クロスアンジュ トライブブラザーズ   作:マシンクーガー

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OP:「Valkyrie-戦乙女-」(双星の陰陽師 第2話 - 第13話: OP)


チャプター04 白き天使の覚醒

ドラゴンの追撃部隊はサリアを始めとする、ヒルダ、ヴィヴィアン、エルシャ、ロザリー、クリス、アンジュ。

ミランダは機体を失ったココと共にアルゼナルに残り、皆の帰りを待ってくれていた。

 

「お姉様をあんな風にした奴と一緒に出撃ィ!?」

 

「殺す、殺す、ブチ殺す…!」

 

ロザリーは一緒に出撃しているアンジュ不満を漏らし、クリスは物騒な事を呟いていた。

 

「死ににいくそうだよ。あいつ…」

 

「何?」

 

ヒルダの言葉に二人は首を傾げる。

 

「見せてもらおうじゃないか、死にっぷりをさあ!」

 

「おぉ!何じゃあの機体?サリア!サリア!あのパラメイルドキドキしない?ねぇサリア!」

 

「作戦中よヴィヴィアン」

 

サリアはおしゃべりしてくるヴィヴィアンを黙らせる。

 

『目標確認!』

 

「っ!? 来るぞ!」

 

すると取り逃がした瀕死の重傷を負っているガレオン級が海面から姿を現す。

 

「どうする、隊長?」

 

「奴は瀕死よ、一気にトドメを刺す! 全機駆逐形態!!凍結バレット装填!!」

 

「「「「「イェス・マム!!」」」」」

 

サリア達はパラメイルの左両腕部に搭載している“凍結バレット”展開した直後、ガレオン級が吠えて、海面から光弾が放たれる。

 

「は!サリア! 下!」

 

「え?」

 

全員は下から攻撃してくる光線に慌てて避けて、ロザリーとクリスはすぐに被弾してしまう。

 

「ロザリー! クリス!」

 

「待ち伏せていたのか! こしゃくなー!」

 

ヒルダは二人の事の被弾に叫び、ヴィヴィアンは負けないぞっと強気発言で反撃して行く。

 

「こんな攻撃してくるなんて…過去のデータには無い…!」

 

予測外のドラゴンの攻撃にサリアは混乱していた。

 

「どうするの!サリアちゃん! このままじゃ危険よ!」

 

「ど、どうするって…どうすれば」

 

「サリアちゃん!あなたが隊長なのよ!しっかり!」

 

必死に指示を仰ごうとするエルシャだが、混乱しているサリアは中々上手く指示を与える事が出来ない。ガレオン級のドラゴンが迫って来る。

 

「か!回避!!」

 

だが、サリアは遅れておりドラゴンが迫って捕まってしまう。

 

「「サリア!!(ちゃん)」」

 

「くっ!」

 

サリアはコクピットを開けてマシンガンで撃つも、効果全くなく、ガレオン級がサリアを喰おうとして。それにサリアは絶体絶命状態であったその時、アンジュ機がこっちに近づいてくる。

 

「もうすぐよ…もうすぐさよならできる…」

 

「アンジュ!?」

 

ドラゴンの狙いが近づいてくるアンジュに変わり、攻撃を仕掛けようとする。

 

「あいつ、本気で死ぬ気…?」

 

ヒルダだけではなく他の皆にはそのような行動を取っているようにしか見えなかった。だが、ドラゴンの強烈な尾に弾かれたが、アンジュは体勢を立て直す。

 

「いけない…もう一度ちゃんと!」

 

アンジュがドラゴンへ近づこうとすると、ガレオン級ドラゴンは翼が光弾を放ち、アンジュを撃墜しようとする。

 

「ぐ!うぅ…」

 

死ぬ覚悟ができていないのか単に怖いのか回避行動を取ってしまう。

 

「ダメじゃない…ちゃんと、死ななきゃ…死ななきゃ、いけないのに……」

 

アンジュは涙を流しながら、自身の行動に嫌悪していた。その時、頭上からガレオン級が迫り、両翼の手を広げ、ヴィルキスを掴む。

 

捕縛された衝撃で頭をぶつけ、アンジュの左手の包帯が解け、その下から指輪が露出する。額から血が流れ、痛みに呻くアンジュの眼前に喰らうように顔を近づけるドラゴンが迫り、声を引き攣らせる。アンジュは怯えていると、自身の指にはめている母の形見である指輪を見る。その時、アンジュは過去の記憶、母の言葉を思い出す。

 

 

 

……生きるのです、アンジュリーゼ!

