小悪魔系美少女ヒーロー候補生、チャーミーデビル見参!!   作:カゲムチャ(虎馬チキン)

14 / 64
皆大好き!
USJ編始まるよ~!

その前に一言。

評価バーがぁぁぁ!!!
もうこのシステムに振り回されるの嫌ぁぁぁ!!!


USJ

 朝。

 玄関先でパパを見送り、それから少しして私は登校した。

 パパの出勤時間と私の登校時間には微妙なずれがあるから、私は毎回こうして見送る事になる。

 

 そして何時間もしない内に学校で再会した時。

 パパは筋肉を失ってすっかり痩せ細っていた。

 なんでも、通勤中に活動時間のほとんどを使いきってしまったらしい。

 何やってるんだ?

 今日は授業があるからって、昨日の夜から張り切って準備してたくせに。

 

 という訳で、今日のヒーロー基礎学にパパの出番はなくなった。

 なんか、「終わりがけに少しだけなら顔出せるから」とか寝言をほざいてたから、「休んでなさい!!」って言って叱りつけて来た。

 

 無理してんじゃないよパパ。

 パパはヒーローであると同時に私の親でもあるんだから。

 子供を育てきらない内に死ぬなんて無責任な事にならないように、自分の体調に気をつける義務があるでしょうが。

 私の将来の寄生先でもあるんたから、しっかりしてくれ。

 

 

 

 そしてお昼。

 ヒーロー基礎学の時間だ。

 

「今日のヒーロー基礎学だが……」

 

 相澤先生がチラリと私を見た。

 

「俺ともう一人の二人体制で見る事になった」

 

 本当はパパも含めた三人体制だった訳だけど、相澤先生はあえて二人体制と告げた。

 相澤先生は今朝の私とパパのやり取りを見ている。

 それで、私が叱りつけたからパパは来ないと踏んで、今日の教師メンバーから外したらしい。

 まあ、たとえパパがノコノコと来たとしても、終わりがけにちょっと顔出したくらいで何ができるとも思えないし、それならおとなしく休ませてた方が良いというのは合理的な判断だ。

 さすが合理主義者の相澤先生。

 ナイス! 判断!

 

「ハーイ! なにするんですか?」

 

 クラスメイトの一人の地味な少年が質問した。

 それに相澤先生は「RESCUE」と書かれたカードを見せつけながら答えた。

 あのカード、パパの戦闘訓練の時にも見たな。

 あの時は「BATTLE」だったけど。

 結局なんなんだろアレ?

 

「災害水難なんでもござれ。人命救助(レスキュー)訓練だ!」

 

 そして告げられた内容は私のテンションをだだ下がりさせた。

 いや、知ってはいたけどさぁ。

 それでも性に合わないんだよ。

 そんな私の内心を他所に、クラスメイト諸君は談笑を始めた。

 

「レスキュー……今回も大変そうだな」

「ねー!」

「バカおめーこれこそヒーローの本分だぜ!? 鳴るぜ!! 腕が!!」

「水難なら私の独壇場。ケロケロ」

 

「おい。まだ途中」

 

 そして相澤先生に怒られていた。

 うるさかったみたいだ。

 

「今回のコスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗って行く。以上、準備開始」

 

 相澤先生は一気に言いきって説明を終わらせた。

 

 という訳で、私もまたコスチュームに着替えて外に出た。

 私のコスチュームは頑丈さ重視のシンプルなやつだから、活躍の場を選ばない。

 どんな状況でも普通に使えるのだ。

 ここら辺はパパのコスチュームと一緒だね。

 

 で、今回コスチュームではなく体操服で来ている奴が二人ほどいる。

 緑谷少年と爆豪少年だ。

 

「デクくん体操服だ。コスチュームは?」

 

 そこにすかさず麗日少女が突っ込んだ。

 

「戦闘訓練でボロボロになっちゃったから……。修復をサポート会社がしてくれるらしくてね。それ待ちなんだ」

 

 という訳だ。

 それは爆豪少年の方も同じ。

 そりゃ、あんな大破壊を引き起こすような攻撃を至近距離で受けたらコスチュームの一つや二つ破損するわ。

 私やパパのみたいな頑丈さ重視のコスチュームなら、また話は変わってくるかもしれないけど。

 

「バスの席順でスムーズにいくよう、番号順に二列で並ぼう!!」

「飯田くん、フルスロットル……!」

 

 そして私から委員長の仕事をぶん投げられた飯田少年は、クラスのリーダーとして張り切っていた。

 今回は空回りしたみたいだけども。

 

「こういうタイプだった!! くそう!!」

「意味なかったなー」

 

 バスは座席が壁に沿って設置されてるタイプだったから、別に番号順に並ばなくても普通にスムーズに乗れたね。

 ドンマイ。飯田少年。

 

「私思った事を何でも言っちゃうの緑谷ちゃん」

「あ!? ハイ!? 蛙吹さん!?」

「梅雨ちゃんと呼んで」

 

