小悪魔系美少女ヒーロー候補生、チャーミーデビル見参!!   作:カゲムチャ(虎馬チキン)

27 / 64
体育祭!!! パート4

『さあ起きろイレイザー! 15分のチーム決め兼作戦タイムを経てフィールドに13組の騎馬が並び立った!!』

『……なかなか面白ぇ組が揃ったな』

 

 なんか相澤先生の声が眠そうだ。

 寝かせてあげれば良いのに……。

 

『さァ上げてけ鬨の声!! 血で血を洗う雄英の合戦が今!! 狼煙を上げる!!!』

 

 相澤先生の過労死問題はさておき、ようやくスタートだね。

 私達は結構早めにチームを組んだから、ちょっと時間が余りぎみだったんだ。

 緑谷少年はいつもの如くブツブツと呟いて時間ギリギリまで考察を重ねてたけどな。

 

 まあ、何にしても。

 

「緑谷少年!」

「うんっ!」

「麗日少女!」

「はい!」

「発目少女!」

「フフフ!!」

 

「よろしく!!」

 

 ウチの布陣は騎手が私、前騎馬が緑谷少年。

 右翼が発目少女で左翼が麗日少女だ。

 最悪、翼使って逃げられる私を騎手にするのは当然として。

 いざ逃げる時になったら麗日少女の個性で他のメンバーを軽くして全員で逃げる。

 私の力ならそんな事しなくても余裕で全員運べるんだけど、その場合全員が私の足にぶら下がるような形になって体勢が崩れるので却下。

 でも麗日少女の個性は自分を浮かせようとすると多大な負荷がかかるらしいので、そこら辺は発目少女のサポートアイテムで麗日少女自体を飛ばして補助。

 この二人便利だな。

 

 で、前騎馬に緑谷少年が選ばれたのも必然。

 この中で唯一の男である緑谷少年はその分体格が良いし、他の騎馬二人に比べればパワーもある。

 前騎馬は体格が良くてパワーのある人が務めるポジションなので、必然的にそうなった。

 

『よォーし! 組み終わったな!!? 準備いいかなんて聞かねぇぞ!! いくぜ!! 残虐バトルロワイアル!! カウントダウン!!』

 

『3!!』

 

『2!!』

 

『1!!』

 

『スターーーート!!!』

 

 開始早々、複数の騎馬が私達目掛けて突撃してきた。

 こんな美少女に手を上げるなんて最低の連中だ!!

 まあ、冗談はさておき。

 

「実質それの争奪戦だ!!」

「はっはっは!! 八木ちゃん! いっただっくよー!!」

 

 まず攻めて来たのは二組。

 この間教室に来て宣戦布告していった鉄っぽい少年率いる騎馬と、クラスメイトの透明少女率いる騎馬だ。

 透明少女は上半身丸裸になってるらしく、ハチマキが宙に浮いてるような感じになってる。

 ナニアレ。

 まあ、それはいいとして。

 

「じゃあ、予定通りやるよ」

「……本当にやるの?」

「当然!」

 

 これから実行する作戦は前に緑谷少年に話してドン引きされたやつだ。

 でも、これはお祭り騒ぎ!

 このくらい派手にやっても怒られない筈だ!

 

 いっくぜー!!

 これ一回やってみたかったんだよ!!

 

「開け!! サモンゲート!!」

 

「うお!? なんだ!?」

「これって!?」

 

 私の腕から発生した黒モヤのヴィランのワープゲートに似た黒いモヤを見て、突撃してきてた二組の動きが止まる。

 でも、これは足止めの為に出した訳じゃない。

 この技を使ったのは当然、使い魔を召喚する為だ。

 

 そしてサモンゲートから使い魔が出て来る。

 十体、二十体、三十体、四十体……。

 そうやってどんどん出て来て、最終的に百体の使い魔がフィールドに出現した。

 数の暴力!! ここに降臨!!

 

『おおっとォ!!? なんかまた八木がやらかしたぞォ!!! これ入試の時に見たわ!! 使い魔とかいう奴だ!! でもあえて言わせてほしい!! 多すぎだろォ!!!』

『マジで手加減抜きだな』

 

 マイク先生と相澤先生の小粋なトークを聞きながら、私は使い魔達に命令を下す。

 実は声に出す必要もなかったりするんだけど、雰囲気って大事だと思うんだ。

 

「総員出撃!! 全てのハチマキを奪い取れ!!」

 

 私の命令を受けた使い魔達が他の参加者諸君に向けて突撃していく。

 騎馬の数が13組。

 騎馬戦参加者の人数が42名。

 それに対して使い魔100体!!

