ぼっちのシンフォギア   作:ミネラルいろはす

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お待たせしました。一期を見てたらぜんぜん書いてませんでした。


目覚めると…

〜比企谷八幡side〜

 

目を開けるとそこは何度か見たことがある天井だった。というかニ課の自室だった。

あれ?俺はいつのまに帰ってきたのかと思い、覚えている最後の記憶を思い出す。

 

確か最後に覚えているのは誰かが牢に入ってきたところまでだ。それから、誰かが何か言っていたような気がするが覚えていない、そこから先の記憶はない。

帰ってきた覚えがないという事は、ここは夢の中だろうか?

辛い現実からの逃避行ってわけか。

 

「だけど俺には、逃げることは許されねぇよな」

 

捕まった後の扱いは、俺の想定していた物よりも酷いものだった。食べ物が出てくることはなく、取り調べとは言えないような事をされた。何度も蹴られ、踏まれ、殴られた。

阿修羅丸を使えばこの状況もなんとかなったのかもしれないが、また逃げ出せば今よりももっと風鳴さん達に迷惑をかけることになると思い実行することはなかった。

 

いつまでも逃避行はしてはいられない、だってこれは俺の行動の結果なのだから、どんな事をされようとそれから逃げるわけにはいかない。この平和な夢から覚めようとしたが…

 

「………あれ?全然目覚めないんだけど。むしろ、どんどん目が冴えてきたんだけど?」

 

色々な方法で目が覚めるような事をしてみたが一向に変化は無い。というかますます眠気が取れていくんだけど?

 

「……これって、もしかして現実か?」

 

そんなはずはないと俺は即座に首を横に振った。風鳴さん達には多大な迷惑をかけたのにまた俺を引き取るメリットがない。仮に引き取ろうとしたとしても国がそんな事を許すわけがない。

ならここは…

 

「あっ!わかったぞ、ここは天国ってとこか」

 

「違うぞ、ここはニ課だぜ比企谷、頭でも打って混乱しちまったか?」

 

俺がここがどこなのかを考えているとドアが開きオレンジ色の髪をした女性が入ってきた。

ワァ、ナンカアモウサンミタイナヒトダナ、ウン、コレハユメダナ、ユメニチガイナイ。

いや、だって俺天羽さんと関わりとかないし!きっと、おそらく、多分。

しかも会ったのなんてコンサート会場以来だよ。

なのに、この人なんかすげぇ親しそうな感じで話しかけてきたんだけど。

しかも、俺の名前知ってるし。

 

「どうした?やっぱり頭でも打っちまったのか?」

 

「いやいやいや、頭なんて打ってないですよ、というかなんであなたがここにいるんですか?というかどうして俺はニ課にいるんですか?俺は牢にいたはずなのに…」

 

「あーそういえばお前牢屋の中で気絶して今まで寝てたから事情知らねえのか…ちょっと待ってろ今了子さんに確認する」

 

そう言って了子さんに電話をかける天羽さん。

 

 

「……おう、了解だ。比企谷お前体は動かせそうか?」

 

天羽さんに聞かれたので、腕や足を軽く動かしてみると多少重く感じるが問題はなさそうだ。

 

「はい、歩くくらいならなんとかなりそうです。」

 

「そうか、なら付いて来い。今から行くところで全部説明してやる。」

 

「はぁ、一体どこに行くんですか?」

 

「これからあたし達が働くところだよ、そこであんたがなんであんな事をしたのかも聞かせてもらうからな」

 

そう言ってすたすたと先に行ってしまう天羽さん。

 

「ちょ、ちょっと待ってくださいって、働くところってなんですか?っていうか天羽さんも一緒に働くんですか?」

 

俺の質問には行けば全部わかるの一点張りで何も喋ってはくれなかった。

でも、あの行動の理由を聞かれるのは予想はしていた。また、ニ課の本部にいるということは、あの人たちにまた迷惑をかけたに違いない。

本当にあの人たちには大きな借りを作ってしまったようだ。

 

 

さっさっと行ってしまう天羽さんを追いかける。

これから先の未来に不安を抱きながら…

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ウィーンと音を立ててドアが開くと中には櫻井さんや風鳴さん、他にもニ課の職員の人たちがいた。