 おっと。

 何やら私の隣の席で始まったようだ。

 緑谷少年がカエルっぽい少女に話しかけられてソワソワしとる。

 見慣れた光景だな。

 主に女子に話しかけられた緑谷少年の反応という意味で。

 

「あなたの個性、オールマイトに似てる」

 

 その一言で緑谷少年がテンパった。

 

「そそそそそうかな!? いやでも僕はそのえ!」

「落ち着け緑谷少年」

 

 テンパる緑谷少年に軽くチョップをお見舞いして正気に戻した。

 緑谷少年の頭部から、なんか鳴っちゃいけない系の音が聞こえた気がするけど、きっと気のせいだろう。

 

「待てよ梅雨ちゃん。オールマイトは怪我しねえぞ。似て非なるアレだぜ」

 

 そしたらツンツン頭の少年がフォローに入ってくれた。

 良かったな緑谷少年。

 「ワン・フォー・オール」の秘密は守られた。

 

「それにオールマイトに似てるっつったらやっぱ八木だろ。なんせ親子だし、個性テストん時の超パワーもそっくりだったしよ! 遺伝か?」

 

 おっと。

 今度はこっちに流れ弾がきたぞ。

 私の個性の詳細も国家機密だから、詮索しないでくれるとありがたいんだけたどなー。

 

「でもそれだと体が黒くなるのとか、翼が生えてくるのとかは何なんだ?」

「それはアレじゃねぇか? 母方の個性と混ざったとか」

「オールマイトの奥さん……」

「想像つかねぇなぁ」

「そこんとこどうなの? 八木?」

 

 なんか私を置いてきぼりにして議論が加速したぞ。

 そして迷走したぞ。

 そもそもパパと私は血が繋がってないんだから、個性が遺伝する訳ないじゃん。

 超パワーが似てるのはたまたまだ! たまたま!

 でもそれを馬鹿正直に説明する必要はないよね。

 ふむ。

 ここは適当な言葉でお茶を濁しておくか。

 

「残念だけど、パパのプライベートは秘密だから教えられなーい。ごめんね」

「えー! そこをなんとか!」

「本当に聞きたいの……? ナンバーワンヒーローのドロドロとした話を。鬱になるような重すぎて胃に凭れるような裏側を本当に知りたいの? 後悔しない?」

「……や、やっぱりいいです」

「よろしい」

 

 本当に全部話すとなると、多分君達が想像してるより数十倍は重い話になるから、マジで詮索しない方が良いよ。

 それに詳細を知ったら、最悪政府子飼いの暗殺者に消されかねないという意味でも知らない方が良い。

 知らない方が幸せな事もあるんだよ。

 

「……しかし増強型のシンプルな個性はいいな! 派手でできる事が多い!」

 

 良かった。

 話題は私から逸れてくれたみたいだ。

 

「俺の『硬化』は対人じゃ強えけど、いかんせん地味なんだよなー」

 

 ……へえ。

 ツンツン頭の少年の個性は硬化か。

 私好みの個性だ。

 あくまで殴りがいがありそうって意味だから、味方にいる限りあんまり意味ないけどねー。

 

「僕はすごくカッコいいと思うよ。プロにも充分通用する個性だよ」

「プロなー! やっぱり人気商売みてえなとこあるぜ!?」

「僕のネビルレーザーは派手さも強さもプロ並み」

「でもお腹壊しちゃうのはよくないね」

 

 そうして議論は完全に私から離れたところで展開されはじめた。

 よし。

 寝るか。

 

「派手で強えっつったら、やっぱ八木と轟と爆豪だな」

「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気でなそ」

「んだとコラ!! 出すわ!!」

「ホラ」

 

 説明しよう!

 真夜中の暗殺者を退け続けた私は、どんな場所でも、どんなに短い間でも睡眠をとる事ができるのだ!

 これは個性に関係ない技術だね。

 

「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ」

「てめぇのボキャブラリーは何だコラ!! 殺すぞ!!!」

「かっちゃんがいじられてる……! 信じられない光景だ。さすが雄英……!」

 

「……もう着くぞ。いい加減にしとけよ」

 

「「「「「「ハイ!!」」」」」」」 

 

 そんな喧騒をバックに仮眠をとり、私達は今回の演習場に到着したのだった。

 

 そしてその演習場を見たクラスメイト諸君の感想は、

 

「すっげーーーーー!!! USJかよ!!?」

 

 だった。

 某テーマパークとは似ても似つかない危険な香りのするアトラクションしかないみたいだけど、確かにアトラクションが多いという意味ではちょっと似てるかもしれない。

 その危険度も私からすれば鼻で笑うレベルのお遊戯だしね。

 

「水難事故、土砂災害、火事……エトセトラ。あらゆる災害を想定し、僕が作った演習場です。

 その名も──嘘の()災害や()事故()ルーム!!」

 

 USJだった。

 そんなボケをかましながら現れたのは、宇宙服を身に纏った人物。

 雄英の教員リストの中にいたな。

 たしか名前は、

 

「スペースヒーロー『13号』だ! 災害救助でめざましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」

「わー! 私好きなの13号!」

 

