つい最近GXまでブルーレイ揃ったので、5期までにはAXZをそろえたいですね
それよりも5期のビジュアル的に未来さんの神獣鏡復活フラグでは?
『…まん、はち……おき…』
誰かが俺を呼んでいる声が聞こえる。
誰だこの声は…
聞いたことがある声だ。
とりあえず目を開けてみるとそこは何もない真っ黒な空間だった。
「ここは一体…」
『はち……こっち…』
また声が聞こえる。
だが辺りを見回して見ても声の主は見当たらない。
ただただ黒いだけの何もない空間である。
『はやく……まん…ちへ…』
まただこの声は誰かを呼んでいるようだ。
だがこの空間には俺1人しかいない。
ということは多分この声は俺を呼んでいるのではないか。
これで違ったら恥ずかしいなんてものじゃないが…
とりあえずここがどこかもわからないので俺は声のする方へ進んでみることにした。
そして、声の方へ進んでみるとは言ったものの進んでも進んでも一向に声の主の元には辿り着けない。
時間にして約30分ほどだろうか、時計を持っていないので正確な時間はわからないが、声の元へと進みだしてから大体そのくらいがたった。
しかし、一向に声の元には辿り着けず空間にも何の変化も現れない。
これはどうしたものかと途方にくれる。
そもそもこの場所はどこだ、俺はここに来る前なにをしていたかも思い出せない。
最期の記憶は小日向と小町と別れたあたりで途切れている。
まさかとは思うがあの後ノイズにやられて死んだとかそういうオチではないだろうか?
そうするとここは地獄ということか、それならこの暗さも納得できるがどうも違うような気がする。
『はち……ぼくの……よん…』
それにこの声も先程から少し言っていることが変わったような気がするが、なんて言っているか全くわからない。
「ぼくの…なんなんだよ、全く持ってわからない。こんなときに阿修羅丸がいてくれれば少しは力をかしてくれたかもしれないな」
まあその時はまた契約を結ばされそうだけどな
それでもこんなわけのわからん場所に閉じ込められているよりはましだと思う。
いきなり目の前が光り始める。
「な、なんだ俺なんかしたか、いつのまにイベントフラグ回収してた?」
光が収まり中から出て来たのはなんと阿修羅丸だった。
『全くもう、気づくのが遅いんじゃない?』
いかにも怒ってますって頰を膨らませて抗議して来る。
しかも、気づくってなに?俺はまだ何にもこの状況についていけてないけど?
「いや、俺には全くなんのことだがさっぱりなんだが…」
『さっきからぼくがずっと呼んでいるのに君ときたら無視し続けるんだもん』
「さっきから呼んでいたのはお前だったのか?」
『そうだよ、僕がせっかく助けようとしたのに僕の言うことに全然耳を傾けてくれないんだもん』
「なるほど先程からの声は阿修羅丸からの呼びかけだったのか、だがそれならなぜもっとわかりやすく話してくれなかったんだ?こっちはなにを言っているか全然わからなかったぞ」
『…そういうことか』
そういうと阿修羅丸は何か考えるそぶりをし始めて1人でぶつぶつあーでもないこーでもないと何か考え事し始めた。
いやぁーできれば俺にもこの状況の説明をして欲しいんだけどな。
そんな想いが伝わったのか阿修羅丸は独り言をやめて顔を上げた。
『いや悪いね少し考えごとがあってね…それでこの場所だけど君は知っているはずだよ、2年前にここに来ているからね』
2年前に来たことがあるということは、おそらくこいつと初めて契約を交わした場所だろう。でもどうして今ここにいるのだろうか。
『ああ君はどうしてまたこの場所に来ているのか気になっているよね。それはさ、君との契約が終わりに向かっているからだよ八幡』
「どういうことだ?契約が終わりに向かっているって、俺はそんなに契約を交わした覚えはないぞ」
驚いている俺に比べて阿修羅丸はいたって冷静だ。
『ああそうだろうね、それは僕も同じさ、君との契約が終わるくらいの契約をした覚えがない。だけど契約していなくても君は僕との契約で少しずつ呪いが体を浸食するようになっていた。つまりそこを狙われたわけだよ』
