新しいシリーズとかも始めてしまったのでどんどん遅くなるかもしれませんが、末永くお待ちください。
俺たちは突然街に現れたノイズたちを倒していたのだが、全滅させる目処がたったところで目の前の痴女に襲撃された。
目の前の痴女は、両手にムチのようなトゲトゲの武器を持ち、白い鎧を纏っている。だが、その白い鎧はあろうことか胸の下部分にはついてなく、側から見ればただの痴女である。
俺はそれとなく彼女から視線を外す。流石にあの鎧を直視してたら速攻で捕まる未来が見える。いやでも、この場合は外に来て出歩いている方が捕まるのだろうか?いや、それでもお前が無理矢理着させたんだろなどとあらぬ疑いをかけられてそのままお縄につきそうだ。やはり、この腐った目か、この腐った目が悪いのか‼︎
「おいおい、このあたし様を無視するたぁいい度胸だ。一発目は運良く防いだようだが、二発目はどうだ‼︎」
痴女はどうやら俺の態度が気に入らなかったらしくトゲトゲのムチをこちらに向かって振りかざす。
「っぶねぇ‼︎」
目の前まで迫っていた痴女の攻撃を間一髪で回避する。
それにしても、白い鎧に少女とくれば司令が言っていた翼さんを倒したやつだ。それにここ最近のノイズの異常な出現率についても関係があると思うべきか…
まぁ、あの痴女が司令の言っていた少女ならば彼女が纏っているのは完全聖遺物のネフシュタンということになる。流石に呪具でも完全聖遺物相手は分が悪いな。
それに今の攻撃であのムチが伸びたことから伸縮自在の可能性がある。
俺はバリバリの近接戦闘特化だから、リーチが変わるのは少し、いやかなりやりづらい。
こうして、考えている今も彼女の手が休むことなくこちらに襲いかかっているわけだが、俺もそれをなりふり構わず避けることで直撃は避けている。だが少しずつ相手の攻撃が俺を捉えはじめている。
「オラオラ、どうした避けることしかできねぇのかよ、ちっとはやり返してこいよ、これならまだ青髪のやつの方が手応えあったぞ」
痴女が言った青髪とは翼さんのことだろう。
そもそも俺は翼さんに練習相手をしてもらった事があったが、俺は模擬戦では翼さんに今の今まで一度も勝ったことがないのだ。
だから、彼女が勝てなかった敵を彼女すら倒したことがない俺が勝てる見込みはほとんどないだろう。
だが、例え勝てる見込みが無かったとしても、こんな厄介者と親しく接してくれた相手をボコボコにされて黙っていられるほど俺の心は腐っていない。
「これで終わりだぁ‼︎」
痴女の攻撃が目の前まで迫る。左右からの攻撃で俺の後ろにはでかい岩がある、これでは上空に逃げたとしても直撃はさけられないだろう。
結論から言うと俺の逃げ道は完全に断たれている。
「影深」
俺は短く告げ影に落ちる。俺を狙った一撃は対象を失ったことで、岩にぶつかりその岩を粉砕する。
「なっ⁉︎あの一撃を避けたのか。へぇ、逃げることに関してはあの女よりは上みたいだな」
必殺の一撃を避けられて驚いている彼女を見ながら影に潜り彼女の隙を狙い好機を待つ。それにどうやら敵さんには俺がどうやって避けたのかまではわかっていないらしく、辺りをキョロキョロして俺を探している。
しばらく、俺がどこにいるか探していた彼女は探すのがめんどくさくなったのか、辺り構わず攻撃をしはじめた。
「ほらほら、早く出てこないとここら一体焼け野原になっちまうぞ。いいのかよ、あんたらの仕事は被害を最小限に防ぐことも含まれてるんじゃないのか?」
ほう、どうやら敵さんは俺たちニ課について、知っているらしい。それも詳しくな。
こちらの仕事内容までバレていると言うことは内部に共犯者がいる可能性が高い。
それに彼女が言ったこともあながち間違いではない。このままここら辺を焼け野原にされると後で始末書の束を書くことになりそうだ。
まぁ始末書だけで済めばいいけどな。戦闘終わって次の日からここの復興の手伝いなんかさせられた日にはさすがの俺も過労で死ぬぞ。
