専門学生になってすごい忙しくて全く書いてる時間がありませんでした。
「……ん、ここは…」
辺りを見渡せば長い間お世話になっている二課の医務室の天井が見える。
今あたしがここにいるということはやっぱりあたしを斬ったのは彼ということになる。
いなくなった数週間のうちに一体彼に何があったのだろうか
すると突然ウィーンと機械的な音を立てて医務室の扉が開き源十郎のダンナが入ってくる。起きているあたしを見て足早にこちらへとやってくる
「目が覚めたのか奏…体の方は大丈夫か?」
「ああ、体の方は見た目よりもあまり痛みがないから大丈夫だ。それよりもハチに一体何があったんだ?」
「ああそのことなんだが、あくまで櫻井くんの予想だが比企谷くんは阿修羅丸に体を乗っ取られている可能性があるそうだ。」
「なっ!?嘘をつくな‼︎櫻井さんだって飲み込まれるのは大分先だって言ってた筈だろ。それがいきなり乗っ取られたなんてそんなわけあるか‼︎」
「それはそうだが、何しろ相手は未知数だ。もしかしたら俺たちの知らない先史文明の技術を使い覚醒を促したのかもしれん。それに比企谷くんがもう彼自身ではない事を一番わかっているのは、彼から攻撃を受けた君なんじゃないか」
「っ!!」
全く持ってその通りだ。あたしの攻撃を軽々と受け止めて斬り伏せたハチはあたしが知っている彼ではなかった。
そんなことはあたしが一番知っている…でも、それでも、あいつが既に阿修羅丸ならあたしの知ってるハチはもう死んじまったってことだ。
「…このことは妹の小町には言ったんですか?」
「ああ伝えたさ、響くんにも未来くんにも小町くんにも伝えた。もしかしたら彼は彼では無くなってしまったかもしれないって」
そう言う源十郎のダンナは悔しそうな顔をして手から血が流れるほど拳を握りしめていた。
そんなお通夜状態の中再び医務室のドアが開く。
「目が覚めたのか奏ぇ、よかったぁほんとうによかったぁ」
中に入ってくるなりあたしに抱きついてきたのは翼だった。
「ちょっ、待てよあたしをおいていくな」
そして、翼の後に入ってきたのは見間違えようがない。
翼を倒して、ハチに大怪我を負わせた女だ。
なんだってこいつがこんなところにいるんだ。
取り調べを受けている筈じゃなかったのかよ…
「彼女の名前は雪音クリスだ。この前まで敵だったが訳あって今はオレたちに協力してもらっている。」
「なっ!?ダンナ本気で言ってんのかそれ!?この前まで本気で殺し合いをしてたんだぞ、それに翼だってこいつとの戦闘で重傷を負ったんだ。それを目的が一緒だからって今更仲間になりましただと!!そんな綺麗事真っ平御免だね」
あたしの発言に翼とダンナは顔をしかめている。
だが、あたしにだって譲れないものがある。翼やハチ、仲間を傷つけたこいつがいきなり仲間になったなんて言われたってはいそうですか…ってなるわけがない。それに翼に関しては死ぬかもしれなかったんだ。
その原因である彼女を信頼できる仲間にできるかって聞かれたらもちろん答えはノーだ。
「ああ、そんなことはこっちだってわかってんだ。あたしだってあんたらと仲良しこよしをするつもりなんてねえよ。あたしには絶対に倒さないといけないやつができた、だからそれを倒すための間だけの協力関係だ。それが終わればこんなところすぐに出て行ってやるよ」
そう言ってあたしが睨みつけている彼女が言い返す。
2人の間に険悪な空気が流れている。
そして、2人のにらみ合いが続きまさに一触触発の瞬間再び扉のドアが開く。
「奏さんが起きたってほんとですかー!!」
元気いっぱいに飛び込んできたのは、あたしと同じガングニールを身に宿す立花響、その後ろには小町や小日向がいた。
「こら響、医務室で大声出さないの、すいません奏さんお騒がせしました。」
「ほんとだよ響ちゃん、病院では静かにしないといけないんだよ」
そう言って2人で立花の頬っぺたを横に引っ張った。
「いひゃいいひゃいわかったからはなしてーー」
「ほらまた大声出して響ったら学習しないんだから」
2人に両頬を引っ張られながら抗議する立花を見ていると笑いがこみ上げてくる。
あたしの笑い声に気づいたのか立花の頰を引っ張るのをやめてこちらにやってくる。
「すいません、奏さん騒がしくしてしまって、ほら響も」
「奏さん元気になって良かったです。それと大声出してすいませんでした」
「いいって、あたしもしけた空気は嫌いなんだ、むしろ元気いっぱいな立花の声を聞いてあたしまで元気になれそうだ」
「えへへ、そんなに褒めないでくださいよ」
「「調子に乗らないの響(ちゃん)」」
立花が入ってきたことにより、先程までの険悪な空気は何処へやらとばかりに頰が緩む。
立花がいて、小日向がいて、そして妹の小町がいる。この光景があいつの守りたかったものならば、あいつはたしかにそれを守っていたのだろう。ただし、それは自分自身をチップとしてだが…
だから今度はあたしの番だ、この光景を守った奴を首根っこ引っ張ってでも、あいつの居場所に連れ戻してやる。それがあたしに今できることだ。
そして、元気いっぱいの立花はさっきまでいがみ合っていた彼女に気づいたようだ。
「あっ‼︎ここにいたのクリスちゃん‼︎」
「う、うるせぇんだよこのバカ。あたしがどこにいようとあたしの勝手だろ」
クリスと呼ばれた彼女は先程まであたしと言い合っていた敵の名前だ。翼を傷つけ、ハチをボコボコにしたあの少女の名だ。
そして今現在ハチが帰ってこれない原因の一つでもある。
なのに立花はその原因に対し、まるで友達と会った時のように彼女の元へと走っていく。
「立花こいつは…」
「はい、新しく仲間になった雪音クリスちゃんです‼︎奏さんもしってますよね、ネフシュタンの鎧を纏っていた子です」
そんなことはわかっている。あたしが聞きたいのはなんでそんなにも簡単に敵だった奴と仲良くなれるのかってことだ。
「だが、そいつは!!」
「そうですよね、翼さんとお兄さんを傷つけた人でもあります。けど、私はそれでもクリスちゃんとは仲良くなれると思うんです。クリスちゃんにはクリスちゃんの夢があってそれを叶えるために戦っていました。」
夢か…だが、そんなもの誰だって持っているものだ。どんな人間だって夢は持っているものだ。こいつだけが特別なわけではない。そして、その夢を持つもの同士ぶつかり合うことだってある。
「そして、私達にも私達の目標があります。だからクリスちゃんとぶつかっていましたが、私はクリスちゃんの夢と私たちの目標それは手を取り合えるものだと思うんです。何度かぶつかっていっぱい怪我をしたけどそれでも手を取り合えると思うんです」
私たちの目標?あたし達の任務はノイズが出てきたときの人的被害を最小限に抑えることだろう。それとどうしてノイズを操り被害を増大させた彼女と手を取り合うということになる?