わけがわからない。たしかに契約時の浸食の他に阿修羅丸を使ったりすると少しずつではあるが呪いが広がっていくというふうに言われていたが、それも櫻井さんの薬でかなり軽減していたはずだ。
こんないきなりその浸食だけで呪いが満たされるとは思わない。
『そういきなり浸食が広がるわけがないんだよ、何の要因もなければね…』
要因?全く持って検討がつかない、一体俺の体に何にがあったっていうんだ⁉︎
『八幡は覚えてないのか、それとも目をそらしているだけなのかはわからないけど櫻井了子による仕業だよ。君は小町君たちと離れた後ノイズの群れを殲滅した、けどその疲労により後ろから近づいて来る女狐に気づかなかった。その隙を突かれて強力な睡眠薬を打たれて君はまんまと敵に捕まったわけ』
「はぁ!?嘘をつくな!!何で櫻井さんがそんなことをする必要があるんだよ!!だって櫻井さんは二課のメンバーで仲間のはずだろ」
そうだ2年前のあの日扱いに困っていた俺を二課で面倒みてくれるようにしてくれた人たちの1人だぞ、それなのに櫻井さんが敵とか意味がわからない。なら、2年前のあの時どうして俺なんかを助けたのか。
『はぁ、全くもってしょうがないご主人様だなぁしっかりしてよあんまり時間は残されていないんだよ。』
阿修羅丸の声色にはいい加減現実を見ろと訴えかけていた。
『そもそもさ、今こんなところにいる時点で覆せない証拠だっていうのに。』
阿修羅丸が言っていることは正しい。
今ここに俺がいることが櫻井さんが敵であるなによりもの証拠なのだから。
「…一体いつからだ、いつから櫻井さんは俺たちの敵だったんだ」
『そんなの決まってるじゃないか、始めからだよ始めから』
始めからだと…始めとは一体いつからだ、俺が阿修羅丸を手にした時かそれとも立花がガングニールを起動させた時か?奏さんがガングニールに適合した時か……わからない、わからないことが多すぎる
一体いつから櫻井さんは俺たちの敵だった…
『言ったじゃないか始めからだって、それは風鳴翼が聖遺物である天羽々斬を起動させた時からだよ。』
「なっ!?それは本当なのか!?」
『本当だとも、僕と彼女は少し因縁があってね。その時に彼女のことを知ったのさ』
だが、それなら俺と契約した時には阿修羅丸は彼女が敵であると知っていたことになる。それならなぜ教えてくれなかったのか
『そんなの簡単だよ、言ったって君は信じないだろ?だから僕は何も言わなかった。実際に直面するその時までね、それで今がその時ってわけ』
そういうと阿修羅丸はこちらに近づいてきておもむろに手を伸ばしてきた。
その手は俺の目の前で止まる。
色々なことを一気に聞かされたお陰で頭の中がぐちゃぐちゃで目の前の手の意味なんて考えている余裕はなかった。
『そして、この状況で君が僕のいうことを信じてくれるなら契約を結ぼう』
阿修羅丸の言葉に思考が止まる。
契約だと?今この状況で?阿修羅丸の言っていることが本当ならこのまま放っておけば俺の魂は消えて体は阿修羅丸が引き継ぐ筈だ。
それなら今ここで更に契約を結ばなくてもいい筈だ。
何もしないことが阿修羅丸にとっては最善策のはずなのになぜここで契約の話を持ち出して来るんだ?
『君の考えている通りであってるよ八幡、このまま何もしなくても君の体はこのまま僕が譲り受けることになる。全く持ってその通りだ……そしてそのまま女狐の操り人形の完成さ』
「操り人形だと?どういう意味だ体を乗っ取った後は阿修羅丸の物になるんじゃないのか?どうして櫻井さんの操り人形になるんだ?」
『詳しく話すと長くなるから簡単に説明すると僕たち呪具を作り出したのは彼女なのさ、そしてその時に隷属の刻印を同時に施したんだよ。契約者の体が呪いに完全に呑まれてぼくたち呪具のものになったとしてもその刻印が刻まれている限り、彼女の命令には逆らえないただの人形に成り果てるというわけさ』
櫻井さんが呪具を作っただと!?