 

 

 

 

そしてドラゴンがアンジュに襲い掛かろうと迫る。

 

「いやあああぁぁぁっ!!!!」

 

アンジュの叫びと同時に額から落ちた血が指輪を染めた瞬間、それに応えるようにヴィルキスが白銀の輝きを放つ。その輝きに怯んだガレオン級はヴィルキスを放してしまい、同時にサリアのアーキバスをも解放する。

ヴィルキスを覆っていた錆や汚れは剥がれる様に落ちて四散していく。仮初の装甲を捨てた後からは眩い光が弾け、鮮やかな鎧が姿を見せる。

その光景に戸惑っていたアンジュだが、弾かれるように操縦桿を握り、ヴィルキスを駆逐形態に変形する。姿を現わすヴィルキスは純白の穢れなき装甲を纏い、蒼穹の翼を模したスラスターが開く。関節部に走る金色のコーティングは秘める気高さを象徴するかのようであった。

真紅のバイザーを光らせ、頭部に白銀の天使のモニュメントが燦然と輝くヴィルキスの姿は、まるで裁きを下すために舞い降りた“白き聖なる天使”のようであった。

 

「死にたくない!」

 

すると、ガレオン級が再びヴィルキスに襲い掛かる。

 

「死にたくないいいぃぃぃ!!!!」

 

アンジュは叫ぶとガレオン級ドラゴンに向かって対ドラゴン用アサルトライフルを撃つ。ある程度ダメージを与えるとアンジュはヴィルキスを飛翔形態に戻し、距離をとる。その機動性は先程とは打って変わって大きく向上していた。ガレオン級ドラゴンは今度は光弾を放つ。アンジュはそれをかわしていくと駆逐形態に変形して、ヴィルキスの専用武装である零式超硬度斬鱗刀「ラツィーエル」を使って打ち消していく。そしてアンジュはガレオン級ドラゴンに近づく。

 

「…お前が!」

 

アンジュはラツィーエルを突き構え、ガレオン級ドラゴンの頭部へ深く突き刺す。素早く手放し、離れるとヴィルキスを追尾していた光弾がガレオン級ドラゴンの胴体に直撃する。

 

「お前が死ねええええぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

それに見計らってアンジュは凍結バレットをガレオン級ドラゴンに撃ち込み、同時に頭部に刺さったままのラツィーエルを回収する。ガレオン級ドラゴンは断末魔の悲鳴を上げ、海へ墜落するとたちまち氷原へと変わるのだった。

 

サリア達は眼の前の光景に呆然となっていたが、アンジュはグチャグチャな感情に戸惑っていた。

 

「は、ははは……こんな感情、知らない……」

 

(昂ぶってんじゃねぇか!)

 

「違う!こんなの私じゃない!殺しても…生きたいだなんて…そんな汚くて、浅ましくて、身勝手な…」

 

(それが“ノーマ”)

 

「う…うう…うあああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

何崩れるアンジュ、ドラゴンとの戦いを終えた空に黄昏の日が差し照らしていた。その様子を遠くから見ていたアーサーはヴィルキスを見る。

 

「どうやら、覚醒しちゃったようだな……」

 

『そのようだね♪』

 

「え!?」

 

コンソールの画面にアリマの顔が映る。

 

『すまない、すまない。君のフラドールのメインカメラを勝手に改造しちゃった。それにしても、やはり凄い物だ、古の民が強奪したラグナメイルは♪』

 

「知ってたんですね。」

 

『まぁ、ね。さぁ!風のトライブであるタスク君とミスルギのアホ兄貴の行動を頼むよ!』

 