話題の中心人物である彼女に目線を向けると顔を真っ赤にして恥ずかしそうに俯いていた。
「立花一つ聞きたい、彼女の夢ってなんだ?」
「はい、それはですね…」
「あーあーあーあー何も聞こえなーい、何も言うんじゃねぇー」
突然雪音が騒ぎ出す、そんなにも聞かれたくないことなのか?
「未来、小町ちゃん」
「うん」
「おっけー」
立花が名前を呼ぶと小日向と小町は騒いでいる雪音を押さえつけ始めた。
「クリス、少し静かにしようね」
「そうだよクリスちゃんここは医務室だから騒いじゃダメだよ」
「ふが、おい、おまえら、むぐ、んーんんーん」
見事な連携プレーで雪音は2人によって無力化された。
医務室の椅子に縛り付けられ口にはガムテープが貼られている。
それでも何とか抜け出そうとする彼女を2人で抑え留めてる。
聞くなら今のうちだと思い再び立花の方へと視線を戻す。
「立花、それで彼女の夢ってなんだ?」
「はい、クリスちゃんの夢は世界から戦争を無くすことなんです。」
だから、私たちは協力しあえますと語る立花にあたしは矛盾を覚えた。
彼女の夢は戦争を無くすことだと言ったが彼女の行動ではむしろ戦火を増やしているように思える。
ならば、これは彼女がついた嘘だ。
そう思い雪音の方を振り返れば、今にも彼女は顔を真っ赤にして今にも泣きそうな顔をでこちらを親の仇のように睨みつけていた。
あっ、ふーん。なるほど彼女の反応から察するに嘘じゃないようだ。
ならなんであんな非合理的な行動を取っていたのか不思議に思ったが、あたしの反応を見て彼女のことを旦那が教えてくれた。
彼女の両親のこと、紛争地域でその両親を失ったこと、帰国の途中で消息を絶ったこと、それからの事は彼女から聞いた話だと旦那が言っていたがどれも酷いものばかりだった。
しかし、そんな彼女にも分かり合える人ができた、それがフィーネと呼ばれる敵の親玉らしいのだが、そんな人物にも彼女は捨てられた。
どうやって入ったのかはわからないが二課の本部からネフシュタンの鎧を強奪し、そのまま消えたらしい。
フィーネにとって所詮雪音はただの道具に過ぎなかったと言ったらしく、更にこいつよりももっといい道具が手に入ったとも言っていたらしい。
「クリスちゃんのやり方はたしかに正しいものじゃなかったのはわかります。でも、私はクリスちゃんの夢だけは間違いではないと思うんです。だから、私はクリスちゃんを信じます」
そう言い切る立花はあたしには眩しく見えた。
今のあたしはハチのことで精一杯で、翼やハチを傷つけたこいつを絶対に許せないと思ってたし、それは今でも変わらないが、ハチが信じた立花を信じてみるのも悪くないような気がする。
「ぷはっ、全くやっと離れやがったか……言っとくが、あたしには仲間なんていねぇ、誰の仲間にもならねぇ、ただ倒さなきゃいけないやつがいるから協力するだけだ」
2人から解放された雪音はあたしに向かってそう言ってくる。
そんなめんどくさい言い方をする雪音を見ているとハチを思い出す。
めんどくさい言い回しで何を言ってるのかわからないときもあるけどそれでもあたし達の仲間だ。
それを取り返すためなら鬼でも悪魔でも利用してやるさ、もちろん元敵だとしてもな
待ってろハチ絶対助けてやるからな
ちなみに俺ガイルとシンフォギアのクロスで八幡が黒服の一人みたいな設定も考えたりして書きたくなってました。
ポジ的には緒川さんあたりですかね、ハデスの帽子の完全聖遺物を所持しており、それを使いノイズから逃げ遅れた人たちの姿を隠して避難させるみたいな?
ちなみに普段はリディアンの教師をしている設定です。
気が向いたら書くかも?
それではまた次回