 おっと。

 私が思い出す前に緑谷少年と麗日少女が説明してくれた。

 いや、麗日少女は説明してないか。

 緑谷少年がいつも通りオタク知識を披露しただけだ。

 

「えー。始める前にお小言を一つ…二つ…三つ………四つ」

 

 増える。

 早く終わらせてくれないかなぁ……。

 ただでさえテンションの下がる授業なんだから。

 

「皆さんご存知だとは思いますが、僕の個性は『ブラックホール』どんなものでも吸い込んでチリにしてしまう個性です」

 

 うん。

 普通に強力やね。

 

「その個性でどんな災害からも人を救い上げるんですよね!」

「ええ。しかし──簡単に人を殺せる力です。皆の中にもそういう個性がいるでしょう」

 

 いるね。

 私だね。

 ピンポイントに名指しされてんじゃないかと思うくらいだよ。

 でも、そうじゃなさそう。

 相澤先生はチラッとこっち見たけど。

 あの人、事情知ってるな。

 

「超人社会は個性の使用を資格制にし、厳しく規制する事で一見成り立っているようには見えます。しかし一歩間違えれば容易に人を殺せる『いきすぎた個性』を個々が持っている事を忘れないでください」

 

 言われるまでもないね。

 その手の話は昔から耳にタコが出来るくらい聞かされた。

 『いきすぎた個性』の持ち主代表として。

 

「相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。

 この授業では心機一転! 人命の為に個性をどう活用するかを学んでいきましょう。

 君達の個性は人を傷つける為にあるのではない。助ける為にあるのだと心得てかえって下さいな」

 

「以上! ご清聴ありがとうございました」

 

「ステキ~!」

「ブラボー!! ブラボー!!」

 

 クラスメイト諸君が13号先生の演説に心打たれる中、私はそれを白けた気分で聞いていた。

 私の個性は人を助ける為にあるんじゃない。

 傷つける為にあるんだよ。

 

 私の中の破壊衝動はどうやっても消せない。

 そしてそれを我慢して溜め込みすぎれば、いずれ餓えるみたいに理性が薄くなり、最終的には本能のままに暴走する。

 それを避ける為には定期的に人を殴ってガス抜きするしかない。

 どうあっても暴力と切り離せない個性。

 それが私の個性(悪魔)だ。

 

 だから私はヒーローになってヴィランを殴らなければならない。

 人を傷つける事が合法とされる仕事に就かなければならない。

 そうでなければ私はこの社会では生きていけない。

 ……まあ、それが結果的に人を助ける事にも繋がるだろうし。

 私だって別に人助けが嫌いって訳じゃなくて興味がないだけだから、13号先生の演説を否定するつもりもない。

 内容自体は良い事言ってるなと思ったしね。

 

 ふと、相澤先生がまた私を見ていたのに気づいた。

 すぐに目をそらされちゃったけど、なんだか私を(・・)心配するような視線だった。

 はて?

 どうしたんだろう?

 

「……そんじゃあまずは」

 

 気を取り直したのか、相澤先生が普通に授業を始めようとした。

 そしておもむろにある方向に振り向いた。

 私も気づいた。

 相澤先生にとって左側。

 私にとっては右側にあたる場所。

 セントラル広場に、

 

 

 

 ──黒い靄が発生していた。

 

 

 

 私の使い魔を召喚するサモンゲートに似ているそれは、私達が見ている前でどんどん大きく膨れ上がり。

 その中から、無数の人影が現れた。

 

 私は、その中の二人から目が離せなかった。

 

 脳みそをむき出しにしたような異様な外見をした二人(・・)の人物。

 一人は口が鳥の嘴みたいに尖った筋骨隆々の大男。

 もう一人は細マッチョと言えるような洗練された筋肉を持っている人物だった。

 

「何だアリャ!? また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」

 

 ツンツン頭の少年がそんな呑気な事をのたまうが、私はそうは思えなかった。

 

「動くな!! あれは──」

 

 相澤先生が即座に戦闘態勢をとって警告を発した。

 

 

 

「ヴィランだ!!!」

 

 

 

 そう言って相澤先生がヴィランを睨みつける中、私はまだあの二人の脳みそヴィランから目が離せなかった。

 だってあの二人からは。

 

「……イレイザーヘッドに13号。先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトもここに居る筈なのですが……」

「……やはり先日のはクソ共の仕業だったか」

 

 凄まじい壊しがい、つまり強敵(・・)の気配を感じるのだから。

 

「どこだよ……。せっかくこんなに大衆引き連れて来たのにさ……。オールマイト……平和の象徴いないなんて……」

 

 

 

 

 

「──子供を殺せば来るのかな?」

 

 

 

  

 

 全身に手みたいな装備を付けた、イッちゃってる目をしたヴィランがそう言った瞬間。

 脳みそヴィランの一人。

 細マッチョの方が、一直線に私目掛けて(・・・・・)突撃してきた。

 

 

 

 授業の為に訪れた筈のUSJ。

 それが戦場に変わった瞬間だった。

 

 




の、脳無が二体だと!!?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。