 倍以上だよ!!

 参加者諸君は必死に抵抗するも、圧倒的な数の暴力の前にほとんどの騎馬は為す術もなくハチマキを奪われていった。

 そして奪ったハチマキを使い魔達が私の所まで輸送してくる。

 お疲れ~。

 そしてまた出撃せよ!

 

『圧っ倒っ的!!! まさに圧っ倒っ的!!! これなんて戦争だッ!!? 騎馬戦で物量作戦とかそんなんアリかよ!!!?』

『アリだろ。ルール違反はしてないんだからな』

『コレもうそれ以前の問題だろォ!!!? 試合になんねぇよこんなん!!!』

 

 輸送されてきたハチマキを装着するのがそろそろしんどくなってきた。

 騎馬が13組という事はハチマキも13個もある訳で。

 それ全部ルールに従って首から上に巻こうとすると大変だ。

 口元が埋まってきちゃった。

 

「あの! すみません!! これだとベイビーの出番がなくて私凄く困るんですが!!」

 

 圧倒的な蹂躙劇についに味方からも非難の声が飛んできた。

 発目少女が文句言ってる。

 

「……私もこれはエグすぎると思う」

 

 麗日少女も浮かない表情。

 まあ、せっかくの体育祭本選なのに、今のところ私達何もしてないもんね。

 頑張ってるのは使い魔達だけで、肝心の私達はスタート地点からまんじりとも動いてないもんね。

 

 でも、その心配はいらないよ。

 

「二人共、油断しないで。多分そろそろ戦況が変わると思うから」

 

 一方、緑谷少年はちゃんとわかってるみたいで、いつ襲撃されても対応できるように気を張ってる。

 そう。

 それで正解だよ。

 忙しくなるのはこれからだろうからね。

 

 ご存知の通り。

 私の使い魔は一度に出せば出すほど一体一体が弱くなる。

 今回は私が出せる上限数である百体も出したんだから、それ相応に弱い。

 具体的には一般的な成人男性と同じかちょっと上くらいの力しかない。

 塚内さんと腕相撲して負けるくらいの力だ。

 

 さっきまでは皆ハチマキを守ろうと必死だった訳だけど、それが奪われて失う物がなくなれば当然こっちに向かってくる。

 今は使い魔達に足止めされてるけど、この程度の戦闘力しか持たない使い魔の足止めなんて所詮は時間稼ぎ。

 決して越えられない壁じゃないのだ。

 

 それに使い魔達の数も地味に減ってるしね。

 抵抗を受ければそりゃやられるよ。

 私の使い魔はある程度のダメージを受けると消滅するんだから。

 ちなみに、使い魔の追加はできない。

 正確に言えばできなくはないんだけど、その為には一度全ての使い魔を消さないといけない。

 今のところ、それをやるつもりはないしね。

 

 そして、いよいよほぼ全てのハチマキが私の手元に集まった。

 でも抵抗が激しいのが何組かいて、その子達からは奪えていない。

 

『轟チーム!! 圧倒的な物量を相手に範囲攻撃で勝負だぜ!! 良いぞ!! 頑張れ!! 物量作戦なんかに負けんな!!!』

『おい。実況に私情挟むな』

 

 まず轟少年チーム。

 メンバーは飯田少年と八百万少女、あと電気使いの少年。

 かなり強力なメンツだ。

 轟少年の大規模氷結と電気使いの少年の無差別放電で使い魔を仕留め。

 飯田少年の機動力と八百万少女の個性でハチマキを守りきっている。

 でも相応に消耗してるみたいで、もうちょっと攻めれば堕ちそう。

 

『そして爆豪チーム!! 大爆発の連打だぜ!! これには使い魔も近づけない!! 良いぞ!! もっとやれ!!』

『私情』

 

 次に爆豪少年チーム。

 メンバーはツンツン頭の少年と肌色ピンクの少女に地味顔の少年。

 爆豪少年の爆発が厄介で使い魔達が近づけてない。

 あとピンクの少女の個性で地味に使い魔がやられてる。

 アレたしか酸だったね。

 そりゃ攻撃力が高いわ。

 でも、轟少年達に比べると隙が多いから、こっちももうちょっと攻めれば堕ちるかもしれない。

 