 

「あら〜待ってたわよ比企谷君、体調の方はどうかしら」

 

櫻井さんが前と変わらず親しげに話しかけて来る。

 

「あっ、えっと歩くくらいなら問題ありません。それと…今回の件はとんでもない迷惑をかけたと思います、本当に申し訳ございませんでした。」

 

そして俺は頭を地面に思いっきり叩きつけて土下座する。勢いよくやりすぎて頭から血が出てきたが、今顔を上げるわけにはいかない。彼らには俺のせいで沢山の迷惑をかけてしまったであろう。当然怒っているに違いないと思っていたのだが…

 

「……顔を上げてくれ比企谷君、今回の件確かに俺たちには、少なからず責任問題が発生するだろうが、子供ってのはな大人に迷惑をかけてなんぼな生き物なんだよ。これくらいの迷惑を受け入れられなくて大人なんてやってられんよ」

 

 

「えっ?あ、あの怒ってないんですか?新宿をあんなにめちゃくちゃにしたのに…」

 

しどろもどろになりながら俺は風鳴さんに聞き返す。

 

「その件だが、建物や道路などの損害は酷いものだったが、行方不明者及び死傷者はゼロだ。それに命があれば何度だってやり直せるのさ……まぁしばらくは始末書地獄だが、そんなことは気にするな。代わりになんであのようなことをしたのか教えてほしい。君のことを全て知っているわけではないが、君が理由もなくあのようなことをするようには思えんのだ。」

 

そう言ってニカッと笑う風鳴さんは本当にかっこよくみえた。怒られるとそう思っていたのに、この人は子供の迷惑だから許すとそういっているのだ。これが本当の大人ってやつなのだろうか。

気づいたらいつのまにか目から涙が流れていたらしく、天羽さんがハンカチを渡してくれた。いつもの俺なら断っていたが、今はありがたく使わせてもらった。

 

 

しばらくして、落ち着いた俺は天羽さんにハンカチは洗って返すと伝え、本題に入ることにした。

 

「それでは、俺がなぜあのような行動したのかを説明します…………」

 

それから俺は、立花の噂をなんとかしようと考えていた時に阿修羅丸に誘われてそれに乗ってしまったこと、その時さらに代償として阿修羅丸に侵食されたこと、そして新宿での凶行に至るまでを全て話した。

 

全ての話を話し終わった後、風鳴さんがこちらに近づいてきて思いっきり抱きしめられた。

 

「比企谷君、君がやったことは到底許されることではない。しかし、君は本当にそれだけのことで事を起こしてしまえるのだな。だが、1つ言っておくぞ比企谷君。君の方法では、本当に誰かを助けたくなった時助けられないぞ」

 

だから、大人である俺たちをもっと頼れと背中をバンバンと思いっきり叩かれた。

少し苦しくなってきたので、肩をタップして離れてもらうように促す

 

「?ああ、すまない少々苦しかったか、今離れる」

 

「い、いえ、大丈夫です、少し苦しかっただけですから」

 

風鳴さんが離れると先程まで何か考えている様子だった天羽さんがこちらにやって来る。

 

「…なぁ、お前はそれだけのためにあんな事をしたのか?」

 

そう聞いてくる天羽さんに俺は

 

「はい、そうです。立花自身は望んでいないのかも知れませんが、これは単なる俺のエゴです。それに例え何回やり直したとしても俺は必ず同じことをすると思います。だって、おかしいでしょう、あのコンサートを大怪我を負って生き延びたのに根も葉もないうわさでこれ以上傷ついて欲しくなかったんです!」

 

これ以上辛い思いはして欲しくなかったとそう天羽さんに告げる。

牢での疲労が取れてないせいか、われながら珍しく感情的になってしまった。

しばらく考え込んでいた天羽さんがこちらを見る。

 

「……そうか、納得はできないが理解はできた。だから、これからは危なっかしいお前をあたしが守ってやるよ」

 

よろしくなと差し伸べられた手にどうしたらいいのかわからなくなってしまう。

 

