新しいガングニールを纏い商店街の方まで急いで来てみたが酷い有様だ。
ところかしこに人が炭になった跡があり、更には店もノイズによって壊されている所が多い。
場所は違えど2年前のコンサート会場を彷彿させる光景だ。
そして、もちろん目の前には大量のノイズの群れが湧いている。
俺は槍を構えて、目の前に立ち塞がるノイズを貫き通す。
「おわっとと、これは今までよりも出力が格段に上がってるな」
たった一度振るっただけで目の前の五体のノイズを炭へと返す。
阿修羅丸との契約により、基本スペックも底上げされているようだが、目の前のノイズの群れを見ればたかが五体倒しただけに過ぎない。しかも小型のノイズだ。あの群れの中にはここから見えるだけでも大型のノイズが多数存在している。
「はぁ本当にどっから湧いて来てるんだか…」
だがまぁ溜息ばかりついていてもノイズの数が減るわけでもない。
それに今回の俺には時間制限がある。
今は体に痛みは感じないが後から痛みが出てくると阿修羅丸は言っていたことから、そう長い時間は戦えないと考えるべきだろう。
この数相手に短期決戦とはなんとまぁ非現実的だこと。
それでも一刻も早く立花の元に駆けつけなくてはならない。
「とりあえず影操で槍に影をまとわりつかせ大きくする」
それにより身の丈ぐらいだった槍はふた回りほど大きくなる。
それに、大きくなったと言っても増えた部分は影なので質量も変わらず、軽々と持つことができる。
とりあえず動くだけで被害が増える大型ノイズから倒して行くのが得策か
そう考えて、ふた回り大きくなった槍を大型ノイズがいる方向に向ける。
「直線上に無数の小型ノイズがいるが、纏めて吹き飛んでもらおうかぁぁ」
腰のブースターを作動させ、槍を先頭にノイズの群れに突っ込む。
凄まじい勢いに直線上にいた小型ノイズどもは吹き飛ぶがそれでも彼は止まらない。
「これでどうだぁぁぉぁぁぁ」
狙っていた大型ノイズ目掛けて突撃する。
そして、槍が届いた瞬間大型ノイズは爆発する。
これでまずは一体倒せたのだが、倒した本人はスピードの出し過ぎで止まらないでいた。
「やべぇぇぇとまらねぇぇぇだれかとめてくれぇぇぇぇぇ」
槍を地面に突き刺し、足で踏ん張りをつけることでようやく止まることができた。
彼が通った跡には綺麗な直線上の道がノイズとの間にできていた。
「目標一体は倒せたが、これはあんまし使わない方がいいな。使った後に止まるのに一苦労するしな」
そう言って彼が見たのは目標がいた地点と今自分がいる地点。
大体止まるのに2kmぐらいかかっている。
これでは直線上に味方や一般人がいた時急に止まらないとぶつかる可能性がある。
それに止まったとしても、今のままだと止まりきれない自信がある。
そんな不完全なものを戦場で使うわけにはいかないしな
「それじゃあ次は目の前の小型ノイズにするとしますか」
そういうと先程まで槍にまとわりついていた影が槍から離れ、幾重もの槍の形を形成し始めた。
これは奏さんが使っていた技に近いが、俺のは槍を増やすのではなく影で槍をコピーして敵に投げつける技だ。
まぁ、実際大して変わってはいないが。本体か影かの違いぐらいだし
やることも同じだからな
そして彼が本体の槍を投げるのと同時に他のコピーもノイズに向かって一直線に飛んで行く。
当たったコピーはノイズの消滅とともに元の影へと戻る。
「今ので小型はかなりの数がやれたはずだ、しかしまだまだ敵さんは健在ですよねぇ」
彼の攻撃を受けて消えていったそばから後ろのノイズがこちらに向かってくる。
彼は本体の槍が敵の真ん中あたりまで飛んでいったところで次の技を使う。
「影深」
彼が一言そう言った瞬間槍もろとも槍の周りにいたノイズどもが消えた。
次の瞬間には彼の足元の影から槍が出てくる。
その槍で、目の前まで迫っていたノイズを突き破る。
「いける!!いけるぞ!!この力があれば!!」
強くなった自分に若干ハイになってる彼は再びノイズの群れへと突進して行く。
ちなみにこの台詞はもちろん今日ベットの上で悶えることになるだろう
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しばらくして、商店街のノイズを殲滅することに成功した。
大技の間に小技を挟み効率よくノイズを倒していたが数が数だけに相当な時間を有してしまった。
それに大技の使いすぎでまともに動けない。
とりあえず司令にノイズ殲滅の報告をしようとした瞬間後ろから声をかけられる。
「比企谷君」
ふり向こうとした瞬間首筋に何かを押し当てられた。
そしてそのまま押し当てられたものから首に何かが注入されているのがわかった。
すぐさま距離をとろうと後ろへ飛ぶが平衡感覚がおかしい。
目の前がぐらぐらして目眩がする。
「お、お前何をした。俺に何を打ったんだ‼︎」
目眩がする頭で元凶を見上げるとそこには…
「あら〜おかしいわね象でも眠らせられる睡眠薬を打ったのにまだ意識があるなんてやっぱり人間離れしてるわね」
俺の目の前には自称できる女の櫻井さんが立っていた。
