クロスアンジュ トライブブラザーズ   作:マシンクーガー

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OP:「Valkyrie-戦乙女-」(双星の陰陽師 第2話 - 第13話: OP)


チャプター07 皇女、喪失・前編

その頃、孤島に残っているタスクは食力確保の為、一人で釣りをし、洞窟へ帰ろうとしていた。

 

「大漁大漁♪これでしばらくは食料に困る事はないな…」

 

しかし、タスクは孤島を去っていった四人の事と今の自分に不安を抱いていた。

 

「……(何やってんだ俺……他の生き物の命を奪って…生きて……何の…ために?それに比べてアーサー達は俺と違って自立した…俺にはどうする事も…。)」

 

タスクは不安げな心を感じながら歩いていると、砂浜にある物が打ち上げられていた。それは全身が純白に満ちた機械の天使であった。

 

「あれは……ヴィルキス…!?」

 

タスクはヴィルキスがここにある事に驚き、ヴィルキスのコックピットハッチを開ける。中には金色の髪、薄紅色の唇、青きライダースーツを着た美少女が気を失っていた。タスクは急いで彼女を運び出し、洞窟の中にあるベッドに寝かせる。体についていた泥を拭き、やましい事をしないように彼女が着ていたライダースーツを脱がしてそれを干す。ついでに彼女の手を縄で縛る。タスクは椅子に座り、彼女を見る。

 

「(ヴィルキスに乗っていたと言う事は、この子が次のヴィルキスのーーー…だとしても、僕にヴィルキスを守る資格なんてない…。)」

 

タスクはそう思いながら、彼女が冷えないように一緒に眠る。

 

 

 

 

 

 

時が遡る事 数時間前ーーー。

 

「総員、戦闘準備!ドアが開くぞ!!」

 

戦闘空域に入った第一中隊、前隊長であったゾーラは意識を取り戻したい所だが、あまりに重傷だった為戦闘に参加する事もできなく、隊長をサリアに回されたとのこと。空間に次元のゆがみは発生し、中からドラゴン達が現れた。すると、アンジュ機がドラゴンの群れへと突っ込んでいった。

 

「アンジュ!勝手に突っ込むな!」

 

サリアが命令しても、言うことを聞かなかった。アンジュはドラゴンに攻撃をする。

 

「はああああっ!!」

 

アンジュが突撃しようとした直後、排熱板から煙が上がる。

 

「アンジュ!!」

 

ヴィヴィアンとが落ちていくアンジュ機。

 

アンジュは必死に機体を立て直そうとした時だ。

 

「助けてやろうか?」

 

ヒルダが手を貸そうとしていた。だが、アンジュはそれを拒否した。

 

「くっ!.....失せろゴキブリ!」

 

アンジュはすぐさま駆逐形態に変形すると一体のドラゴンがアンジュに体当たりし、海へと墜落した。

 

「ヴィルキス!」

 

サリアは海へ墜落したアンジュではなく、彼女が乗っていたヴィルキスの方を心配し、スクーナー級ドラゴンを駆逐していくのであった。

 

 

 

 

 

 

そして、現在の状況ーーー。海へ墜落したアンジュが目を覚ますと、目の前の光景に驚いた。両手が縛られており、その横に茶髪の男性が寝ており、良く見ると裸にされていた。

 

「……え? え!?えぇぇぇぇぇぇっ~~~~~~~~!?」

 

「ご!ごめん!念のために縛らせてもらった…」

 

タスクはアンジュの側から離れ、アンジュは辺りを見渡した。すると近くの机の上に自分のライダースーツが置いてある事に気付き、タスクの方を向く。

 

「君は、どうしてここにっ?、え!?あああっ!!」

 

タスクは飲み物を持ったままアンジュの所に近付いた途端、足元に転がっていた空き瓶を踏んづけ転んでしまい、アンジュの股間に突っ込んでしまった。

 

「っ!?」

 

「っ!」

 

二人はその光景に頬を赤くした。

 

「ごめん!これは「いやああああっ!!」ごべっ!」

 

タスクはアンジュに謝ろうと謝罪しようとした直後、アンジュは悲鳴を上げ、膝でタスクの顔を横蹴りし、さらに腹に足を乗せてから投げ飛ばす。アンジュは直ぐ様縄を切り、ライダースーツを持って洞窟から出て海岸へと向かっていった。

 

「(何なの此処、私....どうして…はっ!)」

 

アンジュは着替えながら今までの事を思い出す。突然ヴィルキスの排熱板から煙が上がり、そこに襲ってきたドラゴンと共に墜落したことを…そう考えているうちに、アンジュの目の前に砂浜に打ち上げられているヴィルキスがあった。アンジュは直ぐに乗り込み、発進しようとするが起動しなかった。

 

「どうして動かないの!?」

 