え?これからよろしくって何?それに守るってなんだよとフリーズしている俺を見て察してくれたのか了子さんがあの事件の顛末を語ってくれた。

 

まず、国の決定は俺こと比企谷八幡は、櫻井さんと天羽さんとの独立部隊を新しく設立しそこに配属になること、そして、俺はコンサートで死んだ扱いなのは変わらないらしいのだが、新宿の件により人権の剥奪、そして、行動するときは常に監視と一緒に行動すること。もし、少しでも怪しい動きをすれば監視により処刑されること。

ここまで聞いておかしな点がいくつかある。

まず、俺がコンサート会場ですでに死んでいるのなら新宿の件は、誰が犯人として発表するのか聞いたところ、仮面のお陰で顔がばれていなかったので、国がすでに架空の戸籍を作りそれを犯人として発表すること、そして、俺が使っていた阿修羅丸に対しては、どこかの研究所で人体実験により手に入れた力だと発表し、詳しい解剖はまだ終わっていないと発表したそうだ。

 

少し無理矢理感があるが、なんとかこれで国民の不満を解消することはできたと櫻井さんは言っていた。それに情報操作はあたし達の十八番だからねとも。

 

で、次に気になった監視について聞いてみた。まさか、俺を捕まえにきた黒服の人たちとこれから先永遠に過ごすのではないかと思うと少し気持ち悪くなってくる。だが、そんな心配をよそに櫻井さんは天羽さんに指を指す。

 

???なんで天羽さんに指を指すのだろうか?

 

「櫻井さん、監視について聞いてるんですよ、なんで天羽さんを指さすんですか?」

 

「あれ?言ってなかったかしら、あなたの監視は奏ちゃんがやるのよ」

 

「え?う、嘘ですよね。だって監視ってずっと一緒にいるってことですよね、女子とずっと一緒とか俺死んじゃいますって、それに天羽さんだって嫌でしょうし、それにアイドルですし俺と一緒にいるところとか見られたら大騒ぎになっちゃいますよ」

 

とあまりの事態に驚き、まくし立ててしまった。すると口を開いたのは櫻井さんではなく、天羽さんだった。

 

「…あんたの監視はあたしが引き受けたんだ、文句を言う気はない。それにツヴァイウイングなら解散することに決まった、あんたの監視をするにあたって、あたしもコンサードでの怪我が悪化して死亡したと国が発表するらしい。」

 

天羽さんから衝撃の発言を受けて、俺は何も言えなくなってしまう。

天羽さんが死んだことになり、それにツヴァイウイングもやめるって…そんなのあまりにも…

 

「勘違いすんな、これはあたしなりの恩返しだ、あんたがコンサート会場で助けてくれなければ、あたしは今ここにいない。どちらにせよ死んでいたってわけだ。だから、助けてもらったことへの礼はこれで返させてもうぞ」

 

と天羽さんが言うが、恩返しなど俺がしたことに比べたら大きすぎてお釣りがいくらあっても足りないくらいだ。返せるあてもないのにこんなに大きな借りを作ってしまうなんてな。

 

「それにあんたは国からの命令を拒否することはできないから諦めな」

 

まぁ、そうだよな、あれだけの事をしておいて死刑にもならず、ニ課で働くことと監視がつく事なんて緩い条件になったのはきっとニ課の人たちが頑張ってくれたのだろう。受けた恩は死んでも返さないといけないしな。

 

俺は再び頭を下げた。先程とは違い土下座ではなくお辞儀、これからよろしくお願いしますとそう言う意味をこめたものだ。

 

「これからお世話になります。今回の件で皆様に多大な迷惑をおかけしましたが、このご恩はこれから先死んでも返していくのでよろしくお願いします。」

 

 

ところどころで拍手が起こる。だが、再び天羽さんが口を開く。

 

「あんたは死なせないって言っただろ。だから、死なない程度に返してくれ」

 

そう言って天羽さんは俺の頭を撫でる。

ああ、本当にこの人だけには、一生頭が上がらないきがする。

 

 

 

 

 

 




お待たせしました。いつになったら本編にたどり着くやら…
というわけで、次回も不定期更新になりますがよろしくお願いします。
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