…いつもの眼鏡をかけ、黄金のポールアームを振り回し、敵を薙ぎ払う。すると三人の前に異形の怪物が口を開き、業火を吐こうした直後、三人の背後に白きローブと和を基調とした巫女服を着用し、魔法陣を展開させ、呪文を無詠唱で発動させるマイラがいた。マイラが展開した魔法陣から機械で満ちた砲台が現れ、異形の怪物に目掛けてエネルギー弾を放つ。異形の怪物が倒れると、タスク達の中から和と洋を複合させた純白の鎧で身に纏し、アルファリオンが現れる。
「エクシリアに認められし勇士たちよ!!弟であるアーサーと共に!旧光王にして父“ラース・エクシリア”の為に!!!」
アルファリオンが手に持つ赤い刀身をした日輪刀を抜刀、天空へ掲げる。その勢いにアルファリオンの背後にいる“人間”の他に“耳が長い美貌の種族”、“下半身が蛇の種族”、“牛に似た特徴を多く持つ魔族”、“下半身が馬の種族”、“下半身が山羊の種族”、“下半身がクモのようになっている種族”、“トカゲの種族”、“屈強な種族”、その他にも数えきれない肌の種族が武器を掲げ、大声を上げる。
《オォォォォォォ〜〜〜!!!!!》
皆は戦車の他、パラメイル、量産型フラドーラ、ガンシップ、さらには騎馬に乗り、ケーニヒスがいる宮殿へと駆け上がる。
その時、闇の大聖堂の宮殿内の王城の間が大爆発を起こし、壁や天井が一瞬にして塵と化した。その間にて、二つの影が見えてきた。一つは身体中から凡ゆる生物達の部位や人らしき顔が複数飛び出ており、人型とは思えない形状となっていた。そして異形の怪物の胴体の胸部中心にケーニヒスと思わしき…“青年の顔”が浮かび上がっていた。もう一つの影は服は戦闘によってなのかボロボロ、全身返り血や自身の身にある複数の傷によって上半身が半裸で血まみれになった…アーサーであった。
ケーニヒスの身体がさらに膨れ上がり、変異し始めながら、アーサーに呟く。
「さぁ…貴様のそのマイナスエネルギーを崩星皇アザトス様とザリマン陛下に捧げよ…“真なる穢れの王”よ。」
その言葉にアーサーは顔を上げながら呟く。
「憎悪…絶望…貪婪…愛欲…傲慢…執着…逃避…利己……お前達は昔の人の恥晒し共だ。」
彼の顔ーーー左手から顔面、側頭部や左胸、背中に掛けて浮かび上がる“龍の痣”、増強された筋肉、額から三本もの“赤黒い角”を生やし、眉間から第三の眼が出ていた。さらに、彼の右目が大きな傷によって損傷していた。
アーサーは醜悪な姿へと変異を遂げおうする中、赤い刀身をしたムラクモと日輪刀を握りしめる。っと、日輪刀の刀身が黒から赤へと変色し、抜刀の構えを取る。
その時、アーサーの背後に巨大な影が現れる。それは鬼神の如く、荒ぶる大海を司る神“須佐之男命”の様な武神…和を基調とした外観、装甲の色は白を基調とした赤と金、後頭部から鬣と思わしき素粒子帯、アーサーによって改造が施された邪星神マスラオであった。マスラオの両手に赤い刀身をした実体剣を二つ持って、アーサーと同じく居合切りの構えをしていた。
「日の呼吸 壱ノ型……。ゴォォォォォォォッ!!!」
アーサーは息を吸うと、呼吸音が炎が燃え盛る様な音が鳴り響く。ある姿へと変異を遂げ終えたケーニヒスは禍々しい巨剣を持つと同時に彼の背後にいる巨大な何かも戦闘の構えをする。燃え盛る闇の大聖堂内、燃える戦火で悲鳴を上げるアルザード帝国兵士と異形の怪物達…。
アーサーとケーニヒス…互いに睨みながらも、鞘から刀と剣を抜かずに待つ。さらにアーサーのムラクモから禍々しい邪気を放ち、相手を恐怖へと誘う血の如く月蝕の色をした【龍】がオーラとなって姿を表し、アーサーを中心に周回し、一緒に変異したケーニヒスを睨み、唸り声と共に咆哮を上げる。
【グルルルル!!!ガァァァァァァァァァァァッ!!!!!!】
アーサーの周りに彼岸花が生え、燃え始める。そして闇の大聖堂の各部が一気に大爆発した瞬間、両者は駆け抜け、鞘から刀と剣を抜刀し、刀身からそれぞれのエネルギー波が放たれた。アーサーは先の地獄龍を放ち、ケーニヒスは無数の怨霊を放ち、互いがぶつかり、閃光が煌めくのであったーーー。
その激戦が起こるのは…時を遡る事、“数週間前+三年前”の事であったーーー。