アンジュは原因を調べようと、排熱板が焦げており、調べると、中からたくさんの下着が詰め込まれていた。アンジュはヒルダの仕業だと知り、悔しながら下着を破り捨てて踏みつけると、

 

「酷いじゃないか、」

 

「っ?」

 

蹴り飛ばしたタスクがアンジュ所に向かって来た。

 

「君は、命の恩人に何て事を....」

 

するとアンジュはホルスターからハンドガンを取りだし、タスクの足元に目掛けて撃つ。

 

「え!?うわぁっ!!えええええっ!!?」

 

タスクは後方に飛び退いて、手を上げる。

 

「それ以上近付いたら撃つわ!」

 

「お!落ち着け!俺は君に危害を加えたりしない!それにもう撃っているし、」

 

「縛って、脱がせて、抱きついておいて?」

 

「え?あ、だからあれは....」

 

「目覚めなかたったら!もっと卑猥でハレンチな事をしてたでしょ!?」

 

「もっと卑猥でハレンチ!?....ハァ、女の子が気を失っている隙に、豊満で形のいい胸の触感を味わおうとか、無防備で、体隅々まで触ろうとか、女体の神秘を存分に観察しようとか、そんな事をするような奴に見える....」

 

タスクは火に油を掛けるような言葉を放ち、アンジュはさらに顔が赤くなり、銃を構える。

 

「そんな事をするような奴だったの!!!?何て汚らわしい!この変態っ!!」

 

「ご!誤解だ!俺は本当に君を助けようとってっ痛~い!!ああっ!!?」

 

タスクは弁明しようとしたが、足元に蟹が近づいており、タスクの足の小指を挟む。タスクはあまりの痛さにアンジュの方に倒れ転び、アンジュの股間に埋まってしまう。

 

「っ?!」

 

男は直ぐに離れるが、アンジュは顔を赤くし、タスクに睨んだ。

 

「なぁぁぁぁぁぁぁっ~~~~!!」

 

タスクは叫び、アンジュは男性に向けて発砲した。しばらくして、

 

「変態!獣!発情期っ!!」

 

アンジュは怒りながら、男性を蔓でグルグル簀巻き状態にして、木に吊して去って行った。

 

「あの~、もしも~し、今のは事故なんだよ~!」

 

タスクは弁明したが、アンジュは無視していた。

 

 

 

 

 

その頃、アルゼナルではヴィルキスとアンジュが海へ墜落したと同時に行方不明との事で、司令室にいるジャスミンと愛犬のバルカン、整備班長のメイ、隊長のサリアがいた。

 

「ヴィルキス墜ちたそうだね。やっと乗りこなせる者が来たと思ったんだがね…」

 

「機体の調子は良かったのに、どうして!?」

 

メイは拳をぶつけながら、悔やんでいた。

 

「考えるのは後よ、今は機体が最優先よ」

 

「分かってる!すぐに回収班を回すよ!」

 

「アンジュもだ」

 

「!?」

 

「アンジュも捜索しろ、最悪…“死体”でも構わん。」

 

「……」

 

 

 

 

アルゼナルの発着場にサリアとメイを含む回収班が輸送機に乗り込み準備をしていると、そこにヴィヴィアン、エルシャ、ココやミランダ、が来た。

 

「メイち~ん!!回収いくんでしょ?アタシ達も行く!」

 

「皆、戦闘でさっき帰ってきたばかりじゃ?」

 

「直ぐに行かないと死んじゃうじゃん?」

 

「「え?」」

 

「アンジュは生きてる!分かるもん!」

 

「早く見つけてあげなくちゃ♪きっとお腹空かしてるわ!」

 

エルシャはサンドウィッチとスープの弁当が入ったバスケットを持っていた。

 

「ココやミランダも?」

 

「はい!」

 

「アンジュを探すなら多い方が良いと、指令にちゃんと許可を頂いたの!」

 

ココとミランダとが言うとヴィヴィアン達は構わず、輸送機の中に入っていった。

 

「ほらほら!レッツラゴ〜〜!」

 

ヴィヴィアンとエルシャ、ココとミランダが輸送機に乗り、一緒にアンジュを捜索するのであった。

 

 

 

 

 

 

その頃、アンジュはヴィルキスに非常食がないかを調べていたが、見つからなかった。

 

「どうして非常食がないの!?」

 

するとアンジュはコックピットを見て、サリアとジャスミンの言葉を思い出す。

 

「ノーマの棺桶か…」

 

すると、ヴィルキスのコックピット内に海水が増しており、アンジュは急いでその場から離れた。

空が曇りだし、雨が降りだし、雷鳴が轟き始めた。

アンジュは大木の穴を見つけて雨宿りするが、飢えと雨の寒さで体が震えるが何か痛みを感じ、足を見ると蛇が噛みついており、急いで振り払い、その場から走り出す。どれぐらい歩いたのか分からなくなり、体力が低下していった。先の蛇の毒なのか、体もだるく雨による体温低下により、アンジュは倒れてしまう