「…な、なんで櫻井さ…ん……が…」
「あら、効いてきたのかしら、よかったこれで手荒な真似はしなくてすみそうね。ほら、いいのよ比企谷君眠って、あなたはもう永遠に目覚めることはないのだから」
朦朧とした意識の中で最後に見た櫻井さんの姿はいつもの櫻井さんとは違った気がした。
「ふぅこれでまた計画が一歩進むわね、それじゃあ彼を回収して戻ろうかしら」
そう言って彼女は倒れている彼を抱き抱えて去っていった
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「おーい戻ったぞダンナ、緊急招集ってなんだ?あたしは戦闘続きで疲れてるんだ早くしてくれ」
司令室にそう言って入ってきたのはたった今ノイズとの戦闘を終えて帰ってきた天羽奏だった。
「すまないな重要な要件だ……よし、これで全員揃ったな」
そう言って司令は周りにいる人物を見渡す。
そこには入院していた風鳴翼、もう一振りのガングニール奏者の立花響、立花の友達の比企谷小町と小日向未来、緒川さん、藤孝さんたちオペレーターの人たち、櫻井さんたちニ課のメンバーが勢ぞろいしていた。
ただ1人を除いて
「そのようですね、叔父様」
入院していたはずの翼がいるのに驚いて、体の具合を尋ねた。
「おい翼体の方は大丈夫なのかよ、もう動いていいのか?」
「あぁ奏か、心配をかけたなすまない。だが防人としてこれ以上休んでいるわけにはいかないのでな」
「そうか、だけど無理はするなよ病み上がりなんだから」
翼が元気になって良かったが、それにしても見たことない人物が2人いるがあいつらは一体誰だ?それにダンナは全員揃ったと言ってたがハチの野郎は一体どこにいるんだ?
そんな奏の疑問に答えるように司令が口を開く
「みんな集まってもらってすまない、まずこちらの2人だが比企谷君の妹さんの比企谷小町くんとその友達の小日向未来くんだ。」
司令に紹介された2人はおずおずと言った感じでみんなの前にでてきた。
「ご紹介に預かりました、比企谷八幡の妹の比企谷小町です。これから皆さんよろしくお願いします。」
「同じく小町ちゃんと響の友達の小日向未来です。精一杯頑張るのでよろしくおねがいします。」
「というわけでこの2人には外部協力者として協力してもらうことになった、みんな仲良くしてくれ」
新しい協力者か、まぁ立花のことはよく知らないがハチの妹なら仲良くなれそうだな。
けどこの報告のためにみんなを集めたのか?いや源十郎のダンナならやりかねないか…それなら、もう帰って風呂に入ってもう寝たいんだけどな
「そしてもう一つ嬉しい知らせがある、ネフシュタンを身に纏っていた少女雪音クリス君の捕獲に成功した。幸い特に目立った怪我もなかったので今は事情聴取中だ。」
あぁそれもあったか、ハチの野郎が上手くつかまえてたしな。あの状況だとあたし1人じゃあ捕まえられなかったからな。まぁそのあとぶっ倒れたハチを連れ帰ったのはあたしなんだけどな
「ここまで、いい知らせだったがここからは悪い知らせだ。まず一つ目は彼女が纏っていたネフシュタンの鎧が何者かに盗まれた。ニ課の警備をかいくぐってのことだ。内通者がいるのかもしれない。」
なるほど、それは一大事だが。今のニ課の戦力ならネフシュタン一つ相手に遅れはとらないはずだ。
たしかに痛手だが、そこまで悪い知らせではないな。
纏っていた少女もこちらがつかまえているわけだし
「そしてもう一つの悪い知らせというのが…」
心なしか先ほどよりも空気が重くなった。
ハチの妹やその友達も顔色が悪そうだ。
一体何があったっていうんだ…
「比企谷君の反応がロストした。恐らくは敵に捕まったと思われる。目下捜索中だがめぼしい情報は今の所ない」
「なっ、は、ハチの野郎が敵に捕まったっていうのか⁉︎」
「落ち着け奏、まだそうと決まったわけではない。あいつのことだいつのまにかひょっこり現れるかもしれない」
そう言って司令に詰め寄ろうとする奏を翼が宥める。
「比企谷君の方は必ず俺らが見つけ出すから、安心してほしい。それよりもだ、敵の正体を未だにつかめていないことだ。クリス君に関してもまだめぼしい情報を吐いてはいない。各自警戒して任務にあたってほしい」
これで話は終わりだとダンナが締めくくる。
そのままダンナは黒服の人たちを引き連れて部屋を出る。
恐らくはハチを探しに行くのだろう。
それならあたしも一緒に探す。
ハチはあたしの相棒だからな
「ダンナ‼︎あたしも一緒に行くぞ」
ダンナは止まってこちらを振り向く。
少し考えるそぶりを見せるが、ダンナはダメだという。
「…いや、ダメだ奏は今日連続戦闘で疲れている。またいつノイズが現れるかわからないんだ。休めるときに休んでおけ。いいかこれは司令命令だわかったな。」
そう言ってダンナは去って行く。
その背中を見ていることしかできないあたし。
昔の何もできない自分を見ているようで嫌になる。
母親と父親をノイズに殺されるのを黙って見ていることしかできなかった自分に…
「ハチ…」
無印は奏さんがヒーローみたいなイメージで八幡がダークヒーローみたいなイメージで作ってます。