エンデラント連合と神聖ミスルギ皇国の別れ道ーーーライドとヒルダの故郷であるこの国に来たアーサーはヒルダが逃走に使っていたバイクがあった古いガソリンスタンドでキャンプをしていた。
「ハァ…あの先にエンデラント連合の首都【フィラデル】…。」
アーサーがネットワークでリクとリリー達の居所を突き止めようとする。
二人は今、ノーマの人権侵害行為に腹を立て、ノーマと共に生きる共存派性反政府組織【ジャスティス】を築き上げ、ノーマを差別、搬送する者達を殺害して行っている。エンデラント連合大統領はジャスティスの非道差に我慢ならず、精鋭部隊、機動隊、特殊部隊の招集を発令したとの事。そしてノーマや正義を名乗るジャスティスを見つけ次第、強制連行するとの事。
「ったく、リクの奴…何やってやがる。相手が全く違うだろ!大体ノーマ管理委員会もあるし、各国が黙ってられる程馬鹿でもないんだ。強行手段で何かすると思う……。チッ、何とかしてこっちに勧誘して、身勝手過ぎる正義を止めないと。それにサラ達が進行し、大失敗するまで…残り数日後だ。それにアビス島に二人を置いて来たこと…あの特異点は何なんだ?あんなもの…未来アーサーが見せた未来には無かった…まさか敢えてわざと見せないようにしているのか?いやでもそれだったらこれから起こること……。」
アーサーがそう考える中、ソルの光であるライブ配信がされていた。それはかつてアンジュが容姿端麗、才色兼備で、スポーツ万能で、高貴で礼儀正しく、国民から愛され、同級生からも多く慕われていた皇女として不自由なく暮らして来たが兄にして今のミスルギ皇国皇帝であるジュリオ・飛鳥・ミスルギとして即位した後、アンジュに変わる新たなマドンナが現れた。【ミリア・隼・レーグニッツ】神聖ミスルギ皇国の斑鳩、飛鳥と並ぶ由緒正しき皇室の者でもあった。彼女の一族ーーー【隼家】は“歌の唄い手”でもあり、10年前のノーマ反乱によって唯一の肉親であった母親を亡くし、戦災孤児となっていた彼女を母の弟にあたるレーグニッツ男爵は天涯孤独の身で寂しそうにしていた彼女を養女として引き取り、娘の様に愛し、彼女の皇室を現皇帝であるジュリオが汚名返上してくれた事。その結果、彼女の歌唱力によって皇女時代のアンジュを上回り、ライブ配信を伝って、世界中に彼女の歌が轟いた。前にクラウドブルースにて、ライドとエクエス、フェリスが彼女の歌を聴いていた事を覚えていた。
「ミリア・隼・レーグニッツ…もう一人のミスルギ皇国の血筋を持つ者。」
アーサーはそう言い、ミリアの歌を聴いてみると…。
「♪〜♪〜」
「(凄い…)」
彼女の歌唱力はとても良く、聴くものを虜にしたり、その歌によって心を癒し、安らぎを与える。
「(ライドとエクエス達が虜になる理由が分かるなぁ…そう言えば、フェリスも歌を練習する為に毎日彼女の歌を聴いて、唄いながら練習してたなぁ。)……。」
アーサーは一週間前…と言うより数日前、フェリスとデートしてた時、カラオケで彼女の歌を唄っていた事を思い出す。
アーサーかその歌の歌唱力に魅了され、気持ちが和らいでいく。するとソルの光と体内のドラグニウム・エタニティがミリアの歌に反応し、アーサーの周りから光り輝く音符が現れる。
「あ…。」
次元干渉できるエネルギーであるドラグニウムの影響なのか、音符が現実に具現化した事に驚く。
「心に思っている事が現実に…実体化できるんだ。」
アーサーはこの未知の力の特徴に感心していると、急激な睡魔がやってくる。
「確かに…綺麗な…歌…。」
アーサーは椅子に座ったまま、その場で就寝するのであった。
その頃、ある少女が夜中の道を歩いていた。少女はアーサーの日記を見ながら、ここへ来る彼を待っていた。
「あれ〜?確か、エンデラント連合の道はこの通りの筈なんだけど。(早くしないとアーサー君に会えない…。)」
少女が辺りをウロウロしながら見渡す。するとその横に古いガソリンスタンドを見つける。中に入るとガラクタだらけであった。
「あ。」
すると少女は中に誰かが寝ているのに気づく。その者、赤みがかっている黒い髪、マナの光を切っていないのか、ミリアの歌を聴いたまま寝落ちした少年がいた。