 

「……誰か」

 

助けを呼ぼうが、、彼女を助けにくる仲間はいなかった。

 

「…誰も、来るわけ…ない」

 

アンジュは涙を流し、上手く立ち上がろうとすると、

 

「あの…大丈夫?」

 

グルグル簀巻きにされたタスクがアンジュに声をかける。どうやら同じ場所に辿り着いてしまったようだ。

タスクはアンジュの苦しい表情を見て、何かあったと悟る。

 

「たす…け…て…」

 

アンジュは倒れてしまい、タスクは急いで蔓を切りアンジュの元に向かい抱きかかえて容体を調べる。

左太腿に蛇にかまれた所を見つけ、蛇にかまれたことを知り、急所口で傷口から毒を吸い出して処置をする。そしてタスクはアンジュを抱いて、隠れ家へ連れて帰って、泥で汚れた身体を拭いていた。

その時にアンジュの指にはめていた指輪を見て、自分の幼い頃の事を思い出す。

 

紅蓮の業火が街を覆い尽くし、破壊されたパラメイル、無惨にバラバラにされたメイルライダー、そしてその上を揺らめく様に身体中に顔が浮かび、無数の叫びと産声を上げる巨大な胎児が写る。

 

そしてそこに両親も息絶えて、幼い頃の自分は泣いていた。

 

『父さん!母さん!』

 

すると、泣いている自分は違う方向を見た。片腕を無くして歩いてくる黒髪の女性とヴィルキスが目に映った。すると炎の中に金色の髪をした男の子がタスクに近寄り、呟く。

 

「お父さんとお母さんが死んだ理由を教えてやろうか?それはね………“理想を語るばかりで何も為し得なかった愚物”だったからだよ。」

 

少年の放った言葉が、タスクの心にひびをつけた。そして少年は人を見下す様な目でタスクを見上げ、炎の中へと消える。

 

「ヴィルキス…」

 

タスクの心に不安とあの時の恐怖が染み込んでおり、彼女を見る。タスクは呼吸が安定し寝ているアンジュを見る。どうして彼女がヴィルキスに乗っているのか、何故彼女の機体をこの子が受け継いでいるのかそう思うタスクであった。

 

アンジュは気が付き、辺りを見渡すと最初に目覚めた洞窟だ。

 

「無理しない方が良いよ、毒は吸いだしたけどまだ痺れは残っているから」

 

タスクはアンジュにそう言い、アンジュが身体を起こす。すると自分が着ている物に目をやる。ライダースーツじゃなくワイシャツ姿を見て気付き、思わずタスクを睨む。

 

「言っておくけど、動けない女の子にエッチな事なんてしてないからね」

 

タスクはそう言いながら、煮込んだスープを器に盛り付ける。

 

「もう少し治療が遅かったら危ない所だったんだ、これに懲りたら迂闊な格好で森に入ったらダメだよ」

 

「…余計なお世話よ」

 

アンジュは頼んでもいない顔をしていると、タスクはスープの具をスプーンにのせてアンジュに向ける。

 

「はい…」

 

「え、何?」

 

「食事、君何も食べてないだろ?」

 

「いらないわよ!そんな訳分からない物を…!」

 

すると、アンジュのお腹から音が鳴る。身体が正直なのが恨めしくなってきた

 

「変なものなんて入ってないよ…ほら」

 

アンジュは渋々と口を開けて、食す。

 

「……不味い」

 

そう言いながらも口をアーンッとあけるアンジュ。

タスクはクスリッと笑う。

 

「気に入ってもらって良かったよ……海蛇のスープ」

 

ウミヘビという言葉にギョッとし、飲みこむアンジュ。

 

「少しは信用してくれた?」

 

タスクはそう言うが、アンジュはまだ信用出来ない表情をし、タスクを見る。タスクは少し困った表情をした。

 

「…」

 

「出来ればもう殴ったり撃ったり、簀巻きにしないでくれると嬉しんだけど.....」

 

「……考えとく」

 

そう言いながらアンジュはまたアーンッとし、食べる。

するとある言葉を思い出す。確か、蛇にかまれた部分はと左の太股を見て、頬を赤くする。

 

「どうしたの?痛む?」

 

「……さっき、毒を吸出したって言ったわね?」

 

「うん」

 

「口で?」

 

「うん…あっ!」

 

「ここから…!?」

 

「そっ!それは…!」

 

タスクはアンジュに弁明するが、既に遅かった。

 

「痛だだだだだっ!!」

 

「噛まないとは言ってない!!」

 

何処を噛まれたのか分からないが、何やらよい雰囲気であった。

 




ED :「きみをつれていく」(超星神グランセイザー: ED)
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