『そして鉄哲チーム!! 塩崎が強い!! 鮮やかなツル捌きに使い魔はやられまくってんぞ!! ざまぁみろ!!!』

『……いい加減自重しろ実況』

 

 あと意外だったのが、最初に私達に突撃してきた鉄っぽい少年のチーム。

 彼らはクラスが違うので面識がない。

 その中の一人、茨っぽい植物のツルみたいな髪した少女が強い。

 ツルを鞭みたいに操ってて、それで叩かれたり縛られたりして、使い魔達じゃ全く歯が立ってない。

 アレは質の低い数の暴力じゃ攻めきれないタイプだわ。

 これ以上仕掛けても消耗するだけだな。

 彼女達のハチマキが欲しければ自分で動くしかなさそう。

 

 とりあえず茨使いの少女達に対する攻撃を止めさせて、その分の使い魔を轟少年と爆豪少年に向かって突撃させた。

 それでついに轟少年が陥落。

 そのハチマキは奪われ、私の所に輸送されてきた。

 

『あああ!!? 轟チームやられたァ!!! ちっくしょうが!!! ファック!!!』

『……』

 

 でも、爆豪少年はまだ粘ってる。

 頑張るなー。

 タフネス。

 て言うかマイク先生?

 さっきから好き放題言ってるくれますね。

 後で覚悟しとけよ。

 

 ──そして、ついに。

 

「ハチマキよこせぇぇぇ!!!」

 

 使い魔達の足止めを突破する騎馬が出始めた。

 最初に来たのは六本腕の少年。

 騎馬戦なのに何故か一人だ。

 

「障子くん!? アレ!? 一人!? 騎馬戦だよ!?」

 

 緑谷少年も同様の疑問を抱いたらしい。

 でも、そういうのは後だ!

 とりあえず迎撃かな。

 

「くらえ! 発目少女作! 捕縛ネット!」

「おお!! ついにベイビーの出番が!!」

 

 発目少女が歓喜の声を上げた。

 しかし、捕縛ネットはバックステップで簡単にかわされてしまった。

 うーん……。

 これは……。

 

「ネットの射出速度に難があるね」

「改善の余地アリですね!!」

 

 ポジティブだな発目少女。

 と思っていたところで、六本腕の少年の背中から何かが射出された。

 なんだろうかと思って掴んでみたら、変な滑りけを感じたよ。

 なんだろ? コレ?

 ぐいっと引っ張ってみる。

 

「ケ、ケロ」

「蛙吹さん!?」

 

 なんか苦しそうな声が聞こえたと思ったら、六本腕の少年の背中からカエルっぽい少女が出てきた。

 私が今掴んでるモノは、カエルっぽい少女の口の中に繋がっていた。

 コレあの子のベロか!?

 そういえば、あのカエルっぽい少女は舌を伸ばせるんだったな。

 真剣勝負の最中とはいえ悪い事をした……。

 すぐに離してあげる。

 

「ケロ。さすがね八木ちゃん……!」

「あいつチートすぎだろ……!」

 

 と、なんかカエルっぽい少女の隣から声がするなと見てみれば、汚らわしきブドウ頭がいた。

 あ!!

 しかもハチマキ付けてやがる!!

 ……なるほど。

 六本腕の少年の個性でカエルっぽい少女とブドウ頭の二人を背中に隠してたんだな!

 で、使い魔じゃこの防御を突破できなかったと。

 どうやら取りこぼしがいたらしい。

 

「三人共!! あのハチマキ取りに行くよ!! 突撃!!」

「ま、まだ取るの?」

「当然! そら走った走った!!」

 

 私の指示に発目少女以外の二人はしぶしぶといった感じで従い、六本腕の少年に近づいて行く。

 六本腕の少年もハチマキ奪取を狙って突撃してくる。

 普通に考えれば、緑谷少年という貧弱な馬であの戦車の如き少年に当たり勝つ事はできない。

 そこで私は普段使う事の少ない小技を使った。

 

「な!? こ、これは!?」

 

 六本腕の少年の体を細いロープのようなモノが縛りつけている。

 先端が三角形のように尖った黒いロープ。

 それは私の背中に繋がっている。

 そう。コレの正体は!

 

「悪魔の尻尾!」

 

 これぞ! 地味すぎて普段は使わない小技! 悪魔の尻尾による拘束である!

 尻尾とはいえ悪魔の力。

 そのパワーは計り知れず、六本腕の少年はその場で張り付けにされたかのように動けない。

 この尻尾。実は伸縮自在で超高性能なのだ!