だが、それはおかしい呪具は何十年も前から存在している筈だ。
そうすると櫻井さんは呪具が生まれ出た時にはまだ生まれてもいない。
阿修羅丸の話には矛盾が生じている。
『うん?ああそうか君は知らなかったよね、彼女は何百年も前から存在するんだよ。リインカーネイションシステムって言う簡単に言えば輪廻転成をするシステムによって何百年もの間生き続けているんだ。』
そして、その条件は聖遺物の発するアウフヴァッヘン波形により呼び覚まされる形になるため、たまたま天羽々斬を起動した翼さんと一緒にいた櫻井さんの中のフィーネが復活してしまったらしい。
そして、フィーネというのが俺たちの敵であり、彼女自身の敵であると阿修羅丸は言っていた。
なんとも信じがたいことの連続だが、それらも今の状況を考えれば信じざるおえない。
『…僕はね八幡、あの女の思い通りに行くことだけは我慢ならないんだ。だから僕と契約を結ぼう君の体に呪いが回りきる前に、それにこのままだと君が守りたいと思っていた人達も死ぬことになるよ。それでもいいのならこのまま消えればいいさ、この後の地獄に君の妹たちを残してね』
「っ!!それはどういう意味だ!?小町たちに何が起きるんだ!!」
『彼女の目的は……いけない八幡時間がない。早く決断してくれ!!今ここで僕と契約を結ぶか、それとも大切な人を残して死ぬのか。』
そう言って阿修羅丸は焦ったように手を伸ばしてくる。
俺の体に呪いが回りつつあるということだろう。それに心なしか体の感覚が薄くなってきた感じがする。
阿修羅丸との契約は今まで何度かおこなってきたが、それはいつも俺からだった。
彼女自身から進んで契約を進めてきたことはない…多分だが
だがらこそ、この契約は彼女にとってはとても大事なことなんだろう。
それなら俺は………
次の瞬間には目の前が光って俺の体は光の中に消え去っていった。
〜数週間後〜
「こちらa班未だ目標の手がかりはつかめていません。」
「そうか、わかった引き続き捜索を頼む」
そう言って風鳴司令は通信を切る。
彼が居なくなってから数週間一向に何の手がかりが見つからず、ノイズの発生も以前ほど頻度が減っていた。
なので、その分の人員をこうして彼を探すのに費やしているのに未だに尻尾すらつかめていない。
「それでも、必ず見つけ出す、そう約束したからな。それに子供との約束一つ守れないかっこ悪い大人になんてなりたくないからな」
すると今しがた切ったはずの通信機に連絡が入った。
「こちら風鳴だ、どうした何か見つかったか?」
「司令、対象を確認しました。場所はうわぁぁぁ」
「どうした?何があった応答しろ!!おい!!」
いきなり通信が切れてしまった。
すかさず本部に掛け直すとちょうど通信が切れた場所でノイズの発生が確認されて今奏が向かっているようで、司令は本部まで戻ってくるようにとのことだった。
ーーーーーーー
天羽奏は走っていた。
今しがたハチが見つかったと通信が入ったがその直後おんなじ場所にノイズが発生した。
「無事でいろよハチ」
奏はなぜか嫌な予感がしていた。
幼い頃両親を失った時のような嫌な予感が…
その予感を振り払うように彼女は目的地目指して突っ走る。
そして、たどり着いた目的地には確かに彼が立っていた。
それにノイズどもも一緒に。
だが彼はそのノイズたちに襲われているわけでもなく、そのノイズを倒しているわけでもない。
その姿はまるでノイズを操っているようなすがた。
ノイズを使って人を襲わせようとする自分の相棒の姿だった。
「ハァァチィィィィィィィ」
彼女の嫌な予感は的中した。
今の彼は彼女の知る彼ではなくなってしまった。
なればこそ、こんな姿を彼の妹や慕っている奴らに見せるわけにはいかない。
今ここで彼を止めてみせる。
そう思い彼女はガングニールを纏い、槍を振りかざすが、それを彼はやすやすと刀で受け止める。
『そんなものか、槍女?弱者に興味はない、消えろ』
「かはっ」
鮮血が飛ぶ。
今あたしは切られたのか?動作が全く見えなかった。
気付いた時には、上半身を斜めに切られていた。
しかも纏っているガングニールをやすやすと通り抜けて。
あれはもうあたしの知っているハチではなくなっていた。
人を斬るのに一切の躊躇いを持っていなかった。
それにあたしのことも覚えていないようだった。
薄れゆく意識の中で見えたのは以前のような腐った目ではなく紅く輝く目をしたあたしの知らない彼だった。
それではまた次回までお待ちください