「はいはい…(どんだけお調子者なんだこの人は…)」

 

「何か言ったかな〜?」

 

「いいえ、何も……」

 

アーサーは呆れながら、まず最初にミスルギ皇国へとむかう。

 

 

一方、アルゼナルの墓標ではアンジュがいた。

 

「さようなら、お父様、お母様、お兄様、シルヴィア…」

 

アンジュは失った物を呟き、ナイフで自身の髪を切る。

 

「私にはもう…何もない、何もいらない、過去も、名前も、何もかも……貴方達の様に簡単に死なない、生きるために地面を這いずる、泥水をすすり、血反吐を吐くわ。私は生きる。殺して、生きる……」

 

夕陽が勇ましくなった彼女を照らす。夜、部屋に戻ったアンジュはゴミ箱の中に入っているのを見る。それは先のジャスミンモールで新兵であるココから貰ったプリンであった。アンジュはココから貰ったプリンを食べる。

 

「う…うう……」

 

美味しかったのか、アンジュの目から涙が溢れ、大声で言う。

 

「不味っ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

アンジュ達やアーサーが知らない間、夜になったアルゼナルの上空から見下ろす2人の男の姿があった。一人は金色の長髪に背広を着た紳士的な印象の青年で、もう一人はズタボロになった布で顔から足まで覆い隠していた。

 

「何をそんなに上目遣いで彼女を見てるんだ?」

 

「……ムカつくからだよ。」

 

「それが“身内”でもかい?」

 

「……うん、やっぱり哀れだよなぁ。何が“私は生きる?”、“殺して、生きる?”……ハァ〜、この世界の事実を知らない身内の馬鹿馬鹿しい事を聞いていると……“ストレス障害”起こしそうだ。」

 

「やれやれ……君は悍ましい青年だよ。」

 

「あぁ〜〜……早くアーサーに会いたいなぁ〜〜!!!」

 

青年の左腕から電流が流れ、黒く禍々しい鬼を模した籠手へと変わる。

 

「神様さん、そろそろ僕はミスルギ皇国の地下に帰らせてもらいますよ。買い取った“豚”を改造したないのですから♪」

 

「……フフフ、良いよ♪」

 

青年は指を鳴らし、彼をミスルギ皇国にへと返す。後に残った青年、改め…【エンブリヲ】は再びアルゼナルを見る。

 

「やれやれ、色々見下す彼を見てて痛々しいものもないな、あそこまでの性格。そもそも私は神様さんではなく“調律者”だというのに。」

 

エンブリヲはそう呟き、その場から消えたのであった。

 

 

 

 

一方、ミスルギ皇国へと戻った彼、地下室の最奥にある隠し部屋、そこには色んな実験材料と拷問具が置かれていた。実験台に寝かされ、生まれたままの姿をし、身体中に血を流す傷や鎖、拘束具を付けられた女性が猿轡と目隠しされていた。戻ってきたユーティスはその指で女性の滑らかな肌を触る。

 

「っ!?っ〜〜〜〜!!!!!」

 

猿轡のせいで大声を上げれない。すると彼のロングコートから金属音を鳴らし、尾先が鋭利の槍をした尻尾を展開する。すると槍の先から注射針の様な突起が現れ、女性の下腹目掛けて刺した。

 

「ん"〜〜〜っ!!!」

 

下腹の激痛に耐えられないほどの悲鳴。そしてその注射針は、女性の身体の中に“何か”を流し込んでいき、女性は苦しげに喘ぐ。

 

数時間後、女性の断末魔の叫びと共に、別の声が地下室内に響いた。それは慈悲や哀れみ、恐怖心といった通常の生き物が持って当たり前の感情を一切持たない、まさに『恐怖』という言葉をそのまま具現化した生命体の産声だった。

 

彼は女性の腹を食い破って出てきた生命体に命令する。

 

「“クラウドブルース”の偵察を頼んだよ♪」

 

彼の命令に首を縦に動かした生命体は背中から四枚の虫の羽を広げ、通気ダクトから入り、外界へと出るのであった。




ED :「きみをつれていく」(超星神グランセイザー: ED)
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