 でも、直接殴った方がずっと早いし、拘束技は性に合わないから普段は使わないんだよ。

 

 そして、私はハチマキを奪うべく、動けない六本腕の少年の背中に乗り込んだ。

 

「ヒィ!!」

 

 右腕の個性を解放して、意地でも開こうとしなかった六本腕の少年の触手をこじ開ける。

 悲鳴を上げるブドウ頭。

 即座に反撃に出ようとするカエルっぽい少女。

 この差はいったい何なんだろうか?

 

 とりあえず、カエルっぽい少女をデコピンで迎撃し、ブドウ頭を左腕で殴っておとなしくさせてからハチマキを奪い取った。

 そしてすぐに自分の騎馬に戻る。

 

『轟チームに続いて、地味にハチマキ持ち続けてた峰田チームもやられた!! これでハチマキ持ってるのは八木チーム、爆豪チーム、鉄哲チームの僅か3チームのみ!!! てか八木が圧倒的すぎる!! オイ誰か止めろォ!!!』

 

 その頃にはかなり使い魔の数も減り、こっちに向かって来る騎馬の数も増えていた。

 マイク先生の言葉を受けてか、こっちを狙って来る連中が多いわ。

 このままだと囲まれそう。

 

「忙しくなってきたね。ひとまず飛んで距離を取るよ! 麗日少女!!」

「うん!!」

 

 事前に決めてあった通り、麗日少女の個性で私と麗日少女以外の重さをゼロにして飛んだ。

 私の重さを変えなかったのは、いつもの感覚と違うと飛行に影響が出ると考えたからだ。

 でもこれ、騎馬としての体勢を維持しないといけないから、重さ変えなくても普通に飛びづらい。

 あんまり飛ばない方がいいな。

 

 そして着地地点は残りの使い魔がひしめく中にした。

 多分、ここが一番安全な場所だと思う。

 

「さて。私としては残りのハチマキも奪いに行きたいんだけど、どうしようか?」

 

 私は他の三人に問いかけた。

 全力でやるなら最後のハチマキ一本にいたるまで取り尽くすべきだと思うけど、これはチーム戦。

 相談は大事だと思うの。

 

「……僕は反対だ。今のままのポイントでも1位は確実。無理にこれ以上仕掛ける必要はないと思う」

 

 緑谷少年は消極派だね。

 いや、堅実と言った方が良いか。

 たしかにこれだけポイント稼いでるんだったら守りに入ってキープするのが一番の得策。

 あんまり意味のないリスクを負いたくないっていうのは当然の考え方だ。

 

「私は断然攻めるのに賛成ですよ!! 全てのハチマキを奪った方が目立ちますし、なによりまだベイビーが活躍してません!! 活躍の場がほしいです!!」

 

 発目少女の返答は予想通りと。

 仕方ないね。

 君のベイビー、まだ麗日少女のサポートと、捕縛ネットの時のしくじりしかしてないもんね。

 活躍の場がほしいよね。

 

「……私はデクくんに賛成かな。やっぱり守りに入るのが一番確実だと思う」

 

 で、麗日少女も堅実派。

 これでガンガンいこうぜ派が二人に、いのちだいじに派が二人だ。

 どうしよう。

 完全に意見が割れてしまった。

 これはチーム崩壊の危機か?

 

 とか思ってたその時。

 私達を守ってくれていた使い魔達が一斉に凍りついた。

 どうやら相談タイムは終わりのようだ。

 

「ハチマキ。返してもらうぞ」

 

『残り時間約1分!! ここで轟が八木に食らいついた!!! ラストバトルの始まりかァ!!!?』

 

 ここで轟少年が私達の前に立ちはだかった。

 ハチマキを失って身軽になったからこそ、使い魔達を振り切ってここまで来れたんだろうね。

 後がないから彼らも必死だ。

 

「皆。事情が変わっちゃったから作戦は轟少年を倒せでOK?」

「うん……!! やろう!!」

「了解です!! ベイビーの出番さえあれば何でも良いですよ!!」

「絶対勝とうね!!」

 

 真っ二つに割れていた意見が、強敵の出撃によって一気にまとまった。

 仲間割れの危機は去った!

 やはり持つべき者はライバルだな!

 

 さあ。

 ラストバトルを始めようか。

 

 かかってこいよ。

 ライバル共。

 




騎馬戦が原作と乖離しまくってるぜ……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。