俺は彼女の後ろまで移動して影から浮上して、思いっきり背中に斬りかかる。
「なっ、後ろからだと‼︎」
敵の死角からの完璧な奇襲。死にはしないだろうが、深手くらいはおわせるつもりで切りかかった。
だが、阿修羅丸の刃はネフシュタンの鎧にかすり傷1つつけることはできなかった。
「はっ!何だよその程度かよ、今のが全力だと?そんななまくらじゃあ、あたしに傷1つつけられるわけねぇだろ」
そのまま彼女の振るう二本のムチの直撃を全身にくらう。
彼女の攻撃は俺の纏っているガングニールの鎧を砕きながら、俺をそのまま後方に吹き飛ばされる。
「ぐえっ」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
全身をナイフで切り刻まれたような痛みだ。
彼女の鎧に傷1つつかなかったことに驚きすぎて、防御行動を取るのが遅れてモロにくらっちまった。
鎧は攻撃を受けた部分がえぐれている。次に同じ攻撃を食らったら確実に終わりだ。
だが、阿修羅丸はネフシュタンの鎧に傷1つつけることはできなかった。
このままだとどう転んでも俺がやられる未来からは逃れようがない。
せめて、ネフシュタンの鎧に傷をつけることができれば、あるいは…
すると突然阿修羅丸がこちらに語りかけてくる。
『八幡、僕と取引をするかい?更なる契約を結べばネフシュタンの鎧を壊すことも可能だよ。なんたって僕たち呪具も聖遺物を丸ごと1つ飲み込んでいるんだからさ。』
今はリミッターがかかっていて、本来の力を発揮できてないけどねと阿修羅丸は言う。
「おいおい、本当にもう何もねぇのか?お前といい青髪のやつといい、全然歯ごたえねぇな、なんでこんなやつをフィーネは気にするのかねぇ。」
彼女がこちらに向かって近づいてくる。
俺の体は避けようと体に力を入れるが
「いっつ!」
先ほどの攻撃で足もえぐられていたようだ。
このままでは本当に何もできずに終わってしまう。
彼女を嘲笑われたまま、何もできずに終わってしまう。
それだけは………それだけは………力の差だとか聖遺物の差だとか、そんなの関係なしにただ何もできずに終わるのだけは…他の誰かが許しても俺が許せねぇ
『そうだよ八幡、さぁ僕と更なる契約をしよう、そうすれば君は彼女よりも強くなれる。君とペチャパイを嘲笑ってたあの女を倒すことができるんだよ。
さぁ八幡僕の手を取って‼︎」
眼前にはトゲのムチが迫ってきている。今度こそは本当に避けることはできないだろう。影深も連続戦闘の疲れで発動するまでに時間がかかる。俺には本当に打てる手立てはない。
阿修羅丸は俺に向かって僕の手を取れと叫ぶが、俺は阿修羅丸の手を取ることはなかった。
なぜなら、俺にはもう手立てはないが、あの人ならもしかしたら…という淡い期待を込めて、俺は阿修羅丸の手を取らずにこの数年間迷惑を一番かけてきた彼女に託すことにしたのだ。
そして、遂に彼女のムチが俺を貫く…
ガキン
ことはなかった。
「おいおい八そんなに血だらけで大丈夫か?でもまぁこのアタシが来たんだ安心しな」
彼女の槍が俺をムチから守ったからだ。
俺のとは違い、正真正銘本物のガングニールを纏った奏さん。
彼女のギアはあのライブでバラバラになり、櫻井さんによる再生&改造という恐ろしい過程を経て、彼女のギアは数年前よりも何段階も向上している。
それに改造の段階で俺の阿修羅丸も関わっていることもあり、彼女のギアはガングニール改め、ガングニール・シャドウと呼ばれている。
翼さんの練習に一度も勝ったことはなかったが、奏さんには傷1つつけることはできなかった。
「まぁ、そこでおとなしくしてな、あんたと翼の分まとめてアタシが返してきてやるからさ。」
彼女は俺に向かっていつもの勝気な笑顔で微笑んだ。
奏さんのガングニール・シャドウについては次話以降明かして行こうと思います。