商店街…普段は沢山の人達で賑わっている。
学校帰りの学生や主婦、仕事帰りの人など老若男女問わず様々な人が和気あいあいとしているこの場所は、突如現れたノイズによって地獄となった。
ほんの数分前まで穏やかな日々を過ごしていた人達は、ノイズによって炭素になった。それを見た誰かの悲鳴がきっかけとなり商店街はノイズと人間の鬼ごっこの会場となったわけだ。
鬼ごっこといっても、デッドオアアライブの生存をかけた命がけの鬼ごっこだが、そんな場所で商店街から逃げようとする少女2人。
普段は仲のいい三人組だが、そのうちの一人が最近用事で忙しく、最近は二人で過ごすことが多くなっていた。
そして、今日も本当は三人で行きつけのお好み焼き屋を帰りに寄って行く約束をしていたのだが、急用が入ったとかで授業の途中で帰ってしまったので、二人でお好み焼き屋に行ったのだが、その帰りに突如ノイズに襲われたのだ。
誰かの悲鳴が聞こえノイズを見つけた時の二人の対応は早かった。
周りのみんなに大声でノイズの発生を知らせ、避難所に行くように促した。
自分たちもノイズに捕まらないように細心の注意を払いながら行動していた。
普通ノイズと出会った人は恐怖のあまり固まってしまう人が多い。
だが、この二人は不幸中の幸いか、ノイズと出会うのは初めてではなく、二度目だ。それが幸いして、彼女たちは固まることなく動くことができた。
「皆さん逃げてください‼︎ノイズです、ノイズが出ました‼︎急いで近くの避難所に逃げてください‼︎早く‼︎」
なぜなら二年前のあの日、兄を失った妹比企谷小町と小日向未来は、兄のようにノイズで人がこれ以上死なないように出会った時の対処法を二年前のあの日からずっと考えていたのだ。
だが、対処法とは言ったが大したものではない、ただ出現の瞬間に驚いて固まらないように、素早く行動をうつせるようにする。ただそれだけなのだが、言うがやすし行うが如しと言うように、わかっていても体が動くかは別問題だ。
それでも、二年前のあの日から続けてきたことは、今日この瞬間に活かすことができた。
「小町ちゃん私たちも早く避難所に向かおう」
「そうだね、早くしないとノイズに追いつかれちゃうし、それでも今日は響ちゃんがいなくて良かったね、あの時一番苦しんだのは響ちゃんだったし、本当に良かったよ」
「うんそうだね、本当に響がいなくてよかった。こんな光景響には二度と見て欲しくないから」
二人は走りながら今いないもう一人のことを考えていた。
二年前のあの日、重傷を負ったもう一人の少女立花響。
手術は無事成功したが、そこから待っていたのは地獄のようなリハビリだった。何度も挫け、何度も転んだ。それでも彼女は一生懸命リハビリを続けた。
なぜなら、少女は知っていたからだ、自分が2人の犠牲のもとに生き残ったことを、だから、一刻も早く良くなって、みんなに心配をかけないようにと頑張った。リハビリを頑張ってくれればみんな喜んでくれると思ったから…
だが、現実は甘くはなかった。リハビリを終えて、帰ってきた立花に待っていたのは地獄のような責め苦だった。
何でお前が生き残った?
何で代わりに死ななかった?
人の税金で食べるご飯は美味しい?
お前なんか死ねばいいのに…
更には立花のせいで天羽奏が死んだと言う、根も葉もない噂が巻き起こり、立花の環境はますます悪くなっていった。
だが、ある時1人の男が現れた。
その男は新宿で大暴れしながら、コンサート事件を引き起こしたのは俺だと言いながら新宿の建物を壊しまくった。
すると自体は急変した、立花の周りは立花も被害者だと言う認識に変わり、今までの嫌がらせはピタリとやんだ。
代わりにその男に全ての悪意が流れていった。
民衆の悪意を全て背負った男は年齢、住所、これまでの経歴全てを晒されて、死刑にされた。
彼が使っていた道具なんかの説明は全くといっていいほど要領を得なかったが、それでも、その男の死という形で立花たちへの嫌がらせはなくなった。
だからこそ、2人はまた立花に同じ体験をして欲しくなくて、今この場にいないことを喜んだのだ。
「うわぁぁん、ままぁどこぉ、おいていかないでよぉ」
少年の声が2人に届いた。
「小町ちゃん」
小町の方へと視線を向ける未来、その視線が何を意味するか言わなくも小町には分かっている。
「わかってるよ、未来ちゃん、伊達に幼馴染やってないって、あの男の子を連れて一緒に避難しよう」
そういうと2人で少年のところまで走った。
少年の近くには人は1人もおらず、みんな逃げたあとらしく、少年はどうやら母親とはぐれてしまったらしい。
2人は泣いてる少年のもとまで走ると一緒に逃げようと提案した。
「ほら、泣いてないで、一緒に逃げよう?お母さんも先に避難所に向かってるから、後から会えるよきっと」
「そうそう、私たちに任せなさいって‼︎」
「…ほんとに?」
先程まで泣いていた少年は少女たちの話を聞いて泣くのをやめた。
「ほんとにほんとだよ、ほら早く逃げないとノイズが来ちゃう」
そう言って未来は少年の手を取り走り出す。
最初はぎこちなかった少年の走りもだんだんと落ち着いてきた。
ノイズがおってきてないか後ろを振り返る。
「はぁはぁ、追ってきてないみたいだね。少しは安心かな」
「そうだね、でも避難所に着くまでは油断対決だよー」
未来は小町の方へと顔を向けた。
それもとても残念そうな表情で
「お姉ちゃん、それって油断大敵って言うんじゃないの?」
「ふぇ?………ウンウンそうとも言うんだよ、ほら、アレだよ、場の空気を和まそうと思って、ちょっとした冗談だよ冗談、小町は初めからわかっていたのだよ、それをあえて知っているか試しただけだよ」