少女はその少年にゆっくりと近づき、顔を見る。
「!?」
少女は少年の顔をまじまじと見つめると、鞄からアルトリウスの日記を開き、中に入っていた“ある写真”を見る。それは幼い頃のアーサーとサヨリ、マイラ、スゥ、そしてあの少女が一緒に寄り添ってピースをしている写真であった。
「見つけた…!」
その少女は寝ているアーサーと昔のアーサーとの容姿が一致した事に喜ぶ。
「(ヒャ〜〜〜〜〜ッ!!!アーサー君だ〜!メチャメチャカッコ良い男性になってる!どうしよ〜!!!)」
少女は萌え上がりながらはしゃぐのであった。
そしてアーサーはある夢を見ていた。それは、12年前のあの日……。
燃え盛る超星寮…業火で天井が崩れる中、アーサーはユーティスの企みによって穢れボスキート化された友達によって食いちぎられ無惨な姿となったテツジといた。
「神との戦い…ってさ、本当に終わらせられるんだよな……?俺達がいた意味ってちゃんとあったよな……?」
「テッちゃん!」
アーサーはテツジを心配する。食いちぎられた胴体から大量の血が床に流血する中、テツジが力を振り絞り、アーサーの肩に触れる。
テツジは成績はアーサーよりも劣っているも、挫けずに努力していた。そして彼には夢があった…それは“大富豪になる”事であった。父と母がローゼンブルム王国で会社設立し、出稼ぎしている
「頼むな…あーさー…みんなの分も悪い神様をやっつけてくれよ…?へへへ…結局…俺、最後まで…あーさーにはひとつも勝てなかった……。生まれてきて…なりたいと思ったもの…やりたいと思ったこと……ひとつも……叶わなかったなぁぁ……」
テツジは涙を流し、息を引き取る。
「テッちゃぁぁああああああああああああんっ!!!!」
アーサーはかつての友であったテツジを目の前で失った悲しみに絶望する。
倉庫の中へ隠れたアーサーとサヨリ…アーサーの腕は穢れボスキートの適合に成功したのか、異形の腕へと変貌を遂げ、自我を保っていた。だがサヨリは穢れボスキート化した仲間によって背中に四本の爪による傷痕があり、そこから流れ出る赤い血、そして爪痕の下に穢れボスキート化が今でも侵食しようとしている聖痕が浮かんでいた。
「外へは出られないし、ここもいつまでも隠れられる訳じゃないーーーそれに…このままじゃ…私も皆んなみたいに……悪魔に…」
「……」
サヨリの言葉に動揺しきれず、仲間を食い殺していったアーサーの反応は全く、そして無言…だが彼の瞳が僅かに震えていた。
「そうなる前に…ねぇ、アーサー……お願い」
サヨリはそう言うとアーサーの右手に触れる。
「悪魔になって醜く生き続けるくらいなら、アーサーの手で祓い殺して、綺麗な人のまま死んだがいいなぁ…」
サヨリは涙を流し、アーサーに最大の頼みをする。
「サヨリ…!」
アーサーは失うことに泣き崩れようとした。
「……っ」
っと、サヨリが勢い良くアーサーに近づき、キスをする。
「ちょ…サヨリ…?」
突然のことに驚く。アーサー。サヨリがアーサーを強く抱きしめ、大泣きする。
「嫌だぁ…嫌だよぉアァサァア〜〜〜ッッ!!!」
「!?」
「死にたくないっ…死にたくない!死にだぐないよぉぉお!!もっと生ぎでだいよおおおおお…アーサーと一緒に大人になりだいよおぉおぉ〜〜〜〜!!!!」
サヨリは成績がアーサーより優秀で誰よりも清らかで御伽話に出てくる“聖女”のような少女であった。そして…。
「!!…あー…さー」
彼女の腹にアーサーのボスキートの腕が貫く。
「ゴメンねアーサー…ありがと……」
口から血を吐きながら、燃え盛る炎で塵へと変わるサヨリ。骨も遺灰も残らぬサヨリにアーサーは絶望した。
「あぁ…ぁぁぁ…あぁぁぁ〜〜〜〜〜ッ!!!!サヨリィィィィィィィィッ!!!!」
アーサーの断末魔の悲鳴と共にそれは起こった。彼の身体から膨大な闇が噴き出し、彼の身体を取り囲む。
「……!?」
膨大な闇に取り囲まれたアーサーは目の前が黒に染まる。彼を取り囲んだ闇が形を変え、蛇のように動く赤黒い何かが蠢く。そして彼の憎悪と怨念、苦痛を纏いし“それ”は焼きつくされる村の中を徘徊し、アルザード帝国兵士を襲う。そんな中、一人のが女性が弓を背負い、赤い刀身をした日本刀を持って、アーサーに切り掛かる。記憶薄れていく中、女性が弓を引き絞り、涙を流し始める。すると女性がある事を呟く。
「ごめんなさい…アーサー…!!」
女性はそう言うと、弓矢を放った。弓矢の鏃が青鈍色に輝き、アーサーの眉間に命中する。すると彼の記憶…12年前の悲劇であった記憶や名前、皆んなと過ごした時間と思い出が消えていく。視界がぼやける中、女性はある人と会話をする。
「何故アーサーの記憶を消したのだ。」
「アーサーの師…導師“西十郎”。すみません。アーサーにはとても辛い体験を思い返さないようにしたの…。」
「そうか…だが消しても、彼の“罪と罰”は消えない、いずれは甦る。代わりにお前が彼の代行者として罪と罰を背負え…。」
西十郎はその女性に怒りを表していたが、決して殴り掛かろうとしなかった。女性は倒れているアーサーを優しく抱き抱える。
「アーサー…ごめんなさい。私のせいでこんなことになっちゃって…でも1000年後…2000年経った貴方を愛してる…。」
女性はそう言うと、人差し指と中指の二本を唇に近づけ、ある光をアーサーの額に付けた。
「これは…貴方の本来の力を抑制する為の“封印”…ティガの【光】がと適合したそのボスキートの【闇】が守ってくれる。そして時が満ちたら…“私”の元へ来訪しなさい。」
女性は涙を流し、ある光魔法でアーサーを大木に固定させ、海へ放り投げた。
「ごめんね…私の“愛しの坊や”…」
女性は大粒の涙を流しながら、アーサーの事を“坊や”と言い告げた後、炎の中を大鎌を持った西十郎と手甲を装備した東護ノ介、他にもたくさん人が武器を持ち、炎の中に映る巨大な“赤子”達へと突撃するのであった。
午前5時22分ーーー早朝。
アーサーは勢いよく起き上がる。
「本当の母さん!!」
アーサーは辺りをキョロキョロするも、そこには何事もなかったような普通の場所であった。焚き火の火が消え、そこから一筋の煙が上がっていた。
「(今のは…俺の失われていた記憶の一部?ダメだ…あの島で記憶を思い出しても…12年前の悲劇の全貌や海へ落ちた痕に…あれ?)」
するとアーサーはある事に気づく。
「(“10年前”…俺は何してた?)」
10年前…リベルタスによって古の民(タスクを除く)が全滅したあの日……。アーサーはあの日…自分は何をしていた?島で皆んなの帰りを待っていた…だが彼の記憶にそんな記憶がないと言う神経が叫んでいた。
「ダメだ…思い出せない…」
アーサーが思い出そうとした時、横に毛布で身を包んだ何かであった。
「え!!?」
身を包んだ何かがゴニョゴニョと動いている事にアーサーは驚く。
「何何何!!?(完全に熟睡してたから気配を全く感知できなかった!sit!!)」
さらに動き、それはゆっくりと起き上がる。
「っ!!?」
「な〜に〜?朝から騒いで……え?」
「……誰?」
アーサーがそう言うと、少女が目を凝らしながら、アーサーを見つめる。すると少女はポケットからある写真を取り出し、アーサーの顔を確認すると…。
「ん〜〜??!!っ!!」
何か分かったのか、少女は両手をアーサーの両肩に強く触れる。
「っ!!ソルの光!!」
あまりの事に驚いたアーサーはソルの光で障壁を展開する。
「うわぁ〜〜〜!!!」
少女が吹き飛び、壁にぶつかる。
「あ…。」
アーサーは思わぬ行動に気付き、ソルの光で傷口を癒す。
「痛った〜い!何するの?」
「いや、すまない。思わず…。」
「それよりも、やっと“アーサー君”に会えた!」
その言葉にアーサーはキョトンとする。
「え?俺を知ってるの?」
「何言ってるの?アーサー君!私よ!わ・た・し!」
「だから誰!!?」
「“エミリア”よ!『エミリア・ホルス』15年前、トリト村で良くサヨリちゃんとスゥちゃん遊んでいた幼馴染よ!」
【エミリア・ホルス】と名乗る美少女は必死に名を思い出させる。
「エミリア?誰?どちら様?」
「……バカァァァッ!!!」
「ブフォッ!!!」
その言葉に逆上したエミリアはアーサーに平手打ちした。
「信じられない!私の事を忘れるなんて!あんな“約束”もしたのに!」
「約束…?あ…。」
アーサーは15年前の事を思い出すのであった。