などと本人は供述しているが、当の2人は先ほどよりも残念そうな顔で小町を見ていた。
「な、なにさ、その顔は、ほんとだって、ほんとのほんとにわかってたよ」
未来はそんな小町を見てため息をついた。
「はぁ、帰ったら一緒に国語の勉強しようね、響と一緒に」
勉強という言葉を聞いた瞬間小町の顔が青くなる
「未来様、ほんとの、ほんとにわかってたんですって、どうか未来様のスパルタ勉強コースだけはご勘弁を」
祈るように未来は懇願する小町を見て未来は一言
「ダメ♪」
「いやぁぁぁぁぁ」
1人の少女の絶叫が響渡った。
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それからしばらく走り続けやっと近くの避難所に来ることができた。
「ここまでくれば一安心だね未来ちゃん」
そう言って未来に笑いかける小町
「そうだね、でもなにがあるかわからないし、油断しちゃダメだよ」
未来の言葉にウンウンと頷く少年。
「ほら、小町ちゃんよりもこの子の方がわかってるよ?」
「ガーン」
親友のあんまりな発言に胸を痛めたそぶりをする小町。
それを見て笑う未来と少年。
そして、その光景を嘲笑うかのように背後に近づく影。
ノイズがおってきてないか確認しようと後ろを再び確認する3人。
先程まではノイズの影すら見えなかったことで、どこかで油断していたのだ。
ノイズはもう追いかけてきていないと。
たしかに、普通のノイズであったのならそうであろう。
先程まで全く追ってきていなかったのに突如現れたりしない。
だが、そもそも今起きている事態ことが普通ではないのだ。
3人が振り返ったすぐ後ろには、直径2メートルはあるノイズが佇んでいた。
「「「きゃぁぁぁぁぁ」」」
3人はすぐさま避難所まで逃げようと走り出すが、少年が石につまずきころんでしまった。
そして、手を繋いでいた未来もそれに引っ張られてころんでしまう。
小町は2人が転んだことに気づきすぐさま2人の元へと向かった
「大丈夫、立てる?」
「う、うん、痛いけど大丈夫、早く逃げないとノイズに…」
「それじゃあ行こう、手を出して」
今度は小町とも手を繋ぎ2人で少年を引っ張りながら走ることにしたが、
それでも、ノイズの速さに比べると格段に遅い。
徐々に追いつかれていることに全員気づいているがどうしようもない。
彼女たちにはノイズに抵抗する手段はないのだから、
少女たちを追うのを諦めるか、勝手に自壊してくれるのを待つしかない。
だが、それよりも早く私たちを捕まえる方が早いだろう。
それに少年の体力もそろそろ限界だ。
私たちのスピードになんとかついてこれているが、もう体力は残っていないだろう。
ここで、少年を見捨てればノイズは少年を取り込み炭となってきえる。
そうすれば2人は生き残ることができるが、この2人はそれをしない。
なぜなら、2人は命がけでノイズから人を守った人達を知っているから、だから、彼女たちは見捨てない。
それが自分たちの破滅へとつながっていても。
とうとう少年は体力の限界がきたのか座り込んでしまう。
「まだ走れる?」
そう未来は聞くが少年は首を横にふる。
「そっか、それじゃあしょうがないよね」
小町の方へと視線を向ける未来、そして、それに頷きを返す小町
「しょうがないか、少年1人を置いていくなんてできないしね」
置いていかれると思っていたのか、驚いた顔をしていら少年に未来は言う
「私たちはね、もうこれ以上誰かを犠牲にはしたくないの、だから…だから…」
それ以上未来の言葉は続かない。
わかっている。
そうやって覚悟しても、やはり死ぬのは誰だって怖い。
できることなら生きていたい。
だけど、この状況では生き残るのは絶望的だ。
そんな中小町は、二年前のあの日を思い出していた。
二年前のあの日私たちが生きるのを諦めていた時に天羽さんがかけてくれた言葉を、もやがかっかっていて良く思い出せないが、なぜか思い出さなくてはいけないような気分になっていた。
3人で手を繋いで座り込んでいた。来るべき死神を、せめて3人一緒にと…
ノイズとの距離はもうほとんどない、後数秒もすれば自分たちは仲良く炭素になるだろう。
「あっ」
突然大きな声を出した小町に未来はどうしたのと問う
「こんな時なんだけど、思い出したんだよ、二年前のあの日こんな感じの絶対絶望の時に天羽さんがかけてくれた言葉をさ」
だが、それは三年前だからこそだ。あの時は目の前に戦える人がいた。
今いるのは少女2人に少年1人。戦えるような人は1人もいない。
だけど、この2人には伝えたかった。
天羽さんが二年前言ってくれた言葉を
そんな話をしていると目の前にはノイズが接近していた。
もうだめだと2人は目を閉じた。振り下ろされるノイズからの攻撃をただただ待っていた。そして…
「そう確か………
「「生きるのを諦めるな‼︎」」
小町の声と誰か男の人の声が響く。
そして今にも襲いかかろうとしていた目の前のノイズは緑と黒の槍で一突きで炭へと返った。
男はノイズが消滅したのを確認するとこちらに近づいてきた。
「大丈夫か?怪我はないか?」
こちらの安否を気にかけてくれる私たちの命の恩人。
だけど小町だけなぜが顔色がおかしい。
それにこの男の人私もどこかで見たことがあるような顔つきだ。
「………お、お兄ちゃん」
やっと小町と未来を出せました。
ここからちょっとずつ原作から離れていくので、それが苦手な人はご遠慮ください。